高田崇史のレビュー一覧
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学校薬剤師会の親睦会への参加を外嶋から強要された奈々は日光へ赴いていた。そこで崇と小松崎に偶然遭遇する。三十六歌仙絵巻盗難と殺人事件とかごめは崇の守備範囲だと豪語する小松崎に苦笑しつつ奈々は再び東照宮を見物する羽目となる。
小松崎より有無を言わさず事件の全容を聞かされる奈々と崇。それは先日起きた二子玉川の事件だった。
八重垣リゾートの社長・八重垣俊介は寝室で何者かによって手足を不完全に切り落とされたまま第一発見者の妻に「かごめ」という不可解なメッセージを残して絶命する。傍らの金庫はこじ開けた形跡無く、中に入っていた三十六歌仙絵巻が無くなっていた。
そして第二の殺人が起こる。それは三十六歌仙絵 -
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ネタバレ能の世阿弥の話。殺人事件は起こらない。暗号(?)系ミステリ。
世阿弥の最高傑作、「井筒」。
世阿弥の息子、元雅。天河弁財天で舞を奉納し、その後、暗殺された。
家紋、天川に住んでいること、三姉妹の名前が雪月花となることから、五篠家が関係。
元雅、間者(忍者)だったから殺されたと言われているが、元雅を殺したがっている人間が間者として殺害。その後に世阿弥も流罪になったのが有力視されているが⋯。
世阿弥、公然と口に出せないので、自分の作品にメッセージを隠した。
能は死者、怨霊鎮魂の芸能。
志半ばで暗殺され、間者のために墓も造らせてもらえないならば、怨霊になってしまう。父の世阿弥がそれを看 -
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ネタバレおなじみの一行目一緒ショートショートのシリーズ。今回は初読みの作家さんが多かった気がする。特に最初の方、ロボットとかAIとかが続いて、大丈夫かいな、と思ったけど、真梨幸子さんや東川篤哉さんはちゃんと違うテイストで来ててさすがと思った。殺人が罪ではないという世界から、死刑等の罪になるという法律ができた、という大沼紀子「もう、ディストピアじゃん」は皮肉が効いてて特に印象的。面白かった。五十嵐律人「革命夜話」も違う切り口でとても良かった。敗戦後の混乱の中、食うにも困っている頃に、理想を夢見て日本国憲法を作った人がいたんだ、ということに改めて気付かされたわ。ありがたいことだ。
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神話の国・出雲。縁結びの物語が今も語られるこの地で現代の不可解な事件が起こる。神々の時代は終わったはずなのに古代の影はなぜ人の営みに重なるのか。
論理を武器とする燈馬想と歴史に通じる可奈は神話・考古・文献を手繰り寄せ点在する事実を結び直す。伝承は信仰として守られ同時に政治の道具として磨かれてきた。
やがて見えてくるのは、「神話は真実を覆う虚構」ではなく、「虚構として編まれた真実」という逆説である。人の意志が物語を選び歴史を形づくった。
事件の答えは超常ではなく人が積み重ねた選択の先にあった。神話を疑いなお敬う。その姿勢こそが過去と現在を結び未来へ手渡す。 -
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