高田崇史のレビュー一覧
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ショートショートというものを初めて読んだ。
なので、他シリーズは未読。
「新しい法律ができた」
最初の1行は全員一緒。
なんだそれ、面白い!!!
同じ一行から始まるのに、話の内容も展開も全く違う。面白い。
1つ目のお話(金子玲介、ルパちゃん)が重くて、苦しくて、
え!?これ読めるか!?と思ってしまった。
が、作家によって内容は十人十色。
様々なバリエーションがあるのが面白かった。
しかし、法律が主題なので、内容が難しいものも多かった。
塩屋験さんは(AIが小説を書くようになるが、作者は人の名前にし、人間かAIが書いているか分からなくするという話)、最後、え!?となって驚かされた
シリア -
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ネタバレここ数年読んできた古代史をテーマにしたミステリは、なぜか岡山へと私を導いていく。
詠んだのは数年前でも書かれたのは数十年前だから、その当時に岡山ブームでもあったのだろうか。
それまでの古代史と言えば邪馬台国や出雲からの諏訪、というあたりが常套だったような気がしているのだけど。
岡山に半島から、戦にやぶれて逃げてきたものが住み着いたこと。
彼らは製鉄の技術革新を日本にもたらしたこと。
大和朝廷が彼らを滅ぼし、歴史から抹消し、鬼として封じたこと。
このあたりが今現在(または数十年前)の定説なのだろう。
で、今回タタルはほとんど出てこない。
密室殺人事件の被害者の婚約者の友だちが、小松崎の雑誌に -
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短編なのでサクサク読めた。
今回の書き出しテーマは『だから捨ててと言ったのに』…だいたい恋愛絡みか、夫婦関係こじらせ系が多かったように思う。
誰に対して言っているかで、作者ごとに思い付く話が違い、個性があって面白い。
アンソロジーは、知らない作家さんを知って、見つける機会にもなる。
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↓読んだ中で印象に残ったもの。
●良い話
砥上裕將『母の箪笥』
金子玲介『恋文』
●じわじわ来る系
潮谷験『無理解』
五十嵐律人『累犯家族』
背筋『こわくてキモくてかわいい、それ』
●設定の世界観が独特
黒澤いずみ『捨てる神と拾う神』
舞城王太郎『食パンと右肘』
多崎礼『海に還 -
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ネタバレ今回は、雑誌記者である奈々の妹・沙織が、鎌倉をテーマに記事を書くために、博覧強記の崇を鎌倉散策に引っ張り出したところから話が始まる。
鎌倉(地元)なんて、今更知らないことはないと思っていた奈々たち姉妹だが、鎌倉の名勝に隠された歴史の闇を聞き、実は知らないことだらけだったことを思い知らされるのだ。
奈々の妹が雑誌記者ということで、テーマの自由度が格段に広がった。
だって雑誌の記事にするといえば、なんでもありだもの。
なのでメインテーマであるところの鎌倉の歴史の闇と、フリーのジャーナリストである小松崎が取材しようとする社長失踪事件は直接重なることはない。
しかし最後まで読んでみれば、北条氏の野 -
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ネタバレもはや竜馬の暗殺の謎と、奈々たちが巻き込まれる事件との関係はほぼない。
なんなら殺人事件がなくたって成り立ちそうな、つまり人は死ななくても山奥で孤立した夜に、竜馬の暗殺についての個々の推察を述べるだけで話は成り立ってしまうレベル。
無理に殺人事件と絡めてしまったため、竜馬暗殺の謎といつものスサノオとかの神話レベルの謎の二本立てになってしまった。
これは明らかに別建ての謎であろう。
ただ、竜馬の暗殺に絡んで、幕末のいろんな史料をもとにした黒幕の説が列挙されたのは楽しかった。
私も作者と同じく、吉田松陰の考えた維新の姿と実際の維新では、天と地ほどの隔たりがあると思っている。
で、西郷隆盛につい -
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ネタバレ奥多摩のさらに山奥にある2つの集落をつなぐ鵲(かささぎ)橋。
その周辺では、昔から不審な事故死が多発していたのだった。
このシリーズの主人公…ではないよな、語り手…でもない、ヒロイン…とも違う、しいて言うならこのシリーズの聞き手である棚旗奈々の上司が、腹に竹槍を突きさされた死体を発見したことから、彼らはこの事件にかかわりを持つことになる。
今どきなぜ竹槍?
しかし本文の大半はこの事件ではなく、『竹取物語』は呪の物語、騙りであるということを桑原崇が延々と棚旗奈々に話すことに費やされている。
まあこれも、シリーズの常套展開なのだけど。
かぐや姫に求婚する5人の貴族たちは、実在のモデルがいる、 -
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ネタバレ今回は、歌仙絵をねらう連続窃盗強盗事件から、日光東照宮の謎に迫る。
日本史に明るくない私には、今回のような有名なテーマでも、途中zzz…となる場面もあった。
というか、日光東照宮に歌仙絵が飾られていることからこの窃盗強盗事件についての話が及ぶものの、テーマが遠くないかい?
犯人は警察官というのは意外でしたが、動機がこれまた奇想天外というか、崇にしか解き明かせないよね?という動機。
日光山と月山をむすぶルートにホテルを建設されると脈が途絶えるから…とは。
しかも本命以外はカモフラージュでABC殺人事件方式、事件を隠すなら時間の中というもの。
脈という本来見えないようなもの、建物があっても分断さ -
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ネタバレ今回は、三十年前の殺人事件の被害者の孫が、その密室の謎を大学生時代の桑原崇に解いてもらったという、過去の事件の話。
しかも飲み会での話題。
弓削家という陰陽師の家系であることから、被害者の孫である和也は、犯人は式神を使って祖父を殺したのだと主張する。
「そんなものあるはずはない」という大方の人たちと意を異にするのがタタルで、「見えないだけで存在している」と言う。
それはいったいどういう意味か?
平安貴族からすると、官位五位未満は人ではないのだ。
とはいえ、実際には貴族の世話をしたりする庶民もいる。
そして、さらにその下には、賤民がいた。
朝廷にまつろわぬ民の末裔。
それは人ではなく、鬼や -
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ネタバレ個人的にはタタルさんが事件を呼び込んでいる感覚でいたのだが、毎度のことながら奈々ちゃんが責められる件。
可哀想すぎる。
今回の舞台は対馬。
対馬に神社がそんなに多くあるとは知らなかったので、その点からして驚いた。
ニアミスしていたとはいえ、主役二人が事件に巻き込まれるのが後半すぎてからだったので、個人的にはタタルさんと奈々ちゃんの二人歴史旅を思っていたより長めに楽しめたことがよかった。
巻き込まれてからは、かなりのスピード解決だったけれども。
解決ターン時の説明も巻いてましたね、タタルさん。
犯人のことを思うと、まあさもありなん。
それにしても、今回の事件も見た目のインパクトもさることなが -
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ネタバレつくづく和歌というものは侮れない。
表面に見えている言葉と、言葉の中に隠された裏の真意。
『百人一首の呪』の時も思ったけれども、歌を曼荼羅図のように並べて意味を問うという発想がなかったものだから、今回も三十六歌仙の歌を並べ替えて閉じた環を作れることに驚いた。
藤原公任は本当にそこまで考えて選出したのだろうか。
だとしたら平安時代の貴族の和歌に対する情熱は、私が思っている以上のものなのだな。
そしてもし、そこまで考えていなかったものを、作者が強引に作り上げたのだとしたら、作者の情熱に頭が下がる。
そして今作は、「三十六歌仙絵」から始まる家康の呪だ。
なんとしてでも天皇家を押さえて徳川家を上 -
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ネタバレ今度はシャーロキアンのパーティーでの殺人事件に巻き込まれるとは、人嫌いにしてはずいぶん社交的な場にいたものだな、桑原崇。
と思ったら、またもや大学時代のつながりで、しかもシャーロキアンに物申したいことがあったから、という理由付き。
シャーロック・ホームズのシリーズは、一応全部読んだはずだけど、さほど詳しいわけではなかったので、シャーロキアンといわれる人たちが、重箱の隅をつつくような細かなところにこだわりながら自説を展開していく様は、非常に面白かった。
モリアーティ教授と滝に落ちる前後で、別人のように人となりが変わってしまったというのは、うっすら感じていたような気もするけれど、多分作者のホーム -
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ネタバレ七福神と六歌仙。
神と人との対応はいいとして、数が違うではないかとの声を力技でねじ伏せる博覧強記。
分析とこじつけのコラボレーションに、頭がくらくらしてくる。(いい意味で)
明邦大学では「七福神」の研究をすると不審死を招くことから、その研究はタブー視されていた。
その時点で、大学の姿勢って、研究者の矜持って何よと思うが。
しかし兄の遺志を継いで七福神研究をしたいという貴子が、棚旗奈々を通じて桑原崇とともにその謎を追う。
という建前の割に、これから卒論の準備をするという、まだ研究の端緒にも立っていない状態というのを差し引いても、貴子の知識がほぼなくて、桑原崇が一人で畳みかけてくる。
異論をさ -
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ネタバレ以前からずっと、読みたくてしょうがなかったシリーズ。
この偏執的に知識過剰な雰囲気が、とにかく好きなのである。
京極夏彦の一連のシリーズしかり、高橋克彦の浮世絵シリーズしかり。
本職の研究者たちが日々研究していることを、エンターテインメントの小説の中で、自らの仮説を立て、検証し、素人には「これしかないのでは」という結論にまで持っていく。
読んでいてわくわくします。
今作では、百人一首のコレクターである人物が自宅で殺された事件というのが一応のミステリ部分になっていますが、7~8割ほどは百人一首自体の謎の解明に費やされています。
なぜ百人百首ではなく、百人一首と名付けられたのか。
その当時の著名 -