松本侑子のレビュー一覧

  • みすゞと雅輔(新潮文庫)

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    金子みすゞの作品は、有名どころの数作しか知らないし、ましてやその生涯なんて考えたこともなかったけど、希った詩集の刊行が死後50年以上経ってからだったなんて、と驚いた。
    巡り合わせが悪かったという事で片付けたくはないけれど、悲運の詩人だったんだなと。
    そんなテルの心情を思ってあの有名な「私と小鳥と鈴と」を読んだら泣けてきた。後半はテルの不安や焦燥感、絶望が伝わってきて辛かった。
    幸せだったかなあ。

    それにしても、正祐の放蕩息子ぶりには辟易した。

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    2022年06月08日
  • 赤毛のアン

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    素晴らしい、の一言です。
    赤毛のアンは、まだ小学生の頃、金の星社から出ていた映画の風景を物語にした本を祖母に買ってもらって、何度も何度も読んでいましたが、すべてを読んだことはありませんでした。
    それが、アンという名の少女を見て、すっかりアンにはまり、こちらの本を手に取りました。

    アンのようにお喋りでない私は、アンのように思うことを言葉にできたら、、、と憧れます。
    一方で、性格も年齢も近い気がするマリラの心もよく分かり、涙が滲みます。

    プリンスエドワード島の風景、すべてを人の手で行っていた時代の生活の知恵や工夫の数々、そうした描写が素晴らしく、人として生きる喜びが詰まっていると思いました。

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    2022年04月13日
  • 赤毛のアン

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    退職後のことをちらほら考えるような年齢になり、一念発起して読み始めた赤毛のアンシリーズ。
    驚いたのはマリラさんへの自分の共感が半端なかったこと。でもアンの瑞々しい感性に触れるのも心地よくて、この年で読んでも良いことはあるものだと思いました

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    2022年02月15日
  • アンの愛情

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    ネタバレ

    『赤毛のアン』シリーズ3作目、大学時代のアンの話です。
    お金持ちで美人だけど愛すべき人物のフィルや、パティの家で家事をしてくれるジェイムジーナおばさん、そしてアンの理想の恋人ロイ等々、新たな人物も登場し、アンの周りは賑やかです。
    アンに好意を抱いていたギルバートの想いは報われるのか、ドキドキの展開です。

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    2021年10月30日
  • アンの愛情

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    ネタバレ

    『本屋さんのダイアナ』の序盤で「赤毛のアンが面白いのはアンの青春まで、アンの愛情は恋愛ばっかりで面白くない」と主人公の少女たちが話していたが、そう話すのも分かる気がする。

    2作目までの雰囲気とかなり異なる、大人のための作品である。

    アヴォンリーの人々はこれまでよりあまり出てこず、
    親友のダイアナも結婚して忙しくなり、
    アンも次々と求婚される。

    今までおとぎ話のように素敵だったのに、この作品は現実を見せつけられる。
    (とはいってもアンのコミニケーション能力が素晴らしいので大体都合よく事が運ぶ。うらやましい限りである。)

    子供の頃の甘い空想と、幻滅。
    アン自身もそこに悩む。
    だからギルバー

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    2021年10月29日
  • 赤毛のアン

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    作品全体が愛にあふれていて、作者の人としての温かみを感じる
    プリンスエドワード島の自然や家族愛、友情など…美しくて心が洗われる…
    アンが真っ直ぐで明るくて、力強く生きているところがすてきで憧れる
    おっちょこちょいなところには共感できて親しみが湧く
    社会に疲れてしまったり人の優しさを忘れてしまったときに読むとなお癒される

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    2021年10月09日
  • 赤毛のアン

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    ネタバレ

    『赤毛のアン』は私の愛読書です。
    村岡花子さんの訳しか読んだことがありませんでしたので、訳者が違うとどうなのだろう?という興味で読んでみました。
    当然ですが、大きな違いはなかったです。
    注釈が多くあり、今までとは違う見方も出来て勉強になりました。

    大好きな作品ですが久々に読んだので、アンよりマリラに感情移入してしまいました。アンの成長した姿に幼かったアンがもういない寂しさに泣いてしまうマリラに泣けました。

    アンは本当に次から次へと問題を起こします。でも子どもは皆、大小の違いはあっても何かしら騒動をおこして成長していきますよね。マリラとマシューが遅い子育てにあたふたしながら、アンに愛情を注い

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    2021年08月22日
  • アンの夢の家

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    アンがギルバートと結婚してアンの理想通りの夢の家に住む。正に絵に書いたような進展ではあるが、悲劇もまたもたらされる。

    これは作者モンゴメリの体験した事実に基づいている。こんなことが起きるとは。この悲劇により「アン」がより現実味を帯びた存在に感じられます。

    アンと美女レスリーの交流も複雑で興味深い。

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    2021年07月18日
  • アンの愛情

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    ギルバートと想いが通じて本当に良かった!とマリラとリンド夫人と一緒に安堵しました笑。しかし男の人に対するアンの態度はいっそ残酷にも思えるけど、当時からしたらそういうもんなんか…?

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    2021年07月03日
  • アンの青春

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    大人になったアンがどうなったかな…と読み始めたら、いきなり隣の牛を売ってしまってめっちゃ笑いました。
    他にもアヴォンリーでの日常が素晴らしくて、素敵な生き方ってこういうことか…としみじみ思いました。

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    2021年07月03日
  • 赤毛のアン

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    30年ほど前まで文通していた親友が大好きだったシリーズ。お家で映画も見せてもらったっけ。訳者のTwitterによる当時の文化の紹介で改めて興味を持ち、40代になって初めて読んでみた。とても面白くてケタケタ笑いながら読んでしまった。勿論、ただ笑ってしまうだけではなくて、もっと深いものがあるのだけれど。女性の夢とユーモアと教養が詰まったこの作品を、10代の時には理解し大好きだった友人と違い、私は随分と道を誤ったなぁ。人物の繊細な描写、目に浮かぶような風景、引用される古典・・・何もかも素晴らしい!

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    2021年06月14日
  • 風柳荘のアン

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    赤毛のアンシリーズの第四作。アンの人となりによって周囲の人々に幸せが訪れる様がよく描かれています。

    コロナ禍の今、人々が分断される世の中なので人と人の繋がりを描いた本作のような作品が大切と思います。

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    2021年04月17日
  • 風柳荘のアン

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    12年待ちましたですよ、侑子さんのアン・シリーズ第4巻を。記憶もかなり薄れたけど、そう、アンのあの「想像の余地」がサマーサイドの景観や風土を多彩な風に乗せて届けてくれる。しかしウインディー・ウィローズの周りは、なんてやっかいな人であふれているのか。攻撃的、卑屈性、自信家、皮肉屋、自閉症、主張癖を備えた老若男女が、よくもまあ次々とアンを襲う。いくらアンでもさすがに今回はと案じるが、レベッカ・デューの思いに違わずアンに解決できないことはないのか。ただ、テディ・アームストロング坊やはあまりに可哀そう。アンも神ではないのだし。シリーズは続くようなので、楽しみに次を待ちたい。

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    2020年12月06日
  • 島燃ゆ 隠岐騒動

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    因果応報という言葉では物足りないか。隠岐の人には気の毒だが、どっちが正とかどっちが悪とかではなく、まさに勝者なき幕末争乱。こういう犠牲のもとに近代化が進んだかと思うと、ホント胸が苦しくなる。

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    2020年04月19日
  • アンの青春

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    『赤毛のアン』シリーズ2作目

    相変わらず訳が読みやすい。アンが間違って牛を売っぱらってしまったり、鼻に化粧水と間違えて赤い塗料を塗ってしまうところは笑った笑った。

    マリラが引き取った双子のデイヴィのいたずらっ子ぶりには驚かされる。それに対してドーラはとてもいい子なのに、みんなにおもしろみがないと言われていてちょっと可哀想だなあ。でも手のかかる子ほどかわいいと昔から言うしなぁ……。

    ハリソンさんにポールにミス・ラヴェンダー、シャーロッタ四世と、今作で新たに登場した人物もそれぞれに魅力があってよかった。特にミス・ラヴェンダーの恋の結末は少女漫画みたいで、なんてロマンティックなの……! 

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    2019年11月16日
  • アンの愛情

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    ネタバレ

    ちょうど自分の年齢的に感じる、友人の結婚や大人になってしまった喜びと切なさが書かれていて読んでいて胸が締め付けられた。途中、アンにハラハラしたけど、ちゃんと自分の気持ちに気づいてよかった!本当にアンが頑なでどうなることかと思った。私、フィルがかなり好きだな~。続きに期待!

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    2019年11月15日
  • 引き潮

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    ネタバレ

     松本侑子 著「引き潮」、2004.9発行。赤萩の家、帰郷、お湯が入るまで、花と蜜蜂、葉桜、引き潮など味わい深い9つの短編が収録されています。著者は、年上の女性に魅かれる男性、年上の女性に愛される若者の描写が上手と思いました。引き潮は結婚してる45歳の女性に死別した妻を重ねる45歳の男性の物語です。
     松本侑子「引き潮」、2004.9発行、独立短編9話。①「花と蜜蜂」:夫婦は、ありきたりの所帯の言葉をかわしながら、甘すぎる密ではなく、温いお茶のように、たがいを潤して生きていくのだから。②「葉桜」:観音崎へ着いたら、海辺を散歩して、二人で東京湾をゆきかう大型船を眺める。ランチは観音崎ホテルで。③

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    2019年09月28日
  • 恋の蛍~山崎富栄と太宰治~

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    。「山崎富栄」。太宰と最後のひと時を過ごし、共に入水心中した彼女のことを私は勘違いしていたようだ。スキャンダラスに二人の死を書いた本、様々な映像化作品から彼女を「気の強い、太宰を死に引っ張った女性」と思っていた。しかし、こんなにも才能豊かで、思慮深い、魅力的な女性だったとは。順風満帆に見えた彼女の人生を次々と不幸がおそう。太宰と出会い、愛人という許されぬ恋とは知りながらも見付けた幸せ。「ここに本当の恋」があると見せつけてくれた。彼女を知った今、無性に太宰作品を読み返したくて仕方が無い。

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    2015年10月06日
  • 別れの美学

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    恋愛における様々な「別れ」を語った名著です。中島みゆきと松任谷由実では、じつはユーミンの方が失恋を歌っていることが多かった!?など、今でも忘れられない分析が面白い本です。

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    2011年06月29日
  • 性遍歴

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    表題の「性遍歴」がいろんな意味でおもしろかった。
    世代やライフステージによって性行為の意味が変わってくる・・・ということが納得な描写で表現されていました。

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    2014年02月17日