白河三兎のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
「私はここにいる。それは私がわかっている。私が存在しないことには何も存在しない。私の存在が全ての始まりだ。元凶であり、希望の源なんだ」
「みんな本音を心にしまいがちだけど、外へ吐き出すべきなんだ。相手の心を踏み躙ったり、人間関係がぎくしゃくしたりしても、長い目で見れば真実しか残らない。上っ面のことは淘汰されちゃうんだよ」
『本音を隠せば隠すほどにやましさが大きくなる。嘘をついても得られるのは真っ黒な感情だけだ。このままだと俺は嘘の塊になる。そして数多の嘘と一緒に俺自身も淘汰されるのだろう。』
「中途半端にできる人よりも全然できない人の方が愛される。そして未熟だった人が進歩した時は、甚だし -
Posted by ブクログ
「自分の力で運命を切り開くには、先ず一度運命を受け入れなくちゃならねーってことを知らない奴が多すぎるんだ」
『久米先生が無言でハンカチを渡そうとする。でも私はその手を払った。やめて! そんなことしたら本当に慎次が死んだことになっちゃう。泣いたら泣いた分だけ慎次が死んじゃう。』
『慎次となら何時間でも一緒にいられた。苦痛を感じずに同じ時を過ごせる唯一の存在だった。慎次は『夏休みに溺れ死ぬ』というベタな死に方をし、私は『失って初めてその大切さに気付く』というベタな認識をした。どっちもどっちの馬鹿な姉弟だ。』
「自分の気持ちに嘘をつくことが癖付くと、人生で何も手に入れられなくなるぞ。素直になれ -
Posted by ブクログ
読んでいく中で違和感があっても、フラットな気持ちでひとまず読み進めてほしい。予想をさらに上回る結末が待っている。主要人物の中学生たちは、子どもなのに、まわりの子どもたちよりも一足も二足も先に世の中の道理を知ってしまった。わたしに彼らの気持ちを救うことはできないし、簡単に「分かるよ」なんて言葉もかけられない。自分のことは自分でタフに受け止めて、進むしかないのだ。「キヨコ」のように。
印象に残ったフレーズ「古今東西いたるところに神様が蔓延っている。それなのになんでキヨコに『普通』を与えられないんだ?」神様に対して「蔓延る」という言葉を選んだところに、世の中の不条理や理不尽さ、やるせない気持ち、この -
Posted by ブクログ
ネタバレタイトルが少々不安だったが…
ラノベ書いても白河三兎らしさたっぷり、この本の直前に読んだ「鉄のしぶきがはねる」がちょっと変わった素材で直球勝負なスポ根青春小説だったの対して、こっちはちょっと変わった素材で間合いを外す変化球な青春小説。主要登場人物からして「妙なの揃えてきたなぁ」って素材なら、部活の目的も「そんな理由で総理大臣を殺ってまうの?」な味の付け方。
物語後半、顧問の先生云々のあたりから不穏な空気が流れだし、オーラスで「今まで読んできたん、なんなん?」な、見事な序・破・急。で、「あぁ、なるほど間違いなく白河作品やわ、これ」って頷かされて、不穏なまま物語が終わる。
気持ちがゾワゾワ落ち -
Posted by ブクログ
ネタバレPK戦0-2で負けてるチームのキーパーから始まる物語…ってスゲーとこ置いてきたな。
と思ったが、純粋なサッカー小説からは次第に離れていき、白河作品らしくなっていく展開。白河作品なんだから、これでいいのだろうが、もっともっと純粋にサッカーPK戦の緊迫感を純粋培養というかトリミングした小説を読んでみたいなぁと思った。
大人の事情だの複雑な人間関係だの少し歪んだ恋愛感情だの…そういう小説はそれで非常にオモロいし、スポーツ小説にそういうのを盛り込むのも大いにあり(巨人の星でも明日のジョーでもドカベンですらあり)なのだが、この小説では配合率がちょっと濃かった。
あくまで、好みの問題だとは思うんだが -
Posted by ブクログ
「老若男女それぞれ悩みを抱えているもの。誰だって死にたい時がある。死んだ方が楽な人もいる。なら、苦しくない死に方を勧めるのも優しさじゃない?」
「みんなまとめて殺しちゃおうよ」
「なんでそうなるの?」
「だって沙菜のことを『生きる価値がない』って思うまで追い詰めた人たちに、生きる価値はないでしょ?」
「そんじゃ、道連れにしちゃおうよ」
「駄目よ」
「なんで?」
「それは…」
「考えなくちゃ出てこない言葉は言い訳に過ぎない」
「人に決定権を委ねるのは、負け犬の最たる特徴だ。責任を背負いたくないから他人任せ。何かあったら人のせい。自分は悪くない。木原はこれからもそうやって生きていくの? それ -
Posted by ブクログ
中2の男子学生の主人公、恋愛、友情の不器用な振る舞い。 嫌われたくない、別れたくないと重ねる嘘。 読んでいて、「ああ、中学生の時はこんなんだったよな」と思うが、話には入って行けない感。
しかししかし、中盤から「著者の書きたかったとこはここだったか!」と思う箇所が分かると、グイグイ引き込まれていった。著者の他の作品を読んでも感じたことだが、「中学の時にこの本を読んでいればもっと楽にと言うか、不必要な力を抑えて生きれたのかなぁ」と思う。
【心に残る】
心に芯がある中学生なんて気持ち悪い。言うことややることがいい加減のフニャフニャな精神でいいの
生き急がないで。自分探しなんて不毛よ。時期が訪れれ