鈴木恵のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ去年新刊案内で気になった『終わりなき夜に少女は』(クリス・ウィタカー)。
海外の小説は、登場人物が多すぎて誰が誰だかわからなくなるという理由で避けていたのですが、
頑張って読んでみる事にした!
少女達の失踪、なかなか解決しない流れに「まだか……まだか……」と思いながら数日間格闘し、約450ページやっと読み終えた。
『名探偵コナン』(青山 剛昌)や『金田一少年の事件簿』(樹林伸)のように天才的頭脳を持った主人公がハイスピードで事件を解いていく感覚に慣れてしまっていたせいか、
結末を急ぐクセがある。
でも大抵の事件はなかなか解決できずで時が過ぎる事の方が多いでしょう。
連続する曇天な -
Posted by ブクログ
『その雪と血を』が好き過ぎて、一部の登場人物と組織が共通しているという連作『真夜中の太陽』を読んでみた。
主人公ウルフが目にする風景に「静かな空漠感というか、寡黙な非常さ」を感じ、夕方に「奇妙なわびしさと無情さが漂っていた」と語る場面があるが、それはそのままジョー・ネスボの世界観だ。
せつないラストがグッときた前作とは違ったが、ラストに至るまでのウルフの生き方に引きずり込まれるように読んだ。
この薄さの本に一人の男のこれほどの厚い人生を書きこんで、、、やっぱりネスボは凄いな!!
私としては前作のやるせないラストの方が好みだが、、、最後の1ページの思わせぶりな終わり方の余韻にも充 -
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イギリスの作家アレックス・パヴェージの長篇ミステリ作品『第八の探偵(原題:Eight Detectives、米題:The Eighth Detective)』を読みました。
イギリスの作家の作品を読むのは、10月に読んだクリス・ウィタカーの『消えた子供 トールオークスの秘密』以来ですね。
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七つの作中作が織り込まれた破格のミステリ!
米ニューヨーク・タイムズ年間ベストスリラー選出!
独自の理論に基づいて、探偵小説黄金時代に一冊の短篇集『ホワイトの殺人事件集』を刊行し、その後、故郷から離れて小島に隠棲する作家グラント・マカリスター。
彼のもとを訪 -
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ネタバレ『われら闇より天を見る』を読んで泣いたりしたので、こっちもまあまあ期待して読んだが、どうにもこうにも。われらは3作目で、こっちは2作目なので、ちょっと荒いというか、物足りなさを感じた。
ボビー牧師が許されるのマジわからん。
この話は、グレイスという箱庭で、作者という神があれこれしている構造なんだと思う。正しいことをすれば許され、後悔すれば許され、他人を赦せば許される。逃げ出せば死に、変わらなければ不幸が訪れる。
でも、ボビー牧師はダメだろ。レインはずっとサムソンがサマーをさらったかなんかしたと思うことになる。全部が全部すっきりしなくても、メタ的にはボビーにも何か無いと思う。息子マイケルを失っ -
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友達から薦められて読みました。
冒険小説として、大航海時代の物語という歴史小説として、信仰が如何なるものかを示す読み物としてなどいろんな読み方ができるようのかもしれない。
災難を免れるより罪から免れることの方がはるかにありがたい、恐れている災いより、恐れそのものの方が重荷になるなど究極の状態にならないと気づけないようなことを読者に気づかせてくれる。
人間が一人で一から始めるとシンプルなことが実は複雑であり、どれだけの人類の叡智が集められていることなのかと驚くことになるんだろうな。
私は主人公が未開の人を召使として扱う描写が人種差別につながることをイメージしてしまい、居心地の悪さのようなも -
Posted by ブクログ
落ちぶれた作家がある学生のプロット
を聞き、その内容に成功の鍵を見つける。
それが後々作家の精神を蝕んでいく事に
なる。
題名の通りこれは盗作をした作家の細やかな
心理描写と前半の過去の栄光に縋り
スランプに陥って人生を無意味な物として
過ごしている人生、その後盗作小説で
有名作家として成功した人生を謳歌する
主人公。
愛する人との出会いそして結婚、全てが
嘘のように順調に進んでいたが
ある時不穏なメッセージが届く、そこから
歯車が崩れて行き真実に近づく様は
全て解決すると思われた。
色々散りばめられた謎は最後に一つの人物
に行き付きガラスの様な幸せも
スープと嘘で固められたプロットに‼︎ -
Posted by ブクログ
作家が主人公なだけに、過去の栄光に縋る気持ちやら目の前の才能溢れる性格の悪い作家志望者にイラつく様などが臨場感を持って描写されているのは面白かった。
後ろめたいからこそ普通の人が自分への中傷に対して抱く感情が湧かず、疑心暗鬼が先行してしまい、どんどん精神が病んでいく描写も良かった。
ただミステリーとなると、終盤まあまあな捻りはある物の、捻りが入るのが本当に最後の方だし、ある程度数読んでる人だと筋が読めてしまって物足りないかなと思いました。ジェフリー・ディーヴァーならもう一捻りは入っただろうし、この作品の様なオチにはしなかったろうなぁと。(好き好きと言えばその通りですが)