佐藤多佳子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
大人になってからラジオをほとんど聞かないせいか、序盤のラジオの説明はあまり頭に入らず、読み進めるのに時間がかかりそうだなと思いましたが、佐古田ちゃんが出てきてから主人公がぐんぐん前に進んでいくようになって、一気に読み進められました。学校や家以外の大切な仲間やコミュニティ(本作ではバイトや、ラジオリスナーのつながり)があるって大切なことだなあと思いました。主人公の人生で最も大切な一年だろうなと、それを読むことができて温かい気持ちになりました。4人がこのあとも時々会って、ずっと仲間でいられるといいなあ。あと佐古田ちゃんの先輩がとても素敵な人でした。
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Posted by ブクログ
すごくすごーく良かった…!
野球はルールは一応分かる、誘われたらたまに球場行くぐらいの私だけど、お話に引き込まれて、熱くなって夢中で読んだよ。
そして、どのお話にもじんわり漂う切なさに胸がぎゅーってなった。
大洋ホエールズから横浜ベイスターズ、そしてDeNAベイスターズへ。
それぞれの世代の横浜ファンのお話で構成されてる。
横浜ファンじゃなくても、なんなら野球のことほぼ分からなくても楽しめると思うし、逆に普段本を読まない野球ファンもこれはのめり込んで読めるんじゃないかな。
読み終わったらすごく野球見に行きたくなった。
ハマスタは昔、高校野球の予選を見に行ったことがあるくらいなんだけど、野球場ってドームよりスタジアムの方が開放感あって良いよね。
マリンスタジアムとかね。
明後日はそんなベイスターズ対ロッテの交流戦みたいだね。
この本読んだ直後だと、どっち応援するか悩んじゃうな。 -
Posted by ブクログ
大好きな作家、佐藤多佳子の作品。期待以上の傑作だ!
まず、具体的な芸人や番組を取り上げてくれている。著者は私と同年代だから、すごい取材をしたんだろう。私たち世代なら谷村新司「セイヤング」鶴光「オールナイトニッポン」などになるが、アルコ&ピースを綿密に描写していて頭が下がる。風景描写も素晴らしく、後半の平潟湾の富山と佐古田の夜の散歩?は風景が目の前に鮮明に現れた。そして、佐古田、つまりは虹色ギャランドゥがめちゃくちゃ魅力的なキャラで、富山との不器用な恋路の行き先が気になってしまう。今を生きる若者の成長を綴った本作は「サマータイム」「一瞬の風になれ」と並ぶ、著者の代表作だと感じた。 -
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稲光が閃いた瞬間、ビリビリする星明石に6人が手を触れると凄まじい音がして、全員気を失った…。
2巻では、その後、それぞれにある種の能力が身についていることが次第に分かる。
あ、またそういう系?みたいに思いがちだが、いやいや、そんな薄っぺらい話ではない。
6人は神楽を舞うという目的だけで繋がっていたので、決して仲が良いわけでない。
目立つ子も地味な子も、頼られる子も怖がられる子も…力関係は様々である。
その関係は、まさに教室の縮図。敏感な子も無頓着な子もいるので、険悪な雰囲気になりがちだが、強者と弱者の間に入って緩衝材の役割する子がちゃんといる。
そういったイザコザをいくつも経験して、6人は能力を鍵に、徐々にお互いの距離を縮めていく。
おそらく、今の学校で一番必要なのはこういう緩衝材的役割を、自然にこなせる生徒なのだろう。
大人の世界が二極化している影響は、子どもの世界にも現れる。
子どもの本から大人が学べることもたくさんある。 -
Posted by ブクログ
私はこの作品に郷愁を感じました。
カトリックの初等部から大学まである一貫校の高等部に通う、主人公鳴海一哉は、父は牧師、母は元ピアニストです。父と母はドイツでバッハを通して知り合いましたが、母は一哉が10歳の時にドイツ人のオルガン教師と出会い、離婚してドイツに渡ってしまい、祖母と三人で暮らしています。
一哉はキリスト教を全く信仰していませんが、聖書研究会とオルガン部に所属しています。
メインの話はオルガン部の五人の活動なのですが、母が元ピアニストの一哉は、皆に一目置かれている存在です。
しかし、一哉はオルガン奏者として最も、素質のあるのは、五人の中では、天野真弓だと見抜いています。
俺は天野のデカい目をしっかり見て言った。
「あんたは演奏者だと思うね」
「昔、ピアノのコンクールで課題曲にバッハのインベンションがあったんです。全国コンクールの東京予選でした。私の二つ後くらいの順番の男の子が、ものすごくいい演奏をしたんです」
「何のコンクール?いくつの時?」
「俺も出てたかもね」
「その男の子、鳴海さんだと思います」
天野は迷いなく言い切った。
オルガンとバッハと礼拝と聖書。
私も、高校の三年間はカトリックの学校でした。
毎日、聖歌を歌っていました。
オルガンではなくピアノをやはり13年間習っていましたが、バッハは特に好きな作曲家で、先生に発表会でバッハを薦められて弾いたこともあります。
読んでいるだけで、泣きたくなるような、懐かしいものばかりの文章でした。
作者の、佐藤多佳子さんはあとがきで「作品のモチーフに合った時代を自分なりに探しました。キリスト教の信仰を持つことはなかった私ですが、中学高校の六年間、毎日、講堂の礼拝で聴いたオルガンの音と讃美歌の歌声は忘れがたく、思い出という以上に大切なものに思えます」とおっしゃっておられますが、ここにも佐藤さんの作品をこんなに懐かしく読んでいる者がいます。と叫びたくなる物語でした。
最後は、タイトル通り、クリスマス・コンサートの終わりとともに終了します。 -
Posted by ブクログ
小学校、中学校、高校での、それぞれ音楽に関するお話の中短編集。
「デュエット」「FOUR」は中学生、「裸樹」は高校生が主役のお話。まだまだ、子供のような、彼、彼女らのお話しにもそれぞれ、様々な感情やドラマがありました。
「第二音楽室」
第二音楽室は屋上にたった一つだけある教室。
後ろ姿だけイケてる男子、久保田。
体の大きいジャンボ山井。
クラスで一番頭がいい女子ルーちゃん。
無口で絶対音感のある江崎。
のんびりやの佳代。
そしてウチこと史江。
クラスで六人だけの5年生鼓笛隊のピアニカ組。
漫画、ゲーム、ルーちゃんが持ってきたポテチ、チョコ、キャンデイ、カフェオレの甘く香ばしいにおい。
江崎が弾く、モーツァルトのピアノソナタ第15番ハ長調。
第二音楽室の秘密基地、楽しいお茶会、独り占めした屋上の遊び。
イカれた最高のパーティ。
何か大事なものをなくした気がするのに、そう思っているのが、ウチ一人のような気がして少しさびしい。
第二音楽室からピアノの音。
江崎だ、あの曲だ。
みんなが来なくなった第二音楽室に江崎が一人だけ来て、もくもくと練習していたことを考えると胸が痛くて泣きたくなった。
「史江って、江崎が好きなの?」
「よくわかんね。でもあいつドの音がわかるんだよ。絶対音感」
五年ピアニカ組。 -
ぜんぶが眩しい!
夢、友情、憧れ、嫉妬、挫折…。 さわやかでみずみずしい青春の全てが詰まった傑作陸上小説。 かけがえのない一瞬の高校生活、明るくてひたむきな努力、部活というコミュニティを通して、体だけでなく、成長していくしなやかな精神、仲間への純粋な愛情と思いやりが眩しい。
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Posted by ブクログ
自分をうまく表現するのが下手で、まわりとケンカばかりしてしまうが、絵を見る才能はある女の子と、離婚した画家の父親の幻にとらわれつつも、自分なりの絵のスタイルを見つけようと模索している男の子のラブストーリー。
ストーリーオムニバス(そんな言葉があるのかはわからないが)形式。
この本を読んでイメージされる言葉は「透明感」。ラブストーリーと言ってしまうにはちょっと語弊がありそうなほど、どちらもピュアで、懐かしさと切なさが入り混じったようななんともいえない後味をのこす物語。
何かにつまずいたり、自分を見失っているような時に読むと元気になれるかもしれない。