岡田淳のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
子どもが主人公の童話。変に説教くさくないのがよい。大人が読んでも十分面白けど、子ども時代にぜひとも読みたかった。
テレビゲームの中に迷い込んでしまった少年少女の物語なのだけど、何通りにも解釈ができるというか、何について書かれていたかと問われたら、読者それぞれに違うことを答えるだろうという物語である。
一方で、あれこれ解釈を加える前に、圧倒的に没入してしまうような、どきどきわくわくが盛り込まれた冒険譚でもある。子どものときに読んだら、一生ものの読書体験になったのではないかな。「はてしない物語」を読んだ少年のように。
生きることの辛さも知った大人としては、ゲームの中に入るのも、この世にオギャー -
Posted by ブクログ
今では子どもが異界やパラレルワールドに行く児童向けファンタジーは山ほどあるが、この本が出た昭和60年(1985年)にはそんなしゃれたものはなかった。外国のにはナルニアとかあったけど、岡田淳の物語は普通の日本の公立小学校の児童が登場人物なので、エドマンドとかペベンシー家なんてのよりずっと親しみやすく、覚えやすく、画期的な作品だったと思う。
今読むと、挿し絵が古いかな(太田大八さん好きですが)と思うし、登場する子どもたちの名前が昭和の感じはするけど、物語はやっぱり面白い。
なぞなぞの部分は『ホビットの冒険』を思い出すよね。
挿し絵を変えれば、新たな読者も獲得できるんじゃないかとも思うが、この絵が -
Posted by ブクログ
ネタバレ二分間の冒険で、初めて岡田さんの本を読み、面白くて気に入ったので、レビューによく名前が挙がっていたこの本を読んでみた。
こちらもゲーム仕立ての異界の話だが、のっけからいつまでも続く階段、異界になった学校が出てきて怖い話だった。
ゲームに出るキャラクターは、役割以外の部分はなんだったのか、とは面白い着眼点。
一人一人に物語があったはず。
一瞬でやられるザコキャラにも、想いはあり、過去はある。
ハリーの正体はうすうす分かったけど、あとで出会いの場面を読み返したら、ゲームってなんの話?というセリフに涙が出そうになった。知らなかったから、この役割なんだね、、、。
ラストで勇太たちが死んだのにはショ -
Posted by ブクログ
悟にあった時間は、体育館から保健室に行って戻ってくる二分間だけのはずだった。
だが悟は校庭で黒猫ダレカに出会った。
そして魔法の時間、魔法の場所に入り込んだのだ。
黒猫ダレカは悟の頭に語りかける。「ちょっと遊んでくれよ。おれを捕まえたらお前の勝ち。もとの世界に戻してやるよ。時間はたっぷりある。この世界でお前が老人になるかならないかというころに、元の世界ではやっと二分間がすぎるくらいさ。おれの探し方?おれは『この世界で一番確かなもの』の姿をしている。じゃあがんばれよ」
悟が迷い込んだのは深い森だった。出会ったのはクラスメイトと同じ顔と名前を持つ少年少女たち。
この世界では子供だけで暮らしていて -
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