佐藤愛子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
2017 第1版
戦争という激動の混乱の中を生き抜いてきた、大正12年生まれの痛快エッセイ。二度の離婚を経て物書きとして生計を立てるようになり、友達、家族に呆れられようと世間の逆風を受けようと、良妻賢母の価値観よりも自らの感性を恃み言うべきと思ったことを言う、すべきと感じたことをする。
どんな人間も死ぬときは死ぬ、正直は美徳か、男女の不当な差別は嫌だが差異はあった方が豊かだ、便利なモノを得ようとして窮屈になる。
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弱っている時、どうしたらいいかわからない時、うまくいかない時、私は常識や他人の評価が気になるということに、最近やっと気づいた。病んでいると集中できてドラマティックな小説などに逃げ -
Posted by ブクログ
41才を過ぎてから、体力的な衰えを感じていて、以前に比べて死というものを意識するようになりました。
そんな時に読む、ある意味、破天荒な生き方をされてきた佐藤愛子さんのメッセージ、”自分は自分の考えで生きれば良い”ということを再認識できました。
わたしも「ああ、おもしろかった」って思いながら、人生を終えたいな。
【本文より】
少なくとも私は自分の好むように生きて、そうしてここまできた。いいたいことをいい、したいようにしてきた。
人を羨望せず、妬まず、怨まず、おもねらず(その代わり損や誤解を山のように背負ったが)正直にありのままに生きてきた。
こう生きるしかないから、こう生きた。よくもまあ -
Posted by ブクログ
2度の結婚をし、債権者にも追われる波瀾万丈な日々を過ごしたという著者は、90歳を過ぎても今だ意気軒昂に、数々のエッセイ等を刊行している。
そんな著者の、小説やエッセイから抜粋した「人生のエキス」が満載された、ほぼ20年前の書を再読。
以下、いくつかを抜粋。
「われわれは欲望の満足に対して謙虚さを失った。・・・物質的安楽。それが人間の幸福であり、人生の目標であると思い込んだところから、われわれはゆとりをうしなったのではないだろうか」
誰かの詩に、女は港だ、と謳っていることに関し、「それは所詮、男の夢」だと、バッサリ切り「女は、いくつもの表情を持つ海ですよ。突如として荒れ狂う海、不気味さを秘めてう