浅野いにおのレビュー一覧
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震災後に刊行されたものだから、やはりその影響は漫画のリアリティのなかにもあるのかしらん。
「・・・必要悪ですか。
原発も戦争も誰かの生活を支える必要悪ですか。」
「うるせーよ 風俗行って一回抜いてこい!!」
漫画家を目指しているサチへの漫画業界の担当からのコメントは分かる。自分も持ち込みをしたことがあったので。いわゆる、「良識ある社会人」代表VS賢くなれない「青い奴ら」みたいな図式はある。
「僕から言わせてみれば二十代の悩みなんてがむしゃらに働けばたいがい解決するんですよ。
こんなのじゃただの絶望ごっこにしか見えない。
不幸自慢ってうざいんですよね。まぁ、一言、甘ったれんなって感じですね。」
「面白さは漫画の絶対条件です。暗い世の中だからこそ、読者は前向きで分かりやすい共感を求めています。」
「・・・そんなので喜んでたら馬鹿じゃないですか・・・」
「あなたが思っている以上に世の中のほとんどの人は、
あなたのことなんかに興味ないです。」 -
Posted by ブクログ
プンプンの初体験描写が衝撃!
関君の話にものすごく共感してしまった。
天気がいい日に、ベンチに座って、ぐだっと座って目をつぶりながら、さまざまなことに思索を巡らせる。
「どうすればみんなが幸せになれる?」
って真剣に問うている姿。
ほんとうはどこもおかしくないのに、笑うところではないのに、なぜか笑いが止まらなかった。
自分は何一つ世界の中に参加して働きかけていないのに、その外部から世界の秩序を考えている。その結果が、単なる浮浪者である。
自分にも痛いほど、その感覚は良く分かった。
そういう思索を自分も、大学の中を歩き回りながらしていた。
人間の「自由」って何だろうか。自由が与えられていて、いざ自由を実現しようとしても、本当は何もできないし、自分で不自由を選ばざるを得ない、「自分を見失った存在」になってしまうのである。
「わかるよ。
きっと普段はフツーに善良な市民なんだ。
基本的には。
元々この世に正しい人間なんか一人もいないだろ?
きっとほんの少しだけ、
バランスが崩れただけなんだろ。」
「・・・なんだろ
今、この場所にはこんなにたくさん人がいるはずなのに、
本物の人間が一人もいないような気がするのは。
どいつもこいつも
一人残らずからっぽで、
自分自身が誰なのかすらわからなくなってるんじゃないか?
でも、それは俺だって同じこと。
自分が自分だってことをどうやって証明できる?」
「・・・結局、他人への不満って実は自分への不満なんだ。」 -
Posted by ブクログ
プンプンだけでなく、その周りの人々もそれぞれ大切なものを持ちながら、運命に翻弄されていく。
「プンプンはただただ
みんなが幸せになればいいと思うことの、
なにがいけないんだろうと思うばかりでした。」
「当たり前のように過ぎてゆく
当たり前の日々は、
当たり前の未来へきっと繋がっている。
ピースの足りないジグソーパズルのような気持ちを感じながら、
それでも大人になるのが人間だと信じていた。
でも、もし、
異常というこの日常の中で
すでに僕も
壊れてしまっているのだとしたら・・・
違う!!
僕は僕だ!!」
「僕は・・・まあ、月並みさ。
・・・自分は特別で、他人とは違う何かを持っていると信じてそれをずっと探していたよ。
・・・今はその頃の自分を「若かった」の一言で片付けて、
でっちあげの屁理屈で帳尻を合わせているんだ。
今はただ・・・
器の中の表面張力の限界を超えて、一気にこぼれ出すように、
心の中の何かが溢れだすのを恐れながら、日常を過ごしている。」 -
Posted by ブクログ
ネタバレ2巻で終わりなんて。読み終わってしばらくしても、この作品が持つ空気にずっと当てられた……でも、これで良かったんだよな、うん。これが良かったんだよな。
青春を描く上で、多くの人がスルーしがちのエロの部分をちゃんと書いてるのは好感持てる。何度も読み返したけど本当に良かった。切ない。大好きだ。……。
それにしても、他の人に言われて気付いたが20話はもろに水戸駅だ。友人曰く、高校の制服は牧高らしい。大洗駅の近くにある大貫郵便局も出てくる……1巻冒頭を読んだ時は、鹿行の方か阿字ヶ浦海岸を舞台にしているのかと思ったら、大洗だったとは。もう私の中で完全に大洗はガルパンではなくうみべの女の子になった。
シギサワカヤを好きな相手に、この作品を勧めるのは間違ってない気がする。
もう一度読み返す前に、はっぴいえんどの風をあつめてを聴くのを強く勧める。 -
Posted by ブクログ
まず一言、この漫画は凄い
とうとう満を辞しての愛子ちゃん登場。普通の少年漫画だったらラスボス登場な展開、いやむしろこの漫画でも、プンプンにとってもラスボスと言えよう。愛子ちゃんとプンプンが再開してから絶対にこの子には何かある、間違いないと確信していたけれどやっぱりね。やっぱり愛子ちゃんは変わっていなかった。このままプンプンと二人でズルズルと堕ちていってしまうのだろうか。この二人は一緒にいても幸せにはなれないんじゃないだろうか。プンプンが絶望する傍に存在する楽しげな日常がまた辛い。愛子ちゃんはプンプンのトラウマであり、愛する対象であり、逃避であり、そして依存の存在であった。
彼らに幸せは訪れるのか