佐藤愛子のレビュー一覧

  • 私の遺言

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    日本で、ラップ音や電気器具の故障、物質の移動などの霊的な現象が、これほどしつこく長年に渡ってひとりの人間に繰り返されたのも珍しい。それが著名な作家によってこれほど誠実に、そして詳細に記録された例もなかった。

    北海道の山の中腹に山荘を建てた直後からそこや東京の住まいで見舞われた執拗な超常現象とのあくなき戦い。何と26年間の凄まじい霊現象とのかかわりによくぞ堪えてこられたと感嘆する。

    心霊現象など信じなかった著者が、恐怖におののきながらも、信頼できる霊能者に助けられつつ、正面からかかわっていく様が、読むものの心を動かす。佐藤家一族の魂を浄化し、佐藤家もかかわりがあったアイヌ民族の怨念を浄化し、

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    2009年10月04日
  • 血脈(上)

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    狂気は連鎖する佐藤家の血の歴史。人の人生を淡々と語っているだけだからなのか、とてもヘヴィーでした。でもこういうだらしがないというかいつもどこか行き詰ってしまう感じの人達は一族に一人はいるものかもしれません。

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    2009年10月04日
  • 冥途のお客

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    とりわけ北海道の狐霊の話が面白い。耳の中でひたすら喋りかけてくるという声。あんなの憑いたら…やだなあ。

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    2009年10月04日
  • 不敵雑記 たしなみなし

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    嘆き節、追悼記、心霊もの?と佐藤愛子のエッセイの要素がちょっとずつすべておさめられた、お得感のある1冊。佐藤愛子にかかると江原啓之の霊スポット訪問も勇ましい探検記のようになるのがおかしい。私が江原さんを信じる一番の理由は、佐藤愛子が信じているからだ。

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    2009年10月04日
  • 血脈(下)

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    ようやく下巻まで読み終わった。

    紅緑を中心にした佐藤一家を描いた上巻、紅緑を追いつつ兄弟達の紆余曲折を描いた中巻、この下巻ではその全ての血族の末路が描かれている。主となっているのは著者でもある佐藤愛子だ。自身のエッセイでも幾度となく話題となっている田畑麦彦との結婚の頃の話がつまびらかになっている。後半はそのエッセイの調子に似たテンポ。

    この「血脈」が完成して世に出たとき、霊能者が佐藤一族の彷徨う魂がようやく浄化された、と言ったそうだが、まったくこの作品は圧倒されるの一言であった。

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    2009年10月04日
  • 血脈(中)

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    佐藤愛子による、佐藤愛子の一族の話、「血脈」。

    シナとの間に二人の娘が生まれてからも、兄弟の悪戯の後始末をし続けなければならない紅緑。自身が流行作家になりつつあっても未だ仕送りを要求する長男ハチロー、口先ばかり達者になり弁は立つが大嘘つきの節、幼い頃に人に預けられ肉親の情を知らずに育った兄弟の中では1番真面目だが無気力の弥、同じく生まれてすぐから父と離れて育ちその場凌ぎは出来るが根気や目標が皆無の久。
    紅緑は自らの業や息子達の一生を怒り、その怒りや悲しみややる瀬なさを文字を連ねることで昇華していく。


    文中に何度となく紅緑の日記が挟まれてくる。
    結局、夫である紅緑に愛情を感じず、愛

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    2009年10月04日
  • 血脈(上)

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    佐藤愛子による、佐藤愛子の一族の話、「血脈」。
    上巻は愛子が生まれる以前、佐藤紅緑(佐藤洽六)と妻のハルが構成していた佐藤家から始まる。その後、紅緑は女優のシナに傾倒しハルとは離縁。紅緑の葛藤、そして分散していく佐藤家の兄弟を長男であるサトウハチローを中心に描かれていく。

    シナに愛されていないと感じるたびに躍起になり強行の末に空回りで自滅していく紅緑と、、紅緑を愛しもせず反抗もせず、無言で観察者に徹するシナとの関係。父と母と自分との関係に折り合いが付けられぬまま其々に崩れていく兄弟の心がテンポよく綴られる。
    それでいて実直で豪気な紅緑という人間に惹き付けられざるを得ない。


    これは

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    2009年10月04日
  • 増補版 九十八歳。戦いやまず日は暮れず

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    佐藤桃子著「佐藤愛子の孫は今日も振り回される」を読んで、佐藤愛子さんご本人の事を知らなきゃ話にならんなと手に取った本。
    ああ、でもこんな(と言ったら失礼だが)エッセイ集1冊読んだぐらいでは、佐藤藍子さんの作品や人柄など解ろうはずがない。
    興味は沸いたが、たくさんの作品があるようなので、さてこれから何を読もうかと悩みは尽きないのである。

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    2024年12月09日
  • 佐藤愛子の役に立たない人生相談

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    そんなこと私に聞かれてもねぇ...とけんもほろろの第一声だけど一応ちゃんと答えてくれるかんじ。

    「趣味に合わないプレゼントを贈ってくる彼にどうすれば本心を伝えられるか」というあるあるなお悩みに、「ガタガタ言うな」と一蹴。愛情の証である品物に感謝をしないのは彼女の怠慢だという回答が印象に残りました。

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    2024年09月11日
  • 人生論 あなたは酢ダコが好きか嫌いか ~女二人の手紙のやりとり~

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    189ページ
    1000円
    7月21日〜7月23日

    小島さんの愚痴を佐藤さんが優しく受け止めて、それでいてサクッとぶった切る感じが良い。

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    2024年07月23日
  • 我が老後

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    作者が原作の90歳何がめでたい 映画を見て久しぶりにこのエッセイを読んだ。ひたすら笑えた。
    病院の待合室で読んでいて、声をころして、肩を振るわせ、周りの目を気にしながら、笑いを押し殺した。

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    2024年07月22日
  • 人生は美しいことだけ憶えていればいい

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    ネタバレ

    一部要約

    自分の性格が嫌で、誰からも好かれる様な人になりたい、人づきあいを良くしたい、と言ってもそう簡単になれるものではない。
    自分にない明るさ無邪気さを無理やりに作るよりも、自分の持ち前の性格を伸ばす方へ考えを持って行く。短所を長所へと持っていく。
    大事なのは、相手に対する想像力と心配り。

    この考え方が良いと思った。

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    2024年05月25日
  • 老い力

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    愛子節炸裂。まだ「老い」の域ではない人も楽しく読める。
    さすがにその考えは古いんじゃないかと思うものもあったが、クスリと可笑しい話や気分爽快になる話も詰まったエッセイ集。

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    2024年04月29日
  • 楽天道

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    楽しさを求めて生きているわけではない、人生は苦しいものだと思っている、という一文に共感しました。
    毎日家事、親の介護、仕事と頑張っているけれど、もっと楽に楽しく生きている自分がいたかも?と想像してみた時もありますが、やっぱりどんな人生でも苦しさはつきまとうだろうな、と思いました。
    生きるって、大変です。

    アランの『幸福論』も読んでみようと思います。

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    2024年04月17日
  • 思い出の屑籠

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    八郎兄ちゃんが、
    詩人のサトウハチロウさんが佐藤愛子さんの八郎兄ちゃんだとは知らず恥ずかしい!
    にしても中学生で子供を作るたぁ確かに筋金入りの不良ですな…
    愛子さんの記憶力の凄さに脱帽です
    もの書きの執念が、この幼少期からの感受性の強さと相まって、世に数々のエッセイと小説で我々をたのしませて下さいました

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    2024年03月28日
  • 思い出の屑籠

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    佐藤愛子さんを指導者に頂く「会」に
    エッセイを応募して入選した
    入賞には至らなかったけれど、この本がプレゼントされた
    今年11月に発行されたばかりの本
    恐れ入ります
    100歳!!!

    幼い頃の思い出が軽いタッチで描かれる
    昭和の初めの風景、人情

    文字が大きい!
    助かります(笑)

    ≪ 幼い日 その幸せを 思い起こす ≫

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    2023年12月22日
  • 佐藤愛子の役に立たない人生相談

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    本当にスッキリ感のある内容でした。

    と共に このような事で悩んでいる人もいるんだーーと思いました。

    だから 悩みある人はこういうのも読んで 優しいコメント以外も受け止めて 多方面から 自分の悩みに向き合えると良いですね

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    2023年12月02日
  • 冥界からの電話(新潮文庫)

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    佐藤愛子のルポルタージュ、2018年刊行、2021年文庫化。
    死は人生の終点ではない、ということを、佐藤の友人の医師の実体験をルポルタージュとしてまとめたもの。やはり、こうした体験を実際にした人は少ないので、にわかには理解しがたいところがある。ただし、人間の世界で生きる以上、死に直面することは誰しもあること。だから、やはり、人間の死にはこうしたことがある場合もあるのだというふうに思っておきたい。

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    2023年10月08日
  • 幸福という名の武器

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    ネタバレ

     昭和20年代後半、私の子供時代ですが、男性のステテコ姿、女性のスリップ姿はよく目にしました。自然な感じで眺めてた気がします。今、男性は下着姿を見せなくなったし、一部の女性は魅せる下着を見せるように。佐藤愛子「幸福という名の武器」、1988.6発行、エッセイ集。昭和初期、ステテコは下着の一種であるが、庶民は平気で街を歩いた。野球場に、湯上りに、夕涼みに。男は格好など考えなかった。いや、恰好を考えるとむしろ軽蔑された。今や、家庭においてすらステテコ姿がなくなることは、男性が女性の権威の下にしょう伏の現れ。

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    2023年08月29日
  • ああ面白かったと言って死にたい 98歳 愛子の箴言集

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    ネタバレ

     老い、死、人生、幸福、性(さが)、家庭教育、人間、男と女、夫婦の9つのテーマについて、今年100歳を迎える著者の存念が語られています。佐藤愛子「あぁ面白かったと言って死にたい」、2022.9発行。①昔は「毎日が敬老の日」だったから、そんなものは必要なかった ②下痢によって肉体が活性化するように、心の痛手によって人間性が豊かになる ③幸福とは「元気がいいこと」ただそれひとつ ④人の信頼を得るには何よりも「正直さ」である ⑤中年にとって大切なものは身ごなしの機敏さ。

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    2023年08月28日