松本侑子のレビュー一覧
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愛らしい華ひらく日常
『アンの青春』は前作『赤毛のアン』よりいっそう好きになった。
奇人だとおもはれてゐるハリソンさんや、マリラと育てることになった双子のディヴィとドーラ、そして石の家のミス・ラヴェンダー。
新しい人物が登場するだけでなく、アンが教師としてアヴォンリーに勤めることになり、成長した彼女が少女のころのやうに思ひのままむやみに行動することが減って、つっかからなくなった。
アヴォンリーの学校を教へたり双子に手を焼くさまがありありと伝はって、隣家にハリソンさんが越してきたのもアツく、めくるめく進展はただの日常の一端にすぎないともおもはされて、どこか的を射た寸言もよく効いてゐた。 -
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☆3.5 しゃべりすぎかな
高畑勲版のアニメ「赤毛のアン」がすばらしくて、2週目を見てゐる。それで読む。高畑勲版は村岡花子訳を参考にしたとおぼしく、この訳は高畑勲に寄ってゐるやうな気がする。
そして、意外とアニメオリジナル要素があるのだなと気づいた。ステイシー先生が療養中のアンに会ひに来るシーンや、国旗を作る場面。それらは原作に存在しない。
やはりだいぶは私小説めいたところがある。たとへばモンゴメリが若いころ先生に言ひよられたとか。
それにしてもアンの長広舌にはまゐった。まあおしゃべりなこと。しかし、それも後半にはすなほに自身の機微を吐露していくやうになる。終盤にかけてのカスバート家のなりゆきはやはり感動的だ。
この邦訳のすばらしいところは、『赤毛のアン』が児童文学ではないと喝破したところで、丁寧な註釈がおもしろい。イギリス文学に裏打ちされた『赤毛のアン』像はこれまでにないものだった。 -
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同じ作者の「赤毛のアン論 八つの扉」(文春新書)と、少しばかり同内容はあるものの、構成や見せ方は本書のほうが親しみやすい。
気がする。
直近の読書だから贔屓目かもしれないが。
2章のまとめは素敵だし、5章、7章の1問1答もわかりやすい。
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◎目次
はじめに
1章 写真でたどるアンの世界
2章 秘められた愛 マリラ、マシュー、ギルバート
3章 作中に隠された英文学
4章 『赤毛のアン』のキリスト教
5章 なぜ赤毛を嫌うのか? 『赤毛のアン』Q&A
6章 アンの暮らし――スコットランド、草花、衣服、料理、手芸
7章 プリンス・エドワード島のなぞとき
8章 写真でたどるモンゴメリの生涯
付録 『赤毛のアン』と「ナルニア国物語」のケルトとキリスト教
あとがき (『赤毛のアン』の魅力)
児童書でも少女小説でもない 、大人の文学の深い魅力の数々。
人々の秘めた愛、『赤毛のアン』冒頭の詩と最後の詩、アンが語る『ロミオとジュリエット』、架空の地名の意味、お茶会の「ラズベリー水」と「カシス酒」、アンが身につけるスコットランドの民族衣装、マリラが信仰する長老派教会、マシューはイエスの弟子マタイの英語名、アンがお芝居ごっこをする詩「ランスロットとエレーン」と「アーサー王伝説」、ギルバートの求愛の花「メイフラワー」、グリーン・ゲイブルズの暮らし、料理とお菓子、リンド夫人が16枚編んだベッドカバー、アンが愛する妖精たち、モンゴメリの生涯を、プリンス・エドワード島などの海外写真80点とともに楽しく、わかりやすく解説した絶好の入門書。 -
Posted by ブクログ
ネタバレアンが22歳で学校長になってからの3年間を描いたお話。遠く離れて暮らす婚約者ギルバートに、アンが手紙で日々の出来事を伝えてる。町の有力者プリングル一族や副校長のキャサリン、小さなエリザベスなど、最初に登場する人物たちとのやりとりは面白かったけど、後半に出てくる人たちとのエピソードにはあまり興味が持てなかった。おしゃべりなアンらしく、手紙も長い。勉強で忙しいギルバートは最後までちゃんと読んでいたのかな?「アンらしいな」と微笑ましく読んでいたかも?
シリーズでは第4巻にあたるけれど、作者がこれを書いたのは、だいぶ後になってからとのこと。