鈴木恵のレビュー一覧

  • その雪と血を

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    表紙が印象的な一冊。海外ミステリーは苦手でしたが本書は一気読みでした。

    ザ・ハードボイルド。短い文章でさらっとした言い回しがたくさんあり、まるで詩のようです。
    例えば
    〈いい話というやつは、ありえないほどいい話だと、悪い話になることもある。〉
    キザな感じが好き嫌い分かれるかもしれませんが…。個人的には好きなほうです。

    人は誰しも自分の〈物語〉を生きている。起こった事実は同じでもそこにどんな意味を持たせるかで物語は全く変わってくる。
    そんなことを思い出させてくれる良書でした。

    * *
    物語とは直接関係ありませんが、主人公の『レ・ミゼラブル』への考察は何かはっとさせられるものがあります。

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    2023年04月29日
  • 盗作小説

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    ネタバレ

    いきなりのホラー展開にギョッとなりましたが、わかる人にはわかると思うので、鈍い読者であるわたしは楽しめました。

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    2023年04月16日
  • 盗作小説

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    始めは少し退屈。元売れっ子作家が新作を書けずに小説創作講座で教えると言う、鬱鬱とした日々を描く1部、2部。遂に前作を上回る評判作品を出版する3部、自分を貶める犯人探しの4部と、どんどん面白くなる。ラストは私の中では「あり得ない」叫びが渦巻いた。面白かった。読んだ方の感想が是非ぜひ知りたいと思った。

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    2023年04月05日
  • その雪と血を

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    ネタバレ

    ハリー・ホーレ刑事シリーズと同じ作者だったので。

    主人公は殺し屋だが、おとぎ話のような、夢の中の物語のような。

    殺し屋というか、自己申告の通り「始末屋」といった方が適格だ。
    綿密な計画も知ら調べもなく、とりあえず殺す。
    冒頭の始末屋以外ができない理由を説明する箇所が印象的だった。

    目立たないように車を運転できないので逃走車の運転ができない、
    銃口を向けた相手が精神に問題を抱えてしまうので強盗はできない、
    意志薄弱だからヤク売人になれない、
    女に惚れっぽいのでポン引きにもなれない。
    ボーイフレンドの借金のかたになりかけた女性にも惚れた。

    ボスに自分の妻を殺せと命じられたが、
    見張っている

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    2023年04月01日
  • 宝島

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     港町ほど未知に遭遇できる場所はないだろう。
     未知に相対した時の恐怖と興奮、子どもたちには須く存在するのだろう。恐れることは当然のことだ、しかしそこには夢がある。いくらでも今に色をつけることができる。
     完成していると思い込み、透明なインクを塗りたくって蛇足を防ぐ方がよっぽど怖い。誰だって恐怖に打ち勝つことはできる。記憶すらおぼつかない頃、私たちは小さな大冒険を繰り返してきたのだから。

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    2023年03月20日
  • 第八の探偵

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    かつて一冊のミステリ短編集を刊行して今は孤島に隠棲する作家。その本の復刊を持ちかけた編集者が島を訪れ、二人で収録作を一つ一つ読み返して検討してゆくのだが…
    作中作が7つと、その合間に二人の会話パートが挟まっている。探偵小説の分類についてと、各作品の矛盾。二人とも何か隠しごとがありそうな不穏な雰囲気で進んでゆき、最後の対話でそれぞれの真実が明かされる。クリスティのオマージュみたいな作品もあって、作中作もなかなか読みごたえあり。面白かった。

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    2023年01月05日
  • ロビンソン・クルーソー(新潮文庫)

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     すごい生き延びる
    その生き延び方が迫力と言い訳と自慢を交えながら延々と書いてあって、主人公まあまあカスだからムカつくんだけど引き込まれるのよね~

    あとこれが書かれたのが18世紀と考えると、個人主義の高まりで爆流行りしたのわかるな〜とおもう。

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    2022年10月28日
  • 宝島

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    ちょっと堅苦しい表現があったけど、昔の作品と考えれば思ったよりは読みやすかった。冒険はワクワクもしたけどそれ以上にドロドロでヒヤヒヤした笑 心臓に悪い…笑 名作が読めてよかった!!

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    2022年09月09日
  • ロビンソン・クルーソー(新潮文庫)

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    何度も挫折した本だったが、さすが新訳の読みやすさで一気読み。時代背景の古さはあるものの、中身としてはオーソドックスな漂流記。信仰に目覚め、物欲から解放されるあたりは示唆がある。

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    2022年08月13日
  • ザ・チェーン 連鎖誘拐 下

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    80年代のアイルランドを舞台にした警官ショーン・ダフィシリーズが有名な作家。第一作だけ読んで続きを読むのを迷ってやめていた…。
    本作はどこかで誰かが推してて解説も杉江松恋だから間違いなさそう!って思ったらその通りでした。
    一時は作家を辞めてUberドライバーやってた著者にアメリカ向けの本作を書かせたドン・ウィンズロウは功績大だな。

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    2022年06月04日
  • 拳銃使いの娘

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    方向音痴なんです

    そして方向音痴の天敵と言えば野外フェスかどでかいショッピングセンターと相場は決まっています
    特に大きな建物の中はまずいですよね
    もう完全自分の居場所を見失って右も左もわからなくなります(いや左右はわかるでしょ!)

    そしてそういうでっかいショッピングセンターに付きものの広大な屋内駐車場ね!
    あれもう100%自分がどこに駐めたかわからなくなりますもんね
    どのエスカレーター使ってどの通路を使ってとか完璧に覚えたつもりでいて今日こそは迷いなく自分の車の場所に!と思うんですが

    やっぱり『見当違いの場所へ』なんちて

    さて『拳銃使いの娘』です

    「拳銃使い」違うやん!というね
    まあ

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    2022年04月19日
  • 第八の探偵

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    隠棲するグラントがかつて刊行した推理短編集。それを復刊するべく、グラントを訪れた編集者ジュリア。その短編と、2人の短編についての議論が交互に提示される。が、徐々に現れるグラントについての疑惑。その謎とは…7つの短編と、最後の仕掛け、いろんな楽しみ方ができる作品でした。

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    2022年03月25日
  • 第八の探偵

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    ネタバレ

    7つの本格ミステリーの短編集が作中作として描かれており、それとともにその短編集の著者の謎に迫るミステリー。7つの短編集それぞれが違った構成で描かれており、飽きずにワクワクしながら読むことができた。クリスティーのオマージュ作品なども登場した。そのうえで、ミステリーの構成を数学的視点から考えられており、読んでいて楽しかった。

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    2022年03月01日
  • 拳銃使いの娘

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     自分が初めて買ったハヤカワ・ポケットミステリはデイヴィッド・ゴードン著『用心棒 』でした。しかも去年の話です。生まれてはじめてハヤカワ・ポケットミステリのこのタイプの本を手にとったのが去年なのです。ものを知らないというのは怖いもので「なんだこの凝った作りの本は!」と感動しました。そして続くはデニス・ルヘイン著『ザ・ドロップ』。あれ? 評判の良い翻訳ハードボイルドを買うとこの手の装丁が多いな・・・と思っていたところに来ました3冊め『拳銃使いの娘』。




     なるほど、要するに信頼と実績のハヤカワ・ポケットミステリということか!これも面白かったです!




     米国TVドラマの脚本家のキャリア

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    2022年02月11日
  • ザ・チェーン 連鎖誘拐 下

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    発想が面白い

    子供を守る母親の強さ
    父親の弱さ
    類型的に過ぎるけど、わかりやすい。
    強くなっていく母親、
    それを表現するための、言葉使いの変化
    本来なら決して使わないような汚い言葉を使うことで、自分を奮い立たせる母親
    そこのところをもう少し丁寧に翻訳してほしいと感じるのは欲張りすぎか

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    2021年12月23日
  • ニューヨーク1954

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    刑事のコンビもの作品として何処かでオススメして下さった方、コンビものには思えなかったけれど面白かったです。ありがとうございます。

    相方はいるけれど主人公キャシディ単独、もしくは家族の印象のほうが強かったです。
    このシリーズは原作では続いているようですが、このまま日本では出版されないんでしょうか。個人的に今作の邦題を「ニューヨーク1954」にして”Ngiht”で続けてる次作の邦題はどうするんだろうと気になります。

    キャシディが魅力的だったので何より次作が読みたいです。

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    2021年11月18日
  • 第八の探偵

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    ネタバレ

    七つの話、合間に入る現在の話、分かりやすくて面白かった。結局、登場人物は真実を全部知らない、どの人にも知らない部分が一つはある。全部分かったのは読者だけ。最後に読者の特権をもらったような気分。

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    2021年09月24日
  • ザ・チェーン 連鎖誘拐 上

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    娘が誘拐される。誘拐犯からの要求は身代金と誰か他の子どもを誘拐すること。そして何より"チェーンを途切れさせないこと"。誘拐された側の緊張感と誘拐する側の緊迫感を読みながら同時に味わう本書、一気に読んでしまいそうなところ勿体ないのと心臓によくないのとで、ちびちび読んでしまった。大御所ミステリ作家の方々の帯の言葉通りです。チェーンを動かしている側をどこまで暴くのか期待しつつ下巻へ。

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    2021年08月23日
  • すべてのドアを鎖せ

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    主人公の生い立ち等、ストーリーを、読み進めても、ゴシックホラーは、あまり感じ無い。うまい話しに乗っちゃダメだよ、とわかっている訳だし、割と早めに、怪しい人々がわかるし、怖さは、ないけどスルッと読めちゃう。
    でも、彼女の生存本能というか、生きる力強さは、ある意味感動。
    初めて読んだ作家さんだったけど、他の作品も読んでみたいな!!

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    2021年08月13日
  • すべてのドアを鎖せ

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    暑くてバテバテでもぐいぐい読めるよ。ゴシック色は期待していたほど強くはなかったけれど、館物であり、人物もストーリーもよく出来ている。手際もよく、スピード感もサスペンスも適度。ラストもわるくないと思います。個人的にはレッドヘリングかと思った人がレッドへリングではなかったw 大人の夏休みの楽しい読書にうってつけ。

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    2021年07月23日