高田崇史のレビュー一覧
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学校薬剤師会の親睦会への参加を外嶋から強要された奈々は日光へ赴いていた。そこで崇と小松崎に偶然遭遇する。三十六歌仙絵巻盗難と殺人事件とかごめは崇の守備範囲だと豪語する小松崎に苦笑しつつ奈々は再び東照宮を見物する羽目となる。
小松崎より有無を言わさず事件の全容を聞かされる奈々と崇。それは先日起きた二子玉川の事件だった。
八重垣リゾートの社長・八重垣俊介は寝室で何者かによって手足を不完全に切り落とされたまま第一発見者の妻に「かごめ」という不可解なメッセージを残して絶命する。傍らの金庫はこじ開けた形跡無く、中に入っていた三十六歌仙絵巻が無くなっていた。
そして第二の殺人が起こる。それは三十六歌仙絵 -
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鎌倉の幕が下り京と地方の価値観がせめぎ合う南北朝の世。時代のうねりと同時代の人々との関わりの中で楠木正成の実像を掘り起こす。
後醍醐天皇に殉じた「無条件の忠臣」、少数で大軍を翻弄する「超人的軍神」、滅私奉公の模範――正成は後世こうした分かりやすい像に作り替えられてきた。しかし史料が語る彼は足利尊氏や新田義貞と緊張関係を保ち、公家や武士、土地の民衆の思惑を読み切る現実主義者だった。地の利を生かし人心と補給を掌握する軍略は神話ではなく共有され継承される知恵の体系だったのではないか。
現代、史料の行間から浮かぶのは神格化された軍神ではなく制約の中で選択と進言を重ねた一人の人間の姿である。忠義と -
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ネタバレついこの間、平家物語をモチーフにした『茜唄』を読んだばかりなのに、これもまた、壇之浦の合戦が裏テーマになっている。
本に呼ばれたということなんだろうか。
たまにあるよね、こういうシンクロニシティ。
現実の殺人事件はもういいよ。
こんな理由で人を殺すことも、自殺することも、あまり考えられないし。
ポイントは、安徳天皇は女の子だったって説。
これ、事実だとしたら恐ろしいことになる。
いくら形だけの中宮などを置いても、子どもができなければ清盛の血筋は絶える。
でも、中宮に平家の男の子どもを産ませれば、そして口封じができたら、天皇家は乗っ取られてしまうことになるんだよね。
あと、鎌倉幕府を支えた -
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ネタバレ目次
・QED ~ortus~ 白山の頻闇
・QED ~ortus~ 江戸の弥生闇
『白山の頻闇』については、はっきり言って、このシリーズにもう飽きてきました。
どこへ行っても、何を見ても、結局大和朝廷とまつろわぬ人々との、塗り替えられた歴史の真実を暴いていくだけなんだもの。
常に解釈が同じなので、さすがに飽きます。
毎度同じ事言ってるのに、毎回「えっ」ってきょとんとしてみせる奈々のカマトトぶりにもうんざり。
今回は奈々の妹の沙織の夫が事件の関係者ということで、少しは違う展開になるかと思いきや、警察でぎゃんぎゃんまくしたてるいつもの沙織で、やっぱりうんざり。
ただ、小松崎が結婚した子連れの -
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ネタバレ目次
・QED~flimen~ホームズの真実
・QEDパーフェクトガイドブック
またしてもシャーロキアンの集まりで事件が…。
今回は意識不明の重体だったのだが、一か所だけ「亡くなって」になっていたのが気になった。
メアリという女性がなんという作品に出ているとか、事件と事件の間にホームズが何をしていたとか、細かなデータを並べ立ててはいるけれど、あまり面白くはなかったな。
事件を解決するために唐突にスミレと紫と源氏物語について語りだす崇にも、違和感しかない。
同時収録のパーフェクトガイドブックも、もともとはカラーで限定200部のものを単行本に収録したということで、マニアではなく、しかも全作読 -
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ネタバレ諏訪の謎もわかりにくかったけど、この伊勢の謎も相当にわかりにくい。
あくまでも小説であるので、すべてを信じるわけにはいかないのだが、その線引きができる知識を私は持たない。
でも、そのうえで言っちゃうと、大きな驚きがこの作品にはあった。
『天照』と『天照大神』の違いなどは、なるほどなーと思ったし、伊勢神宮とほかの神社との違いの多さについても、実際何かあるんだろうなあと思った。
まず、伊勢神宮が今の地に置かれたのが、持統天皇(女性天皇であることが大事)の時代であったということ。
そして、天皇家の祖神である天照大神が祀られた伊勢神宮を初めて参拝した天皇は、明治天皇であったということ。
古典文学 -
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ネタバレなんだろう。
今までで一番面白くなかった。
これはやはり、あまりにも諏訪を知らなすぎるからなのだろうか。
国譲りでチーム高天原に敗れた大国主の、息子が祀られているという諏訪。
それしか知らんのだもの。
そして長野県に行ったことのない私は、戸隠とか善光寺とか松本城とか、行ってみたい場所はほかにもたくさんあるのである。
なので、建御名方神(タケミナカタノカミ・大国主命の息子)を倒した建御雷神(タケミカヅチノカミ)がどうであろうと、建御名方神が倒したミシャグチ神が誰であろうと、説明を受けてもさほど心が動かなかったのだ。
それよりも、現実の殺人事件の方だよ。
いろいろ突っ込みたいところが満載だよ -