白河三兎のレビュー一覧
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「ぶっちゃけ、総理大臣を暗殺しようと思っているんだけど」
『世間は子供や老人に『なのに』を付けて持て囃したがる。成人に『なのに』を付ける時は大抵悪い意味だ。』
『少なくとも私には命の重さがわからない。私は父の死に間近で触れたけれど、『こんな簡単に死んじゃうんだ。なんか軽いな』としか感じられなかった。』
「俺が悪かったよ。体重計に乗るから。だからボタンを留めろ」
「私をがっかりさせないで。声高に平等を訴えたものだから、柏木くんは男女の身体的特徴の差異など気にしない懐の深い人なんだな、と感服したばかりだった」
「どんだけ自分の体に自信があるか知らねーけど、男でも女でも自分から脱ぎたがる奴な -
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ネタバレさすが白川三兎、デビュー作でこのレベルの小説書くかぁ、スゲーわ。メフィスト賞受賞もなるほどなぁと思わせる。
小道具描写なんかが荒削りだったり、文庫化に伴う再編集後も時系列が分かりにくい部分があったりするが、その瑕疵を帳消しにして余りある、登場人物たちの心理描写・行動描写が素晴らしい。
ここんとこ「青春時代の真ん中は道に迷っているばかり」的な小説に出会うことが多いが、この作品もそのテーマの秀作。エエ歳こいてから厨二病っぽい小説を読んで楽しむってのは、あまり品の良くない趣味かも知れないが…オモロい小説が揃ってるテーマやもん、しゃーない。
最後のハッピーエンドは手本通りとも思えるし、出来すぎと -
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『男と女の間にも友情はある。世界中の人間が手と手を取り合う今の時代に、男女が性別の垣根を越えて仲良くなるのは、当たり前のことだ。』
「宇田川、俺はおまえに賭けているわけじゃない。他のキッカーもそうだ。失敗してもいい。PKを任されるのはみんなから失敗することを許された限られた選手なんだ。信頼の証だ。チームから選ばれたおまえたちが失敗したのなら、他の誰が蹴っても失敗する。誰も責めたりはしない。」
「嘘をつく時のコツは、真実を半分盛り込んで話す。そうすれば真実味が増すし、罪悪感も表に出にくい」
『プレッシャーが重く圧し掛かっている。目の前にあるボールが鉛のような重さに思える。だけど、悪い気はし -
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「ねえ、これが何かの罰だとは考えられない?」
「あなたは何か罪を犯しているんですか?」
「生きるということは罪を作り続けることよ。違う?」
「私たちにあるのは後悔だけね。人生を限りないものと考えていて、ずるずると先延ばしにしていたことがいっぱいあった」
『僕たちは不安定な世界に住む不完全な生き物なのだ。』
『一人でも生きていける逞しさを姉貴から教わった。自分の頭で考えろ。人に依存するな。信念を持て。偏見に屈するな。』
「そのうち、忘れますよ」
「そんな中途半端な恋愛をするような子に育てた覚えはないんだけど」
「三歳の子供にどんな教育していたんですか?」
「恋愛に年齢は関係ないって一歳の -
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『僕は一人じゃない。今までも、これからも。』
『小学二年生の時に僕は鉄棒に前歯をぶつけて折ったことがある。もちろん歯の方をだ。』
「『ムーミン谷』のムーミンだって泳ぐ時は水着を着るのよ。普段は素っ裸なのに。大切なのは雰囲気よ」
「さっき、上手く笑えていたかな? 辛い時に笑えるような強い人間になりたいんだ、私」
「女の子は生理の周期によって歩くスピードが変わるから、男は女のペースに合わせなくちゃいけない。これは自然の摂理なの。」
「私はもうずっと前に死んでいるの。みんなには生きているように見えるけど、それは私が生きていた時に放っていた光を見ているだけ。私はもう終わっているの」
「わか -
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『百の言葉を並べるよりは、素直に「別れたくない。おまえのことが好きなんだ!」と大声で訴える方が効果的だ。でも多くの男どもはそれがわかっていながら、哀れな失言を選ぶ。』
「本当のことを言っていいんだ。子供の特権だ。誰も怒ったりはしない。正直に言ったことで誰かを哀しませることになったとしても、それは正しいことなんだから」
『加奈子は自分に嘘をつけない性分だ。嘘は自分を貶め、心を曇らせる。心に一点の曇りもなければ、誰に対しても堂々としていられる。』
『何が恥ずかしいのだろう? 加奈子は懸命に生きていた。生き抜こうとしていた。子供のために必死になって未来への道を切り開こうとしていたのだ。
俺はそ -
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ネタバレタイトルに惹かれて購入した。教師の自殺に揺れる高校生たちの償いの物語だ。
章ごとに視点が変わり、それぞれの秘密が暴かれ、教師自殺の真相が紐解かれる。
クラス内階級や学校生活を何事も無く過ごすためのサバイバルの描写が心にちくり⋯
青春とは自由であると共に、反面とても窮屈なものであったことを思い出した。
舞台が理系の特進クラスなだけに、登場人物は皆、口が達者だ。理論的な思考に長けたキャラクターたちの交わす会話はとても丁々発止で、読んでいてハラハラする。この人たちには絶対に口では勝てないと思った。
壮絶な「償い」が繰り広げられるラストシーンが圧巻のひと言だ。タイトルの意味を回収する -
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ネタバレ「キヨコ」はタフで、でもそのタフは痛みを感じないんじゃなくて、痛みに耐えるタフさなんだと思う。
そのタフさで弱くて嫌いなコンプレックスだらけの醜い「進藤ひかり」を「キヨコ」は隠していたと思うと胸が痛い。
無駄に真っ直ぐな高野とどこか淡白で薄情なシンペー。
キヨコを助けようとする二人は全然違うけど両方とも間違ってなんかないと思う。
個人的に印象的だったのは
「誰かの屍の上に俺らの世界は成り立っている。だけど、謝るな。償うな。死者の恩恵を受け入れて無駄にするな。それが嫌ならとっとと死ね。(要約)」
とシンペーがある事件がきっかけで引きこもりになった高野に言いはなった場面。
みんなが受け入れたく