白河三兎のレビュー一覧

  • 神様は勝たせない

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    ネタバレ

    YouTubeで薦められてしたので読んでみた。
    中学生にしては全員大人びているが、結末は途中で5章で予想できてしまう。
    そのきっかけとなった出来事がやや唐突過ぎるのとあの時点では憶測であることを(中学生だから仕方ないのかもしれないが・・)あんな形で暴露してしまう事にちょっと違和感は感じた。
    最後は皆が前向きに歩み出したから良かったが、広瀬と宇田川はレッドカードではないだろうか

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    2022年12月16日
  • プールの底に眠る

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    たった一週間の美しくも儚いイルカとセミの物語、あの頃に戻れる幻想的なミステリー #プールの底に眠る

    ■レビュー
    全編通して綺麗で儚い世界観で、それでいて悲哀あふれる作品です。
    文章の芸術性が高く、純文学のソレを思わせる書きぶりで心にしみるセリフも多い。

    ただ結局どこに着地するのかもわからず、テーマである愛情についても、軽いのか重いのか良く分からないという不思議ワールドを体験できます。

    なにより登場人物たちのやりとりが素晴らしい。
    現実的な出来事や会話は全くなく、まるでおとぎ話のように夢心地。そして辛い思いを水の底でじっと息をひそめるような彼らですが、お互いを思いやる気持ちは、じっくりと読

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    2022年10月31日
  • 無事に返してほしければ

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    途中までは非常に面白かったのですが、最後の終わり方はモヤモヤしてしまった?視点がどんどん変わってわかりずらかったのかもしれません。

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    2022年09月24日
  • 計画結婚

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    ネタバレ

    かなりの美人で突拍子もない行動して痩せ我慢の塊な静香さん…嫌いではないけど近くにいたら疲れそう。
    計画結婚ってそういうことか、ここまでやると天晴です。
    静香さんのトンデモ出会いのあれもこれもが式の伏線とは。「若い頃の東山紀之似の塩顔」の言葉の力。。
    本人が幸せなら良いんだろうな、きっと。

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    2022年09月18日
  • もしもし、還る。

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    ネタバレ

    スリリングな展開や、少し不思議のSF設定、ミステリー仕立ての流れが良かった。

    電話ボックスが不気味で超時空的なモチーフとして効果的。スマホや携帯、パソコンでは、この回顧と現代が交錯する切なさは出ない。

    エンディングが「生」と「死」どちらに転ぶかで、この作品が駄作になるか良作になるか決まる、と思って読んでいた。
    全体に立ち込めるペシミスト、アイロニー、空虚感から、「生」でないことを願いながら読んだ。「生きる希望を見出して前を向く」結末なら、あまりに陳腐で三文芝居。だか、そこはある程度期待通りでよかった。多少予測のつく結末でありながら、表現は退屈にはならず、まぁまぁよい。

    気になったのは人物

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    2022年08月14日
  • 冬の朝、そっと担任を突き落とす(新潮文庫nex)

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    登場人物の抱える秘密とか闇とか、それぞれが持つ個性を見ていくのは楽しかったかな。ただ、ラストの部分がちょっとわからなかった。私の理解不足なのかなと思って、5回ぐらい読み返したのだけれど、やっぱりわからなかったな。
     ずっとモヤモヤしているのは嫌なので、考察でも、分かる人でも、教えてください!

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    2022年04月03日
  • 計画結婚

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    過去の回想、彼女の生い立ちがいろんな角度から描かれ、時には関係なさそうなサイドからもストーリーが進み、それが彼女という人物像を明らかにしていく。
    ただの美人ではない。
    とても扱いづらい人物で、ひと筋縄ではいかない人。
    周りの人は苦労させられたのだなと感じ、ふと気が付く。
    そんな彼女がなぜ結婚したのかと。

    転んでもただでは起きないような人。
    そんな彼女が結婚式を船上で行う理由。
    ただ目立ちたいわけじゃない本当の理由。
    ラストにぞっとしました。

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    2022年02月24日
  • 冬の朝、そっと担任を突き落とす(新潮文庫nex)

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    良かったと思うけど、最後はよく分からない難しい終わり方だった。私の理解力が無いせいなのか……

    ただ、読みやすかったし各章面白いところはあった。

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    2021年12月02日
  • 私を知らないで

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    おもしろかった。

    最後の方はどうしても早足になって
    説明的になってしまう

    最後のどんでん返しが
    勿体ない気がする。

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    2021年09月21日
  • 私を知らないで

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    単に、中学生のリアルな学校生活における、シニカルな恋愛ものだと思っていると、突然足もとをすくわれることになる。読んでて私も気付かぬ内に、重要なテーマを掲げられていた。

    人間には、良いところも悪いところもあるということ。難しいのは、時に悪いところを出さないと、自分自身が駄目になってしまうかもしれない状況もあるというのは、言い換えると、誰かを犠牲にして、自分が成り立っているのかもしれないということ。私も時折、感じていたことがあるので、その点は、説得力があるなと思いました。

    ただ、逆に「キヨコ」のネタばれ要素は、少し違和感があるように感じたけれど、それを差し引いても、きちんと「シンペー」の成長物

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    2021年06月19日
  • 冬の朝、そっと担任を突き落とす(新潮文庫nex)

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    あー、田嶋春か!凄い子だ。何の疑問もなくずばり言われると皆こうなっちゃうんだ。堀まりあもタージによって変われるのだろうか。

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    2021年06月12日
  • 無事に返してほしければ

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    内容は面白かったけど話が急展開しすぎて、もうちょっと詳細ほしいなってところがあった。(特に父があっけなく死んでしまったところとか)

    お父さんの視点、刑事の視点、子供の視点、と視点が変わるので少し読みづらかった。
    最後にいろんな伏線を回収するのかな、と思ったらそうでもなく、作者が小説を書くのを諦めてしまったかのような終わり方だった。

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    2021年04月24日
  • 田嶋春にはなりたくない(新潮文庫nex)

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    ネタバレ

    高校のとき、同級生に田島という苗字の人がいて、もしハルって名前だったらタージマハルっぽいな、と思っていました。なので、本作のタイトルを見た時「遂に来たか」と意味不明なインパクトを受けました。

    内容に関しては……空気の読めない少し変な子だけど、他の人とは違う着眼点や発想で事件や問題を解決するお話は割と珍しくないと思ってまして、それ故本作にもさほど新鮮さ・斬新さは感じられず。

    各章のエピソード(事件というか、問題?トラブル?)はちょっと面白いなと思いました(三毛輪の話が個人的には好き)が、肝心のタージが実際にいたらめんどくさそうなキャラで感情移入や共感がしづらかったので、本作にハマりきれなかっ

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    2021年04月16日
  • 私を知らないで

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    ネタバレ

    「プールの底に眠る」から二冊目の白河作品。白河三兎の登場人物はみんなかなり理屈っぽいのだ。たしかにそれが少年少女期の一つの思考回路であったりもするけど。
    だから少し発想や展開に鼻白むことがないとは言えないいが、甘ずっぱさや軽快さに惹かれ読まされてしまう。ぐいぐいと。きらいなわけない。
    特に学生時代にはそんな生徒間での機微があったのかなんて気づかない鈍感な青春を過ごしてしまった自分には、面白く追体験した。

    途中、重い暗転(ばあちゃんの事)があるなと早々に気づいてしまったけど、気になって一挙に読んだ。どう話を落とすんだって。
    ハッピーエンドな感じだけど、未来永劫に続きそうな主人公の苦しみを想像す

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    2021年03月21日
  • 私を知らないで

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    ネタバレ

    達観したような主人公(黒田くん)が嫌いだったけど、人の繊細な気持ちの変化に気づいて、望むような行動ができて、好きな子に言い訳したり子供らしい一面もあってますます嫌いになった。

    序章で「好きな子が結婚したのかな?」って感じたけど、最後の展開は予測できず話にどんどん引き込まれた。

    黒田くんは達観してるようで、じぶんの恋には本当に気付いてなかったんやなあ。
    キヨコの結婚相手は高野くん?

    ミータン(クラスのボス)もアヤも好き。
    人は生まれた環境で生き方や人間関係をレールにはめられてしまうように感じるけど、それだったら救われないから、過去の原因を追求するんじゃなく、自分で未来を切り開いていきたい。

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    2021年03月13日
  • 冬の朝、そっと担任を突き落とす(新潮文庫nex)

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    自分が高校生の時のほほんとしすぎていただけかもしれないが、実際の高校生がこんなに戦略めいた生き方をしているとは思えず特に高校生活の描写が若干リアリティに欠けると感じた。ミキのその後の話や穴井先生のご遺族の話など気になる点が残されたまま終わったため結末に少し物足りなさを感じた。

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    2021年01月22日
  • 冬の朝、そっと担任を突き落とす(新潮文庫nex)

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    校舎の窓から飛び降りた担任教師。原因は、生徒との恋愛が発覚したことによるもの。果たして、それだけが原因なのか?クラスメートの証言から見えてくる真相。高校生達の贖罪が、一歩一歩成長させていきます。

    全5章+αからなる青春ミステリーで、各章ごとに一人のクラスメートにスポットを当てます。その人視点で独白するかのように語っていき、段々と自殺事件の全体像が見えていきます。最初から核心に迫っていく訳ではないので、個人的に前半部分は、蛇足っぽい感覚がありました。
    中盤になると、「命」や「罪」に対する事が高校生ならではの解釈で語られるのですが、グイグイ引き込まれました。真っ正面から事実と向き合い攻めてくる転

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    2021年01月09日
  • 神様は勝たせない

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    白川三兎の他作品と比べるとあっさりしていて、いくらか違う読み味。
    読みやすいと言い換えることもできるが、著者のよく練られた伏線や構成力が見られなかった。
    定番のどんでん返しのオチも読めてしまった。

    前半は青春小説のようだが、途中からミステリに変わるというのはおもしろい。
    しかし、そのせいで登場人物たちの存在感がふわふわしている。
    というのも、一見、中学サッカー部を舞台にした群像劇のようだが、結局は望の物語に収束していってしまうのだ。
    極端なことを言えば潮崎・広瀬・真壁は終盤のミステリ部分については不要だ。
    そのせいか、エピローグで彼らのその後も描かれなかった。

    読み味が途中で変わるのは面白

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    2020年10月07日
  • ふたえ

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    いつも衝撃的などんでん返しを見せてくれる作家なので、注意深く読んでいたが、違和感を何度も覚えながらもその正体はつかめないまま読み進めた。
    少しずつ全貌が見え始めたところで一気にすべてが明らかになる瞬間は圧巻。

    登場人物の人数がおかしい、旅行の日程がおかしいということには気づいていたが、今話しているのは誰なのか勘違いしてばかりだった。

    ミステリとしての構成のうまさが光る一方で、物語の深さはこれまでの作品と比べると浅かった。
    やはり群像劇でそれぞれのキャラクターを深掘りするのは難しい。

    逆境に負けない芯のあるヒロインが登場しなかったことも残念。
    私がこれまで読んだ著者の作品の中ではこれは初め

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    2020年10月07日
  • 十五歳の課外授業

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    後味が悪い。
    タイトルのように「勉強になったね」と軽く済ませることはできない。

    登場人物たちは「中学生らしさ」をとことん突き詰めたような人ばかり。
    虎の威を借るばかりで自己が確立せず、嘘をついたり「何でもするから」とすぐに自分を差し出す卓郎。
    自己愛を拗らせてしまったユーカ。
    長年の母親による束縛から抜け出した瞬間、暴走を始めるヨッシー。
    その設定はいいのだが、彼らは互いに傷つけあうばかりで前に進まない。

    薫子はいつもの芯のあるヒロインポジションにいるようだが、私はあまり共感できなかった。
    暗い過去があって、自分のプライドを保とうと必死で、それでも他人を気遣おうとしている。
    でもそれは一面

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    2020年10月07日