佐藤多佳子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「学校」と「音楽」をキーワードにした短編集。
リコーダーアンサンブルに参加する小学生やら、
軽音楽部でベースを弾く女子高生やら、
登場人物はみな音楽を「演奏する側」の人。
みなアマチュア...と言うか子供や若者で、
決して上手・立派な演奏をしている訳ではない。
むしろ「初心者が頑張ってる」シーンの連続。
だが、自分の演奏のふがいなさにもがく中で、
ふと訪れる「息が合ったときのゾクッとする心地よさ」
を丁寧に描いていて、そこにぐいぐいと引き込まれる。
演奏する側に回ったことのある人なら、
一度は経験したことがあるモーメントでは。
自分の出す音だけに集中している時期から、
だんだん「周りの音」が聞こえるようになって来て、
ふと迎える「息が合った」瞬間の快感。
巻末の解説に「言葉で音楽を伝えることはできないが
音楽に向き合う人の心を描くことはできる」
という主旨のことが書いてあったが、至言である。
現役はもちろん、かつて「演奏する側」だった人は
「あ〜、音楽やりて〜!! 打ち込みとかじゃなくて
人間同士で音出して〜!!!!!」と熱望すること必至(^ ^;
つい興奮してしまいましたが(^ ^;
もちろん楽器の演奏だけを描いた小説ではなく、
幼いなりの恋愛感情なり、いじめ含む人間関係なり
音楽を軸にしつつそれぞれのストーリーがちゃんとある。
でも、読後感として残るのは演奏シーンが強い。
それだけ印象的に描かれている訳でもあろうし、
また人を、大きく言えば人生を変えることもある
「音楽の力」みたいなものの強さとしなやかさが
上質の映画のラストシーンのような読後感と共に薫る。
そんな「ミューズの神に愛された」秀作たちです(^ ^ -
Posted by ブクログ
ネタバレ本気ってこわくない?限界見えちゃいそうで。
見たこともない限界にたいして、おびえていた頃。
あの頃、あんなにもまっすぐで、伸びやかだった気持ち。
いつのまになくしちゃったのかな。
ふたりがであってくれてほんとうによかった。
14歳は大人が考えるよりずっと大人なんだと思う。
確かそうだった。
自分と重なるところもあったせいか、木島にも村田にも終始心がゆさぶられてばかりだった。
大人になった今に、こんなにも十代の恋愛をテーマに書いた小説に心揺さぶれるなんておもっていなかった。
本当に、10代の頃にであっておきたかったな、ってつくづく思った。
でも今でも出会えてよかったと思う。 -
Posted by ブクログ
『本自体が放つ品格』
大好きな、大好きな小説の漫画版です。
書店でこのコミックを見つけたときに「なんと無謀なことを」と
斜に構えていたはずなのに、
どうも本自体が放つ品格が気になってレジへ。
結論として、ジーンとしてしまいました。
軽いタッチの絵柄ですが、原作への敬意と自己表現のせめぎ合いが
全ページから感じ取れて、思わず背筋が伸びます。
勝田文は未知の作家でしたが、良い。
不明を恥じつつ作品を追いかけてみます。
もちろんこの後、原作も再読しました。
やはり良い。
何度読んでも薄れることがありません。
良い本との出会いはそれだけで財産ですね。 -
Posted by ブクログ
原作を先に読んでいるので、勝手に脳内で補強しているかもしれないが…
マンガはかなりバッサリと短縮している部分があるので、いきなりマンガから入る人にはちょっとサクサクし過ぎている様に見えるんではないかと思ったりしつつ。
勝田文好きだーーー!
特に、今回のキャラクターはみんなビジュアル的に大好き。
三つ葉みたいなタイプの絵が主人公なのは珍しいよね?
原作の雰囲気は全く壊れてなくて、原作は色々と話が広がりすぎてというか、生徒達のそれぞれの心象について丁寧に扱おうとして、かえって全体のバランスが悪くなった気がするので、三つ葉と十河に焦点があってるマンガ版のほうが二人の話としてまとまり良くなった気がする。
(原作は恋愛要素いらんとおもったけど、マンガ版はそれが良い)