白河三兎のレビュー一覧

  • ふたえ

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    ネタバレ

    クラスで爪弾き者のお話という点が「私を知らないで」を想起させられ、あれが個人的にはとても良い作品という記憶がある(読んだのは6年も前で、かなりおぼろげですが……)ので、本作にもちょっと期待を抱いて読んでいました。

    「私を〜」と違って本作は群像劇になっており、特に第二章の舞妓の話は主人公の一途さに共感と同情させられ、かなり引き込まれました。ただ第一章の設定と齟齬があり、どうも時系列的にトリッキーな作りになっているのではと感じ始め、以降は登場人物の心情などより、どのような仕掛けがあるのかが気になってしまいました。

    その点に関しては、最終章で納得のできる種明かし(ちょっと強引なところもありますが

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    2018年07月21日
  • 総理大臣暗殺クラブ

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    感情がマヒするほど心が傷んでいるとき、ものすごく理詰めになる。きっと自尊心が高ければ高いほど。理詰めでがんじがらめになってる状態がほぐれるその瞬間をこんなに鮮やかに提示されるなんて。
    共感できない題材だからこそむしろ共感出来てしまう。

    傷ついてるなんて絶対に認めたくないって何とか背筋を伸ばそうとしてるときに、説教たらしくなく、するりと心に入り込んでくれるような本。

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    2018年06月01日
  • 小人の巣

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    ネタバレ

    自殺願望がある人たちを呼び寄せる、自殺幇助のサイト、小人の巣。

    いじめを苦に自殺しようと思い、小人の巣の管理人「シャーマン」に会いに行った女子中学生の沙菜。

    シャーマンは臓器移植をしないと治る見込みのない難病患者の10歳の女の子だった。

    彼女がくれた死の薬は、ただのビタミン剤で、シャーマンこと明は、自殺幇助ではなく自殺願望者たちを救う活動をしていた。

    一度は人生に絶望して、それから命の大切さを知る人たち。

    大切な人とずっと一緒にいたくて死のうとする人。
    就活がうまくいかなくて死のうとする人。
    恋人に振り向いて欲しくて死のうとする人。
    病気を抱えた明の父の思い。

    ツイッターで自殺願望

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    2017年11月16日
  • 十五歳の課外授業

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    中3の卓郎のクラスに現れた教育実習生。
    彼女が数年前まで卓郎の父の歯科医院に通っていた「おねえちゃん」だと気付き喜ぶ卓郎だが…
    中学生のリアルな悩みと秘密を描く青春小説。

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    2017年09月05日
  • プールの底に眠る

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    ネタバレ

    青春、恋愛、って感じですかね。
    (ミー的にはミステリでは無いナリ)

    現実感アリアリな生活を送っている大人が読むと、たぶん主人公たちの"若い"感じとか、主人公の何故かモテてる所とか、あまり"しっくり"来ないと思うナリ。
    最後の方の展開、流れは、ミーにはチョット理解出来にくかったナリ。
    他の方の感想などを読んで、"そうか"と思ったナリ。

    ミステリでは無いかもしれませんが、ミステリを書く作家さんらしい、チョイ謎や伏線やらが少しあるので、ふんわり読んでると、意外とわかりにくいかも。。

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    2017年08月11日
  • プールの底に眠る

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    ずっとプールの底で眠ってられたらどうなってたんだろうと思わざる得なかった.
    セミとイルカの関係のままでいられるわけないけれど.

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    2017年06月03日
  • 神様は勝たせない

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    どれだけの間、読まずに置いておいたか?
    単純なサッカー小説ではないと知ってはいたけど。登場するキャラクターの役割、伏線の付け方、試合の流れに計算通り織り込んでいくスキルの高さ。途中で物語の展開は読めるけど、
    中学生の視点となれば、それもありかと。

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    2017年04月02日
  • 君のために今は回る

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    ネタバレ

    事故でなくなり観覧車の中で自縛霊となった少女千穂と、その親友銀杏の2つの視点を交互に配置して進んでいく構成が面白い。そういう二視点から語られるのはよくあるパターンなんだろうけど、この小説ではその手法が見事に機能している。

    人物と生き方を読む物語だと思う。二人の主人公はじめ、主要な登場人物たちの人生、葛藤、趣味趣向の個性的なこと。そして登場人物たちが交差することで伏線が張られ、回収されていく様の絶妙さ、二視点が落ち着きなく移り変わることすら心地よく感じる。

    それだけに、片側の視点だけとなってしまった、オーラスは非常に残念。着地点そこでエエんか?っていうか着地してないんとちゃうか?
    ああいう風

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    2017年03月24日
  • プールの底に眠る

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    洒脱な文章と透明な雰囲気の魅力は処女作から変わらず。が、全体が多量の小技でできているというか、クライマックスが細々とわかりづらく、印象が薄いうらみも。

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    2017年03月13日
  • ケシゴムは嘘を消せない

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    ネタバレ

    ミステリー要素もSF(というかファンタジー?)要素もふんだんにあるんだが、俺はこの本を父親の小説として読んだ。物語の冒頭、ダメ亭主として(おそらく意図的に)描写された主人公ノブが話が進むごとに変わっていく変遷の味わいがよい。

    そう、男ってのはこういうダメなところが、多かれ少なかれ何がしかあるもんだ、こじらすとアル中になったりDV走ったりするんでアカンねんけど、パーフェクトを目指す女性から見たら「なんと情けない」と思われてしまう要素を持ってしまってる性なんやと。

    その「なんと情けない」を背負いつつ、子供との関係や恋人とか配偶者との付き合いを進めて行くうちに光ってくる何かがある。背負ってるもん

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    2016年12月16日
  • 十五歳の課外授業

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    十五歳の世間を再現しようとするあまりなのか、エキセントリックな人物しか出てこない。

    過去に傷を持つ人からでないと人生を学べないということはないだろう。

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    2016年11月26日
  • 神様は勝たせない

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    勝負はPK戦にもつれ込んだが、選手たちの試合への思いはそれぞれだった。フットボール青春物語。
    ただアノ設定は面白くない。決めつけるのは無理がありすぎる上に一気に昼メロになってしまった。
    それ以外は時間軸を遡らせたり色々な人物の視点になったりPK心理などは楽しい。更に言えば中間に敵チームのエースの視点を入れても楽しかったと思う。

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    2016年08月29日
  • もしもし、還る。

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    洒脱なキャラ、無駄のない文章、題材はキャッチ―かつエモーショナル。後半の詰め込みは圧倒される一方ごちゃっとして消化しきれなかった。再読したい。

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    2016年07月29日
  • 十五歳の課外授業

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    三兎さん2作目。「わたしを知らないで」の方が好きかな。主人公の卓郎、彼女のユーカ、教育実習生の辻薫子。どの登場人物もあまり好きになれなかった。
    最後のまとめ方は、やっぱり好きな方かな。

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    2016年07月09日
  • 十五歳の課外授業

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    大人の事情を配慮出来るようになってくる中学生という微妙な年齢。良くも悪くも短期間で自分を変えることが出来てしまう多感な時期。
    嘘が多過ぎて収拾つかないよ、もっと上手くやれ。そう思ってしまったけど、純粋培養の良い奴が横道に反れて振り切れていくのは恐ろしかった。

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    2016年06月03日
  • 十五歳の課外授業

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    やや文学色の強い、今回はミステリではない青春小説。
    全体的な雰囲気やメッセージはそこまで珍しくもない現代小説だが、生々しく描かれる中学生たちやユーモアセンス、ビビッドな事件・展開はなかなかに熱中してしまう。
    特に、いかにも中学生らしい、めまぐるしい感情の推移が面白い。どのページもぐるぐるぐちゃぐちゃと思いや理念が移ろい、それが積み重なって終盤には多少の成長がみられる、という構図は、疾走感ある描写に支えられているから乗りやすかった。
    3+

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    2016年05月29日
  • ケシゴムは嘘を消せない

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    ネタバレ

    離婚をしてやけ酒を飲んでいると、突然目の前をなにかが横切ったような気がした。思わず手を伸ばして掴むと女性の手首の感触だった。話しかけると女性の透明人間で、なんでも消せる能力をもち、透明人間の組織に追われているという。寂しかった彼は透明人間の女性を匿うことにした。料理上手の透明人間との奇妙で妙に居心地いい生活は次第に組織の包囲網により追い詰められていく。

    荒唐無稽も過ぎるという感じだけれど結構楽しんで読んでしまいました。でもちょっと辻褄が厳しいので理屈っぽい心を麻痺させる必要はあると思われます。

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    2016年05月03日
  • ケシゴムは嘘を消せない

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    問題を抱えた人達が前に進もうと足掻く中に不思議が普通に入り込んでいるという。
    よくありそうでありえない話。
    母親の心の傷と子供の健気さに心が痛み、元夫の優しさがしみます。
    よくもまあこんな繊細な心の傷を不思議の中に盛り込んだというか だからこそ設定が生きたお話というか。
    結末が気になって一気に読まされてしまいました。
    後味も悪くなく、この作家さんの別の本も呼んでみたくなりました。

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    2016年03月27日
  • ケシゴムは嘘を消せない

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    離婚が成立し、自宅でひとりやけ酒をあおる男の元に姿の見えない女が現れた。
    男は「暇なら飲まないか」と誘い二人は意気投合する。
    女は大きな「組合」に追われていると言い、男は彼女を匿い、守ることにした。
    奇妙で不思議な同棲生活の行方は・・・。

    白河作品はどの作品も、なんだか地に足がついていないようなふわふわとした読み心地がします。
    たぶんそれは、終盤に明かされる真実を隠すために、わざと登場人物達の心の動きが読めないようにしているせいなんだと思います。
    それが、登場人物たちのつかみどころのないちぐはぐな言動に現れ、独特のフェイク感を醸し出してるんですよね。
    面白くないこともないのですが、他の作品も

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    2016年02月01日
  • 小人の巣

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    命を大切に!ってことを言いたいのでしょうが、自殺幇助のことを長々描いたり、臓器提供の内訳人数を知らせてくれたり、親子間の絆を書いたり。結局、最初の自殺志願の女の子は健気ないい子になったけどまだ学校には行かれないみたいだし、着地点が曖昧な気がする。

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    2016年01月30日