佐藤多佳子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ一瞬の風になれ第1巻を読んで込み上げてくる「なんだろう、この気持ち」という涙は、きっと新二の中にあるコンプレックスと葛藤があまりにも生々しく、そしてまっすぐだからだと思う。
サッカーで挫折し、兄という“才能”の象徴を身近に持つ境遇。親や周囲の何気ない期待は、悪意がなくても重くのしかかる。兄と比べられることへの劣等感、でも本当は認められたいという思い。その矛盾した感情が、新二の中でずっと渦巻いている。その姿が痛いほど伝わってきて、胸が締めつけられる。
そして陸上部という部活の場。そこには記録という残酷な現実があり、タイムは言い訳を許さない。スタート前の緊張、バトンを渡す一瞬の重み。あの瞬間に -
Posted by ブクログ
主人公が生意気なのかカッコつけていて好きになれず、2/3くらいまでは音楽の本だからということだけで我慢して読んでいました。ところがです、核心部分が表に現れ始めた高円寺と新宿の夜から引き込まれ始め、翌日のおばあさんとの会話では涙が出ました。その後の父の部屋での場面は最初から心臓が押しつぶされてしまい、お母さんからの手紙を明かされてからは号泣でした。もちろんその後はずーっと涙目で読まされました。メシアンとBWV533を初めて聴いてみました。こんなマイナーな曲を高校生が部活で演奏するのかと驚きです。20回以上聴いてみましたが、バッハはまだ分かるとしてもメシアンは未だに"なぜこの曲?&quo
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Posted by ブクログ
1〜3巻まで一気に読んだ。青春いいな〜
陸上の面白さが少しわかった気がする。特に神谷目線で語られるリレーの臨場感、心の声が漏れ出たかのような描写でその場にいるかのように感じられるのがすごい。
特に心に残ったのは、神谷が顧問の三輪先生に焦りを感じて相談に行った時の三輪先生のコメント
「俺はおまえらの夢までは面倒見ねえぞ。夢が実現するようにいくらでも手は貸すが、俺がおまえらの夢を先に見るようなことはしねえ。…(中略)…自分で夢を見ろ。でかい夢を見ろ。」
指導者ってこうあるべきだなって。三輪先生は自分も陸上に未練や、やりきれなかった悔しさがある中で、それを生徒に押し付けるのではなく、一歩引いて生