浅野いにおのレビュー一覧
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こ、濃い・・・。
小梅と磯辺の関係は田舎の町の中学生っていう本当に限られた枠のなかで成り立っていたんだろうなー。小梅は本当に普通のザ女の子。クラスカーストはそこそこ高め。対して暗くて友達もいない、かつ自分のことを好いている磯辺との関係は、小梅にとって圧倒的に有利で楽でちょっぴり非日常で。でもずるずるした関係を続けていくうちにだんだん二人の関係が逆転していく過程が面白かった。磯辺の「お前になりたかったんだって」って台詞が印象的。結局磯辺にとって小梅は自分とは違う次元の人間だって思っていたんじゃないかな。諦めのような自棄のような。
あとはさすがの浅野さん!モノローグがほぼ無いせいか、余計に -
Posted by ブクログ
逃げ続けた先にあるもの。ラスト2冊。
生きる理由。後戻りができないほど人生が壊れてしまってもまだ生きたいと思ってしまう身体。終わりにしようと呟きながらもなんとなく声に出てしまう次の言葉。責任感なんて決まりきった言葉でプンプン自体を比喩できないほど彼はうつろいながら生きています。誰もいない場所で静かに命を絶やすぐらいがかれが救われる方法かもしれないけど、どんなに醜くても生きて苦しんで歩んで欲しいのが自分としての願いかな。そもそも、人間生きる理由なんてその場その場で適当に変えていっていいものなのかな。ちんくるほい
何はともあれ次巻でラストらしいですからしっかり読みきりたいな。 -
Posted by ブクログ
もはやどん詰まりで行き止まりの前にいるかつての少年と少女。アカルイミライはそこにはなく、鈍痛のみが押しつけられる日々の中で甘美な「死」の気配とギリギリのラインで踏みとどまる「生」の時間。
プンプンと愛子、南条を巡る輪。
僕らは過去という幻影、亡霊から逃げ切れることはない。
浅野いにおはオシャレな漫画家ではない。そう言っている人はこの作品を読んでいるのか?
ゼロ年代のあの憂鬱な空気と大人たちが勝手に失ったものの中で思春期を過ごした僕らのレクイエム、いや神様なんてどこにもいなかった。
いつも、願いは届かない。でも叫ぶんだ。
僕の、君の願いは神には届かない、でもきっときっと誰かには届くと信じて。闇