白河三兎のレビュー一覧

  • 君のために今は回る

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    ネタバレ

    事故でなくなり観覧車の中で自縛霊となった少女千穂と、その親友銀杏の2つの視点を交互に配置して進んでいく構成が面白い。そういう二視点から語られるのはよくあるパターンなんだろうけど、この小説ではその手法が見事に機能している。

    人物と生き方を読む物語だと思う。二人の主人公はじめ、主要な登場人物たちの人生、葛藤、趣味趣向の個性的なこと。そして登場人物たちが交差することで伏線が張られ、回収されていく様の絶妙さ、二視点が落ち着きなく移り変わることすら心地よく感じる。

    それだけに、片側の視点だけとなってしまった、オーラスは非常に残念。着地点そこでエエんか?っていうか着地してないんとちゃうか?
    ああいう風

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    2017年03月24日
  • プールの底に眠る

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    洒脱な文章と透明な雰囲気の魅力は処女作から変わらず。が、全体が多量の小技でできているというか、クライマックスが細々とわかりづらく、印象が薄いうらみも。

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    2017年03月13日
  • ケシゴムは嘘を消せない

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    ネタバレ

    ミステリー要素もSF(というかファンタジー?)要素もふんだんにあるんだが、俺はこの本を父親の小説として読んだ。物語の冒頭、ダメ亭主として(おそらく意図的に)描写された主人公ノブが話が進むごとに変わっていく変遷の味わいがよい。

    そう、男ってのはこういうダメなところが、多かれ少なかれ何がしかあるもんだ、こじらすとアル中になったりDV走ったりするんでアカンねんけど、パーフェクトを目指す女性から見たら「なんと情けない」と思われてしまう要素を持ってしまってる性なんやと。

    その「なんと情けない」を背負いつつ、子供との関係や恋人とか配偶者との付き合いを進めて行くうちに光ってくる何かがある。背負ってるもん

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    2016年12月16日
  • 十五歳の課外授業

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    十五歳の世間を再現しようとするあまりなのか、エキセントリックな人物しか出てこない。

    過去に傷を持つ人からでないと人生を学べないということはないだろう。

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    2016年11月26日
  • 神様は勝たせない

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    勝負はPK戦にもつれ込んだが、選手たちの試合への思いはそれぞれだった。フットボール青春物語。
    ただアノ設定は面白くない。決めつけるのは無理がありすぎる上に一気に昼メロになってしまった。
    それ以外は時間軸を遡らせたり色々な人物の視点になったりPK心理などは楽しい。更に言えば中間に敵チームのエースの視点を入れても楽しかったと思う。

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    2016年08月29日
  • もしもし、還る。

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    洒脱なキャラ、無駄のない文章、題材はキャッチ―かつエモーショナル。後半の詰め込みは圧倒される一方ごちゃっとして消化しきれなかった。再読したい。

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    2016年07月29日
  • 十五歳の課外授業

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    三兎さん2作目。「わたしを知らないで」の方が好きかな。主人公の卓郎、彼女のユーカ、教育実習生の辻薫子。どの登場人物もあまり好きになれなかった。
    最後のまとめ方は、やっぱり好きな方かな。

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    2016年07月09日
  • 十五歳の課外授業

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    大人の事情を配慮出来るようになってくる中学生という微妙な年齢。良くも悪くも短期間で自分を変えることが出来てしまう多感な時期。
    嘘が多過ぎて収拾つかないよ、もっと上手くやれ。そう思ってしまったけど、純粋培養の良い奴が横道に反れて振り切れていくのは恐ろしかった。

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    2016年06月03日
  • 十五歳の課外授業

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    やや文学色の強い、今回はミステリではない青春小説。
    全体的な雰囲気やメッセージはそこまで珍しくもない現代小説だが、生々しく描かれる中学生たちやユーモアセンス、ビビッドな事件・展開はなかなかに熱中してしまう。
    特に、いかにも中学生らしい、めまぐるしい感情の推移が面白い。どのページもぐるぐるぐちゃぐちゃと思いや理念が移ろい、それが積み重なって終盤には多少の成長がみられる、という構図は、疾走感ある描写に支えられているから乗りやすかった。
    3+

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    2016年05月29日
  • ケシゴムは嘘を消せない

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    ネタバレ

    離婚をしてやけ酒を飲んでいると、突然目の前をなにかが横切ったような気がした。思わず手を伸ばして掴むと女性の手首の感触だった。話しかけると女性の透明人間で、なんでも消せる能力をもち、透明人間の組織に追われているという。寂しかった彼は透明人間の女性を匿うことにした。料理上手の透明人間との奇妙で妙に居心地いい生活は次第に組織の包囲網により追い詰められていく。

    荒唐無稽も過ぎるという感じだけれど結構楽しんで読んでしまいました。でもちょっと辻褄が厳しいので理屈っぽい心を麻痺させる必要はあると思われます。

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    2016年05月03日
  • ケシゴムは嘘を消せない

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    問題を抱えた人達が前に進もうと足掻く中に不思議が普通に入り込んでいるという。
    よくありそうでありえない話。
    母親の心の傷と子供の健気さに心が痛み、元夫の優しさがしみます。
    よくもまあこんな繊細な心の傷を不思議の中に盛り込んだというか だからこそ設定が生きたお話というか。
    結末が気になって一気に読まされてしまいました。
    後味も悪くなく、この作家さんの別の本も呼んでみたくなりました。

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    2016年03月27日
  • ケシゴムは嘘を消せない

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    離婚が成立し、自宅でひとりやけ酒をあおる男の元に姿の見えない女が現れた。
    男は「暇なら飲まないか」と誘い二人は意気投合する。
    女は大きな「組合」に追われていると言い、男は彼女を匿い、守ることにした。
    奇妙で不思議な同棲生活の行方は・・・。

    白河作品はどの作品も、なんだか地に足がついていないようなふわふわとした読み心地がします。
    たぶんそれは、終盤に明かされる真実を隠すために、わざと登場人物達の心の動きが読めないようにしているせいなんだと思います。
    それが、登場人物たちのつかみどころのないちぐはぐな言動に現れ、独特のフェイク感を醸し出してるんですよね。
    面白くないこともないのですが、他の作品も

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    2016年02月01日
  • 小人の巣

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    命を大切に!ってことを言いたいのでしょうが、自殺幇助のことを長々描いたり、臓器提供の内訳人数を知らせてくれたり、親子間の絆を書いたり。結局、最初の自殺志願の女の子は健気ないい子になったけどまだ学校には行かれないみたいだし、着地点が曖昧な気がする。

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    2016年01月30日
  • もしもし、還る。

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    進みがかなり早くて、スリリング。その点は好みなのですが、後半部分がうーん。主人公が目覚めるとそこは砂漠のど真ん中、そこに降ってくる電話ボックス。119番するものの、そこで自分は死んでいるのだということを告げられた上、外に出ていた左足が消失。電話に書かれたD or A.謎が謎を呼ぶ展開に、60P程で期待値はMAXだったのですが、期待が大きすぎたのか…。最終的に鮮やかに伏線を回収してくれたので読み返しはしたいです。題名は「帰る」ではなく「還る」、そこから主人公のその後を考えるのも面白い気もします。

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    2016年01月11日
  • 小人の巣

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    ネタバレ

    【収録作品】小さな世界/アリとキリギリス/勇者の名/白雪姫/王様の耳
    *確かに、捨てる命なら生きてる人にあげればと思う。自殺したい気持ちはある程度理解できるし、共感できる部分もある。でも、懐疑的な私はやはり自殺には否定的。「死んだほうがまし」だという絶対的な保証はどこにもないから。

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    2015年11月21日
  • 君のために今は回る

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    観覧車に住み着いた、幽霊の物語。
    著者らしい価値観や雰囲気を散りばめた、ライトな青春ファンタジー。
    思っていたよりやや甘ったるく、そのまま終わってしまった。
    他作のように、キレや魅力、捻りがもうひとつあってよかった。
    3-

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    2015年09月23日
  • ケシゴムは嘘を消せない

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    白河さんの作品はどれも非常に読みやすい。が少し期待外れました。「透明人間」という設定には予想外で面白かったけど、ラストが普通過ぎました。これはハッピーエンドと捉えてイイんでしょうね・・・

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    2015年08月12日
  • もしもし、還る。

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    白河三兎の、ファンタジーミステリ。
    はじまりが突拍子もなく、世界観を浸透させながら、主人公の人間性や起きたことを開示していくスタイル。
    著者らしく、文章もキャラクターも現代的で、ミステリとしても丁寧、展開も強弱が上手いので、読み易い良質のエンタメといえる。
    ただし、今回は「著者が作り出した世界で、著者が作り上げた謎を、著者が作り上げた倫理観で解明する」という当然のことが、最後まで違和感として残り続けた。
    設定やストーリーとの相性もあると思うが、好きな作家なので、こういう感触は気になる。
    とはいえ、今後も読む。
    3+

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    2015年07月31日
  • 総理大臣暗殺クラブ

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    仰々しいタイトルではあるが実際のところは青春小説である。うーん、なんだかわからないけれどなかなかページが進まなかった。。。登場人物に魅力を感じられなかったからだろうか。特にムセン。オッサンは唯一人間味のある高校生らしいキャラクターだったけれど他は高校生にしてはすれすぎている。それぞれ家庭環境に薄暗いものがあるにせよ。

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    2015年07月22日
  • もしもし、還る。

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    不思議な物語。ジャンル不明。恋愛小説?
    ややこしいけど、別に分からなくてもいいかな。
    シロとキリの会話が微笑ましい。

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    2015年05月19日