白河三兎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
白河さん初読み。
表紙もタイトルも観覧車に憑いた幽霊という設定も、どれも魅力的でわくわくしながら読み始めたのだけど……。
うーん。
登場人物の誰も好きになれず、ゆえに話も楽しみ切れず。
銀杏の猪突猛進さは若さゆえと羨ましく思うより、もう少し落ち着けーと思っちゃうし、柴崎の飄々さとヘンな一途さはカッコイイと思うより、こういう男子ってズルイよなぁと思ってしまう。
だめんずの銀杏の元彼やコメのほうがまだ理解できるし、好感も持てる。
ああ、うん。誰も好きになれずと書いたけれど、コメは割と好きかも。
裏返せばそれは、やっぱり銀杏と柴崎が好きになれないということと同義になるのだけど。
(ネタバレになるので理由が書けないのがもどかしいっ)
時折こつんと心に響く言葉や表現があり、また、観覧車に憑いた千穂の設定や、かぐや姫をはじめ周りの人物たちとエピソードが観覧車に集束されていくところは面白かったしうまいなと思う。
この1作だけで合わないと判断せずにもう1~2作は読んでみたい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ白河三兎は『私を知らないで』に続いて二作目。
粗いけど、「砂漠」という設定も最後まで読めば意味があって、面白い。
しかし何より、『私を知らないで』同様、タイトルが秀逸。
「私はひた向きに愛し続けた。割に合わないこともたくさんあったけど、見返りなんて求めていなかった。ただ心の赴くままに愛したい人を愛しただけ。」
「自分で真実を見つけろ。真実は自分の中にしかないんだから。あるジャングルの奥地で暮らしている原住民たちは市h急が平らだと信じている。でも彼らは丸い地球の上で穏やかに暮らしている。彼らには『地球は平らだ』っていうのが真実であって、それに満足して過不足なく暮らしている。
彼らの真実心にこそ真実があるんだ。」
「今、こうしている間にも砂漠が広がっているのをシロは感じることができる?」
「できない」
「それと同じこと。見えた時には手遅れなのよ」
「僕はどうすればいいんだ?」
「私としっかり手を繋いでいれば平気よ」
「そしていか僕の背中に手をかける。逃げ切れないのだろう。なら、振り返る必要はない。見えないものの正体を探そうとするのは、時間の無駄だ。
振り返る暇があるなら、少しでも遠くへ逃げよう。一歩でも遠くへ逃げて、一秒でも長く平穏な生活を送ろう。」 -
Posted by ブクログ
”ケシゴムは嘘を消せない”白河三兎著 講談社文庫(2014/01発売)
(2011/01発売 講談社ノベルス”角のないケシゴムは嘘を消せない”の改稿文庫版。解説:大原まり子)
・・・離婚が成立して一人やけ酒を呷る男の部屋に、女性の透明人間が侵入する。体が見えない上、何でも消してしまえる特殊能力を持つ女は、謎の「組合」に自分が追われていると男に助けを求めた。奇妙で不思議な同棲生活の行方と「見えない」恋の結末は?
・・・とありますが離婚した前妻やその子供との関わりを見ると”透明人間いらないんじゃないか”と思いましたし、
透明人間中心に見ると”前妻と子供の話いらないんじゃないか?”とも思いました。
それぞれ良い印象の話だっただけに少し残念。
・・・ノベルス版は主人公と恋人が突然消えた主人公の妹(文庫版未登場)の話が交互に綴られる話。
そちらの方が面白そうかも。(笑) -
Posted by ブクログ
率直な感想は「んー何とも。」という曖昧なもの。とんでもない背景シチュエーションでどう話が広がるのかと思って読み進めれば、タイムパラドックスもの。過去と現在?の二パターンで話が進んでいく作品。途中に「親殺しのパラドックス」が出てきて、これがバックボーンなんだろうなと気付され、パラドックス作品は難しいよ、と主人公が仄めかしているにも関わず、この作品はパラドックス作品としてはしっかりできていたと思います。
伏線はほとんど後半で回収されると書いてあったけれど、結局あの空間は何なのか?砂漠の車の会話は?9歳と18歳の時は生き返っているけれど、今回は・・・となんだか腑に落ちないところもありました。
それと、これは好みでしょうが、どうにもこの作者の行間の描かれ方が合わなく、あまりのめり込めなかった。 -
Posted by ブクログ
★★★☆☆
驚愕シチュエーションのSF
【内容】
異様な暑さに目を覚ますと、「僕」は砂漠にいた。そこへ突如降ってきたのは、ごくごくありふれた電話ボックスだった。
【感想】
"朝起きたら砂漠にいた。空から電話ボックスが降ってきた"って脅威の設定から始まります。
設定のすごさに前半は読むのが止められません。
が中盤でちょっとネタバラシがあったくらいからダルくなります。
でも後半は一気に盛り返します。
要するにちょっと詰め込みすぎだったので、逆に単調になってしまったのでしょう。
あと、どうもキャラが立たないんだよな。全員著者の頭のなかの人って感じで同じ造形です。
『フォーン・ブース』のような設定なので、映像化したら面白いと思います。連ドラだな。毎週驚きを作れるし。
主演は森山未來さんか山田孝之さんかな。
【引用】
悪意のないお節介ほどたちの悪いものはない。それは時として悪魔のような独裁者よりも手強いのだ。 -
Posted by ブクログ
前作が余りに素晴らしい作品だった故に
今作の期待値はかなり高い...というハードルを
やんわり...といなした様な印象の残る作品だった。
上手いと思うし、登場人物たちのどこか
浮き世離れしたキャラは愛すべきもので
読んでいて惹き付けられます。
コンプレックスを抱えながらも自分に
正直に強く活きる主人公「銀杏」。その元カレで
盗聴魔の「エッチ」。さらに未来を視る事の出来る
占い師、男を言葉で攻撃する美人の「かくや姫」...
そして観覧車のゴンドラから出られない幽霊の「千穂」。
様々な人物達が巨大な観覧車にそれぞれの思いや
人生を託し、ゴンドラは回る。そう、君のために。
そんな群像劇で恋愛ストーリー。
メフィスト賞出身に固執してミステリ要素を
求めると今作は肩透かし感が強いかもしれません。
自分も多少はそのクチだったので、今作に関しては
少々物足りなさを...感じてしまいます。
あまりに強く真っ直ぐな「銀杏」という女性が
自分的には怖い...のかもしれません。これがリアルな
恋愛小説だとは思えず、かといってファンタジー...かと
というと少し切なく、残酷だったり...。
やはり期待値が高過ぎて、読む側の自分が多少
空回りしてしまった...のかも。