高田崇史のレビュー一覧
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学校薬剤師会の親睦会への参加を外嶋から強要された奈々は日光へ赴いていた。そこで崇と小松崎に偶然遭遇する。三十六歌仙絵巻盗難と殺人事件とかごめは崇の守備範囲だと豪語する小松崎に苦笑しつつ奈々は再び東照宮を見物する羽目となる。
小松崎より有無を言わさず事件の全容を聞かされる奈々と崇。それは先日起きた二子玉川の事件だった。
八重垣リゾートの社長・八重垣俊介は寝室で何者かによって手足を不完全に切り落とされたまま第一発見者の妻に「かごめ」という不可解なメッセージを残して絶命する。傍らの金庫はこじ開けた形跡無く、中に入っていた三十六歌仙絵巻が無くなっていた。
そして第二の殺人が起こる。それは三十六歌仙絵巻を所有する花坊才蔵。彼は文字通り手足を切られバラバラにされていた。
犯人は意外な人物なので読み解きたい方は心してトライしてください。
という感じで事件の方も楽しめますが、この作品は何と言っても東照宮の謎。
面白いを通り過ぎて凄いとしか言い様が無い。
歴史ミステリー好きの方は是非読んで頂きたいですね。かごめの歌もこれに掛けて読み解いてます。歴史に埋もれてるので、正しい正しくないの判断はできませんが、こういう推論がたつという面白さに酔って下さい。大いに酔えます。
このシリーズでは今のところこの作品がイチオシ。 -
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すべて 「だから捨ててと言ったのに」 という一文から始まる25編のショートショート。
1行目は同じでも作家さんによって不穏な雰囲気だったりファンタジー寄りだったり、話のテイストが様々で面白かったです。
お気に入りだったのは以下の作品。
重政の電池 / 荒木あかね
武士のような言葉を話す犬のお話…?と思いながら読んでいったらあれよあれよと展開が変わっていて、最後はなるほど…!と思いつつ心が温かくなる一編でした。
海に還る / 多崎礼
普段ファンタジーはあまり読まないけれど、読みやすく世界観に引き込まれました。
切なさの残る読後感も好みでした。
猟妻 / 谷絹茉優
真実を知ってからもう一度最初から読み直すと、何気なく読んでいた一文の捉え方も変わって二度楽しめました。
活躍されているバンドでは作詞もされているとのことで、歌詞を拝見したら言葉遊びがとてもお上手で驚きました。
タイトルの「猟妻」も別の意味がかかっているのかなと思ったり…!
指輪の幽霊屋さん / 最果タヒ
女性同士の特別な関係性の物語がとても好きなので、不穏な話が多めのこの本でこんな物語が…!?と嬉しくなりました。
こういう関係性、とても好きです。 -
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ネタバレショート・ショートなので、一編が8ページくらい。その短い中で背景をぼかしつつも確信に迫る書き方してたりするものもあり、うまく咀嚼できないまま終わったものもあり、でも面白い短編集だった。
始まりが不穏なので、大体不穏な話が多い中、最初から最後までハッピーに終わる「切れたミサンガ」が好き。
人でも殺したんかと思いつつ、同じ格好ときたのでSFかと思ったら 笑
安定のホラーの「こわくてキモくてかわいい、それ」も好き。
それが不気味だけど、主人公が見下されてることに気付きながらも知らないふりして難を逃れてて、性格悪い私はざまみろと思ってしまった。
「久闊を叙す」も良い。
こんな形で、我が友李徴子を読むとは。新鮮な感覚だった。 -
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積読チャンネルで紹介されていて手に取った一冊です。
ショートショート集なので、少しずつ細切れに読めるのがよかったです。どの作品もそれぞれ面白かったのですが、なかでも米澤穂信さんの「燃えろ恋心」が圧倒的に好きでした。
リズムもテンポもよく、一気に駆け抜けていくように読めて、最後のオチまできれいに決まっています。これはできれば、内容を何も知らずに読んでほしい作品です。
特によかったのが、青春時代の「大人は自分たちのことをわかってくれない」「なんとなくこちらの味方ではない」という感覚の描き方でした。
ラブレターを買ってから、実際に書くまでの過程もいいです。誰かに恋をしているというより、恋をしている自分ごと、恋そのものに精一杯恋をしているような書きぶりがとても素敵な文章でした。 -
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河童伝説は日本各地に残るが、その正体に迫ろうとしたのが高田崇史の『QED 河童伝説』である。怪異として語られてきた河童を、歴史や民俗学の視点から読み解く物語が展開される。
主人公たちは伝承の断片を追いながら、土地に眠る古い記憶や人々の信仰に触れていく。河童は単なる妖怪ではなく、地域社会の歴史と深く結びついていたことが見えてくる。
やがて謎は意外な方向へ広がる。伝説の背後には、権力や文化の変遷、人々が忘れ去った真実が潜んでいた。怪談と思われた話が歴史の問題へと姿を変えるのである。
河童を追う旅は、日本人の記憶をたどる旅でもあった。伝説とは過去からの手紙なのだと気づかされる一冊であり、読後には身近な風景さえ新たな意味を帯びて見えてくる。