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Posted by ブクログ
「自分の力で運命を切り開くには、先ず一度運命を受け入れなくちゃならねーってことを知らない奴が多すぎるんだ」
『久米先生が無言でハンカチを渡そうとする。でも私はその手を払った。やめて! そんなことしたら本当に慎次が死んだことになっちゃう。泣いたら泣いた分だけ慎次が死んじゃう。』
『慎次となら何時間でも一緒にいられた。苦痛を感じずに同じ時を過ごせる唯一の存在だった。慎次は『夏休みに溺れ死ぬ』というベタな死に方をし、私は『失って初めてその大切さに気付く』というベタな認識をした。どっちもどっちの馬鹿な姉弟だ。』
「自分の気持ちに嘘をつくことが癖付くと、人生で何も手に入れられなくなるぞ。素直になれよ。当たって砕けた方が利口だ。砕けた分だけ強くなる。次に砕けても粉々にならないで済む」
Posted by ブクログ
いつも衝撃的などんでん返しを見せてくれる作家なので、注意深く読んでいたが、違和感を何度も覚えながらもその正体はつかめないまま読み進めた。
少しずつ全貌が見え始めたところで一気にすべてが明らかになる瞬間は圧巻。
登場人物の人数がおかしい、旅行の日程がおかしいということには気づいていたが、今話しているのは誰なのか勘違いしてばかりだった。
ミステリとしての構成のうまさが光る一方で、物語の深さはこれまでの作品と比べると浅かった。
やはり群像劇でそれぞれのキャラクターを深掘りするのは難しい。
逆境に負けない芯のあるヒロインが登場しなかったことも残念。
私がこれまで読んだ著者の作品の中ではこれは初めてのことだ。
第六章の語り手の心境の変化にもあまり納得がいかなかった。
手代木麗華をもっと物語の中心に据えることができれば違っていたかもしれない。
Posted by ブクログ
クラスで爪弾き者のお話という点が「私を知らないで」を想起させられ、あれが個人的にはとても良い作品という記憶がある(読んだのは6年も前で、かなりおぼろげですが……)ので、本作にもちょっと期待を抱いて読んでいました。
「私を〜」と違って本作は群像劇になっており、特に第二章の舞妓の話は主人公の一途さに共感と同情させられ、かなり引き込まれました。ただ第一章の設定と齟齬があり、どうも時系列的にトリッキーな作りになっているのではと感じ始め、以降は登場人物の心情などより、どのような仕掛けがあるのかが気になってしまいました。
その点に関しては、最終章で納得のできる種明かし(ちょっと強引なところもありますが)があり、なかなかに面白い作りの小説のように感じました。
ただ、登場人物への共感という点では、二章の舞妓以外では宮下と志村の話くらいで、他は可もなく不可もなく。タロットに至ってはただ腹立たしいキャラでしかなかったため、トータルでプラマイゼロな印象となりました。
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