岡田淳のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ二分間の冒険で、初めて岡田さんの本を読み、面白くて気に入ったので、レビューによく名前が挙がっていたこの本を読んでみた。
こちらもゲーム仕立ての異界の話だが、のっけからいつまでも続く階段、異界になった学校が出てきて怖い話だった。
ゲームに出るキャラクターは、役割以外の部分はなんだったのか、とは面白い着眼点。
一人一人に物語があったはず。
一瞬でやられるザコキャラにも、想いはあり、過去はある。
ハリーの正体はうすうす分かったけど、あとで出会いの場面を読み返したら、ゲームってなんの話?というセリフに涙が出そうになった。知らなかったから、この役割なんだね、、、。
ラストで勇太たちが死んだのにはショックを受けた。勇太は勇者そのものの役割だったのに。
バトル、もぐら男、みんないい人すぎる。
メルはスパイだと思っていて、悪の王がメルのナイフを持っていたのでやっぱりーーーと思ったけど、なんでも無かった。あれ、悪の王の正体は?お父さんとかおかあさんとか担任じゃないの??あかり=松明の明かり、はどうなったんだ?突然終わってしまい、もうちょっとカタルシスに浸りたかったのも事実。
忘れてしまう、忘れ去られる、恐怖について考えさせられる。 -
Posted by ブクログ
悟にあった時間は、体育館から保健室に行って戻ってくる二分間だけのはずだった。
だが悟は校庭で黒猫ダレカに出会った。
そして魔法の時間、魔法の場所に入り込んだのだ。
黒猫ダレカは悟の頭に語りかける。「ちょっと遊んでくれよ。おれを捕まえたらお前の勝ち。もとの世界に戻してやるよ。時間はたっぷりある。この世界でお前が老人になるかならないかというころに、元の世界ではやっと二分間がすぎるくらいさ。おれの探し方?おれは『この世界で一番確かなもの』の姿をしている。じゃあがんばれよ」
悟が迷い込んだのは深い森だった。出会ったのはクラスメイトと同じ顔と名前を持つ少年少女たち。
この世界では子供だけで暮らしていて、毎年それぞれの村から選ばれた二人が竜と知恵と力の戦いに出かけるという。竜に負けたら老人にされる。勝ったなら世界は竜から開放される。
悟はかおりのペアとして一緒に竜退治に行くことになった。
この世界の子供たちは、自分たちが選ばれたら竜との対決にゆくというルールを教えられるわけでもなく、大人という存在を知ることもなく、ただ『知って』いる。だがそれ以外のことは何も知らない。自分たちの食べ物はどうして出てくるのか?どうやって生活をすればいいのか?
悟とかおりが進んでゆくと竜退治に失敗して老人となった者たちに出会う。自分たちもこうなるのか?今後ずっとこれが続くのか?
しかしある村で、二人は秘密の竜退治の剣を手に入れたのだ。「これから向かう竜の館には多くの少年少女たちが集められている。だがこの剣を持った者だけが竜を倒せるのだ」
その言葉に励まされた悟とかおりは、竜の館に辿り着いた。
そこには他の村々から来た二人組の少年少女が集められている。
奇妙な沈黙、奇妙なよそよそしさ。
竜退治の順番が決められる。
だが、自分たちこそ本当に竜を倒せる武器を持っている悟とかおりは、そんな順番を守るより、竜を早く倒して他の人たちを助けようと考えるのだった。
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日常からいきなりファンタジー世界の冒険へ。
この冒険は現実世界では二分間だとわかっているのですが、子供たちでの竜退治や、この世で一番確かなものとは?という問とか、竜がいる事が前提の世界で竜を退治したらどうやって生活してゆくのだ、など本格的な冒険になります。
この世界は「子供」「大人・老人」がきっぱり別れていて、子供は「生活のことは考えなくて良い。ただ竜退治に選ばれたら出発する」というだけだし、老人は「負けたもの」「ズルいもの」となっています。
しかし悟が「ぼくの世界の老人はちゃんと生きている。この世界の老人は死ぬのを待つだけ。こんなの生きていない」と言い、最初はお互いによそよそしく、この生活を当然だと思っていた子供たち同士が、協力して竜退治のからくりを探り、協力して倒す、もし負けたとしても次の者に繋がる負け方をする、そして倒した後はどうしようと考えるようになります。
しかしこの竜システムの根本の大人がズルい〜。お話としてはよくできているなーと思いました。
二分間であっても大冒険。
悟少年にとっては、「確かなもの」がわかる時間であり、ちょっぴり恋もありましたね。 -
Posted by ブクログ
二番目に読んだ岡田淳。これも、長男が寝る前の読み聞かせに用いた。
岡本淳の代表作をいくつか読んだ後であらためて思い出してみると、この作品は時期的に見て、それまでに描かれた岡田作品のある意味、集大成的な位置づけができそうに思われる。
僕の考える岡田さんの基本テーマとは、「みんなの心がばらばらの状態であっても、決してあきらめず、まず一人から行動をはじめれば、
みなの心に共鳴現象が起こり、今までの日常からは考えられないような、不思議な一体感が芽生えてくる」、
というものだ。この作品は特に、ひとりでの日常の地味な「戦い」を、ファンタジー世界での冒険になぞらえるというところに重点が置かれた作品になっている。
こどもの日常における、なかなか得難い、しかしだからこそ輝かしい経験というものは、こういうものではないか
と信じる作者が、それをファンタジーというかたちで疑似体験させながら、日常そのものを変えていこう
という作者の信念が伝わってくる作品群である。
それをより日常的な世界として描いたのが古田足日であれば、もはや日常の世界として描くのが難しくなり、ファンタジーの世界に仮託して描かざるを得なくなったのが岡本淳なのではないかと思われる。