高田崇史のレビュー一覧
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他の作品の場合は、現実世界ではで殺人事件が発生して、それに伴って歴史の謎が解明されていくが、本シリーズでは歴史の謎とフィールドワークしか出てこない。
だがそれが良い。歴史に集中出来て面白さを堪能できる。源平の戦いがよく分かった気になれる。
池禅尼が頼朝の除名をした理由や義経が怨霊化して居ない理由、鵯越は行われたのか?何故、安徳天皇は三種の神器と共に沈まなければならなかったのか?鎌倉の段葛は何故作られたのか?何故、北条政子は自分の子を見殺しにしたのか?など非常に盛り沢山な内容。
それぞれに理由が語られ納得させられる。
木曾義仲についてはもっと調べてみたい。 -
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Posted by ブクログ
聖徳太子が本当に実在したのか。
何故法隆寺に三体の本尊が祀られているのか。
聖徳太子は自然死なのに対し息子は戦いに敗れて自害したのに鎮魂のための神社に息子が祀られていないのは何故か。
最近聖徳太子の時代に興味を持ってきたのに本当は実在しないのではないのか?
天皇制を勉強したのに蘇我馬子が天皇だったのではないか。
次々に覆されてしまう知識にこの本を昔に読んだけどまだ聖徳太子の名前だけしか知らなかったから頭に入ってこなかった。
やはり予備知識は必要なのだと実感。
出賀茂神社にある秘密の社伝を狙っている人物は誰なのかがシリーズを通して分かってくるというのが焦れったくなるけど楽しみ -
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ネタバレシリーズ最終巻に相応しい盛り上がりだった。
奈々がすごくヒロインしてる。
歴史蘊蓄以外はどうでもいい、が私のこのシリーズに対するスタンスだったのだが、いつの間にか主人公達に愛着が湧いていたようで、人間関係の動きにグッときた。
4人のゴールについては、前巻と今巻でかなりトリッキーに描写されていた。
しかし弥生先生まで活躍してるというのに、まったく出番のなかった沙織が不憫だ。
歴史の方だが、たまたま本書と同時進行で『伊勢神宮の謎を解く』(武澤秀一/ちくま新書)を読んでいるのだが、内容的にリンクしている部分が多い。もちろん、解釈が異なる部分もあるが。タタルの言ってることも強ち与太話(失礼)でもない -
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館をテーマにしたミステリアンソロジー。さまざまな読み心地だけれど、どの作品に登場する館も魅力的です。
お気に入りは恩田陸「麦の海に浮かぶ檻」。やはり大好きなあのシリーズ路線なので。この雰囲気がたまらなく素敵です。
井上真偽「囚人館の殺人」も凄かった! オカルト路線かと思いきや、最後まで読むとしっかり本格。ものすごく伏線がいろいろとあって、やられたなあ、と。事件の凄惨さと真逆の静かな読後感も印象的でした。
そしてこれまたある意味凄すぎるのが白井智之「首無館の殺人」。よくぞこれほど鬼畜でグロテスクなトリックを考えつくものだなあ……真似できません。 -
Posted by ブクログ
『大抵の神社は、秘められた悲しい歴史を抱えている。もちろん立派な功績を残した人々を祀っている社もある。しかし、殆どの神社は鎮魂のために建立された物だということを知った。中には鎮魂どころか、今も恐ろしい祟りを引き起こさないように、祭神をしっかり閉じ込め続けている神社もある。
そんな場所に参拝して、自分の個人的な欲望の達成をお願いする方が間違っていたのだ。冷静に考えれば、自明のことだった。』
シリーズ11作目。ぶれずに面白い!
三種の神器論争は読めない漢字が多くて苦労した。472ページに対して、ミステリーの部分100ページもないんじゃないかなぁ〜。
あと8作か。