松本侑子のレビュー一覧

  • アンの愛情

    Posted by ブクログ

    松本侑子新訳版アンシリーズ第3巻。
    原題は『Anne of the Island』。1915年の作品。

    アンがアヴォンリーを離れ、カナダ本島のレッドモンド大学で過ごす4年間の物語。
    アンのモテ期到来。4年間で5人に求婚されます。恋バナも多くて、シリーズの中ではいちばんキャピキャピしたストーリーではないでしょうか。第2巻よりこちらのほうが『アンの青春』のタイトルにあっている気がして、昔からあれ、どっちがどっちで、順番はどちらが先?と混乱します。
    私もレッドモンド大学に通って、パティの家に住んで、墓地や海岸公園を散策したい!と憧れました。

    解説によるとモンゴメリはレッドモンド大学のモデルになっ

    0
    2024年01月10日
  • アンの青春

    Posted by ブクログ

    松本侑子新訳版のアンシリーズ第2巻。
    原題は『Anne of Avonlea』。

    第2巻『アンの青春』と第3巻『アンの愛情』の邦題は逆の方があっていたんじゃないかと昔から思っていて、順番が混乱するんですが、こちらはアンがアヴォンリーで新米教師として過ごす2年間の物語。

    自分メモ的に整理しておくと
    アンがグリーン・ゲイブルズに来たのが11歳のとき。
    アヴォンリーの学校を経て15歳のときにシャーロットタウンのクイーン学院に進学。
    クイーン学院は教師になるための師範学校で、通常は2年かけて教員免許をとるところ、アンとギルバートは成績優秀のため1年コースで卒業。
    マシューの死去にともない大学進

    0
    2023年12月05日
  • 巨食症の明けない夜明け

    Posted by ブクログ

    心情描写が素敵すぎる。ラストについては賛否があるけど、個人的には好きかもしれない。過食のイメージは「外から強いプレッシャーを受けるとそれに潰されないように内側からの圧力を欲し、内側から満タンにして圧力に反発するよつに食べる」という感じで、なんかそうじゃない過食もあるよなあと思っていた。内側の空虚感を埋めるために食べる感じ。「巨食」という表現に腑に落ちた。

    0
    2023年08月02日
  • 赤毛のアン

    Posted by ブクログ

    名作に初めて触れた。アンでもマリラでもない、誰にも共感できない立場だけど、とっても楽しかった。

    アンの少女らしさと破天荒さ、ロマンチストなところが愛らしくて、次はどんなことをするのだろうと楽しみだったし、それに対してマリラはどんな反応をするのだろうとワクワクした。子育て中の人は物語をもっと身近に感じそう。

    巻末の解説もとても興味深くて余す所なく全部楽しめた。

    0
    2023年06月02日
  • みすゞと雅輔(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    大正時代の下関と仙崎を舞台に、金子みすゞと上山正祐(雅輔)の活躍を辿る物語だが、雑誌「赤い鳥」への投稿で才能を発揮し始めたみすゞに比較し、なかなか芽の出ない正祐の対比が面白かった.本屋の息子だった正祐とみすゞの複雑な家庭環境も、現在と比較して思うところが多い.当時の男たちの生態も詳しく描写されており楽しめた.みすゞの才能が家庭環境の影響で充分に発揮されなかったのは残念なことだが、未だに多くの詩が残っているのは幸いだ.

    0
    2023年02月13日
  • 虹の谷のアン

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    タイトルに「アン」と入っているけど、主人公はアンでもアンの子どもたちでもなく、牧師館の子どもたちが主人公。
    メアリが、苦労したのはわかるけど、若干うざくて、この先大丈夫?と少し心配してしまった。
    ジョン牧師とフェイス、いい性格してる笑
    ローズマリーとジョン牧師、最後どうなることかと思ったけど、うまくまとまって良かった。
    第一次世界大戦が終わったころの話かと思ってたけど、感じ的には始まったばっかり、という感じだろうか?
    次の最終巻が楽しみ。

    0
    2023年01月13日
  • 恋の蛍~山崎富栄と太宰治~

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    第29回新田次郎文学賞受賞作
    太宰治の最後、山崎富栄との玉川上水への入水自殺。
    そこに至る経緯を、徹底的に取材して書かれている。

    今まで、山崎富栄という女性を
    ただ太宰治と最後に死んだ女性としてだけ知っていた。
    しかもその面影は、日本髪に和服の楚々とした美人。
    なんとなく、太宰のそれまでの経歴から
    カフェの女給さんとか芸者さんとかだと思っていた。
    ところが、実際は全く違った!

    よく使われる日本髪の写真は、
    冨栄が18歳(亡くなる10年前)の写真で、
    日本髪のモデルをした時の写真だった。
    というのも、富栄の父親は美容洋裁学校の創立者で
    立派な教育者、成功した実業家だったからで、
    富栄はその後

    0
    2023年01月01日
  • 虹の谷のアン

    Posted by ブクログ

    牧師館の子供たちを語りメアリ・ヴァンスが加わり、牧師の新しい恋もはいる。アンはほとんど現れないけれど、彼女の息吹は炉辺荘の子供たちや周りの近しい人たちにちゃんと感じられる。
    それにしてもこの子供たちの子供らしさには微笑むしかありません。

    0
    2022年12月19日
  • 島燃ゆ 隠岐騒動

    Posted by ブクログ

    一途に突き進む田舎の青年と老獪な侍。時流に翻弄された結果の隠岐騒動。大いなる志を持って戦い、そして敗れた若き志士たちに乾杯!

    0
    2022年11月26日
  • 風柳荘のアン

    Posted by ブクログ

    あとがきを見て納得。だから、こんな不思議な構成だったんだ。
    大人になって、落ち着きを得ながら、ますます成長するアン。失敗から学ぶ姿勢が素敵。

    0
    2022年06月15日
  • みすゞと雅輔(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    詩人金子みすゞの弟、雅輔は、幼くして養子に出されたため、みすゞを姉とは知らずに、文学の友となります。
    新発見の雅輔の日記を丁寧に読み解き、そこから浮かび上がる二人の情熱。
    東京へ行ってしまった雅輔、下関に残ったみすゞ、それぞれの青春、光と影、愛と嫉妬。
    若くして夭逝したみすゞを、雅輔の目を通して描いていきます。
    知られざるみすゞ像に迫る、素晴らしい伝記小説です。

    0
    2022年05月27日
  • アンの愛情

    Posted by ブクログ

    大人になるのは少し寂しいけれど、素敵なことだと感じることができる作品でした。

    巻末の訳注を読みながら読みました。
    一巻、二巻とは少し違う感じがしましたが、訳者あとがきを読んで、書いた当時のモンゴメリの成長による違いなのかなと感じました。

    0
    2022年05月20日
  • アンの青春

    Posted by ブクログ

    アンは、大学を諦め16歳で小学校の教師に。はち切れんばかりの想像力は生徒たちへの思いに。次第に生徒の内面にも伝わり慕われるようになる。アン一家は家庭環境に恵まれない双子を引き取る。善悪の区別がつかないその一人ディックはやんちゃぶりを発揮するがまだ素直で可愛い。ミス・ラベンダーの恋の成就、ダイアナの婚約と浮き立つような幸福が続く。2022.5.13

    0
    2022年05月13日
  • 赤毛のアン

    Posted by ブクログ

    『赤毛のアン』シリーズは村岡花子訳で育ったので、基本的には花子マンセーな私ですが、20代の子が松本侑子訳でシリーズを読んでいたので理由を聞いたところ、「村岡訳ではディテールが削られている」からとのことでした。

    村岡花子訳は完訳ではなく抄訳だったというのは今ではよく知られた話らしく、訳した時代もあって花の名前など誤訳もあるそうです。

    特にマシューが亡くなったあとのマリラの告白部分が村岡訳ではバッサリ省略されており、児童文学として読ませたかった村岡花子の意図なのか、オイルショックなどで紙がなく、ページを切り詰めなければいけない編集側の意向があったのではなどと言われています。
    (今では孫の村

    0
    2022年04月24日
  • みすゞと雅輔(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    「事実を基に創作したフィクション」とあるので、どこまでが本当のことなのかは分かりませんが、みすゞや雅輔の為人や人生、作品の生み出された背景などが分かりました。
    みすゞが全521作品を雅輔と八十に送ったこと、死の前日に写真を撮ったこと、ふうちゃん(娘)の言葉を「南京玉」と名付けて綴っていったこと、そして遺書の内容などは、自らの生きた証、作品を埋もれさせたくないという気持ち、残される者への配慮などを感じました。 少しずつ作品を読んでいきたいです。

    0
    2022年02月17日
  • アンの夢の家

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    再読。『赤毛のアン』シリーズ5巻目。
    松本侑子さん訳の新刊は表紙がかわいらしくて好きです。

    アンとギルバートの新婚生活、二人の夢の家編です。
    ジム船長やミス・コーネリア、隣人で悲運の美女レスリー等、新しい登場人物も魅力たっぷりです。

    レスリーにとってはアン達が引っ越してきたことは辛いことだったろうと思います。結果的にはアン達がきたことによってレスリーの幸福に繋がるのだけれど、自分が絶対持てないものを全て持っているアンに複雑な思いを抱くのは仕方ないことでしょう。
    アンにも悲しい出来事があって、二人は真に心を通わせます。そしてレスリーも本来の姿に戻っていきます。
    そしてアンとギルバートに新しい

    0
    2022年01月04日
  • 炉辺荘のアン

    Posted by ブクログ

    アンの子供達の物語。子供達めっちゃ夜中帰ってくるやん…。その度にスーザンがあったかい夜食を食べさせていて、当時の子供達は夜にご飯他食べるのありなんや〜って思った。

    0
    2021年12月26日
  • 炉辺荘のアン

    Posted by ブクログ

    子だくさんのアン。子供たちそれぞれに少しずつ違うアンが見える。普通の妻が抱く疑念をアンも抱くのだと何だか安心してしまう自分が面白い。

    0
    2021年12月24日
  • 赤毛のアン

    Posted by ブクログ

    NHKでやっているドラマの「アンという名の少女」がとても面白かったので原作を読みたくなった。

    小さい村社会の中での人間関係、孤児としての生きづらさ、家族のために結婚を諦めた過去など重たいテーマを描きながらも、アンのどこまでも飛んでいく想像力とじっとしていられない行動力によって物語に明るさと躍動感が生まれている。
    そんな鉄砲玉みたいなアンに対して、マニラが(おそらく真顔で)ちょいちょいユーモアのある返しをしているところも良い。
    マシューの話し言葉は小説でもドラマでも「そうさな」「わしは〜だと思うがな」って感じで訳されているけど、英語では一体どんな表現だったのか気になる笑

    ドラマだけでは分から

    0
    2021年10月14日
  • アンの青春

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    マシュウが亡くなって、目が悪いマリラを残して大学に進学することは出来ないと、アンがアヴォンリーで教師をすることを選択して終わった『赤毛のアン』。その続編です。

    教育者として理想にもえるアン。
    アンの指導は子ども達に良い影響を与えたようです。特にアンが天才だと思う転入生のポール。ポールとアンは想像力の使い方が似ているので通じ合うのも当然で、ポールにとっては自分を肯定してくれるアンのような教師に出会えて幸運だったと思います。
    でもアンの理想とする教育法が通じない相手もいました。アンソニー・パイです。
    ある日体調も悪くイライラしていたアンは、アンソニーに鞭を使ってしまいます。それによってアンソニー

    0
    2021年09月26日