白河三兎のレビュー一覧
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購入済み
青春だねぇ
ゲートボール部の物語だけど、主人公含むゲートボール部員3人の生い立ちがメインで語られる。それでもゲートボールの面白そうな感じは伝わる。
ゲートボールでの部活動がメインとか、試合や大会で熱い展開がいっぱいみたいなのを期待してしまうと少し違うかも。でも青春感はしっかりありつつ、キャラの個性的な性格の理由もきっちり語られて、一冊で満足感ある物語だった。 -
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ネタバレタイトルや裏の説明書きにある「キヨコ」の不思議さに惹かれて読みはじめた。登場人物は一人一人過去や現在に話したくないことを抱えており、それらの奇妙な人間関係が物語の中心となる。キヨコは高野と付き合ったが、高野が不登校になったあたりから黒田とキヨコの付き合いが長くなりどのような関係になっていくのかというところも読んでいて面白かった。また後半にかけてキヨコの秘密がどんどん明らかとなるところも必見であり、ラストの「終章」では黒田の大人になったときの描写でお姉ちゃんが出てきて、お姉ちゃんなんていたっけ?と疑問に思った。しかし、ドイツ製の家電屋の話からもしかして?と思ったらそのまさかのキヨコが養子となり黒
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Posted by ブクログ
ネタバレ中学生としてはその過去から常に冷めた客観的な思考を持つ主人公が転入した中学で出会う、キヨコとの奇妙な関係。
向日葵、うさぎ、里親制度、通り魔事件、年金不正受給など多くの伏線が張られており最後まで読者を楽しませてくれるし、何より中学生の心の襞をとても的確に、納得性を帯びながら提示してくれる。
第13章大当たりでの表彰シーン、第14章高貴での父子のラーメン屋でのシーン、第15章もっと陽のあたる場所でのキヨコとの絶頂の戯れ、第16章道化師での滑り台下での告白で、冷めた主人公の感情が開放され躍動し、盛り上がります。
主人公にとっては少々残念なラストではある。高野家がキヨコを養子にする展開を読みたかった -
Posted by ブクログ
白河三兎さんの長編を初めて読む。
小説新潮に載っていた「子の心、サンタ知らず」がよくてずっと気になっていた。
でも、この前読んだ「白紙」が残念で、恐る恐る。
結論、白川三兎さん好きになれそう。
白河さんが描く人物たちにはがむしゃら感があって人間くさい。
共感できるところが多くて、友達になれそうな人たちなのだ。
「今の私では二人を幸せにできないけど、こんな私でも認めてくれた二人の気持ちは無下にできない」と非合理的な選択をする加奈子。
それに対して、「なんて我がままな女なんだ」と思いつつ、加奈子への愛情が爆発してしまうノブとか。
この物語のテーマの一つは、「人それぞれの幸せ」というところに -
Posted by ブクログ
ネタバレエピローグに、わかるんだけど、わからなくもないんだけど、わかる気もするんだけど(段々弱まっている)、でもフィクションなんだからもう一歩踏み出しちゃっても良いのに!となった。
素直に勘違いをしていた(むしろそのまんまなそれを望んでいた)為に兎人間と彼女が上手く重ならなくて、坂井が彼女を好いている気持ちは正直ピンと来ないのだけれども、でも好きなんだろう?!意気地なしめっ……と思ってしまう。
そもそもふたりとも自己完結型で、なんだか最後までそうで。
大事に取っておきたいという気持ちはとても初恋らしくてわかるけれども!となる。勝手に。坂井サイドとして。
ちゃんと向かい合う荒っぽい口調の峰がすき。
う