浅野いにおのレビュー一覧
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購入済み
とても面白いです
主人公とその家族を鳥(?)のような、ゆるいキャラクターデザインにして、他の登場人物を人間として描くという斬新な表現はとても興味深かった。
ギャグ漫画では前例があるかもしれないが、この作品のようにシリアスなヒューマンドラマにマッチするとは思わなかった。 -
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ネタバレ一年ぶりくらいの続刊。内容は充実していて、待ったかいがあった!
大葉が持ち出した装置を使ったマコト。鳳蘭の過去が明らかに(厳密にいうと平行世界で、鳳蘭はタイムトラベラーらしい)。
以下、鳳蘭の記憶の世界へ。
鳳蘭は引っ込み思案な性格で、門出はクラスメートからいじめられている。「船」の調査員を救出したことから二人は接近。調査員は様々な装置を使って、二人を助ける。
調査員にイソベやんの着ぐるみを着せたことから、イソベやんの作品世界と本編の世界が入れ子状に。
調査員の装置によって、人助けをはじめる二人。しかし、未熟な独善がとんでもない事件を引き起こしてしまう!
以下は感想。イソベやんのお -
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ネタバレ門出とおんたんの出逢いの回顧録。
門出さんカッコよすぎるぜ。こんなに自分の生き様を通している人はそうそういないぜ。
どこかドラえもんをオマージュしている部分があるが、
それを見事に浅野いにおの世界観に溶け込ませていて、
しかも現代風にしているのでいやらしさは感じず、
むしろ藤子・F・不二雄先生への尊敬の年すら感じる。
これらも楽しみな作品のひとつです。
浅野いにお
本質 頼られると嬉しいひつじ
表面 ゾウ
意志 子守熊
レール ロマン
⇒ 自分の世界観を生み出しているのは圧倒的にロマン要素。先見の明もあるので、時代の先を行っているのがよく見えた個性ですね。 -
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ネタバレ登場人物たちが小学生だった時代と現在が交互に語られ、また物語を見る視点もいろいろな人に飛ぶが、断片的な話をつなげていくと、ストーリーが浮かんでくる。プロットは割としっかりしていて、冒頭の双子と、二つに割れた蝶が最後につながっていく。ずいぶんあっちこっちを見比べたが、それはそれで楽しい作業だった。
中心線は鈴木という少年で、彼は別の父親の元で育てられているが、屋上から飛び降りて、過去についてはぼんやりとした記憶しかない。様々なエピソードを経て、過去が明らかになる。双子とは、植物人間になって10年以上眠ったままの木村有江だった。有江は実の父親から性的虐待を受け続けているようで、それは植物人間にな -
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ネタバレふんわり男シリーズはネットで読んでたときから「かわいいな~少女マンガかよ~!!」とジタバタしていた。
ばけものれっちゃんはあれだ、悲しくなる。ぼくたちは夏にああいうことをやっている番組を知っている。
夏のにおいは魔法少女を二度殺す、は、男性声優の顔がリアルだな。これも悲しくなる。田舎に取り残されたアラサーは磨耗されていくだけ。東京に行ったところでただ心が死ぬ未来があることも知っている。そういう人を何人も見ている。たぶん先輩も心が死んだ人間だ。
テンペストはなんつーかもう。これも悲しくなるわ。もしこんな日本になったら、たぶん私は痛みを伴わない「自死サービス」を受けるだろうな。結婚できる気もしない -
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今から10年前の、浅野いにおの初の短編集。初出は2005年から2008年まで。08年時点で10年のベテランだったらしいから、2018年は20年のベテランである。実はその期間はスピリッツを読まなくなった期間とほぼ重なっているので、この実力派で誠実で、ちょいスケベで、感傷的な作家の心のウチを見たのはこれが初めてだと思う。
表題はどちらも純文学によく使われるタイトルである。内容的には、決してSF的な「世界の終わり」は描かれていなくて、社会批判的な「夜明け前」も描かれていない。若者のモノローグに近い日常が描かれている。しかし、私はだからこそ、やがて描かれるべき「世界の終わりと夜明け前」の出現する緊張