ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
2pt
学校×音楽シリーズ第一弾。 音楽が少女を、優しく強くあたたかく包んでいく。 校舎の屋上にある音楽室に集まる鼓笛隊の落ちこぼれ組を描いた表題作など、少女が語り手となる四つの物語。 嫉妬や憧れ、恋以前の淡い感情、思春期のままならぬ想いが柔らかな旋律と重なり、あたたかく広がってゆく。 学校と音楽をモチーフに少年少女の揺れ動く心を瑞々しく描いたSchool and Musicシリーズ第一弾。 解説・湯本香樹実
アプリ試し読みはこちら
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
小学校、中学校、高校での、それぞれ音楽に関するお話の中短編集。 「デュエット」「FOUR」は中学生、「裸樹」は高校生が主役のお話。まだまだ、子供のような、彼、彼女らのお話しにもそれぞれ、様々な感情やドラマがありました。 「第二音楽室」 第二音楽室は屋上にたった一つだけある教室。 後ろ姿だけイケてる...続きを読む男子、久保田。 体の大きいジャンボ山井。 クラスで一番頭がいい女子ルーちゃん。 無口で絶対音感のある江崎。 のんびりやの佳代。 そしてウチこと史江。 クラスで六人だけの5年生鼓笛隊のピアニカ組。 漫画、ゲーム、ルーちゃんが持ってきたポテチ、チョコ、キャンデイ、カフェオレの甘く香ばしいにおい。 江崎が弾く、モーツァルトのピアノソナタ第15番ハ長調。 第二音楽室の秘密基地、楽しいお茶会、独り占めした屋上の遊び。 イカれた最高のパーティ。 何か大事なものをなくした気がするのに、そう思っているのが、ウチ一人のような気がして少しさびしい。 第二音楽室からピアノの音。 江崎だ、あの曲だ。 みんなが来なくなった第二音楽室に江崎が一人だけ来て、もくもくと練習していたことを考えると胸が痛くて泣きたくなった。 「史江って、江崎が好きなの?」 「よくわかんね。でもあいつドの音がわかるんだよ。絶対音感」 五年ピアニカ組。
「学校」と「音楽」をキーワードにした短編集。 リコーダーアンサンブルに参加する小学生やら、 軽音楽部でベースを弾く女子高生やら、 登場人物はみな音楽を「演奏する側」の人。 みなアマチュア...と言うか子供や若者で、 決して上手・立派な演奏をしている訳ではない。 むしろ「初心者が頑張ってる」シーンの...続きを読む連続。 だが、自分の演奏のふがいなさにもがく中で、 ふと訪れる「息が合ったときのゾクッとする心地よさ」 を丁寧に描いていて、そこにぐいぐいと引き込まれる。 演奏する側に回ったことのある人なら、 一度は経験したことがあるモーメントでは。 自分の出す音だけに集中している時期から、 だんだん「周りの音」が聞こえるようになって来て、 ふと迎える「息が合った」瞬間の快感。 巻末の解説に「言葉で音楽を伝えることはできないが 音楽に向き合う人の心を描くことはできる」 という主旨のことが書いてあったが、至言である。 現役はもちろん、かつて「演奏する側」だった人は 「あ〜、音楽やりて〜!! 打ち込みとかじゃなくて 人間同士で音出して〜!!!!!」と熱望すること必至(^ ^; つい興奮してしまいましたが(^ ^; もちろん楽器の演奏だけを描いた小説ではなく、 幼いなりの恋愛感情なり、いじめ含む人間関係なり 音楽を軸にしつつそれぞれのストーリーがちゃんとある。 でも、読後感として残るのは演奏シーンが強い。 それだけ印象的に描かれている訳でもあろうし、 また人を、大きく言えば人生を変えることもある 「音楽の力」みたいなものの強さとしなやかさが 上質の映画のラストシーンのような読後感と共に薫る。 そんな「ミューズの神に愛された」秀作たちです(^ ^
小学校、中学校、高校と、それぞれの世界で関わる音楽、そして仲間との出会いが、丁寧に描かれています。 ラストの『裸樹(らじゅ)』が一番好きでした。 中学時代にいじめにあって以来、友達との距離感をうまくつかめずにいる望。 心に傷をおった彼女が出会った歌、『裸樹』。 ギターを覚え、自力で弾けるようになっ...続きを読むた頃、軽音楽部に入ることになります…。 きっかけは、いろいろですが、どの作品にも音を重ね合わせていく楽しさが溢れています。 合奏やバンド、仲間との衝突は避けられませんが、一つの音楽になった時の喜びが伝わってきます。
4編から成る短編集。小学校・中学校・高校の子どもたちと、それぞれの音楽との関わりが、瑞々しく爽やかに描かれている。 自分も小学生時代から、管弦楽や吹奏楽の部活動に精を出したり、学年合奏にウキウキしたりしていたので、心情や空間などの描写にかなり共感できた。学校生活の思い出は常に音楽とともにあるので、こ...続きを読むの本を読んでも「あぁ、あの時、楽しかったな〜」としみじみ思う。輝く思い出を懐かしく思い出させてくれたことに感謝。 特に良かったのは中学生のリコーダーカルテットを描いた「FOUR」。音を合わせる喜びと、中学生の笑えるような個性と、悩める自意識と、甘酸っぱさに溢れている。 鈴花がメロディーの表現に悩んでいる様子は、自分も高校くらいまでずっと楽器での感情表現で苦戦していたことが思い出された。 「このメロディーの美の中に、自分を投げ出してみて。気持ちを解放して。喜びを音に乗せてみて」という間柴先生の言葉は、身に沁みるよう。表現することを恥ずかしがっている段階では、音に感情を乗せるなんてことは到底出来ないんだよね。 「うまく吹こうという力みがとれた時、長く伸ばしたゆったりした音の中に静かな感情がみなぎった。(中略)情緒豊かに吹くことと、正しい技術で吹くことは、違う作業じゃないんだと思う。」という文章がとても好き。鈴花が中1にしてこれに気付いたのはすごいことだと思う。
十代(小学五年生も辛うじて十代だ)の女の子たちを主人公にした短編小説集。 それぞれの短編の関連はない。 ただ、どれも少女たちの心を繊細に描いていく中で、音楽が重要な役割を持つという共通性がある。 鼓笛隊の「あまりもの」、ピアニカ組になった男女のグループ。 全体としてはちょっとやさぐれた感じが漂う彼...続きを読むらの秘密基地、第二音楽室。 主人公フーミンは、江崎という男子がモーツァルトの15番のソナタを、特に目的があるわけでもないのに少しずつ練習していく姿に、恋愛感情というのではなく、心惹かれる。 「デュエット」は一番短く、ここの作品の中では最ものんびりした雰囲気。 (申し訳ないけれど、あまり印象に残らなかったかも。) 「FOUR」は、もっと恋愛要素満載の短編。 卒業式での演奏のために、選抜された男女4人のリコーダーカルテットの物語だ。 中学一年のスズは、リコーダーの演奏技術に内心自身がありながら、うまく歌えないことをコンプレックスに感じている。 カルテットのメンバーである、同級生の中原に惹かれているのに、それをうまく表現できないのも、きっとそんな彼女の性格に関わっている。 中三が手の届かない大人に見えたり、うまく気持ちを伝えられなくて自分自身がもどかしかったり、という姿が、共感をそそる。 最後の作品、「裸樹」は、打って変わって痛々しい。 中学の時、些細なことからいじめを受け、高校に入った現在も、フラッシュバックに苦しむ望。 不登校に陥った彼女を支えたのが、インディーズでカリスマ的な人気を誇る裸樹の曲を歌ってくれた人。 高校ではノン太というお笑いキャラを作り、何とかやっていこうとしているが、ちょっとした発言、周りからの評価で立場が危うくなるのではというヒリヒリした気持ちは、読んでいて辛くなる。 そんな彼女が軽音部に入り、居場所を作って、少しずつ前に進んでいけるようになる。 十代の痛みって、こんなだったなあ、と思い出されてきた。
音楽を題材にした小説が好きで、もっというと音楽室が風景に出てくる小説が好き。 中高と吹奏楽部に所属をし、青春時代の大半を音楽室で過ごしただけあって自分にとって大事な場所だからなのか。 第二音楽室は吹奏楽部員の物語ではなく、音楽に触れたことのない子や音楽に救われた子等、様々な子達が様々な楽器(声)に出...続きを読む会いその中で葛藤し、成長する短編小説だ。 音楽に触れ合う中で青春を謳歌する彼女達に昔の自分を重ねたり、音楽で周りが変わるこの感じがとても良かった。 個人的には最初の「第二音楽室」、「FOUR」が好きだった。 リコーダーの種類があんなにあるのも驚き。
自分には全く無縁だった甘酸っぱい青春が詰まった短編集。お気に入りは『FOUR』。いつか西澤君の思いが伝わりますように。
学校で音楽する短編集。 あの頃はその世界がほぼ全てなんだけど その中で精一杯悩んでがんばっているんだ。 音楽に上手い下手はあれど それよりも結局は人の感じ方なんだな。
佐藤多佳子を読んだのは「一瞬の風になれ」だけだけど、これが凄く良くて、この本出たのはすぐに購入。 音楽室や軽音部の部室などを舞台に、音楽をモチーフにしながら、小学生から高校生女子の心情を描く。 二話目と三話目には、恋の成就は勿論だけど、それよりも何よりも恋することが自体に意味がある、この年頃の結構マ...続きを読むセた嬉し恥ずかしの恋心が描かれていて、好感。 ふたつとも似たようなテイストのお話しなのだけど、短い話にギュッとその感情を押し込んだ二話目が好きかな。 最後の話は結構イタい話のなのだけど、些細なことで傷つき易く些細なことで立ち直ることが出来る、若さの脆さと逞しさの描写に、上手いこと音楽が絡めてあって、これまた秀逸。
音楽だけが持っている力を、文字だけが持っている力で伝える素晴らしい小説。 小学生の青春と中学生の青春と高校生の青春は、どれも違っている。その甘酸っぱさの違いがちゃんと書き分けてあるのには舌を巻く。 私はひどい音痴なので、演奏や歌唱にあまりいい思い出がない。その私ですら、「あ、そうそう、音があってきて...続きを読む嬉しくなるときの高揚感ってそういう感じだった」と思ったし、「おおぜいで実現することから落ちこぼれたときのみじめな感じ」がよみがえってきた。
レビューをもっと見る
新刊やセール情報をお知らせします。
第二音楽室
新刊情報をお知らせします。
佐藤多佳子
フォロー機能について
「文春文庫」の最新刊一覧へ
「小説」無料一覧へ
「小説」ランキングの一覧へ
明るい夜に出かけて(新潮文庫)
一瞬の風になれ(1)
一瞬の風になれ 第一部 イチニツイテ
一瞬の風になれ 全3冊合本版
いつの空にも星が出ていた
黄色い目の魚
試し読み
しゃべれども しゃべれども
「佐藤多佳子」のこれもおすすめ一覧へ
一覧 >>
▲第二音楽室 ページトップヘ