佐藤多佳子のレビュー一覧
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久々に引き込まれた本に会えた
実在する登場人物が出てくることで
実際あった話のように感じられたところが
夢中になれた理由のひとつだろうか
誰でも何かしらの人とは違ったところを持っていて
それを個性と呼ぶのだろうが
主たる登場人物の4人は
普通よりもより個性的で
それ故に生きづらさも抱えていて
その部分を補い合うわけでも認めるわけでもなく
ただそのままでいいから
一緒にいられるようになっていった
そのままの4人が
お互いに影響し合って
それぞれが変化していく
そんな関係が
「いい」関係というのだろうなと思わせてくれた
読み終えるのに年をまたいでしまったけれど
よい年末年始だった
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Posted by ブクログ
稲光が閃いた瞬間、ビリビリする星明石に6人が手を触れると凄まじい音がして、全員気を失った…。
2巻では、その後、それぞれにある種の能力が身についていることが次第に分かる。
あ、またそういう系?みたいに思いがちだが、いやいや、そんな薄っぺらい話ではない。
6人は神楽を舞うという目的だけで繋がっていたので、決して仲が良いわけでない。
目立つ子も地味な子も、頼られる子も怖がられる子も…力関係は様々である。
その関係は、まさに教室の縮図。敏感な子も無頓着な子もいるので、険悪な雰囲気になりがちだが、強者と弱者の間に入って緩衝材の役割する子がちゃんといる。
そういったイザコザをいくつも経験して、6人は -
Posted by ブクログ
私はこの作品に郷愁を感じました。
カトリックの初等部から大学まである一貫校の高等部に通う、主人公鳴海一哉は、父は牧師、母は元ピアニストです。父と母はドイツでバッハを通して知り合いましたが、母は一哉が10歳の時にドイツ人のオルガン教師と出会い、離婚してドイツに渡ってしまい、祖母と三人で暮らしています。
一哉はキリスト教を全く信仰していませんが、聖書研究会とオルガン部に所属しています。
メインの話はオルガン部の五人の活動なのですが、母が元ピアニストの一哉は、皆に一目置かれている存在です。
しかし、一哉はオルガン奏者として最も、素質のあるのは、五人の中では、天野真弓だと見抜いています。
俺は天野 -
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小学校、中学校、高校での、それぞれ音楽に関するお話の中短編集。
「デュエット」「FOUR」は中学生、「裸樹」は高校生が主役のお話。まだまだ、子供のような、彼、彼女らのお話しにもそれぞれ、様々な感情やドラマがありました。
「第二音楽室」
第二音楽室は屋上にたった一つだけある教室。
後ろ姿だけイケてる男子、久保田。
体の大きいジャンボ山井。
クラスで一番頭がいい女子ルーちゃん。
無口で絶対音感のある江崎。
のんびりやの佳代。
そしてウチこと史江。
クラスで六人だけの5年生鼓笛隊のピアニカ組。
漫画、ゲーム、ルーちゃんが持ってきたポテチ、チョコ、キャンデイ、カフェオレの甘く香ばしいにおい。
江崎 -
ぜんぶが眩しい!
夢、友情、憧れ、嫉妬、挫折…。 さわやかでみずみずしい青春の全てが詰まった傑作陸上小説。 かけがえのない一瞬の高校生活、明るくてひたむきな努力、部活というコミュニティを通して、体だけでなく、成長していくしなやかな精神、仲間への純粋な愛情と思いやりが眩しい。
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自分をうまく表現するのが下手で、まわりとケンカばかりしてしまうが、絵を見る才能はある女の子と、離婚した画家の父親の幻にとらわれつつも、自分なりの絵のスタイルを見つけようと模索している男の子のラブストーリー。
ストーリーオムニバス(そんな言葉があるのかはわからないが)形式。
この本を読んでイメージされる言葉は「透明感」。ラブストーリーと言ってしまうにはちょっと語弊がありそうなほど、どちらもピュアで、懐かしさと切なさが入り混じったようななんともいえない後味をのこす物語。
何かにつまずいたり、自分を見失っているような時に読むと元気になれるかもしれない。 -
Posted by ブクログ
「学校」と「音楽」をキーワードにした短編集。
リコーダーアンサンブルに参加する小学生やら、
軽音楽部でベースを弾く女子高生やら、
登場人物はみな音楽を「演奏する側」の人。
みなアマチュア...と言うか子供や若者で、
決して上手・立派な演奏をしている訳ではない。
むしろ「初心者が頑張ってる」シーンの連続。
だが、自分の演奏のふがいなさにもがく中で、
ふと訪れる「息が合ったときのゾクッとする心地よさ」
を丁寧に描いていて、そこにぐいぐいと引き込まれる。
演奏する側に回ったことのある人なら、
一度は経験したことがあるモーメントでは。
自分の出す音だけに集中している時期から、
だんだん「周りの音