佐々木常夫のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
家族のサポートと仕事を両立させながら東レの取締役まで昇進した著者による課長の入門書。課長に昇進したばかりの架空の人物に向けて書いた30通の手紙を通じて、課長という仕事に従事する人々を応援する一冊。
社会人になって間もない頃にヒットし、いつか読もうと思っていた。よくある日本企業の根性論、人生自慢盛りだくさんの内容とは一線を画し、限られた資源を有効活用して成果を出すためのtipsを紹介している。How to 本はあまり好きではないが、ミドルマネジメントに関して具体的に示した本がそもそも少ないので、参考になる方も多いと思う。一部多読不要論、父親不要論など「?」な内容があるのはご愛敬か。 -
Posted by ブクログ
書評】そうか、君は課長になったのか。/佐々木常夫
課長になった時に最初に読んで参考にして、色々トライした。部下が課長になった時にプレゼントした。
以下ポイントの書き出し。
「自分の頭で考える」
「読書で得た知識を現場の仕事にあてはめてシミュレーションしてみる」
「良書は何度も読み返す」
「自分の意見ははっきり述べる」「一番怖いのは思い込み」
「他者とぶつかるからこそ考え方や価値観は磨き上げられる」
「口は災いのもと」陰口を言わない。言い方を工夫して本人にも言う。
課長の仕事は、
1)方針策定、
2)部下の監督と成長、
3)経営と現場のコミュニケーション、
4)社内外の政治。
「下手な温情は、部下を殺してしまいかねない」
「正面の理、側面の情、背面の恐怖」
「対話とは聞くこと」
「話すが2割、聞くが8割」
「仕事の目的を明確にして」「部下に仕事を発注する」という考えで「礼儀をもって部下の仕事に手をつっこむ」
方針や考え方は必ず文書にして渡し、折に触れて現場にあてはめた具体的な話で反復連打。
忙しいと、口頭がいいやと思ってしまうこともありますが、けっこう伝わったかなと思っていることが、伝わっていない。文書にすると、初めて理解してもらえる。「口頭より文書が効率的」
披露宴でのスピーチを頼まれたので、本人に「恥ずかしくなるくらい自分を褒めた自己紹介文を書きなさい」といって持ってこさせたら私のスピーチの原稿は1時間で出来上がった。(やらせるということだ)
-
Posted by ブクログ
同郷の士ということで、佐々木常夫氏の本を購入。
「贈る言葉」の本なので、具体的な方法論のビジネス本ではなく、やや精神論寄りの本。土光敏夫や小倉昌男を中心に、リーダーシップ、経営学の理念を引用している。引用やエピソードが多いため、ノウハウを知るためではなく「読み物」という印象だった。
ただ、著者は大病を患った妻と、自閉症の子を持ちながらも全力で仕事と向き合ったという異色の経歴を持つ。「芸のためなら女も泣かす」ではなく、その真逆、仕事も家族もプライベートも、何一つ犠牲にすることなく、全力で向き合った人である。その生きざまは何よりも説得力があり、ゆえにその綴る言葉も凡百のそれとは比べ物にならないと感じた。ワークライフバランスという言葉が無かった時代に、その先駆となった人と言えると思う。
ほんの30年ほど前と比べても価値基準が大幅に転換した今、このような人の本に触れてみるのは意義があることと思う。 -
Posted by ブクログ
ビジネスマンとして成功を収めた著者が教養について論じたものである。筆者はしばしば論語を引用してビジネスマンのあるべき姿を論じており、本書にも徳に基づく考え方が随所にみられる。
自ら東大を出て大企業に進み、実務を長年こなし、その後も管理職として長年過ごしているからか、教養という概念には特別な思いがあるようだ。教養は知識の多さではなく、人徳にあるという。学歴は決して教養そのものではなく、むしろ限られた人生の中でいかに真摯に生きるかによってその人の教養は決まるというのだ。
本を読むより、セミナーに行くより実践の経験を積めという論は本書の読者にはちょっとした自己矛盾を感じさせるが、素直にそれを受け止められるのが教養人たるゆえんなのだろう。
筆者の言う「教養」が現代の日本人にとって必須のものであるという点においては私も強く同感する。