白河三兎のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ「プールの底に眠る」から二冊目の白河作品。白河三兎の登場人物はみんなかなり理屈っぽいのだ。たしかにそれが少年少女期の一つの思考回路であったりもするけど。
だから少し発想や展開に鼻白むことがないとは言えないいが、甘ずっぱさや軽快さに惹かれ読まされてしまう。ぐいぐいと。きらいなわけない。
特に学生時代にはそんな生徒間での機微があったのかなんて気づかない鈍感な青春を過ごしてしまった自分には、面白く追体験した。
途中、重い暗転(ばあちゃんの事)があるなと早々に気づいてしまったけど、気になって一挙に読んだ。どう話を落とすんだって。
ハッピーエンドな感じだけど、未来永劫に続きそうな主人公の苦しみを想像す -
Posted by ブクログ
ネタバレ達観したような主人公(黒田くん)が嫌いだったけど、人の繊細な気持ちの変化に気づいて、望むような行動ができて、好きな子に言い訳したり子供らしい一面もあってますます嫌いになった。
序章で「好きな子が結婚したのかな?」って感じたけど、最後の展開は予測できず話にどんどん引き込まれた。
黒田くんは達観してるようで、じぶんの恋には本当に気付いてなかったんやなあ。
キヨコの結婚相手は高野くん?
ミータン(クラスのボス)もアヤも好き。
人は生まれた環境で生き方や人間関係をレールにはめられてしまうように感じるけど、それだったら救われないから、過去の原因を追求するんじゃなく、自分で未来を切り開いていきたい。 -
Posted by ブクログ
校舎の窓から飛び降りた担任教師。原因は、生徒との恋愛が発覚したことによるもの。果たして、それだけが原因なのか?クラスメートの証言から見えてくる真相。高校生達の贖罪が、一歩一歩成長させていきます。
全5章+αからなる青春ミステリーで、各章ごとに一人のクラスメートにスポットを当てます。その人視点で独白するかのように語っていき、段々と自殺事件の全体像が見えていきます。最初から核心に迫っていく訳ではないので、個人的に前半部分は、蛇足っぽい感覚がありました。
中盤になると、「命」や「罪」に対する事が高校生ならではの解釈で語られるのですが、グイグイ引き込まれました。真っ正面から事実と向き合い攻めてくる転 -
Posted by ブクログ
白川三兎の他作品と比べるとあっさりしていて、いくらか違う読み味。
読みやすいと言い換えることもできるが、著者のよく練られた伏線や構成力が見られなかった。
定番のどんでん返しのオチも読めてしまった。
前半は青春小説のようだが、途中からミステリに変わるというのはおもしろい。
しかし、そのせいで登場人物たちの存在感がふわふわしている。
というのも、一見、中学サッカー部を舞台にした群像劇のようだが、結局は望の物語に収束していってしまうのだ。
極端なことを言えば潮崎・広瀬・真壁は終盤のミステリ部分については不要だ。
そのせいか、エピローグで彼らのその後も描かれなかった。
読み味が途中で変わるのは面白 -
Posted by ブクログ
いつも衝撃的などんでん返しを見せてくれる作家なので、注意深く読んでいたが、違和感を何度も覚えながらもその正体はつかめないまま読み進めた。
少しずつ全貌が見え始めたところで一気にすべてが明らかになる瞬間は圧巻。
登場人物の人数がおかしい、旅行の日程がおかしいということには気づいていたが、今話しているのは誰なのか勘違いしてばかりだった。
ミステリとしての構成のうまさが光る一方で、物語の深さはこれまでの作品と比べると浅かった。
やはり群像劇でそれぞれのキャラクターを深掘りするのは難しい。
逆境に負けない芯のあるヒロインが登場しなかったことも残念。
私がこれまで読んだ著者の作品の中ではこれは初め -
Posted by ブクログ
後味が悪い。
タイトルのように「勉強になったね」と軽く済ませることはできない。
登場人物たちは「中学生らしさ」をとことん突き詰めたような人ばかり。
虎の威を借るばかりで自己が確立せず、嘘をついたり「何でもするから」とすぐに自分を差し出す卓郎。
自己愛を拗らせてしまったユーカ。
長年の母親による束縛から抜け出した瞬間、暴走を始めるヨッシー。
その設定はいいのだが、彼らは互いに傷つけあうばかりで前に進まない。
薫子はいつもの芯のあるヒロインポジションにいるようだが、私はあまり共感できなかった。
暗い過去があって、自分のプライドを保とうと必死で、それでも他人を気遣おうとしている。
でもそれは一面 -
Posted by ブクログ
人が死にたくなる瞬間って結構そこらへんに転がっているものかもしれない。
いじめ、就職活動、将来への不安、恋愛、身近な人の死……。
実際日本の自殺者数は多く、作中では年間3万人以上、WHOの基準にならって変死者数の半分を含めると(遺書がないと変死扱い)10万人以上になると書かれている。
3分に1人が死を選んでいることになる。
本書は2015年10月発行なので、現在の自殺者数だけを見てみるとやや減少傾向にあり、2016年には2万1千人となっている。
しかし、これでも多い。
連作となる5つの短編の主人公たちも自殺を考えていて、「小人の巣」という自殺サイトにたどり着く。
サイトを運営するシャーマ -
Posted by ブクログ
登場人物たちの抱えているものがちょっと重たくて、なかなか共感するところまで至らなかった。
これまで白川三兎の作品は短編2作と長編は本作含めて2作しか読んでいないが、暗い背景を抱えている登場人物が多い。
それでも最後には希望を見せてくれる展開が多いので、素直に爽やかな青春小説とかも読んでみたいのだが、どうだろう。
本作はメフィスト賞を受賞したデビュー作(文庫はその改稿版)だが、いつもの構成のうまさは当初からあったようで、個々のエピソードから小さな小物に至るまで、ほかの事象とかかわりあっている。
登場人物のキャラクターも、「あの事件が彼を形作った」みたいな簡単な話ではなくて、「あの事件でこうなっ