鈴木恵のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
タイトルからスナイパーか何か拳銃が上手な少女のストーリーかと思った。ドラッグ・殺人・復讐・家族そしてメルヘン、変わったミステリーです。
ネイトが出所して向かった先は、娘の中学校だった。そのまま2人の逃亡劇が始まる。
刑務所で嵌められる事を避けようと囚人の1人を刺し殺した。犯人は判らずネイトはそのまま出所期限を迎え娑婆に出たが、元妻のエイヴィスが殺された。囚人組織のボスは刺し殺された囚人の兄で、ネイトの身内に報復に出たのだ。
青い稲妻の刺青軍団から逃れる為に、ネイトと娘ポリーと小熊の3人は逃亡を始めた。険悪だった2人だが殺すか殺されるかの緊張の連続の中、親子としての会話や愛情が育ま -
Posted by ブクログ
「作中作」と聞くと、どんな仕掛けがあるのかと疑いながら読み進めるのは、ミステリ慣れした読者の悪いクセですが、この『第八の探偵』の作中作のある真実が語られたとき、「そうきたか~」と心中で唸りました。
本格ミステリ好きが本格ミステリへの愛をこめ、そして技巧を凝らし、不敵な笑みを浮かべながら作り上げた作品のように感じます。
かつて『ホワイトの殺人事件集』という短編集を発表し、その後小島で隠遁生活を送るグラント。彼の元にその短編集を復刊したいと、編集者のジュリアが訪れる。二人は『ホワイトの殺人事件集』の短編を読み返しながら、ミステリついての議論を重ねていくが……
作中に収録されている作中作は7編。 -
Posted by ブクログ
面白かった、ナイステンポ!
皆キツさが魅力的だったな。
特に己とその大切なもの、その掴んだ手を握り続けようとするレイチェル、カイリー、ピートがやはり。
大人と子供も、自分で決めた事もそんな己に決まった事も、地続きで。けれども、異なるもので。
終盤はある程度新鮮さは落ち着く展開だけれど、それはそうだよね、だし。
真犯人の世界は想像が及び辛いけれど、故に成り立つ文章の提示構造と、それでもなお、が残るバランスがある。
交換誘拐と、チェーンメールと。
真犯人と主人公どちらも、異質ながら確かに人間関係によりそうなった人達で。
そうして、どちらが勝つかとて、どう転ぶか分からなかったもので。
確かな -
Posted by ブクログ
ネタバレ娘のカイリーはつらい体験をしたが,無事に帰ってきた。レイチェルが選んだ次の被害者ダンリーヴィもまた,チェーンをうまく継続させた。一見もとの日々が戻ってきたように見えるが,巻き込まれたレイチェル,ピート,カイリーはみな,取り返しのつかない傷を負ってしまった。レイチェルは娘のために立ち上がる決意をする。チェーンを壊さなくては。
「ルーム」,「棺の女」等々,「帰ってきた被害者のその後」を描く物語はいくつかありますが,この本の場合は「自分も加害者になってしまった。だから本当のことは誰にも言えない」ということのほか重たい事情を抱えているところが特徴。
下巻では,ピートに止められながらも立ち向かう決意を -
Posted by ブクログ
ネタバレ癌治療,離婚と最悪の時期を何とか乗り越え,新生活の第一歩を始めようとしたまさにその日,レイチェルに人生最大の悪夢が訪れる。娘が誘拐されたのだ。しかも誘拐犯からの要求は前代未聞のものだった。
誘拐犯が,次の誘拐を要求するという設定がすごく興味深くて読んでみた。普通の人がなりふり構わず,しかし良心の呵責に耐え切れずに苦しみながらも次第に犯罪に手を染めていく過程がものすごくて,でもほとんどの人が「自分もやるかも・・・」と思わざるを得ない。読んでいてしんどくなるうえ,チェーンの黒幕に対するむかつきが半端ないです笑
レイチェルの元夫マーティは悪人ではないんだろうけど頼りなさ半端なくてなんかむかつくし笑 -
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