佐藤愛子のレビュー一覧
-
購入済み
読み終えた感想です
作者は、人生を長年歩いてこられ、相応の見識や凄さ、またユーモア等を兼ね備えた極めて明るい前向きの方だと拝察しました。
同時に達観もされておられるようで、小生は、作者のそのようなお考えとか生き方に全面的に賛同します。
多様な考え方や意見等が飛び交ってやや混沌としている現在、手軽に入手できる芯のある書物の一つと思っています。
-
Posted by ブクログ
五編の短編集。
佐藤愛子さんの小説は初めて読んだけど、ユーモアと毒気と哀しみが相まって、独特の世界観を作り上げている感じがした。それは全編に共通していた。
表題作は52歳の院長の恋を20歳の秘書(院長の恋の相手ではない)が客観的に見て語る作風で、綺麗な妻と可愛い娘がいてお金もたくさん持っていて恵まれた暮らしをしている院長が、端から見るとどこが魅力なのかわからないバツイチ女に惹かれて堕ちていく様が描かれている。
それがまた女性特有の視点で毒気たっぷりに描かれていて、不思議な哀愁もある。
頭ではわかっていても止められない恋心。イコール病気。恋をしたことがある人ならば、思い当たって少し胸が痛むかも -
Posted by ブクログ
この本の著者である佐藤愛子さんが、夏の間過ごすために北海道の浦河町に建てた別荘で起こる怪異の記録を綴った本です。
実際に別荘で起こった出来事を書いてあるのですが、よくありがちな血まみれの女の姿が...とかそういった感じのものは出てきませんが、だからこそ次々に起こる怪異がよけいにリアルに感じて、ゾッとしました。
怪異の原因はアイヌに関わる事柄で、北海道という土地柄独特のものを感じさせます。
まるで和製版のエクソシストみたいで、読み始めるとあっという間に読んでしまいました。
とにかく凄まじいです。
霊的なことを信じる人にも信じない人にも、とても興味深く読める本だと思います。