ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
3pt
離婚届に判を押しアパートに帰りひとりで「離婚式」を敢行中、突然空気の塊が横切る。男は姿の見えない人の形を手のひらで確認し「暇なら飲まないか」と誘い、二人は意気投合する。透明で姿の見えない女は、大きな「組合」に自分が追われていると告げ、二人の奇妙な同棲生活が始まる。一行先も予測不可能、「せつなさの魔術師」による傑作ファンタジック・ラブストーリー。
アプリ試し読みはこちら
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
離婚が成立したばかりの主人公のところに、とある組織に追われている透明人間がやってくる話。白河さんは「プールの底に眠る」とこの本が突出して好き。
『百の言葉を並べるよりは、素直に「別れたくない。おまえのことが好きなんだ!」と大声で訴える方が効果的だ。でも多くの男どもはそれがわかっていながら、哀れな失言を選ぶ。』 「本当のことを言っていいんだ。子供の特権だ。誰も怒ったりはしない。正直に言ったことで誰かを哀しませることになったとしても、それは正...続きを読むしいことなんだから」 『加奈子は自分に嘘をつけない性分だ。嘘は自分を貶め、心を曇らせる。心に一点の曇りもなければ、誰に対しても堂々としていられる。』 『何が恥ずかしいのだろう? 加奈子は懸命に生きていた。生き抜こうとしていた。子供のために必死になって未来への道を切り開こうとしていたのだ。 俺はその時の加奈子のことを想像すると、愛おしさと尊敬の念を抱かずにはいられない。愛らしく誇らしい。そんな加奈子をみっともないと笑う者がいたら、片っ端からぶん殴ってやる。』 『いつだってマイペース。加奈子はルールに縛られない大人だ。ルールは自分で作る。』 『姑息な手を使いやがる。でもそれでいい。なりふり構わずに勝とうとする意志は大事だ。それがいつか勝利へと繋がる。悟にもそう教え込んだ。』 「軽くても重くても命は一つしかない。自分の命を大事にして」 『「ずっと前に読んだ雑誌なんだけど、『彼氏と喧嘩して気まずい空気になった時は、おっぱいを触らせればすぐに仲直りできる』って載っていたの」 あながち間違いではない。』 『駄目なわけないじゃないか。子供の一途な願いを叶えるのは大人の役目だ。』 『自転車の動力は頑張りだ。力いっぱい漕げば、漕いだ分がちゃんと報われる。自転車は世の中で最も正直な乗り物なのだ。』 「自分と他人の枠を取っ払えるようになったんだ。みんな一緒だ。特別な命なんてない。どれも世界に一つしかない大事な命だ」 「加奈子さんよりも早く出会えていれば、違った人生になっていたかもね。でも有田さんとこうして暮らせたことに感謝している。ありがとう」
白河三兎さんの長編を初めて読む。 小説新潮に載っていた「子の心、サンタ知らず」がよくてずっと気になっていた。 でも、この前読んだ「白紙」が残念で、恐る恐る。 結論、白川三兎さん好きになれそう。 白河さんが描く人物たちにはがむしゃら感があって人間くさい。 共感できるところが多くて、友達になれそうな...続きを読む人たちなのだ。 「今の私では二人を幸せにできないけど、こんな私でも認めてくれた二人の気持ちは無下にできない」と非合理的な選択をする加奈子。 それに対して、「なんて我がままな女なんだ」と思いつつ、加奈子への愛情が爆発してしまうノブとか。 この物語のテーマの一つは、「人それぞれの幸せ」というところにあると思う。 人は、考え方も背景も違う。 誰もが幸せになるということは難しい。 たとえ家族や恋人同士であってもだ。 それを目指すなら、とにかく相手のことを考えて、がむしゃらでも行動してみるしかない。 結末には驚かされた。
透明人間のお話 人や物を消せる能力 透明人間を見ることができる能力 そんな力をもった人たちがいる世界 離婚したばかりの男が透明人間の女と出会い 物語は展開する この著者の作品に出てくる登場人物は一癖二癖ある 人ばかりだなと感じる そこは好き ストーリーも楽しめているので好きです でもなにかも...続きを読むうちょっと欲しいなと感じてしまう こともあります
透明人間はゴーストや幽霊が溢れた今にとっていかにもセフティなチョイスだが、後半の能力説明の無闇さは仄かの矛盾が感じたような……先生はやはり洒落会話をたっぷりサービスしたらなによりです。PS:最後透明女の正体はちょっと。。。。。
離婚が成立し、一人やけ酒をあおる男の前に 突如として現れた透明人間の女。 声は聞こえるし、触れると感触もある。 しかし目には見えず おまけに何でも一瞬で消してしまう(透明にしてしまう)特殊な能力を持っている。 いい加減だが正直者の男は 彼女が大きな組合に追われていると知り、 寂しさを紛らわすため...続きを読む 謎の女『タマ』との 奇妙な同棲生活が始めることにするが…。 青春ミステリーの傑作『私を知らないで』でも思ったけど、 まず感じたのは 白河さん、ホンマ文章上手いわ~! SFチックで、 サスペンスフルな設定を 歌うようにテンポ良く綴る筆致に ページをめくる指が止まらず ドンドン引き込まれていく(笑) 突拍子もない設定は 乙一と伊坂幸太郎作品を思わすんやけど、 その伊坂幸太郎のお株を奪うような(笑) 軽妙で遊び心のある洒落たセリフの数々がまた 嘘っぽくも嫌みにも聞こえず むしろ心地よいんですよ(笑) (そして心のメモ帳にストックしておきたくなるハッとさせられる名言が多し!) 主な登場人物は 主人公で28歳の派遣会社社員の有田信彦。 元妻でクールなキャリアウーマンの加奈子。 加奈子の連れ子で10才になる 一人息子の悟。 そして透明人間の若い女性タマと タマを確保しようと躍起になる 謎の『組合』なるものからの 執拗な追っ手たち。 透明人間との切ないラブストーリーだと予想していたら 主人公が離婚した理由や 元妻や血縁関係のない息子との絆などが中盤からクローズアップされ、 家族とは? 血の繋がりとは?を すごく考えさせられる意外な内容でした。 (『私を知らないで』も家族を描いていたし、白河さんの永遠の共通テーマなのかも) 難を言えば、 序盤は透明人間を守ろうとする少し頼りない主人公と(笑) 透明人間を追う組織との攻防は 謎がなかなか明かされず、 着地点が見えないため いったいどうなるんやろ?って 時間を忘れて読み進めてしまうし面白いんやけど、 章の間に挟まれる主人公と元家族とのエピソードが どうしても中だるみを生んで ちと勿体ない印象かな。 透明人間や透明人間が見える人たちの設定を そこまで複雑にしなくても 充分に面白いものができたような気がしなくもないです(笑) 本当は見える見えないは 大事なことではないのかもしれない。 現に恋の真っ只中にいる時は 好きな人以外の全ての人間が 透明人間のようなもので(笑)、 眼中に入らない。 逆に言うと好きになると 透明人間であっても 恋に落ちた人にだけは見えるのかもしれないなぁ。 そして解説にあった印象的な引用 『心とは後天的に作られるもの。 育ってきた環境や得てきた情報や 触れてきた映画や音楽や小説が人の心を作る』には共感しきり。 目には見えない『心』というものの存在や動きを いろいろな言葉を駆使して読む者 に味あわせてくれる そんな白河さんの小説を読みながら、 自分の心も作られていくのなら こんな嬉しいことはないと思う。 個人的にまだまだ追いかけていきたい作家です。 (文庫本の帯の解説にもあるように 確かにラストは予測もつかない結末でした笑)
離婚が成立して,ひとりやけ酒を呷る男.そんな男の部屋に,透明人間が侵入する.何でも消してしまえるという,その女は謎の組織から追われる身.男と透明人間との秘密の同居が始る.前作以上に面白い!!まったく想像できないストーリ展開.ジャンルはミステリ?SF?恋愛?どれにも当て嵌まるし,当て嵌まらないかな.た...続きを読むだただ心が温かくなる素敵な一冊でした.
問題を抱えた人達が前に進もうと足掻く中に不思議が普通に入り込んでいるという。 よくありそうでありえない話。 母親の心の傷と子供の健気さに心が痛み、元夫の優しさがしみます。 よくもまあこんな繊細な心の傷を不思議の中に盛り込んだというか だからこそ設定が生きたお話というか。 結末が気になって一気に読まさ...続きを読むれてしまいました。 後味も悪くなく、この作家さんの別の本も呼んでみたくなりました。
離婚が成立し、自宅でひとりやけ酒をあおる男の元に姿の見えない女が現れた。 男は「暇なら飲まないか」と誘い二人は意気投合する。 女は大きな「組合」に追われていると言い、男は彼女を匿い、守ることにした。 奇妙で不思議な同棲生活の行方は・・・。 白河作品はどの作品も、なんだか地に足がついていないようなふ...続きを読むわふわとした読み心地がします。 たぶんそれは、終盤に明かされる真実を隠すために、わざと登場人物達の心の動きが読めないようにしているせいなんだと思います。 それが、登場人物たちのつかみどころのないちぐはぐな言動に現れ、独特のフェイク感を醸し出してるんですよね。 面白くないこともないのですが、他の作品も毎回そんな感じなのでちょっともやっとします。 親子の愛情、仕事と自己実現などといった誰もがぶつかるテーマを描いているので読みごたえもあったのですが、透明人間の設定がどうしても緊迫感を削ぐというか、コメディっぽく感じられて集中できませんでした。
白河さんの作品はどれも非常に読みやすい。が少し期待外れました。「透明人間」という設定には予想外で面白かったけど、ラストが普通過ぎました。これはハッピーエンドと捉えてイイんでしょうね・・・
レビューをもっと見る
新刊やセール情報をお知らせします。
ケシゴムは嘘を消せない
新刊情報をお知らせします。
白河三兎
フォロー機能について
「講談社文庫」の最新刊一覧へ
「小説」無料一覧へ
「小説」ランキングの一覧へ
神様は勝たせない
君のために今は回る
計画結婚
小人の巣
十五歳の課外授業
総理大臣暗殺クラブ
田嶋春にはなりたくない(新潮文庫nex)
ひとすじの光を辿れ(新潮文庫nex)
「白河三兎」のこれもおすすめ一覧へ
一覧 >>
▲ケシゴムは嘘を消せない ページトップヘ