浅野いにおのレビュー一覧
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雑誌掲載時にパラっと読んだときに山本直樹的な「虚しくだるいエロ」かー、と思って追ってなかった(ちなみに山本直樹は基本的には嫌いだけど「ありがとう」はまごうことなき名作だと思う)。が、なんか気がむいて読んだ。
恋愛じゃないかたちで身体の関係をもってしまった二人の中学生。その関係性が変化し、物語が動き出してからの展開がすごく共感できて面白かった。
何にも振り回されずクールでかっこよく生きたいと思っても、愛されたい、誰かに必要とされたいという願望には勝てない。という人の本質的なダサさ(愛おしさ)。女子が男子を助けようとして書く手紙の内容のダサさが自分の内面のダサさと重なってずしっときました。
しかし -
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単純に言ってしまえば怖かった。
何がどうなっているのか分からなくて、ただ読み終えた。
難しいです。
でも、私はこの暗さが苦手ですが、本当にすごいと思いました。
他との違いがこんなに理解できていなくても伝わってきました。
作り方が過去も未来も沢山の人の記憶を全部切り刻んで貼り付けてできたのがこの漫画…というイメージをもちました。
もう一度半分ほどまで読み直して、「あ…このシーンは」とぱらぱら辞書のようにめくって読みましたが、
私の頭では理解に乏しい…
でも、理解したいと思える奥深さです。
プンプン同様、暗いし好きにはなれないけれど、色んな意味が込められている気がする。 -
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重かった。
かっこいいこといってるのに
かっこよく片付けないでギャグ要素をバックに入れてくるのは、いにおさんの一種の作風ですね。
誰かと人生を生きることや、脛をかじってないで、自立して歩んでいく辛さを感じさせられました。
自分はまだまだそういう経験がないですが、いつかどこかに務めた時読み返してわからなかった感情が理解できるようになるんじゃないかと、思います。
会いたいって言って理由なく会えるのが恋人だね、という言葉を読んだことがありましたが一言であっけなく途切れてしまうのも恋人なんだなと痛感しました。
人生って本当に難しいですね…
染み込む人には滲みつく物語ではないでしょうか。
映画ではどうな -
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ネタバレ個人的に『HOME PART』が好きだからなのかつらい。納得はできていると考えられるけど感情がついていかない。芳一の半端さが好ましいのでなお…。好ましいからか見てるこっちがダメージを受けるようなかんじなので、ラストの解釈を芳一が生きてると思えるようになったらorすんなり受け入れることができるようになったらまた買おうと思う。擬似家族には弱いな…面白かった。
『こんな天気のいい日は歌を歌おう。』
『せめてこんな朝は今日一日の幸せを祈ろうじゃないか。』
『そういったものにどれほどの価値があるのか、今の僕にはもうよくわからない。』
『…で、どうなった?』
『お母さん…それはいいことなの?悪いことなの -
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ネタバレお気に入りの話がふたつ。
『坂の多い街』どんな状況でも動物がしゃべるのは可愛くて面白い。カラスと少女の関係好きだ…消えてしまったのかあ…。時たま出てくるといいなあ…というか出てくるだろうけどあんなのなら私は大歓迎だ。
『森のクマさん』かぶりものに弱い自覚はある。この女の子がめちゃくちゃ可愛い…こりゃ連れてきたくもなるわ。そしてちょうどいいかんじのラストが好み。
『ナイスな社会人になるには、ナイスな生活からですよ』
『ガキの社会はまるで世の中の縮図だな』
『強気ないじめられっこのお嬢ちゃん!俺がなんなのかはもうわかってんだろ!?』
『はは、そうきたか。ミラクルだなこりゃ。』
『だから、お前を生 -
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漂う「新井英樹」臭。とは言っても、ちゃんと浅野いにお印で割と好きです。ちゃんと商業ベースで、漫画表現を実験的していく。「自意識過剰」をちゃんと、主人公だけでなく、色々な他人にもあるという事を描いたという事、それにちゃんと「自意識」を表現して漫画内で客体化しようとしていて、良いです。おそらく作者自身の自意識が、だらしなくまろび出ているように見えるにも関わらず、その実、ギリギリで踏みとどまっている…のですが、ただの自意識過剰漫画家のレッテルを貼られやすいのだろうな、と思います。実際、これは、シリアスを装ったコメディなのです。連載当初は、ゾッコンでしたけど、今は青臭くて読み辛い部分もありました。でも