真堂樹のレビュー一覧
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あぁ、だから飛は必死に白龍の街を、そして花路を守ろうとしてたんだなと、しみじみ、そしてじわじわ感じるこの1冊。
決起の手勢を借りるため、白龍に向かった飛。花路の人手は無事に借りられたものの、決起を前に南里と東里に走ることを余儀なくされる。2つの街を走り、無事に飛が北里に戻る頃、港から、北から攻め入られた白龍市は劣勢の状態で…。
白龍があるから、花路があるから、飛はこうまで力強く歩めるんだろうなと、思わずにいられないほど、白龍の人々が愛しく思えます。ついに我慢が切れたらしいマクシミリアンの、それほどまでに強い想いも飛の力になっていると思えました。
シリーズもいよいよ終盤。ここからはもう、一気に読 -
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飛は本当に白龍に戻れるのかと不安になりながらも、今はただ進むしかない、そんなもどかしさを読みながら、確な絆に気付くことのできるこの1冊。
酔熊から麗杏が連れ去られたことを聞き、伍家の企みに気付くマクシミリアン。一方、当代黒龍の名を載いて黒党羽を口説くつもりで動いていた飛は、雷英のいとことによって、望まぬ名を名乗ることになり…。
後戻りの出来ないところまで着てしまった飛。その飛を信じて待つマクシミリアンと花路。はたしてみんなの願いは叶うのか。師父の胸の内に平穏が訪れる日は来るのか。
四龍島のこれからを心配しながら、登場人物達の心情に注目です。 -
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せっかく力強く歩み始めた飛と白龍市にホッとしたのも束の間。当代黒龍・冬眠のラストの言葉にまたしても不安を覚えるこの1冊。
突然姿を現したマクシミリアンに、我を忘れて刃を向ける花路。返して欲しければ争えと焚き付けるマクシミリアンに、仲間達は遠慮なく討ちかかる。その頃飛は、草郎を助け出す変わりに龍の位に、と冬眠に切り出し、草郎の救出に向かう。
マクシミリアンの采配と、花路の歩みだしによって立ち直りつつある白龍市と、飛の歩みの力強さに、ようやく彼等らしさを見付けられます。そんな中、また動き始める月亮と青龍・麗杏を拐い、四龍島制服を図る本土の伍家。
四龍島からますます目が離せなくなること間違いなしです -
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たくさんの悲しい想いに、何度も何度も泣きそうになりながら。支えてくれる人々の優しさに触れながら。話しの中にどっぷり浸って下さい。
崩れ、焼け落ち、かつての華やかさも勢いも失くしてしまった白龍市。散らばっていた仲間達が花路に戻る中、マクシミリアンは飛を失った痛みから心を手放していた。一方、青龍市では、傷を受けた飛が目を覚まし、自分の存在に悩んで自ら命を絶とうとしていたけれど…。
傷付いた白龍市はこれから先どうなるのか。飛とマクシミリアンも、どうなっていくのか。
全てはこれから。この先に不安を覚えながらも、前向きに走り出した飛なら何とかしてくれる、と思えるラスト。これから、に大注目です。 -
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もう何も思わずに夢中になって、沢山の想いが詰まったこの1冊を一気に読んでください。
花路退去の触書が出されて以来落ち着かない白龍市。師父達によって、「花路が大龍の子を擁している」という噂が広がり、マクシミリアンを白龍の座から引きずり下ろそうと、街中が花路の方を持って花路へと詰め掛けていた。騒の中、葉林によって羅漢のねぐらを出た飛は、東州茶房へと戻り、刀を抱えてマクシミリアンの元へ走るけれど…。
崩れていく街を見ながら自分を責め、それでも仲間を想い、師父を想い、そしてマクシミリアンへと想いを巡らせる飛。
物語の行く末を不安にさえ感じながらも、さまざまの想いに触れながら、早く続きが読みたいと思わせ -
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飛と花路の仲間達とが朗らかに笑うことが出来るのは一体いつのことなのか、と。もしかしたらもう二度とそんな日は来ないんじゃないか、と悲しくなってしまうこの1冊。
本土居留区に置いてあった触書の草案を見て、急いで四龍島に帰った飛。けれど時既に遅く、花路の退去、大船主組合の取り潰し、龍江街への課税の触書が出されていた。騒然とする街の中、師父達によって街は白龍屋敷を非難し、花路の後押しをするムードに。守ろうとしていたものが傾き、その原因は己にあると自分を責める日に、羅漢と孫が追い討ちをかけるかのように『白龍』に立てと声を荒げ…。
強すぎる想いが悪い方にばかり進んでいく中、果たして飛は歯車の傾きを正すこと -
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飛もマクシミリアンも、もう二度と幸せになれないんじゃ? とかなり心配になってきたシリーズ。この先ホントにどうなってしまうのかと不安でなりません。
マクシミリアンに拐われて本土居留区、マクシミリアンの育った屋敷に連れて来られた飛は、そこで明らかな証を見せ付けられる。そんな中、本格的に動き出した師父達によって、白龍では繕いようのないほどに白龍屋敷と花路の仲違いを噂する声が響いていて…。
飛の守ろうとするものが危うさに晒されていく中、飛だけを見つめているマクシミリアン。迷い、悩み、悲しみ…飛の切なさが痛い程伝わる中、飛を心配する花路の仲間達や西海風の李と千雲の思いをひしひしと感じてください。
ここに -
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もしかすると出会ってすぐのマクシミリアンに手を焼いてた頃や、翡翠を耳に刺し込まれた頃の方が、何だかんだで飛にとっては幸せな日々だったんじゃ? と思ってしまう展開になってきた四龍島シリーズ。それでも読みたい思いが消えないのが不思議なシリーズですが。
マクシミリアンが飛の出自に気付いたらしく、飛の出自に関する調べを密かに始める。そんな中、黒龍では、飛の言葉に背を押され、元家当主の梨樹が黒龍屋敷へ上がり、猫が玲泉を始末するようにと黒党羽老頭から言われて…。
自分の居場所を花路に見い出そうとしながら、街の為を思い、身を退こうとする飛。そんな飛に戸惑う羅漢と葉林の想いに深く頷きながら、マクシミリアンの強 -
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これから先、飛はいったいどうなるのと、心配しながら悲しくなるこの1冊。
黒龍から戻った飛が花路に顔を出すと、白龍屋敷を悪く言う輩がいるという噂を聞かされ、休む間もなく走り出す飛。同じ頃、マクシミリアンは青龍の後見の件で黒龍と対面していた。マクシミリアンへの想いを抱えて重い気持の飛は、噂の出所を探る中で白龍屋敷の手勢に誤って捕えられてしまい…。
マクシミリアンとの関係に一人思い悩み、思い詰めていく飛。徐々に飛との関係に気付いていくらしいマクシミリアン。やはり何か裏があるらしい師父の動きに注目しながら、常に前向きだったはずの飛の心情の変化を追い掛けてください。 -
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飛とマクシミリアンの関係はいったい!? と首を傾げるしかないこの一冊。やっぱりそうなん? いやでも…、と考えを巡らせること間違いナシです。
青龍の後見の件を巡って、黒龍に先触れの使者を出した白龍屋敷。しかし、黒龍に使者として入った万里は黒党羽に捕えられてしまう。それを助けに行った飛と羅漢は元家に賊が入っていくのに出くわし…。
初登場の黒龍市と冬眠は何とも言いがたい雰囲気。マクシミリアンとの関係を気にするらしい飛は、どうしても落ち着かないらしく、投遣りな風に思えましたが。生きていたらしい玲泉と、何やら悲しい過去を背負っているらしい尊夫人に注目しながら、明らかになってきている飛の出生の秘密、そして -
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なんで飛ばっかりがそんな目にっ、と思わず叫んでしまいそうになるこの作品。
青龍から花嫁をもらい受けた白龍屋敷が花路を遠ざけようとする気配を漂わせる中、大団円を突きつけられた花路は釈然としないものを誰もが抱えていた。そんな中、雷英が東州茶房へとやってくる。雷英に茶房と師父のことを頼み、飛は白龍に来ていた樹林房に朱龍まで俥に乗せてもらい、玲泉の死を伝えに行くが…。
いつになったら飛に平穏が訪れるのかと不安さえ覚えながらも楽しく夢中で読めるこの一冊。マクシミリアンとの意外な関係を疑う飛には驚かされること間違いなしです。
更には初登場の朱龍も案外食わせ者のようで、ますます四龍島から目が離せなくなること -
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沢山の想いが詰まったこの一冊。夢中で読んで、躊躇うことなく涙してください。
マクシミリアンの思わぬ申し出に驚く一同をよそに、憤りを抱えながらも街のために懸命に走る飛。祥船の取り潰しと千雲の斬罪が取り行われ、青龍の姉姫・雪蘭を花嫁として迎えるための花ごしを担ぐ途中、花嫁が侍女に摩り替えられていることに気付いた飛は…。
姉への想いが強すぎる青龍のとんでもない行動、あくまでも飛の胸の内を掻き乱そうとするマクシミリアン、迷いながらも街のために走る飛。そして何より、千雲の想い、李や燕の想いに注目です。千雲への飛の台詞と、千雲が李と話すシーンを是非とも楽しんでください。