浅野いにおのレビュー一覧
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ネタバレ現実と夢と今と学生時代が交錯する話。
文字数が多いわけではないが、一冊でかなり読み応えがある。
それぞれ違う時間軸の多くの登場人物が出てくるため、何度も読みたくなる。
◎鈴木くん…転校生、父を見舞う、鈴木くんに木箱を渡す老人
◎小松崎…両親を早くに亡くしたいじめっ子、スーパー店長殺害・木村父を重症にする
◎荒川マキ…小松崎くんが好きなで有江に嫉妬する少女、日暮兄(カフェ店長)に揺れるバイト店員
◎木村有江…日暮兄からもらった日記を読み皆に話す、鈴木くんと兄妹?
◎木村父…スーパーで働く、離婚済
◎木村母…彼女がトンネルで亡くなるところから話が始まる鈴木くんの母でもある?
◎日暮兄…鈴木くんに -
Posted by ブクログ
不可視で未知な葛藤を抱擁したまま、刹那的な快楽の終までの距離を測れないことは分かっているのに、それでしか得られない物があまりに大きすぎた。哀憐の重圧は暖かかったのに、記憶が美化されずに生きたために存在が兄の思念体になってしまった。
諭しておきながら己を赦してやれなかったのは、それの重要性を一番よく知っていたからだ。悔やみ続けているからだ。そして愛があったから、なるべく傷付かないように傷付けられた。許してやれた。振り返らなかった。際限なく共に過ごせなくても、記憶と心根は不変であると分かっていたからだ。
不可視で未知な葛藤を抱擁したまま、刹那的な快楽の終までの距離を測れないことは分かって -
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ネタバレ鬱マンガ好きは読んだ方がいい、と学生時代の友人が私に言っていたことを思い出す。印象的な表紙に書店でもらったカバーをかけ直しながら。
アジカン好きで入ったソラニンの映画に原作を読んで胸を打たれていたがその作者だと聞いて。。ふざけた(ように見える)タッチのイラストを見ながら1話から読んで、確か屋上に行ったあたりで怖くなって読むのをやめた気がする。精神を守るために。。
そんで大人になった今、無料になったというから便乗する感じで重い腰を上げて読んでみた。
結論から言うと具合悪くなった。フィクションなんだからそう思って読めばいいのに、誰も彼も人間の、他人には隠しながら生きてる部分があるけど、それがリアル -
Posted by ブクログ
映画を観たくて、この原作を買った。
漫画を読むことすら久しぶりだ。
わたしが浅野いにおを好き、というより、浅野いにおを好きな男の人を、わたしは好きになりがちだ。
だから、いつも浅野いにおを読む時はだいたい「あの人の頭の中はどうなっているんだろう、あの人は何を考えているんだろう」という気持ちで、読む(『おやすみプンプン(2)』レビュー参照)。
そして、「ああ、あの人はわたしのことなんて全く見てなんだろうな」と思って、凹む。病む。
今回は原作を読むタイミングと、あの人の頭の中はどうなってるんだろう案件が偶然、重なった。
映画のために買った原作が、別の意味を持った。
「わたしはこの人を好きだけど -
ネタバレ 無料版購入済み
ちょっと視点が変わると……
メインの女の子たちは大学生となりますが、それ以外はさほど変わっていないように、見えますね。
ただ、この巻では、侵略者とされている側のセリフが一部、読者にも分かるように書かれていて、お互いに意思疎通は出来てはいませんが、先方の事情も少し見えてきて……この辺は巧みだったとは思いましたね。 -
Posted by ブクログ
夢に向かってちょっとだけ踏み出してみた。チャンス到来かと思いきや、その先は見えてこない。足を地面につけてみると改めて現実を思い知らされる。そもそも本当はどうしたいのか、本当にそうしたいのか。悩むことができる時間はお金がある間だけ。以前とは正反対の考え方になったかと思うと、舌の根も乾かぬうちにまた違う考え方になったりする。右往左往、蛇行を繰り返し、気がついたら昔とは違う場所に立っている。そんな話だ。
芽衣子と種田を中心に描かれるが、バンドという枠に入っている仲間たちとその周辺人物、少しずつ違ってはいるが皆そんな状態。中盤に転機があるが、これを転機に変わるわけではなく、流されているつもりはないのだ