白河三兎のレビュー一覧

  • 小人の巣

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    人が死にたくなる瞬間って結構そこらへんに転がっているものかもしれない。
    いじめ、就職活動、将来への不安、恋愛、身近な人の死……。

    実際日本の自殺者数は多く、作中では年間3万人以上、WHOの基準にならって変死者数の半分を含めると(遺書がないと変死扱い)10万人以上になると書かれている。
    3分に1人が死を選んでいることになる。

    本書は2015年10月発行なので、現在の自殺者数だけを見てみるとやや減少傾向にあり、2016年には2万1千人となっている。
    しかし、これでも多い。

    連作となる5つの短編の主人公たちも自殺を考えていて、「小人の巣」という自殺サイトにたどり着く。
    サイトを運営するシャーマ

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    2020年10月07日
  • プールの底に眠る

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    登場人物たちの抱えているものがちょっと重たくて、なかなか共感するところまで至らなかった。
    これまで白川三兎の作品は短編2作と長編は本作含めて2作しか読んでいないが、暗い背景を抱えている登場人物が多い。
    それでも最後には希望を見せてくれる展開が多いので、素直に爽やかな青春小説とかも読んでみたいのだが、どうだろう。

    本作はメフィスト賞を受賞したデビュー作(文庫はその改稿版)だが、いつもの構成のうまさは当初からあったようで、個々のエピソードから小さな小物に至るまで、ほかの事象とかかわりあっている。
    登場人物のキャラクターも、「あの事件が彼を形作った」みたいな簡単な話ではなくて、「あの事件でこうなっ

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    2020年10月07日
  • 私を知らないで

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    言い回しがちょっと難しいとこもちょこちょこあったけどテンポが凄く良くて、会話が少しラノベ調なとこもあって読みやすかった
    なんだかなあ、色々心に残る文があって面白かったけど、もどかしい終わり方で、よかったんだろうけどよかったのかなあと…。

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    2020年09月09日
  • 田嶋春にはなりたくない(新潮文庫nex)

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    ネタバレ

    各章が田嶋春を中心とした完結した物語で構成されている。周りを自覚なく振り回し混沌へ導く春が結果的には被害者である「問題児」の問題を意識してか解決していく物語であるが、オチるはずの最終章では特にこれといったオチはなく肩透かしを食らった気分になった。せめて、最後になにか上手くまとめて欲しいものだった。

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    2019年04月14日
  • 田嶋春にはなりたくない(新潮文庫nex)

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    本当に、出だしから田嶋春は嫌な奴でしょうがなかったけど帯のキャッチコピー「読後、彼女を好きになる。」通り最初の気持ちと大分変わっていました。
    うん?でも、好きではないし、嫌いでもないな…。親密な関係には、結局はなりたくはないのかも。クラスで、あんな子がいるんだな程度に収めたい。

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    2019年02月11日
  • 田嶋春にはなりたくない(新潮文庫nex)

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    これはまた強烈に癖のあるキャラクターを生み出したものだ。     
    だがしかし、最後はみんな田嶋にほだされる。   
    しかしまぁこれだけ読んでも田嶋の人間像がいまいち掴みにくいなぁよく分からん。    
    でも読後、彼女を(ちょっとだけ)好きになった。    

    私も大学生とイチャコラしたいなぁ。

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    2019年02月07日
  • 田嶋春にはなりたくない(新潮文庫nex)

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    空気を読まない女子大生。
    そんな彼女の行動は、周りから疎まれるのだか、やがて変化が。

    実際に居たら、まぁ困るだろうなぁ。

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    2019年01月23日
  • 小人の巣

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    最初の虐められっ子がクラス全員を殺そうとする「小さな世界」と、最後の難病を抱える明の父親の「王様の耳」が、感情が濃くて引き込まれて印象的だった。口先で色々言う「アリとキリギリス」をはじめ、他の三話には冷静に自殺志願者を観察したみたいなリアルさがある気がした。「勇者の名」の全力肯定の父親を通してや、女の感情論全開で彼氏なしでは生きていけない!と語る、もう死んでやる!が口癖の「白雪姫」の、言葉が空回りして疎通が上手くいかない強烈さの先で等、どの話でも、現実は悲しいけれど優しさもそっと添えられているようだった。

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    2018年10月17日
  • もしもし、還る。

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    砂漠で目覚めても奇妙に動じないドライな二十八歳の志朗の元へ更に電話ボックスが降って来るシュールさ。砂になってしまう為ボックスの外に出られず、大学時代からのセフレとの日常の傍ら明らかになる過去の殺人や過去との通話含め謎だらけの状況に引き込まれたものの、終盤は生きたさにも上手く乗れずよくわからなかった。

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    2018年10月10日
  • 十五歳の課外授業

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    歯科医院の跡取り息子がモテる彼女の肉食な猛攻を避けたり同級生男子と連んだりして過ごす中、教育実習生が昔家に招き一緒に食事をしていたかおるお姉ちゃんだと気付く。姉が家出したり薫子の秘密を知ったり。自己が定まらなくてふにゃふにゃに脆くて暴走したりする中学生達と風俗等を孕むハードな世界や大人の対比が鮮烈。

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    2018年10月10日
  • ふたえ

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    転校生の女子高生。何やら理由ありの模様。
    女子が、俺とか使うとだいたいあの手だとわかってしまうわけで、
    まぁそうだろうなぁという結末になるのだけど、それぞれの視点から
    描かれた修学旅行の話は、いずれも面白かった。

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    2018年08月26日
  • もしもし、還る。

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    中盤くらいまではテンポも良くて面白く読めたんだけど最後の方はなんだかごちゃごちゃしてわかりにくかったなぁ。
    自分に理解力がないせいかわからないけど。
    ただ幸せを幸せだと感じることの出来ないシロはなんだか可哀想だと思った。でもキリと出会えてやっとほんとうの幸せに気付く事が出来てよかった。

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    2018年08月15日
  • 総理大臣暗殺クラブ

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    新入生の三重子が立ち上げた謎の部活〈総理大臣暗殺クラブ〉。
    メンバーは一風変わった者ばかり。
    総理大臣暗殺というバカげた目標のために青春の日々を楽しく、
    そして必死に費やす若者たちの真実は! ?

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    2018年08月13日
  • ふたえ

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    ネタバレ

    クラスで爪弾き者のお話という点が「私を知らないで」を想起させられ、あれが個人的にはとても良い作品という記憶がある(読んだのは6年も前で、かなりおぼろげですが……)ので、本作にもちょっと期待を抱いて読んでいました。

    「私を〜」と違って本作は群像劇になっており、特に第二章の舞妓の話は主人公の一途さに共感と同情させられ、かなり引き込まれました。ただ第一章の設定と齟齬があり、どうも時系列的にトリッキーな作りになっているのではと感じ始め、以降は登場人物の心情などより、どのような仕掛けがあるのかが気になってしまいました。

    その点に関しては、最終章で納得のできる種明かし(ちょっと強引なところもありますが

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    2018年07月21日
  • 総理大臣暗殺クラブ

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    感情がマヒするほど心が傷んでいるとき、ものすごく理詰めになる。きっと自尊心が高ければ高いほど。理詰めでがんじがらめになってる状態がほぐれるその瞬間をこんなに鮮やかに提示されるなんて。
    共感できない題材だからこそむしろ共感出来てしまう。

    傷ついてるなんて絶対に認めたくないって何とか背筋を伸ばそうとしてるときに、説教たらしくなく、するりと心に入り込んでくれるような本。

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    2018年06月01日
  • 小人の巣

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    ネタバレ

    自殺願望がある人たちを呼び寄せる、自殺幇助のサイト、小人の巣。

    いじめを苦に自殺しようと思い、小人の巣の管理人「シャーマン」に会いに行った女子中学生の沙菜。

    シャーマンは臓器移植をしないと治る見込みのない難病患者の10歳の女の子だった。

    彼女がくれた死の薬は、ただのビタミン剤で、シャーマンこと明は、自殺幇助ではなく自殺願望者たちを救う活動をしていた。

    一度は人生に絶望して、それから命の大切さを知る人たち。

    大切な人とずっと一緒にいたくて死のうとする人。
    就活がうまくいかなくて死のうとする人。
    恋人に振り向いて欲しくて死のうとする人。
    病気を抱えた明の父の思い。

    ツイッターで自殺願望

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    2017年11月16日
  • 十五歳の課外授業

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    中3の卓郎のクラスに現れた教育実習生。
    彼女が数年前まで卓郎の父の歯科医院に通っていた「おねえちゃん」だと気付き喜ぶ卓郎だが…
    中学生のリアルな悩みと秘密を描く青春小説。

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    2017年09月05日
  • プールの底に眠る

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    ネタバレ

    青春、恋愛、って感じですかね。
    (ミー的にはミステリでは無いナリ)

    現実感アリアリな生活を送っている大人が読むと、たぶん主人公たちの"若い"感じとか、主人公の何故かモテてる所とか、あまり"しっくり"来ないと思うナリ。
    最後の方の展開、流れは、ミーにはチョット理解出来にくかったナリ。
    他の方の感想などを読んで、"そうか"と思ったナリ。

    ミステリでは無いかもしれませんが、ミステリを書く作家さんらしい、チョイ謎や伏線やらが少しあるので、ふんわり読んでると、意外とわかりにくいかも。。

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    2017年08月11日
  • プールの底に眠る

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    ずっとプールの底で眠ってられたらどうなってたんだろうと思わざる得なかった.
    セミとイルカの関係のままでいられるわけないけれど.

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    2017年06月03日
  • 神様は勝たせない

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    どれだけの間、読まずに置いておいたか?
    単純なサッカー小説ではないと知ってはいたけど。登場するキャラクターの役割、伏線の付け方、試合の流れに計算通り織り込んでいくスキルの高さ。途中で物語の展開は読めるけど、
    中学生の視点となれば、それもありかと。

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    2017年04月02日