【感想・ネタバレ】ザ・チェーン 連鎖誘拐 下のレビュー

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ 2023年08月15日

誘拐された我が子を取り戻すには、誰かの子どもを誘拐し、その親にまた別の子どもを誘拐させなければならない。
この〈チェーン〉に巻き込まれたのは、癌患者でシングルマザーのレイチェル。彼女の凄絶な奮闘劇と、謎のチェーン・システムの核心に迫るプロットが熱い!

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Posted by ブクログ 2022年06月04日

80年代のアイルランドを舞台にした警官ショーン・ダフィシリーズが有名な作家。第一作だけ読んで続きを読むのを迷ってやめていた…。
本作はどこかで誰かが推してて解説も杉江松恋だから間違いなさそう!って思ったらその通りでした。
一時は作家を辞めてUberドライバーやってた著者にアメリカ向けの本作を書かせた...続きを読むドン・ウィンズロウは功績大だな。

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Posted by ブクログ 2021年12月23日

発想が面白い

子供を守る母親の強さ
父親の弱さ
類型的に過ぎるけど、わかりやすい。
強くなっていく母親、
それを表現するための、言葉使いの変化
本来なら決して使わないような汚い言葉を使うことで、自分を奮い立たせる母親
そこのところをもう少し丁寧に翻訳してほしいと感じるのは欲張りすぎか

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Posted by ブクログ 2021年07月15日

被害者はどうせやられっぱなしだろうと加害者が思い込むのも無理はないほどに追い込まれた状況下、母と娘は果たして立ち直れるのか。ましてやサイコパスの双子が完璧に築きあげた「チェーン」に対し反撃することは可能なのか。

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Posted by ブクログ 2021年06月07日

もしこの連鎖誘拐(チェーン)が現実のどこかで起きていたらと想像させられるくらい場所や情報が生々しくリアルで緊迫感があった。誘拐という犯罪の卑劣さ、そしてそれがわかっていても家族のために行わなければならない辛さとの葛藤。読者である私自身が強く感じ、読んでいてどうしようもなく辛い気持ちに感情移入してしま...続きを読むった。チェーンは家族の愛を利用した残酷なものであり、一生繋がれた家族が背負っていかなければならないものであった。家族のつながり、愛を憎むチェーンを、その愛のつながりが打ち勝ったという点に、作者の思いが伝わったような気がする。

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Posted by ブクログ 2021年01月07日

面白かった、ナイステンポ!
皆キツさが魅力的だったな。
特に己とその大切なもの、その掴んだ手を握り続けようとするレイチェル、カイリー、ピートがやはり。

大人と子供も、自分で決めた事もそんな己に決まった事も、地続きで。けれども、異なるもので。

終盤はある程度新鮮さは落ち着く展開だけれど、それはそう...続きを読むだよね、だし。

真犯人の世界は想像が及び辛いけれど、故に成り立つ文章の提示構造と、それでもなお、が残るバランスがある。

交換誘拐と、チェーンメールと。
真犯人と主人公どちらも、異質ながら確かに人間関係によりそうなった人達で。
そうして、どちらが勝つかとて、どう転ぶか分からなかったもので。
確かなのは、何かしらの形で終わる、という事だけ。
そうして、己が視野。

こんなに才覚のある作者でもなお、職業作家を続ける事に迷いドライバーを一旦選んだりしている事にも驚きつつ。
完全に余談だけれど。作家もまた、人々の想いと人の世の在り方を、綱渡りしているのだな、と。

77章で終わる物語。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年08月30日

娘のカイリーはつらい体験をしたが,無事に帰ってきた。レイチェルが選んだ次の被害者ダンリーヴィもまた,チェーンをうまく継続させた。一見もとの日々が戻ってきたように見えるが,巻き込まれたレイチェル,ピート,カイリーはみな,取り返しのつかない傷を負ってしまった。レイチェルは娘のために立ち上がる決意をする。...続きを読むチェーンを壊さなくては。

「ルーム」,「棺の女」等々,「帰ってきた被害者のその後」を描く物語はいくつかありますが,この本の場合は「自分も加害者になってしまった。だから本当のことは誰にも言えない」ということのほか重たい事情を抱えているところが特徴。
下巻では,ピートに止められながらも立ち向かう決意をするレイチェルの姿と,チェーンを作った真犯人たちの生い立ちとが交互に描かれていくのですが,何しろ上巻でひどい目にあいすぎたので,全然真犯人への同情心がわかないという・・・。
犯人がだれかわかったところからはめちゃめちゃハラハラドキドキ,向かう展開はそこしかないとわかっているのですが,それでもページをめくる手が止まらなくなりました。
「もしこの事件が映画化されたら」とかピートのセリフにありましたが,下巻はハリウッド映画さながらのエンタテイメント性にあふれてて最後は楽しく読めました。

それにしても,上巻の時から,「チェーン」の展開の速さ(週に1回以上は誘拐が起きている計算になる。下手したら2回以上?)を考えると,巻き込まれている人は指数関数的に増えるはずなので,エリックやレイチェルのような「戦おうとする人」が現れる可能性はこれまでにもあったと思われるし,カイリーのように自力で逃げ出そうとして成功する子どもがいたっておかしくはない。
そう思うと,チェーンてうまくいきすぎじゃないか,設定甘いんじゃ,とも思っていたのですが,終盤でオリーが,3年もたなくたっておかしくなかった,たまたまうまくやれてたんだ,という意味のことを言うところがありまして,やっぱりそうなんだなと。
スモールネットワーク理論で言えば,もっと早く法執行機関の関係者とつながってしまう可能性は高いので,運も手伝ってうまく回っただけだということで納得しました。

総評としてはとても面白かった。しかし,上下巻にわける必要ないんじゃないかなとは思いました。1冊でいいのではないか。

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Posted by ブクログ 2020年06月07日

シングルマザーのレイチェルの娘、カイリーが誘拐される。身代金2万5千ドルと、別の子供を誘拐しろと要求が。電話をかけてきた者は、息子が誘拐されている、レイチェルが別の人を誘拐しないと息子が解放されないのだと言う。つまり、チェーンのように、次から次へと誘拐が連鎖していくシステムなのだ・・・

なかなか面...続きを読む白かった。

魅力的な人物造形はほとんどないが、チェーンというシステムとストーリー展開が抜群だった。純文学と真逆のエンターテイメント。

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Posted by ブクログ 2020年04月26日

娘を救うため、レイチェルは元義兄の退役軍人とともに無関係の子供の誘拐を計画し、実行しようとする。しかし彼らの前には予想だにしないトラブルが立ちはだかり……。はたして誘拐の連鎖に囚われた彼らは〈チェーン〉から脱け出すことができるのか?

第二部からが、やや見え見えとなるが、そこは勢いで読ませる。この設...続きを読む定、実際に行われていたことがヒントになっていたと知り、ビックリ。不幸の手紙もまずいよなぁ。

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Posted by ブクログ 2020年03月29日

「誘拐された子供を返して欲しければ他の子供を誘拐しろ」そうして何度となく続いている誘拐の連鎖。全ては自分の子供のため。残酷な要求に応えるために残酷な人間になる。知らず知らずのうちに自分が変化していく。混乱、怒り、絶望、たくさんの感情が流れ、溢れていく。そのさまに恐怖を感じる。下巻に入り少し空気が変わ...続きを読むったかなって思い始めた矢先に挿入される船のシーン。唐突に描かれる怖さ、不気味さがある。被害者たちと犯人との対決が始まる後半からはさらに加速して一気読み。面白い。


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Posted by ブクログ 2020年03月16日

 マッキンティと言えば北アイルランドを舞台にした、闘う警察官ショーン・ダフィ・シリーズでの好印象しかないのだが、驚いたことに、いくつかの賞を獲ったにも関わらず執筆の対価に合わないとしてペンを折ってしまいネット配車タクシーのドライバーに転職していたのだそうだ。そんな、と思ってしまうのはぼくだけではない...続きを読む

 本作の彼の初稿(短編小説)を読んだドン・ウィンズロウは、もとより彼の才能を買っており、自身の米国エージェントを通して長編化と作家への復帰を説得したらしく、彼は本作で改めてアメリカでの出版での勝負に出たとのことである。作者自身のあとがきと杉江松恋の文庫解説にも詳しい。

 さてその力の入った実にアメリカ向けの作品が本書であり、正直、ショーン・ダフィ・シリーズのマッキンティの躍動する、あの寒々しい北アイルランドの風土と闘いの歴史の上に繰り広げられる重たい捜査模様を期待する読者は、呆気に取られると思う。

 むしろピエール・ルメートルなどに見られるスリリングな状況作り、逆転また逆転の仕掛けといった高いエンターテインメント性など、これがあのマッキンティなのかと驚くほど、それはアメリカンなエンターテインメント作品に仕上がっているのである。

 誘拐された親は次の誘拐を完了させないと我が子を取り戻せないというチェーンに巻き込まれた家族。そのシステムを構築した者の正体は? そして結末は? とまず物語構造だけで緊張関係を作り出してしまっている。

 さらにスマホ、タブレット、パソコン、アプリなど、現代ならではの道具による仕掛けが頻出と多彩な銃器によるアクション。世界中の若者に受けそうな、それこそ今にも映画化されそうな面白小説に仕上がっている。

 個人的にはショーン・ダフィの鼻っ柱の強さが好みだっただけに、マッキンティにはこの手の才能で稼いで生活基盤を手に入れて頂いたら、生まれた地である北アイルランドを素材にしたショーンの物語も末永く紡いで行って欲しいものである。

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Posted by ブクログ 2020年03月16日

上巻と、下巻で、ストーリーが二つある感じ
勿論、全てつながっている。酷い話だけど、終わりは、悪くない。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年03月15日

ショーン・ダフィシリーズの雨の北アイルランドから一変、アメリカ東海岸が舞台。全く違う作風で驚き。

スピード感に一気読みさせられた。その中にも誘拐という卑劣な犯罪への怒りが細かく述べられ、確かに杉江さんの解説にも「書きすぎる」とあったが、わたしもそれは感じた。

だが、いいぞ、マッキンティ!ウーバー...続きを読むの運転手やってる場合じゃない。どんどん書いてください。

大好きなショーン・ダフィシリーズの次作も近いうちに読めるそうで楽しみだー。

今回もレッド・ツェッペリンが登場でファンとしてはうれしい限り。さあ誰が、どんな状況下で、どの曲を聴いたのか…もう、ツンデレなんだから!(そこじゃないって?)

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Posted by ブクログ 2020年02月27日

中盤以降やたらとアクション多い気もするけど。人物描写もどっちかいうと薄っぺらいかも。まーまー面白いからええけど。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年08月28日

もしかしたら誘拐された娘が解放されて終わる第一部だけで物語を閉じてしまってもよかったかもしれません。強烈に後味の悪い話になるでしょうが。

とはいえ第二部では、事件後の被害者であり加害者である主人公たちの精神的に疲弊していく様子、これからずっと不安や終わりのない閉塞感を抱えて生きていくこと、そこから...続きを読む脱却しようと行動する、それと交互に黒幕たちのエピソードがあり、短い場面展開でどんどん読ませていく手法にのせられて物語の先へ先へ。

最後はハリウッドアクション映画みたいな展開でしたが、まあ満足。
メキシコカルテルの人質制度とチェーンレターから着想を得たとのことに感心しました。

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Posted by ブクログ 2020年06月01日

後半、怒涛のテンポで進んでいく。上巻のハラハラドキドキとは少しテイストが変わり、レイチェルのチェーンを断ち切る為に立ち上がる様子が丁寧に書かれていた。ラスト80ページ、悲鳴をあげた。

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Posted by ブクログ 2020年03月28日

下巻ではしょっぱなからギアあげつつ、途中からハリウッドライクな(FPSゲーム的な)アクションありのノンストップ展開でラストまで進行する。銃やらドラッグが日常化しているアメリカならではの展開かつ、アメリカ社会に蔓延するウーバーイーツなどのシェアリングビジネス&Facebookになどのソーシャルネットワ...続きを読むークに警鐘を鳴らす作品でもある。あらゆることがネットで出来るようになったので便利な世の中になったが、我々が思っている以上に周囲に情報は筒抜けであると再認識させられた。

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