【感想・ネタバレ】ザ・チェーン 連鎖誘拐 上のレビュー

ユーザーレビュー

Posted by ブクログ 2020年02月28日

エイドリアン・マッキンティ『ザ・チェーン 連鎖誘拐 上』ハヤカワ文庫。

奇抜な設定のスリラー・ミステリー。この作品は海外翻訳物に馴染みの無い方にも充分楽しめるのではなかろうか。

タイトル通り『連鎖誘拐』を描いた作品である。まるでチェーン・メールのような誘拐の連鎖。たまに描かれる首謀者は一体誰なの...続きを読むか。犯罪とは無関係の一般人が大切な我が子を守るために次々と犯罪に手を染め、無慈悲な誘拐のチェーンを維持し続ける。

乳癌から生還し、新たな職業を得て、これからの人生に期待を膨らませていたシングル・マザーのレイチェルの元に突然、最愛の娘カイリーを誘拐したとの連絡が入る。娘を救うためには身代金の送金と他の誰かの子供を誘拐する必要があり、レイチェルは愛娘の命を守るためにやむなく犯罪に手を染める……

果たしてレイチェルはこのチェーンを断ち切れるのか……

本体価格780円
★★★★★

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Posted by ブクログ 2020年04月29日

誘拐された子を救うために他の子を誘拐する、って言葉で聞くとそんなことしないって思うけど、当事者になったら精神的に追い込まれて従うしかないだろうな。レイチェルの心情は分かるな。上手くいって救えても弱みを握られてるから抜け出せない泥沼にはまってる状態に。酷い話だけどうまくシステム化されてるな。覚悟を決め...続きを読むてFBIに駈け込めばシステムは壊せるんだろうけど我が子を見捨てることは出来ないよな。最初の頃だったら対策取れたかもな。

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Posted by ブクログ 2020年04月25日

シングルマザーのレイチェルの娘が誘拐された。何者かから、身代金をビットコインで送金し、他人の子どもを誘拐しろと指示されるレイチェル。レイチェルが誘拐した子供の家族がまた身代金を払い、その家族がさらに別の子供を誘拐すれば、娘は生きて解放される。失敗すれば殺されてしまうというのだ。
謎の人物が仕組んだ...続きを読むこの連鎖誘拐システム〈チェーン〉に組み込まれてしまったレイチェルは、無関係の子供の誘拐計画を試みることに……被害者から加害者へと変わってしまった彼女の運命は!?

よくもまあ、こんな設定を考えついたと思う。
あっという間に、下巻に続く。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年04月09日

子供がいる親にとっては気になって仕方がないノンストップスリラー。がんを患う母親が主人公。娘がある夫婦に誘拐されるが、この夫婦も子供を誘拐されている。子供を救うにはほかの子供を誘拐して身代金を支払わせるしかない。この関係は延々と続いていて「チェーン」と呼ばれる。チェーンに逆らえば皆殺しの報復が待つ。環...続きを読む元米兵の元夫の兄に協力を得てトラブルに挑む。上巻で一区切りつくが、不穏な終わり方。

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Posted by ブクログ 2020年03月16日

 マッキンティと言えば北アイルランドを舞台にした、闘う警察官ショーン・ダフィ・シリーズでの好印象しかないのだが、驚いたことに、いくつかの賞を獲ったにも関わらず執筆の対価に合わないとしてペンを折ってしまいネット配車タクシーのドライバーに転職していたのだそうだ。そんな、と思ってしまうのはぼくだけではない...続きを読む

 本作の彼の初稿(短編小説)を読んだドン・ウィンズロウは、もとより彼の才能を買っており、自身の米国エージェントを通して長編化と作家への復帰を説得したらしく、彼は本作で改めてアメリカでの出版での勝負に出たとのことである。作者自身のあとがきと杉江松恋の文庫解説にも詳しい。

 さてその力の入った実にアメリカ向けの作品が本書であり、正直、ショーン・ダフィ・シリーズのマッキンティの躍動する、あの寒々しい北アイルランドの風土と闘いの歴史の上に繰り広げられる重たい捜査模様を期待する読者は、呆気に取られると思う。

 むしろピエール・ルメートルなどに見られるスリリングな状況作り、逆転また逆転の仕掛けといった高いエンターテインメント性など、これがあのマッキンティなのかと驚くほど、それはアメリカンなエンターテインメント作品に仕上がっているのである。

 誘拐された親は次の誘拐を完了させないと我が子を取り戻せないというチェーンに巻き込まれた家族。そのシステムを構築した者の正体は? そして結末は? とまず物語構造だけで緊張関係を作り出してしまっている。

 さらにスマホ、タブレット、パソコン、アプリなど、現代ならではの道具による仕掛けが頻出と多彩な銃器によるアクション。世界中の若者に受けそうな、それこそ今にも映画化されそうな面白小説に仕上がっている。

 個人的にはショーン・ダフィの鼻っ柱の強さが好みだっただけに、マッキンティにはこの手の才能で稼いで生活基盤を手に入れて頂いたら、生まれた地である北アイルランドを素材にしたショーンの物語も末永く紡いで行って欲しいものである。

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Posted by ブクログ 2020年03月28日

現代ネット社会の闇を映したミステリー小説の上巻。主人公・レイチェルの娘のカイリーが誘拐され、レイチェルは身代金&他の子供の誘拐を指示される、レイチェルは誘拐した子供の親に身代金&誘拐を指示し、被害者から加害者へと変わり、その後も誘拐はチェーンの様に連鎖していく。登場人物はSNSを使って他人の個人情報...続きを読むを把握し誘拐を企てる等、SNSによりすべての情報が筒抜けになる現代のネット社会を皮肉った側面もありつつ、展開もスピーディーで非常に面白い。絶妙なところで終わり、下巻へ続く。

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