鈴木恵のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
方向音痴なんです
そして方向音痴の天敵と言えば野外フェスかどでかいショッピングセンターと相場は決まっています
特に大きな建物の中はまずいですよね
もう完全自分の居場所を見失って右も左もわからなくなります(いや左右はわかるでしょ!)
そしてそういうでっかいショッピングセンターに付きものの広大な屋内駐車場ね!
あれもう100%自分がどこに駐めたかわからなくなりますもんね
どのエスカレーター使ってどの通路を使ってとか完璧に覚えたつもりでいて今日こそは迷いなく自分の車の場所に!と思うんですが
やっぱり『見当違いの場所へ』なんちて
さて『拳銃使いの娘』です
「拳銃使い」違うやん!というね
まあそういうことじゃないんでしょうがw
刑務所から出所した父としばらく会っていなかった11歳の娘が殺し屋から身を躱しながら旅を続ける中で娘は強さを身に付け父娘の距離が縮まっていき二人は反撃にでる
なんかありそうな設定ですがなかなかに面白かったです
でもなぁ、なんか惜しいんですよね
二人の距離の縮まって行くところとかちょっと雑なんですよね
おいおいそれで信頼関係できあがっちゃうの?って
もうちょっと丁寧な心理描写があったらもっともっと面白くなりそう
それにしても皆さんこういう傑作をどうやって探し出してくるのかな
ハヤカワにこんなノベル(?)のシリーズがあるなんて知りませんでした
ま、おかげさまでたどり着けたので良しとしよう -
Posted by ブクログ
自分が初めて買ったハヤカワ・ポケットミステリはデイヴィッド・ゴードン著『用心棒 』でした。しかも去年の話です。生まれてはじめてハヤカワ・ポケットミステリのこのタイプの本を手にとったのが去年なのです。ものを知らないというのは怖いもので「なんだこの凝った作りの本は!」と感動しました。そして続くはデニス・ルヘイン著『ザ・ドロップ』。あれ? 評判の良い翻訳ハードボイルドを買うとこの手の装丁が多いな・・・と思っていたところに来ました3冊め『拳銃使いの娘』。
なるほど、要するに信頼と実績のハヤカワ・ポケットミステリということか!これも面白かったです!
米国TVドラマの脚本家のキャリアを持つ著者の小説デビュー作なのですが、なるほど文体が映像作品のカット割りに近い感覚で、同じ人物の同じ時間軸の一連のストーリーでもチャプター割りのように小見出しがつくのが面白いです。読んでいるリズムもまさしく映画やドラマのそれ。あらすじは、刑務所から出てきたばかりの父親は服役中のトラブルのせいで犯罪組織に命を狙われることに。彼の元妻や娘も処刑命令のターゲットになってしまい、父親と娘の決死の逃避行が始まる、というもの。
原題は"She Rides Shotgun"。またキャッチーさだけを狙った邦題じゃないかといぶかしく思ったのですが、読んでいくとこの『拳銃使いの娘』というタイトルの意味と強さがズシッと入ってきます。
導入部ではなんの前振りもなく刑務所の超重警備監房に収監されている犯罪組織の総長の得体のしれない影響力の強さとその恐ろしげな人物像が描かれて、そこですっかりこの物語にのめり込んでしまいます。なんだこの小説?とぐいっと引っ張り込まれたところへ幼い少女とムショ上がりの父親のひたすらぎこちない邂逅が続き、前科者の父親に畏怖と疑いの目を向ける少女が「拳銃使いの娘」と表現される理由が徐々に明らかになっていくのですが、そんな少女の成長の過程と父親との関係性の変化が本作の読みどころです。
単に少女のサバイバルと成長と聞けば似たようなストーリーはいくらでもありそうですが、本作の特色は主人公に幼い少女を据えておきながら、ロマンス要素を一切排して、暴力性への目覚めというなんとも危ういテーマを持ち込んだところにあると考えます。娘に対して生き残るための格闘術を教えながらも彼女の危なっかしさを感じる父親が、「強くなるためにはまずは自分の弱さを感じろ」と言いつつ内面の獣を飼いならすよう娘を鍛える親子関係が新鮮です。中盤から後半にかけて登場人物が増えながら、並行して走るストーリーラインも増やし、それをクラッシュさせて回収するエキサイティングなアクションシーンも秀逸ですし、悪徳保安官の嫌らしい怖さやドラッグでハイになっているような暴力描写も凄まじい迫力でした。
少女の成長を扱ったミステリとして、本作とは対極的なクソみたいな父親が登場し、主人公の世界に対する構えも正反対とも言えるボストン・テラン『音もなく少女は』も非常にお薦めです。こちらはクソみたいな男達とそいつらが作った社会に抗う女性たちの連帯がサバイバルのキー。そして少女の成長を描いたミステリの傑作として忘れられないのがディーリア・オーエンズ『ザリガニの鳴くところ』。この作品では社会性や知識教養を身につける啓蒙主義がサバイバルのキーになっています。それぞれ小説として本当に面白いものばかりですし、一人の少女が幼いころから困難に直面し、もがき苦しみ成長する過程で生き残りの手段として選ぶものがこれだけバラエティーに富んでいる昨今の翻訳ミステリ小説。読み比べるのも非常に楽しいです。読んでる間は必死のパッチですが。 -
Posted by ブクログ
タイトルからスナイパーか何か拳銃が上手な少女のストーリーかと思った。ドラッグ・殺人・復讐・家族そしてメルヘン、変わったミステリーです。
ネイトが出所して向かった先は、娘の中学校だった。そのまま2人の逃亡劇が始まる。
刑務所で嵌められる事を避けようと囚人の1人を刺し殺した。犯人は判らずネイトはそのまま出所期限を迎え娑婆に出たが、元妻のエイヴィスが殺された。囚人組織のボスは刺し殺された囚人の兄で、ネイトの身内に報復に出たのだ。
青い稲妻の刺青軍団から逃れる為に、ネイトと娘ポリーと小熊の3人は逃亡を始めた。険悪だった2人だが殺すか殺されるかの緊張の連続の中、親子としての会話や愛情が育まれてきた。
全ての事情を知ったポリーはネイトから闘争の訓練を受け始め、生活の為に強盗の手伝いも進んで行った。
麻薬倉庫強盗・マフィア経営のクラブ襲撃・上納金の横取り等、犯罪を重ねる2人+1匹の会話や行動は微笑ましく凶悪父娘を、もっとやれ、頑張れって、応援したくなってきた。
事件から1年後、ギャングのボスが殺害された。
行方をくらましたネイトの仕業と噂された。
ネイトは最後の死闘で重症を追っており死んだのではと思う。その後をポリーと小熊が引き継いだのだ。と、勝手に想像した。その流れの続編に期待する。
2018年エドガー賞新人賞受賞作です。著作はTVドラマ''CSI科学捜査班''の脚本家で本作も良く出来ている、翻訳作品に多い日本人には理解し難い独特な言い回しや箸休めの様な無駄なシーンも無く、残虐な犯罪シーンが多いのにポリーの相棒ぬいぐるみの熊が緊張感をクールダウンさせてくれる。バランスの良い流れに飽きずに読める。 -
Posted by ブクログ
「作中作」と聞くと、どんな仕掛けがあるのかと疑いながら読み進めるのは、ミステリ慣れした読者の悪いクセですが、この『第八の探偵』の作中作のある真実が語られたとき、「そうきたか~」と心中で唸りました。
本格ミステリ好きが本格ミステリへの愛をこめ、そして技巧を凝らし、不敵な笑みを浮かべながら作り上げた作品のように感じます。
かつて『ホワイトの殺人事件集』という短編集を発表し、その後小島で隠遁生活を送るグラント。彼の元にその短編集を復刊したいと、編集者のジュリアが訪れる。二人は『ホワイトの殺人事件集』の短編を読み返しながら、ミステリついての議論を重ねていくが……
作中に収録されている作中作は7編。それぞれ犯人に色々なパターンがあり、これにグラントとジュリアの議論が加えられることで、作中の人物の言葉を借りると『殺人ミステリ』の要件が浮かび上がってきます。
『三つの棺』のフィル博士の密室講義や、有栖川有栖『マジックミラー』のアリバイ講義などを思い出される。そういう本格ミステリにどっぷり浸った人こそ、よりこの作品の面白さが伝わってくるはず。
収録作品の様々なパターンであったり、クリスティーのオマージュを感じさせるところも、ミステリ好きは楽しみながら読めそう。
そして7つの短編の真実が明らかになるとき、改めてミステリとはどれだけ突き詰めても、一方では不確定要素に満ちていることに。そして、だからこそ時に腹立たしく、面白いということに気づかされます。
正統派? メタミステリ? アンチミステリ? そんなミステリのジャンルもろもろを、貪欲に取り込んだ作品だったと思います。