松本侑子のレビュー一覧

  • なぞとき赤毛のアン

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    たまたまYouTubeで見て買った本
    とても興味深く知らなかったことも知れてアンをまた読み返したい

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    2025年06月14日
  • アンの青春

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    アヴォンリーで教師になったアンを慕う人たちが次々と出てくる「アンの青春」。ミス・ラヴェンダーとポール・アーヴィングが特に好き。双子も可愛いよね〜 読者の私もデイヴィの方が可愛く思えてしまう笑
    アンとギルバートの関係性の変化もロマンチックで素敵なの。「アンの愛情」も楽しみだ。

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    2025年05月21日
  • 赤毛のアン

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    アンはとても感性豊かな天然っ子。読んでいて、アンのようにもっと視野を広く感受性豊かに生きようと思った。

    マシューカスバード:「さあなあ、僕にはわからんさあ。」ほんわかして好き。

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    2025年04月25日
  • 金子みすゞと詩の王国

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    金子みすゞを知ったのは東日本大震災が発生して民放のCMがACに差し代わったときだ。
    「こだまでしょうか」の詩が当時の無力感に少しの希望をもらえた。

    本書は金子みすゞの生涯を通して同時代に生きた詩人の詩も交えながら紹介していく形式だ。
    みすゞが夭折してしまった事は知らなかった。

    生前に詩集が出版されることは叶わなかったが、師匠の西條八十と弟の雅輔の尽力もあり、没後、全集が出版される。みすゞの詩が素晴らしいのは勿論だが、みすゞの生前の人柄が師匠と弟を動かしたのだと感じた。

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    2025年04月11日
  • 赤毛のアン論 八つの扉

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    ネタバレ

    高畑勲版アニメを見て、原作にも手を出しく思い、どの翻訳で着手するが考えているところ。
    翻訳受容史的には村岡花子訳、アニメによれば神山妙子訳だが、最新で最も網羅的な松本侑子をベースに読みつつ、他の訳も参考にしようと思っている。
    折よい親書を読んでみた。
    原作を読むにあたっては、アンの心情に没入するのも面白そうだし、歴史や文化を深掘りするのも面白そうで、つまりは美味しそう。
    おそらく本書の内容は文春文庫版の訳注にあるのだろうが、いいまとめだと思う。

    @

    モンゴメリ生誕150周年! 魅力を知り尽くした訳者による大人のための「赤毛のアン論」
    モンゴメリ生誕150年記念出版!

    世界でこよなく愛され、大人の文学として再評価されるアン・ シリーズ。
    少女時代の『赤毛のアン』から、アンの息子三人が第一次大戦に出征する第八巻『アンの娘リラ』までの五十年をこえるアンの人生と、カナダの激動の時代を描いた大河小説。その魅力を、昨年完結した日本初の全文訳『赤毛のアン』シリーズ(文春文庫)を手がけ、話題を呼んだ著者が、八つの観点から解説する最新の「赤毛のアン論」。

    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    ◎目次
    はじめに
    一の扉 エピグラフと献辞
    二の扉 英文学
    三の扉 スコットランド民族
    四の扉 ケルトと「アーサー王伝説」
    五の扉 キリスト教
    六の扉 プリンス・エドワード島の歴史
    七の扉 カナダの政治
    八の扉 翻訳とモンゴメリ学会
    おわりに
    主要参考文献
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

    保守党と自由党の二大政党が対立するカナダで保守党支持のマシューとマリラに育てられたアンは、女性に初めて投票が認められる画期的な歴史に直面する。アンはその時代をどう見つめたのか? 知られざる政治文学としての一側面。
    また、シェイクスピア劇などの英文学を小説中に多数引用したモンゴメリの凝った仕掛け、アン・シリーズ各巻に登場する「アーサー王伝説」と円卓の騎士のロマンの輝き、ケルト文化とキリスト教の融合としての物語の魅力、愛すべき登場人物たちの民族、シリーズに描かれるカナダの歴史などを丁寧に謎ときしながら、『赤毛のアン』シリーズをこれから読む人には充実した手引きとして、再読する人には驚きと感動に満ちた一冊。
    プリンス・エドワード島などの写真・図版・地図80点収載の決定版!

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    2025年02月10日
  • 赤毛のアン論 八つの扉

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    村岡花子訳赤毛のアンシリーズは、私が夢中になって読んだ、まさに青春の本です。
    今回、この本を読んで、モンゴメリが、非常に深い思索のもとに、このシリーズを書き進めたことを初めて知り、驚嘆しました。特に、愛読者への「献辞」に込められた意図に、唸らずにはいられませんでした。

    この本を読んで、著者の全訳でアンシリーズを再読すると、昔読んだときとは違った味わいやより物語に対する深い理解を得らえるだろうと思いました。

    モンゴメリには、アンシリーズ以外にも、魅力的な物語があり、どれも私にとって忘れられない一冊です。
    こちらも、是非、著者の全訳と解説が読みたいと思いました。

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    2025年02月08日
  • 赤毛のアン論 八つの扉

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    文春文庫のアンシリーズ副読本に最適

    アンシリーズを読んでて引っかかるところに、あの人は◯◯家だから、△△党の人間はこれだから、というような人をカテゴライズする物言いだったのだけど、当時のプリンスエドワード島の領土の変遷・住民たちのバックボーンが詳しく解説されててなんとなく腹落ちした
    これだけ色んな人がひと処に居住していればそんな発言にも繋がるだろうなぁ

    原文と翻訳が併記されてる箇所もあり、よくぞこの原文の持ってる雰囲気を日本語に美しく落とし込んだなぁと感心しきり

    モンゴメリのアンシリーズ以外の著作の全文訳も期待してしまう

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    2025年02月04日
  • 赤毛のアン論 八つの扉

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    モンゴメリ著「赤毛のアン」への論文です。
    奥深い赤毛のアンシリーズの引用や献辞、カナダ史や、民俗学を掘り下げた一冊です。
    アンシリーズを全編読み直したくなる一冊!

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    2025年01月26日
  • 赤毛のアン論 八つの扉

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    『赤毛のアン』について、その訳本を書いた人が分析した一冊。

    これまで『赤毛のアン』がアンの幼少期を描いたアニメの影響が強いことは知っていたが、決して児童書ではなく大人向けの本であり、深い内容であることがよくわかった。

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    2024年12月07日
  • アンの夢の家

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    ネタバレ

    ミスコーネリアの縫ってた赤ちゃん服がどんなデザインやったか気になる。レスリーってやっぱりめっちゃ魅力的なキャラクター。

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    2024年10月29日
  • 赤毛のアン

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    村岡花子の翻訳に親しんだ方にも、おすすめです。松本侑子の新訳も良いです。松本氏による「訳者によるノート 赤毛のアンの謎解き」が最高です。子供の頃に感じた謎が、すべて明らかに!!

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    2024年10月10日
  • 赤毛のアン

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    ネタバレ

    再読して、アンは初期からギルバートのこと意識してたんだなぁと気づいた。子供の頃読んでた時はあんまりわかってなかった、、
    アン、マリラ、マシューの家族愛に感動!

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    2024年10月09日
  • 風柳荘のアン

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    ネタバレ

    手紙形式の物語なので、あまりまとまりがなく、登場人物の名前がよくわからなくなる。アンが素敵な女性になってて成長したなぁと思った。

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    2024年09月28日
  • 恋の蛍~山崎富栄と太宰治~

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    評伝小説とあるが、きっちり取材していて、ドキュメンタリーに近い。
    太宰と共に心中した山崎富栄のことは、あまり知らないし、確かに悪く言われがちかも。それは、どうしても太宰側の人間から語られることが多かったからだろう、と。著者はだからこそ、山崎富栄側(富栄とその身近な人達)からの証言などをひろって、そちら側から書かれたのが、この作品。

    美容師だったことは知っていたが、こんなにすごい人だったのか、父親もすごい人だったのだなぁと、初めて知った。読み進めていくうちに、山崎富栄がとても魅力的だった人だと感じる。(それは、著者の力もあるだろうけど)
    けれど、太宰と出会ってからの彼女は、どうしてしまったのだろう。
    太宰を贔屓目で見てしまうのはしかたないにしても、太宰と出会ってからの物語を読んでいると、ますます太宰が魅力的になり、一方、山崎富栄を嫌悪したくなる。
    いや、そんなに尽くすなら、太宰を救ってあげて、とさえ、思ってしまう。(まぁ、それは無理ってものでしょうけど…)
    そして残された、山崎富栄の父と母のことを思うと…。

    それにしてもやはり、太宰治はすごい作家だなぁと思い、久しぶりに読みたくなる。

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    2024年08月31日
  • 赤毛のアン

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    10代の頃、途中で読むのをやめてしまったが、あの頃 最後まで読んでいたら…と残念に思った。中年となった今は、マリラに共感。
    名作と言われる理由が分かった。

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    2024年05月17日
  • アンの娘リラ

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    ネタバレ

    アンシリーズ最終巻。やったー完走した!訳者の松本侑子さんに感謝!
    お話は、第一次世界大戦のカナダ。主人公はタイトル通り、アンの娘のリラ。
    アンシリーズを初めから追ってた読者の立場からすると、アンは娘時代の時、すごく素敵な日々を過ごしてたのに、リラはホントに忍耐の日々で、戦争はそういう意味でもやはり残酷だと思った。
    食糧事情、最後の方は少し制限してたくらいだけど、日本の戦争末期とはえらい違いだと思った。
    まぁアメリカはたらふく食ってたけどさ。
    オーストリアが始めて、巻き込まれた形のドイツなのに、ドイツがヘイト一身に集めててなんか草。オーストリアの空気っぷりがすごい。

    個人的にはスーザンが前作と変わらないスーザンで良かった。
    サブタイトルちょっとだけ見て「え?スーザン結婚しちゃうの?」「月に頬髯みたいなビミョーに女見下してるヤツと結婚するのか!?」とヤキモキしたけど、熱々のなべを振りかざして頬髯を撃退してて、何かスッとした(笑)

    反戦の方に話が進みそうだなと思ってたけど、そうはならず、ギリギリのバランスを保っているのは流石だな、と思った。

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    2024年01月26日
  • アンの愛情

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    松本侑子新訳版アンシリーズ第3巻。
    原題は『Anne of the Island』。1915年の作品。

    アンがアヴォンリーを離れ、カナダ本島のレッドモンド大学で過ごす4年間の物語。
    アンのモテ期到来。4年間で5人に求婚されます。恋バナも多くて、シリーズの中ではいちばんキャピキャピしたストーリーではないでしょうか。第2巻よりこちらのほうが『アンの青春』のタイトルにあっている気がして、昔からあれ、どっちがどっちで、順番はどちらが先?と混乱します。
    私もレッドモンド大学に通って、パティの家に住んで、墓地や海岸公園を散策したい!と憧れました。

    解説によるとモンゴメリはレッドモンド大学のモデルになったハリファックスのダルハウジー大学で講義を受けていますが、学費が続かず1年間しか通っていません。アンの4年間というのはモンゴメリ自身の願望なんですね。

    解説ではキングスポートのモデルとなったハリファックスについて詳しくガイドされているのでGoogleマップで実在の墓地公園、海岸公園、ダルハウジー大学、パティの家があるスポフォード街のモデル、ヤング街などを聖地巡礼しながら読みました。Googleマップで見ても美しい港町です。

    パティの家に一緒に住むのはクィーン学院の同級生だったプリシラ・グラント、ステラ・メイナードと、新しい友フィリッパ・ゴードン。
    一方でアヴォンリー時代の同級生ダイアナとジェーン・アンドリューズは結婚、そしてルビー・ギリスは若くして亡くなります。だからということもあるのでしょうけれど、少女時代が永遠に去ってしまったことを嘆く場面がいくつか印象的でした。

    「そしてアンは胸につぶやいた。あの懐かしく、愉快な日々に帰りたい。かつて人生は、希望と夢想からなる薔薇色のかすみのむこうに見えていた。そして今となっては、永遠に失われた名状しがたい何かをはらんでいた。それはいったいどこへ行ったのだろう──あの輝きと夢は。」

    そのほかアヴォンリー周辺の町についても解説をもとにGoogleマップで距離を整理してみました。
    (馬車の速度は天候などにもよるようで諸説ありますが時速10kmで計算。)

    ・アヴォンリー
    キャベンディッシュがモデル

    ・カーモディ
    スタンリーブリッジがモデル
    キャベンディッシュから6.9km(車で6分、馬車で42分)
    『赤毛のアン』の後半あたりに駅ができるが小さな駅。

    ・ブライト・リヴァー
    ハンター・リヴァーがモデル
    キャベンディッシュから16.4km(車で15分、馬車で1時間38分)
    『赤毛のアン』でアンが降り立った駅。

    ・シャーロットタウン
    キャベンディッシュから37km(車で36分、馬車で3時間42分)
    クィーン学院があるプリンス・エドワード島の州都。

    ・キングスポート
    ハリファクスがモデル
    キャベンディッシュから250km
    『アンの愛情』ではシャーロットタウンから船で向かって1日かかって到着。

    こうやってみるとキャベンディッシュは本当に田舎なんですね。鉄道は1989年に廃線になってしまったそうです。いつかグリーンゲイブルズに行ってみたいと思っていましたがシャーロットタウンからはレンタカーやツアーを利用するほか交通手段がないようです。

    「それに、都会を舞台にして、金持ち連中なんぞ、書くべきじゃなかったよ。やつらの何を知ってるんだ。なぜここアヴォンリーを舞台にしない……もちろん、地名は変えにゃならんよ。さもないと、レイチェル・リンドが、自分がヒロインだと思いかねないからな」

    以下、引用。

    21
    「行きたくないなら、行かなくてもいいじゃないか。大人なんだから。ぼくが大きくなったら、したくないことは一つもしないよ」
    「そのうちわかるわよ。人は、生涯を通じて、やりたくないことをしているの」

    32
    「この森は、今、幽霊が漂っているの……昔の思い出という幽霊よ」
    「昔、ここで遊んでいた小さな女の子のダイアナと私が、今もいて、夕方、《木の精の泉》のほとりに腰かけて、おばけたちと、ひっそり会っているような気がするわ。」

    42
    「このかいわいは、もとは地位のある人たちの『お屋敷町』だったの。でも上流の人たちがセント・ジョン通りから離れて、通りの家々は、今は、古き良き日々の夢を見ているんだわ。」

    55
    「今朝、大学で見かけた女子のなかで、いちばんきれいだったわ」
    フィリッパのゆがんだ口もとに、魅惑の微笑がほころび、小さな白い歯がのぞいた。
    「私もそう思ったわ」

    56
    「だけど、プリシラも私も、見た目には自信があるから、保証してもらわなくても、大丈夫、お気づかいは無用よ」

    63
    「今日の午後、心の小さな根っこを、キングスポートの土におろしたのね。そう願いたいわ。いつまでも植えかえられたままの気持ちでいるのはいやだもの」

    65
    さらにギルバートは、「ラムズ」入会にも誘われた──学友会ラムダ・シータを、レッドモンドでは短く縮めて、こう呼びならわしていた。
    入会にあたっては、あらかじめ厳しい試練があり、キングスポートの目抜き通りを、婦人用の日よけ帽(サンボンネット)をかぶり、派手な花柄木綿(キャラコ)のゆったりした料理用エプロンをかけて、丸一日、ねり歩かなければならなかった。

    73
    合衆国は恐ろしいとこにちがいないので、アンが行かないよう願っています。それにしても、当節の娘さんが世界中をうろつきまわる様子といったら、ぞっとします。あちらこちらをさまよい歩いたヨブ記の悪魔(サタン)を思い起こします。神様は、そんなおつもりで娘たちをお創りにならなかったはずですよ、まったく。

    80
    「この静けさは、祈りのようね」

    81
    彼にしてみれば、かたわらをゆく生き生きとして喜びにあふれた娘に、悲しみなど結びつけられなかった。至高の高みに飛翔する者は、どん底のきわみにも沈みこむこと、また幸福の絶頂を心ゆくまで味わう者こそが、悲哀を身にしみてこうむることを、彼は知らないのだった。

    83
    「あの通りには、小さくて、どうにかなりそうなくらいすてきな家があるの、アンに見せたいわ。百万長者が建てたんじゃないのよ。
    スポフォード街が、まだ田舎道だったころ、自然に生えたにちがいないわ。生えてきたの……建てたんじゃなくて!」

    87
    「キルティング・パーティに、一、二回出て、おしゃべり好きなおばあさんたちが、面とむかって、あるいは陰にまわってアンの噂話をするのよ。」

    94
    「そうらしいね」マリラが答えた。「ルドヴィックはこの先も通うようだが、あんな求婚のしかたじゃ、この先も進まないと、世間は、あきらめているよ」
    「私がセオドーラなら、もうちっと男をせかすんだがね、まったく」リンド夫人が言った。たしかにこの夫人なら、間違いなくせきたてるだろう。

    132
    「夕焼けの空へ、ポールが作文に書いた月光の小舟をこいで行けたらいいのに」
    「そこには私たちの過去が、すべてあるのよ……遠い日の春と花たちのすべてが。ポールが夕焼け空の国で見た花壇には、かつて私たちのために咲きひらいた薔薇もあったのよ」

    146
    「それに、都会を舞台にして、金持ち連中なんぞ、書くべきじゃなかったよ。やつらの何を知ってるんだ。なぜここアヴォンリーを舞台にしない……もちろん、地名は変えにゃならんよ。さもないと、レイチェル・リンドが、自分がヒロインだと思いかねないからな」

    171
    「だって……その……何も、天国に行けないことを恐れてるんじゃないのよ。私は教会の信者だもの。でも……天国は、こことは全然違うでしょう……そう思うと……こわくなるの……それに……きっと……ホームシックになるわ。もちろん天国はきれいでしょうよ、聖書に書いてあるもの……でも、私が慣れ親しんだところじゃないわ」

    190
    すると、「お隣」の人づきあいの悪い老百万長者が、赤と黄色の派手な「チューリップパターン」のキルトを買いたいと言って来た。リンド夫人がアンに贈った一枚だった。なんでも、おっかさんがよくこんな刺し子(キルト)を縫っていたので、思い出のよすがに、何としてもほしいと言うのだ。

    202
    「悪魔というものは、そんなにみにくくないものですよ」ジェイムジーナおばさんが考え深げに言った。「もしみにくい悪魔がいたなら、たいした悪さはしません。私が思うに、悪魔は、ハンサムな紳士の姿をしているのですよ」

    216
    「十代は、人生のすてきな季節ですからね。もっとも、私から十代が去っていったことは、一度もありませんよ、嬉しいことに」

    217
    「『シルク』とか『レース』という言葉には、魔法がかかっていますね。言葉の響きだけで舞踏会に飛んでいきたくなるわ。」

    218
    「フィルったら、どんなに自分がきれいか、本当にわかっているの?」アンはつくづく見とれた。
    「もちろんわかってるわ。姿見と男性たちは、何のためにあるのよ。」

    223
    「どうしてまじめでなくちゃいけないの? そんな人は、はいて捨てるほどいるわ。世間には、私みたいな人間も必要よ、世の中を楽しませるのよ、みんながみんな、知的で、まじめで、深刻ぶって、死ぬほど本気だったら、世界は恐ろしいことになってるわ。」

    229
    「アンったら、自分の目で愛を見ているのに、わからないのね。愛とはこういうものだと想像のなかで創りあげて、現実の愛もそんなふうに見えるはずだと思いこんでるのよ。」

    234
    「お父さんんは不器量だったが、気だてのいい人でね。二人が一緒になったときにゃ、みんなして言ったもんだよ。あんなに愛しあってる夫婦はまたとはいまいって……かわいそうにね、長く生きられなくて。だけど、生きてる間は、そりゃあ幸せだったからね。それがよっぽど肝心だよ」

    238
    「一年は一冊の本よ、そうでしょ、マリラ。春のページは、メイフラワーとすみれでつづられているの。夏は薔薇、秋はかえでの紅葉、冬は柊と常緑樹よ」

    258
    「どんな人でも、足にリウマチをわずらいます。ただ老人は、心にリウマチをわずらうんです。」

    267
    「だから私、考えてるの。嘆き暮らして死ぬか、それとも勉強をつづけて文学士号をとって、分別のある立派な人になるか」
    「分別のある立派な人には、なれそうもないから、嘆き暮らして死ぬほうがいいわよ」
    アンは冷たく答えた。

    280
    「いつも六月の世界に生きたら、どんな感じかしら」
    「そんな世界は飽きてしまうよ」マリラがため息をついた。

    288
    「おばさんは、大事にしてきた『煙草縞』の棒針編みのベッドカバーを一枚、ダイアナにくださったでしょ。私も結婚したら一枚くださるそうよ」

    292
    アンは笑い、それから吐息をついた。自分が年齢を重ね、常識をわきまえ、賢くなったように感じられたのだ──もっとも、それがアンの若さの証だったが。そしてアンは胸につぶやいた。あの懐かしく、愉快な日々に帰りたい。かつて人生は、希望と夢想からなる薔薇色のかすみのむこうに見えていた。そして今となっては、永遠に失われた名状しがたい何かをはらんでいた。それはいったいどこへ行ったのだろう──あの輝きと夢は。

    335
    とにかく、娘は言ったものです。私のモットーは、『自分の葬式で読みあげられて恥ずかしい文章は一行たりとも書くなかれ』とね。アンも、文学の方面に乗り出すなら、これをモットーになさい。」

    345
    「ただし、分別も充分に身についたかどうかは疑わしいですよ。もちろん期待などしていません。分別というものは、経験をつんでこそ身につくのです。大学で学ぶものではありません。大学に四年通ったみなさんと違って、私は大学へ行っていませんが、お嬢さん方よりも、よほど分別がありますよ」

    353
    「私はこの家に、私の夢とあこがれを残していくわ、次に住む人を祝福するために」

    そうした古い夢の数々は部屋に残り、漂うのではないだろうか……喜び、苦しみ、笑い、泣いた部屋から永久に去っても、そこに暮らした人の何か、つまり手にふれることも目にすることもできないものの、その人らしい何かが残るのではないだろうか?

    371
    『私はこの世界を出ていった──だがもはやそれは
    あのころ帯びていたロマンスの色をまとわない』

    アンはため息をついた──しかし、世界はロマンスをうばわれた!という考えに、ロマンスをおぼえ、すぐさまかなりのところ慰められた。

    410
    モンゴメリが本作を執筆する前の1912年、イギリスの豪華客船タイタニック号がカナダ東海岸沖合いで氷山と衝突、国際的に決められた無線の救難信号SOSが、このとき初めて発信され、受信したハリファクスから救助船が現場へ急行した。ハリファックスには犠牲者の墓地がある。

    435
    『アヴォンリー物語』(1911)(原題 Chronicles of Avonlea)の一話「奮いたったルドヴィック」

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    2024年01月10日
  • アンの青春

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    松本侑子新訳版のアンシリーズ第2巻。
    原題は『Anne of Avonlea』。
    ⁡
    第2巻『アンの青春』と第3巻『アンの愛情』の邦題は逆の方があっていたんじゃないかと昔から思っていて、順番が混乱するんですが、こちらはアンがアヴォンリーで新米教師として過ごす2年間の物語。
    ⁡
    自分メモ的に整理しておくと
    アンがグリーン・ゲイブルズに来たのが11歳のとき。
    アヴォンリーの学校を経て15歳のときにシャーロットタウンのクイーン学院に進学。
    クイーン学院は教師になるための師範学校で、通常は2年かけて教員免許をとるところ、アンとギルバートは成績優秀のため1年コースで卒業。
    マシューの死去にともない大学進学をあきらめ、16歳でアヴォンリーの教師になる。(←イマココ)
    ⁡
    さらに自分メモ的にそれぞれの学校の先生
    ・アヴォンリー
    アン→ジェーン・アンドリューズ
    ・ホワイト・サンズ
    ギルバート・ブライス
    ・カーモディ
    プリシラ・グラント→ルビー・ギリス
    ⁡
    ホワイト・サンズやカーモディがアヴォンリーからどれくらい離れているのか不明ですが、週末や夏休みには帰省できるけど毎日通うのは難しい距離のようです。
    ⁡
    『大草原の小さな家』のローラも15歳で教師になってます。アンが教師になったとき、アンが教える上級生たちはちょっと前まで一緒に勉強していた子供たちなんですよね。モンゴメリ自身は19歳で教師になっていますがみんな若い。
    ⁡
    新しい隣人ハリソンさんのスキャンダル、アンクル・エイブが預言した大嵐など、村岡花子版の外伝短編集『アンの友達』、『アンをめぐる人々』のようなアヴォンリー村物語的な側面もあります。
    ⁡
    そして村岡花子版でも何度も読んでますがミス・ラヴェンダーがやっぱり素敵だな。30代くらいのイメージだったけど45歳なのか。
    ⁡
    村岡花子版では「山彦荘」、松本侑子版では「こだま荘」の石の家の名前が「エコー・ロッジ」だと初めて知る。
    ⁡
    基本的なストーリーは村岡花子版でおなじみなんですが、花の名前とか細かい自然描写が松本侑子版の方がわかりやすく頭の中で風景を再現しやすい気がします。
    へスター・グレイの庭は黄色と白の水仙に埋もれてるんだとか。
    子供の頃はラヴェンダーの花や香りが今ほど具体的にイメージできてなかったというのもあるかもしれません。
    ⁡
    あとリンドおばさんとマリラの名言多し。
    ⁡
    「マリラ、失敗したらどうしよう!」
    「たった一日で、大失敗なんかできないよ」
    ⁡
    「マリラ、私、頭が変なように見える?」
    「いいや、いつもほどじゃないよ」
    ⁡
    今回も解説が100ページほどあります。細かい引用なんかはそこまでチェックしなくてもと思うものもありますが、当時は暗誦が普通に行なわれており、欧米小説では聖書やシェイクスピア、古典の引用が一般的だったという解説は納得。
    ⁡
    ポール・アーヴィング、双子のデイヴィとドーラ、アンソニー・パイ、いずれも幼くして親を亡くしている子供たちで、モンゴメリ自身が反映されているのではという指摘もなるほどと思いました。


    以下、引用。

    20
    「夜中に寝室にあがって、ドアに鍵をかけて、日よけもおろして、それからくしゃみをしても、リンドのおばさんなら、次の日、風邪はどんな具合かねってきくわよ!」

    25
    アンの声がうわずり、灰色の瞳が、宵の明星のようにきらきらと輝いたので、リンド夫人は、またわからなくなった。アン・シャーリーが本当は美人かそうでないか、いつになったら納得のいく答えが出るのだろうか。

    52
    《すみれの谷》を通り、《ウィローミア》をすぎると、もみの下で、夕闇と西日の陽光が口づけをするように溶けあっていた。

    55
    「マリラ、失敗したらどうしよう!」
    「たった一日で、大失敗なんかできないよ。まだ先は長いじゃないか」

    62
    先日ハリソン氏が、シャーロットタウンの店で、くどいほど着飾った女性を見かけたと語り、「そいつはまるで、最新流行の服の女と悪夢が正面衝突したみたいだった」と評していたのだ。

    112
    「大事なのは、ジョシュアという男の仕事ぶりの良し悪しだ。腕がよけりゃ、名前はパイだろうがプリンだろうがかまわんさ」

    163
    「土曜の朝は早くうちに来て、お弁当の支度を手伝ってね。できるだけ優雅なランチを作るの……春のお出かけにふさわしいものよ、いいこと……小さなゼリー・タルトに、指形クッキー(レディ・フィンガー)、ピンクと黄色の糖衣がけ(アイシング)をしたドロップ・クッキー、きんぽうげのケーキ。サンドウィッチも用意しなくちゃね、これはあまり詩的じゃないけど」

    165
    「もしキスが目に見えたら、すみれの花のようでしょうね」プリシラが言った。

    170
    空気は透明にきらめく金色のワインのようだった。

    178
    「あの人はのろまで急に止まることもできやしないくらいだが、手伝いがいないよりゃ、ましだからね。」

    「あの男も十年ばかし死んでいたようなもんだが、十年先も同じだろうね。ああした男は死んで自分に始末をつけることもできやしない……何一つしっかりとやり抜くことができないんだから。」

    217
    「にわとりの羽根をむしるのは嫌いだけど」アンはマリラに語った。「手先がしているだけだもの、気持ちは別のところにあるから助かるわ。手はにわとりをむしっても、心は天の川(ミルキーウェイ)をさまよっているのよ」
    「どうりで、いつもより羽根が床に散らかるこった」マリラが注意した。

    229
    「大丈夫、これは買ったものよ。先祖代々受けついだものじゃないわ」

    249
    アンがマリラに語ったことがあった。「結局、一番幸せで心楽しい暮らしとは、華やかなこと、驚くようなこと、胸ときめくようなことが起きる日々ではなく、さりげない小さな喜びをもたらす毎日が、今日、明日としずかに続いていくことなのね、まるで真珠が一つ、またひとつと、糸からすべり出ていくように」

    279
    「だから何かしないと気がすまないときは、男の子を一発殴ればいいんだよ、心を傷つけるよりましだもん。」

    282
    「まるで一年という存在が、巨大な大聖堂のなかでステンドグラスからそそぐ柔らかな光を浴びながら、ひざまずいてお祈りしているみたい」

    290
    「もっとも、わたくしのような年で想像ごっこをするなんて、馬鹿げているかもしれませんが、馬鹿なことをしたいときにできないなんて、いい年をした女が一人で暮らす意味がありませんわ、迷惑をおかけするわけじゃないんですもの。」

    295
    「そして母を一目見るなり、恋におちたんです。その晩、客用寝室に泊まった父は、ラヴェンダーがほのかに香るシーツに、一晩中まんじりともせずに横たわり、母を想ったんですって。それからというもの、父はいつもラヴェンダーの香りを愛していました……そんな思い出があって、娘の名前にしたんですね。」

    297
    「でも、たとえケレンハパッチという名前でも、きっとアンを好きになったわ。名前って、持ち主の人がら次第で、美しくもなれば醜くもなるのね。」

    「美しい生き方が、その人の名前を美しいものに変えるのね、最初はきれいな名前に思えなくても……やがてまわりの人たちは、その名を聞くだけで、優しく心地よい気持ちになって、名前がもともとすてきじゃなかったことなんて、考えもしなくなるんだわ。」

    300
    「たしかにミス・ラヴェンダーは人とは違うわ。どう違うか、うまく言えないけど、おそらく年をとらないタイプなのね」
    「同年輩がみんな年をとるなら、一緒に年をとったほうがいいと思うがね」

    301
    「後になってみると、少しも大したことじゃなかったのかもしれないわ。人生は、小さなことのほうが、大きなことよりも厄介を引きおこすのよ」

    302
    「トーマス・リンドという男は、気あいを入れたことなんか一度もないんだからね。結婚するまでは母親に牛耳られ、結婚後は女房の言いなりだ。よくもレイチェルの許しもなしに病気になったもんだよ。」

    304
    「猫に尻尾が二本いらないように、ドーラに新しい帽子はいらなかったのに、アンは買ってくれてね。」

    334
    「マリラ」アンは大まじめで言ったが、その目はおどっていた。「私、頭が変なように見える?」
    「いいや、いつもほどじゃないよ」マリラは皮肉を言っているつもりはなかった。

    337
    デイヴィにとって、プラムジャムに癒せない悲しみなどないのだった。

    387
    「結婚するのに、ラテン語だのギリシア語だのが何の役に立つんでしょう。大学で男の扱い方を教えてくれるというのなら、行く意味もあるんでしょうが」





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    2023年12月05日
  • 巨食症の明けない夜明け

    Posted by ブクログ

    心情描写が素敵すぎる。ラストについては賛否があるけど、個人的には好きかもしれない。過食のイメージは「外から強いプレッシャーを受けるとそれに潰されないように内側からの圧力を欲し、内側から満タンにして圧力に反発するよつに食べる」という感じで、なんかそうじゃない過食もあるよなあと思っていた。内側の空虚感を埋めるために食べる感じ。「巨食」という表現に腑に落ちた。

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    2023年08月02日
  • 赤毛のアン

    Posted by ブクログ

    名作に初めて触れた。アンでもマリラでもない、誰にも共感できない立場だけど、とっても楽しかった。

    アンの少女らしさと破天荒さ、ロマンチストなところが愛らしくて、次はどんなことをするのだろうと楽しみだったし、それに対してマリラはどんな反応をするのだろうとワクワクした。子育て中の人は物語をもっと身近に感じそう。

    巻末の解説もとても興味深くて余す所なく全部楽しめた。

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    2023年06月02日