佐藤多佳子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
大学を休学しコンビニでバイトする深夜ラジオのヘビーリスナーである富山、同じコンビニでバイトリーダーとして働きネットの歌い手という顔もある鹿沢、コンビニで偶然出会った同じラジオ番組のヘビーリスナーである女子高生の佐古田、富山の旧知の仲の永川の4人が主要人物の青春小説。終始主人公である富山の独白調の一人称視点で語られる。
読後感のよいまさに青春小説。登場人物たち(ひいては著者)のラジオ愛がすごく伝わってきて、自分は深夜ラジオは全く聞かないが、なかなか奥深い世界があるものだと感心した。
「自意識過剰でひねくれてるし、臆病でほっといてほしいくせに、評価はされたいんだよな。目立ちたくない、目立ちたいって、まったく相反する二つの気持ちがあるよ。弱っちいくせにプライド高かったりね。」という主人公の独白は、自分の奥深い気持ちにかなり近いものがあり、シンパシーを感じた。 -
Posted by ブクログ
地方在住のささやかなベイスターズファンとしてはこの「熱」に触れることが出来る方たちがとても羨ましい限りなのです。
著者と年齢が近いこともあり、冒頭からホエールズの遠藤投手の登場に、読む心をわし掴みにされてしまいました。
自分も神宮球場で遠藤投手の活躍をレフトスタンドから応援していた人間なので、その臨場感に心が躍ります。
「スポーツには人の心を動かす力がある」この物語に登場する人物は誰もが心が動き、そこから自分の居場所を見出して歩み出していきます。
「熱狂的ベイスターズファンのストーリー」としてだけ読むにはとてももったいない。
この3つのストーリーはそんな読み説き方をしてみては如何でしょうか?
「あとがき」に添えられた著者からのコメントが心に沁みますね。 -
購入済み
はじまりの一部
メインキャラクターに特別悪人はいないので、読んでいて嫌な気分になることがなく、比較的読みやすいと思いました。
主人公も基本的に良い子のようですし。特別面白いとも感じませんが、二部も読んでみたいと思います。 -
Posted by ブクログ
4編から成る短編集。小学校・中学校・高校の子どもたちと、それぞれの音楽との関わりが、瑞々しく爽やかに描かれている。
自分も小学生時代から、管弦楽や吹奏楽の部活動に精を出したり、学年合奏にウキウキしたりしていたので、心情や空間などの描写にかなり共感できた。学校生活の思い出は常に音楽とともにあるので、この本を読んでも「あぁ、あの時、楽しかったな〜」としみじみ思う。輝く思い出を懐かしく思い出させてくれたことに感謝。
特に良かったのは中学生のリコーダーカルテットを描いた「FOUR」。音を合わせる喜びと、中学生の笑えるような個性と、悩める自意識と、甘酸っぱさに溢れている。
鈴花がメロディーの表現に悩んでいる様子は、自分も高校くらいまでずっと楽器での感情表現で苦戦していたことが思い出された。
「このメロディーの美の中に、自分を投げ出してみて。気持ちを解放して。喜びを音に乗せてみて」という間柴先生の言葉は、身に沁みるよう。表現することを恥ずかしがっている段階では、音に感情を乗せるなんてことは到底出来ないんだよね。
「うまく吹こうという力みがとれた時、長く伸ばしたゆったりした音の中に静かな感情がみなぎった。(中略)情緒豊かに吹くことと、正しい技術で吹くことは、違う作業じゃないんだと思う。」という文章がとても好き。鈴花が中1にしてこれに気付いたのはすごいことだと思う。