【感想・ネタバレ】真夜中の太陽のレビュー

あらすじ

夏の間は夜でも太陽が浮かぶ極北の地に、オスロから一人の男がやってくる。「ウルフ」と名乗る男は狩りをしに来たといい、狩猟を通じてサーミ族の人々と交流を深めていく。だが彼には秘めた過去が――。ノルウェー・ミステリ界の帝王が翻訳ミステリー大賞受賞作『その雪と血を』に続けて放つ、傑作ノワール第二弾

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

巨匠認定。今回も素晴らしい。北欧ミステリは分厚いのに読後感が似てしまい、見分けがつかなくなってしまうものも多い中、ページ数も少ないのに地理的にはノルウェー感をたっぷり味わえ、人物も個性豊かで悪役を含めて魅力的で、主人公の感情の動きも時間とともに大きく揺れ、わずか260ページとは思えない充実感。恋愛小説としても優れており、ミステリ要素もちゃんとある。幸せな読後感を持てるミステリは久しぶりかも。
まさかの双葉山!笑

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2018年09月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

過去から逃げ、組織に追われている男が見つけた居場所。その場所で出会った1人の女性と子供。2人との交流、特に子供との場面がいい。追われている恐怖のなかにあって過ごす時間。ジョークをねだる子供。何気ない瞬間がとても鮮やか。『その雪と血』同様に静かで美しい。少し頼りない男がたどり着いた場所。結末に向かうとき、このまま終わってほしいと思わずにはいられなかったラストが素晴らしい。

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2018年08月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「その雪と血を」を読んで、ジョー・ネスポさんをまた読んでみたいと思いつつ年月が過ぎていった。余韻が凄かったイメージが残っている。今作ではウルフの純粋さが心に残った。クヌートとのじゃれあいが微笑ましかった。最後逃げながらもどこかで終わりが来るんじゃないかと胸が苦しくなりながら読んだが、良いラストだった。どこかで3人が笑って暮らしていますようにと願う。マッティスがいい味を出していた。

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2024年09月23日

Posted by ブクログ

ジョー・ネスボさんを読むと、男とは何とアホでロマンチストな生き物なのかとあらためて思い知らされます。
* *
「ふり返らずに、前だけを見て。これからはそれがおれの生き方になる。背後に置いてきたものは、みなそのままでいい。」

まるでモノクロ映画を観たような世界観。
今回は子どものキャラにだいぶ癒されました。(まさかのフタバヤマ登場!)

真夜中でも太陽が見えるノルウェー。
行ってみたいけどとても寒そう…。

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2023年05月20日

Posted by ブクログ

過去作では「ザ・バット」が文句なしの面白さだったジョー・ネスボ。今作は長過ぎた   を反省するような、シンプルでドキドキさせて、なおかつ北欧風味もたっぷりという粋な小品。最後がハッピーエンドなのも、良い意味で期待を裏切ってくれたな。本作と兄弟関係にあるらしい話題作「その雪と血を」は未読だけど、相変わらず長いみたい。ちょっと躊躇しまうな。3.8

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2020年03月19日

Posted by ブクログ

宗教的にストイックな村と村人、その村で暮らし離れることが出来ない美しい母と息子、そこに外からやってきた男…ということで、『刑事ジョン・ブック』を思い出す。
ストーリーとしては単純でオーソドックスだけど、キレも雰囲気もいいよね。ノルウエー極北の厳しい自然や寒さ、白夜も、舞台として効果が高い。
そしてウルフとレアの、言いたくても言えない(言ってはいけない)抑制の感じがなんとも言えず、切なくていいです。

ネスボ、やっぱりヤルなあ〜。

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2018年11月08日

Posted by ブクログ

 『その雪と血を』が好き過ぎて、一部の登場人物と組織が共通しているという連作『真夜中の太陽』を読んでみた。

 主人公ウルフが目にする風景に「静かな空漠感というか、寡黙な非常さ」を感じ、夕方に「奇妙なわびしさと無情さが漂っていた」と語る場面があるが、それはそのままジョー・ネスボの世界観だ。

 せつないラストがグッときた前作とは違ったが、ラストに至るまでのウルフの生き方に引きずり込まれるように読んだ。
 この薄さの本に一人の男のこれほどの厚い人生を書きこんで、、、やっぱりネスボは凄いな!!

 私としては前作のやるせないラストの方が好みだが、、、最後の1ページの思わせぶりな終わり方の余韻にも充分、浸り切った。

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2025年01月24日

Posted by ブクログ

一人娘の命を救う為に罪を犯し、追われる身となった男。だが、男は周りに救われ妻を娶り幸せな道を歩むことに。人生、悪いことは続かない。その時が最悪だと考えれば努力次第で幸運が巡ってくると信じる事が大事だ。
どん底を知れば、もう上しか道は無いのだ。人生の勝負事も同じ、「勝よりも負けることの方が多い。誰もが連敗を続けてやっと勝てるようになるんだ。大事なのは、自分がたくさん挑戦することのほうが上手くなるって事」

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2022年02月15日

Posted by ブクログ

『その雪と血を』と世界観を同じくする作品であり、一部の登場人物や組織が共通しているが、ストーリーとしては独立しているので、単発として読むことに何ら支障はない。

舞台はノルウェー。少数民族サーミ人が暮らす北部。夏の間は真夜中でも日が沈まない極北の地。ダークなヴェールの内側で、暴力と愛と信仰が語られ、ストーリーはある種の緊張感を持ちながら意表をついた展開を見せる。

『その雪と血を』にも通じる若干の緩さだったり抜け感はそのままに、見えない緊迫感の上でバランスを取ろうとする主人公の立ち位置が印象に残ったかな。さくっと読める死と再生と、そして<覚悟>の物語。

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2018年09月08日

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