あらすじ
この限りなく不透明なイマを生きる、僕らの青春狂想曲――
社会人2年目、種田と芽衣子の
楽しくもせつない、小さな恋の物語――
性別・世代を越えて確かな共感と感動を呼ぶ、超話題作!!
(2005年12月5日 発売 YSC「ソラニン」第1集 内容紹介コメント)
あれから12年。
累計90万部の大ヒットとなった
浅野いにおの代表作にして
ゼロ年代を象徴する青春漫画の金字塔
「ソラニン」が豪華新装版で登場。
単行本未収録外伝「はるよこい」、
未収録カラー、描き下ろしカット、
さらには12年ぶりの描き下ろし新作
「第29話」を収録した全1巻。
僕らの胸を焦がした
あの歌が、また聞こえる――
ソラニンとは、じゃがいもの芽の毒のことです。私たちは、じゃがいもを調理するときに芽を取り除きます。では、このじゃがいもは本書における何を意味しているのでしょうか。
「たとえばゆるい幸せがだらっと続いたとする きっと悪い種が芽を出して もう さよならなんだ」という歌詞が伝えたいこととは・・・。
本書の主人公は社会人2年目の芽衣子とフリーターの種田。2人の至極普通の社会人生活も芽衣子の退職をきっかけに著しく変化する。そして種田は―。
日常にありふれた人物設定は、私たちを物語に強く引き込みます。社会人になったばかり、平日は仕事でそれ以外何もない・・・そんな若い世代にぜひ読んでほしい作品です。本書は、ただ慌ただしい世界に巻き込まれている私たちに生きるヒントを与えてくれます。読み終えたとき、きっと空を見上げたくなるでしょう。
感情タグBEST3
10年前の自分と10年後の今
最初からちゃんと読んで、最後の1話。
種田の顔は浮かばなかったけど、登場人物の中にある感情は見えた。
ちゃんと10年後の自分にも繋がった。
Posted by ブクログ
息子のアパートで見つけた。
一人暮らしスタートの春、これから学生生活で出会う全てが輝いてる日々になって欲しい。
彼等の様に、生涯の友と出会い自分で決める暮らしをして欲しい。
まずは元気に過ごして欲しい。
30年程まえ同じ暮らしをしてた頃、生涯で一番楽しかったように思える。
Posted by ブクログ
ソラニンは今まで2回ほどコピーで演奏した。歌っている時も練習している時もいい曲だなって思った。なんでこれを読んでからやらなかったんだろうって後悔した。
22歳からの常識と行動とそれを掠めてくモラトリアム。何のために、誰のために
音楽をやっている人間であれば必ず読んでおくべき物語。今音楽をやれている幸せ、好きなものを追いかけられる幸せ、いつかやってくる幸せ。
僕は今日3回目のソラニンをしてこようと思う。メンバーは僕だけ。けどこれまでで一番、毒に侵された様に歌えるんじゃないかな。
若さの中にある小さな芽
今思えば、若い時ってのはなんでもできるような気がしていたと思います
ただその隙間には社会へ溶け込むことへの妥協、違和感、しがらみなんかが潜んでいて
そんな小さな不安や葛藤を繊細に描いた作品でした
ソラニンを知ったきっかけは大好きなバンド、ASIAN KUNG-FU GENERATIONのソラニンでした
漫画のことは知らず、僕が1番大好きな曲としてあった訳ですが
原作を読んで納得というか腑に落ちたというか
、歌詞の見方が変わり、それと同時に
「あぁ、そうか…そうだよな」と切なさを覚えました
社会的な立場、心の端にあるささくれ、不安を閉じ込めてぐるぐると回る頭
そういった描写を表現するのがとても上手くて、心を揺さぶられました
現状に対して何か思うところがあるなら、読んでみてはいかがでしょうか
きっとどーにかなるさ
Posted by ブクログ
いつ読んでもそのときの自分の状況と重ねて感じることができる、ずっとずっとだいすきな作品。将来への小さな希望と小さな絶望が交互にそして絶え間なく押し寄せてくる不安だったり、それら全てを受け入れて生きていこうとする強さと諦めの間の揺らぎだったり「うう~~~わかる…」の連続。芽衣子との電話を切った後の種田の自問自答と衝動はきっと多くの人にあるもので、1番好きなシーンであり1番心が疲れるシーンです…新装版で追加された話も本編を「美談」にはしない生々しさはありながらそれでも生活の中にある小さな幸せが散りばめられていて清々しく読み終えられた。
Posted by ブクログ
【あらすじ】
この限りなく不透明なイマをを生きる、僕らの青春狂想曲――
社会人2年目、種田と芽衣子の
楽しくもせつない、小さな恋の物語――
性別・世代を越えて確かな共感と感動を呼ぶ、超話題作!!
【感想】
リアルな世界を描いた話だなと思った。もう大人だけど、まだ心には青春時代に置き忘れてきた青臭い子どものようなでっかい夢があって、それを追いかけ続けている二人とその周りの人たちの生々しい生き様を描いている感じだった。ひとつひとつの言葉が心に響くというか、心に突き刺さるようだった。胸が苦しくなった。どこか、自分と重なるところがあるような気がしたのかもしれない。具体的にどうとかは言えないけれど、なんか心が痛かった。物語そのものに感情移入していたせいかもしれないし、登場人物の誰かと自分と重ねていたせいかもしれない。ソラニンという曲を聴いてみたくなった。きっとまた心動かされるだろうなと思った。兎にも角にも、いろいろと考えさせられる話だった。でも、自分を見つめ直す良いきっかけになった気がする。
Posted by ブクログ
これは誰かに向けてる記録じゃないから、とてもプライベートなことを書くけれど、ソラニンを読んで、聴いて、思い出す人がいます。
元々、映画リーフレットの雰囲気に惹かれたのが、ソラニンとの出会いでした。
当時大学1年生だった私は、切なさに胸をうたれ、成男に恋をしたものです。
あぁ大人の恋愛ってほんのりビターなのね…と何だかどこか遠い世界を夢見るような感じで、綺麗な私はうっとりしていました。
ソラニンは曲もすごく好きで、そこからアジカンを聴くようになりました。
いま音楽業界で働いているのは、ソラニンという作品がきっかけの一つだったかもしれません。
それからの9年間、バンドマンと付き合うことも、彼氏がバイク事故で死ぬこともありませんでした。
ただ、就職して家を出て、世の中の汚いところも見えるようになって、それなりにヘビーな恋愛を経験して、今改めてソラニンを読むと、自分もいつの間にかこっち側に来たんだなぁと感じてしまいます。
こっち側って、しかもたぶん、♯28と♯29のはざまくらいです。本編、ちゃっかり終えてます。
ラストには賛否両論あるそうですね。
批判される方は、せめて芽衣子さんは種田を思い出しておくれ・・と思っておられると聞きました。
わたしは、このラストがとても自然だと感じます。
5年半付き合った人に振られたあの寒い日、私は練馬に住む友達の家でソラニンを聴いていました。
というか、勝手に流されていたのです。これ聴いて泣きなよと言わんばかりのおせっかい…。
私は泣けませんでした。既に泣きつかれていたのか、別れた実感がなかったのか、とにかく大好きな歌なのに刺さりませんでした。
でも、別れてから大分たって、この曲を聴くと自然に彼を思い出します。
本作に掲載されている「はるよこい」で、同棲して別れたカップル(芽衣子と種田)がどうしているか、今まさに別れようとしているカップルが想像するシーンがありますが、そのときの言葉がとてもすきです。
「きっと今もどこかで、それぞれ案外普通に暮らしてるよ。誰だってそんな簡単にへこたれるわけにはいかないんだから。」
ソラニンはそういう曲だと思っています。
今でも同棲してた街を眺めると苦しい気持ちになるし、4年間入り浸ってたあの街にいたっては、なんと怖くて通ることすらできません…。
でも生きています。
きっと彼と私は、もう出会うことはないとわかっています。
それでも毎日そこそこに楽しくて、嬉しいこともいろいろあって、腹抱えて笑うことも何度もあります。
初めて読んだ時の自分をうっすらでも覚えているということは、当時の私にとっても衝撃の作品だったように思います。
そして年月が経ち、すっかり大人なった私も、改めて衝撃を受けました。久々に泣きました。
私がそうであるように、読者それぞれの秘めたソラニンを呼び起こすようなあれです。
Posted by ブクログ
映画は知っていましたが、まさかいにおさんの漫画が原作だったとは。
こう言ってはなんですが、すごい青春でした。結構陰鬱なものだと身構えていましたが、全然そんなことはなかったです。
種田は幸せだったんだろうか。悪い芽が出てきてしまったんだろうか。きっと、一度出た芽はもう戻らないんだ。もう、さよならしかないんだ。
Posted by ブクログ
初めて読んだのは、ちょうど芽衣子ちゃんくらいの時で 同じように 東京の魔物と戦っていた。ここまで生きてきたなかで出会ったり別れたりしたあれこれが、あの頃とは違う感動を生んだと思う。
あとがきで触れられていた種田の死因、しっくりきたよ。
Posted by ブクログ
生きるってことは、忘れていくってことで、
大人になるってことは、折り合いをつけること。
だとしても。
それでも、もし僕が10年前と全く違うことを言っていて、
あの頃必死になっていたことに今は見ないふりをしていたとしても、
それはあの頃のことが嘘だったわけじゃないって、言っていいですか。
だって、あの頃はあの頃で、目の前のあれが全てだったわけで、
今は今で、これがいちばん大事だと思えるのだから。
Posted by ブクログ
ソラニンを最初に読んだのは もう10年も前なのかぁ。芽衣子たちと同じような世代だから、ソラニンと一緒に歳をとったようなもので。当時はほんと出てくる台詞がバカみたいに胸に刺さってたけど、今読み返すと恥ずかしいというかもう「ザ・若気の至り」でツライ。これを読むと、どうしても遠い昔に付き合っていた恋人を思い出してしまって何だかやるせない気持ちになるから、そんな意味でも私的にソラニン。種田がいなくなった後のみんなの描写に、思わず涙が出そうになって焦る焦る。
各タイトルの間に挟まってる、いにお先生が最近描いたんであろうイラストが、今のシャープな絵柄になってて、そんなところにも時間の流れを感じてノスタルジー。なにはともあれ、芽衣子にゆるくダラっとした幸せが訪れてよかった。
関係ないけど「はるよこい」のお団子ぱっつんメガネがツボすぎる主人公が私の中でプンプンのさっちゃんで、となると相手の男は実写プンプン…?ちょっとぽくないか…?という具合に勝手に妄想して楽しんだりもしています。
Posted by ブクログ
まず間違いなく、ボクの人生には必携の作品。
人生の大切な中心部分が描かれていて
何度読んでも心に染み渡るメッセージ性を感じます。
時を経て読んでみると
また違った感覚にあり、その時の自分の存在からの成長を感じられた。
この作品は凄すぎる!心の栄養となる大切な作品です。
Posted by ブクログ
だいすき。芽衣子が幸せそうでよかった。芽衣子には幸せになってほしいって、きっと読者のみんな思ってたと思うから、ほんとによかった。モラトリアムから、ちゃんと脱却してた。よかった、よかった。でもそれと同時に、種田のことが出てこないのが、なんか、これがいいんだけど、でもちょっと、寂しかった。
最後はきっと、ソラニン弾いてくれたんだね。うれしい。
なんか、うれしくて、かなしくて、でもほんとに大事なマンガだから、もう何回も読んだし観たけど、最初っからちゃんと読んで、29話は何回も読んで、ゆっくりゆっくり読んで、、、じんわり泣いた。ソラニンは、わたしの青春でした。
Posted by ブクログ
めちゃめちゃ刺さりはしなかったが、好きなシーンもあったし、面白く読んだ。作者はやたらキャラクターを吐かせることに対して、「今ならあんまりしないかも」という風に言っているけれど、(実際の大学生がそうかは別として)大学時代を延長している大人という感じがアイコニックに演出されていて、個人的には良いと思う。
一貫したぶっといストーリーがあるというよりは、延長したモラトリアムの中で、もがいていく様を見ているような感じ。大学時代に戻りたくなった。
Posted by ブクログ
夢に向かってちょっとだけ踏み出してみた。チャンス到来かと思いきや、その先は見えてこない。足を地面につけてみると改めて現実を思い知らされる。そもそも本当はどうしたいのか、本当にそうしたいのか。悩むことができる時間はお金がある間だけ。以前とは正反対の考え方になったかと思うと、舌の根も乾かぬうちにまた違う考え方になったりする。右往左往、蛇行を繰り返し、気がついたら昔とは違う場所に立っている。そんな話だ。
芽衣子と種田を中心に描かれるが、バンドという枠に入っている仲間たちとその周辺人物、少しずつ違ってはいるが皆そんな状態。中盤に転機があるが、これを転機に変わるわけではなく、流されているつもりはないのだが、迷っている間も現実に対処せざるを得ない。結果として変わるのだ。
現実ってそういうものじゃないかと。結論がない、正誤がない。そのことを考え始めると、どつぼにはまって抜け出せない。だから、見てみないふり、気がつかないふりをして日々を過ごす。著者自身、わけのわからない漫画だというが、見てみないふり、気がつかないふりをしていることに目を向けて描いている作品だろう。
確かにそれが現実だとは思うが、現実的過ぎて読後感が良くない。そういう理由で星一つ減。読後にプチ鬱感があるマンガなんて読みたくない。フィクションなら、読後は爽快感が欲しなーと思ってしまった。
Posted by ブクログ
当時は主人公たちに入れ込んで読んでいたけど、今読み返すとなんだか、若い眩しさに目を細めているような気持ちになった。帰りたくなる時もあるけど帰れないことを知っているし後悔もしていない。でもいつだって思い出すことができるように覚えていたい。
続編にあたる第29話は、そんな自分の心境にストンと落ちてくる話だった。魔物の件りとか特に。
加藤だけは少し違和感あったけどね。
90年代後半から00年代前半?なのかな、明るく
はないけど暗くもない感じ、今すごく羨ましく思えます。