【感想・ネタバレ】赤毛のアン論 八つの扉のレビュー

あらすじ

モンゴメリ生誕150周年! 魅力を知り尽くした訳者による大人のための「赤毛のアン論」

世界でこよなく愛され、大人の文学として再評価されるアン・ シリーズ。
少女時代の『赤毛のアン』から、アンの息子三人が第一次大戦に出征する第八巻『アンの娘リラ』までの五十年をこえるアンの人生と、カナダの激動の時代を描いた大河小説。その魅力を、昨年完結した日本初の全文訳『赤毛のアン』シリーズ(文春文庫)を手がけ、話題を呼んだ著者が、八つの観点から解説する最新の「赤毛のアン論」。

◎目次
はじめに
一の扉 エピグラフと献辞
二の扉 英文学
三の扉 スコットランド民族
四の扉 ケルトと「アーサー王伝説」
五の扉 キリスト教
六の扉 プリンス・エドワード島の歴史
七の扉 カナダの政治
八の扉 翻訳とモンゴメリ学会
おわりに
主要参考文献

保守党と自由党の二大政党が対立するカナダで保守党支持のマシューとマリラに育てられたアンは、女性に初めて投票が認められる画期的な歴史に直面する。アンはその時代をどう見つめたのか? 知られざる政治文学としての一側面。
また、シェイクスピア劇などの英文学を小説中に多数引用したモンゴメリの凝った仕掛け、アン・シリーズ各巻に登場する「アーサー王伝説」と円卓の騎士のロマンの輝き、ケルト文化とキリスト教の融合としての物語の魅力、愛すべき登場人物たちの民族、シリーズに描かれるカナダの歴史などを丁寧に謎ときしながら、『赤毛のアン』シリーズをこれから読む人の充実した手引きとして、再読する人には驚きと感動に満ちた一冊。
プリンス・エドワード島などの写真・図版・地図66点収載の決定版!

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Posted by ブクログ

よくここまで研究されたなぁと感動。上質なモンゴメリの世界観に触れられて心地よい読後感。読み終わるのが勿体無い!と久々に感じた一冊。
ただ、『赤毛のアン』シリーズ8冊を読んだことがないと、ちょっと難しいかも。

0
2025年07月10日

Posted by ブクログ

『赤毛のアン』シリーズ全8巻を八つの観点で解説する。
関する写真・図版・地図80点も収載。
・はじめに
一の扉 エピグラフと献辞 二の扉 英文学
三の扉 スコットランド民族
四の扉 ケルトと「アーサー王伝説」
五の扉 キリスト教 六の扉 プリンス・エドワード島の歴史
七の扉 カナダの政治 八の扉 翻訳とモンゴメリ学会
・おわりに
主要参考文献有り。

小学生時代に読んだのは、村岡花子/訳。
中学生時代には料理等の関連本を読み漁っていました。
少女の成長と大人の女性への成長、家族の物語として。
でも、宗教や政治、文学の引用等、気になることも。
で、1993年に松本侑子/訳との出会い。
その厚さと訳者ノートの膨大さへの驚き。
これは“少女小説”とは異なる内容だと、括目。
そして、全8巻のシリーズ翻訳を経ての、この本書では、
更なるアンの世界への扉を開いてくれました。
エピグラフと献辞の示す意味。
英文学の引用が多く入る意味。
登場人物の多くがスコットランド民族系。
「アーサー王伝説」と家や地名の謎解きにはケルト族。
キリスト教文学の一面と長老派協会との関わり。
小説に垣間見えるプリンス・エドワード島の歴史。
生活のあちこちに顔を出すカナダの政治。
8つ目の扉は、『赤毛のアン』の翻訳と研究になった道程。
実に様々な要素が絡み合っているのがよく分かります。
また、村岡花子/訳の読み易い抄訳で親しみ、成長した後、
大人向けの奥深い大河小説『赤毛のアン』シリーズを
読み込める楽しさを教えてくれます。
思えば『巌窟王』や『家なき子』なども抄訳から大人向けを
読むようになって、その味わいと面白さに目覚めたましたから。

0
2025年06月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

赤毛のアンは村岡花子訳に限る。というか、やはり最初に読んだ、あの感動、世界がキラキラ見えたあの気持ちは、やはり村岡花子訳の文章だったから、他の訳者のアンを読むのが怖い、という気持ちが強かった。
松本侑子さんが長年、アンにたずさわっているのは知っていた。だが、前述の気持ちがあり、赤毛のアンは読まずにいた。でも、赤毛のアン論であれば、と思って手にした。
今まで疑問に思っていたことがよく分かり、松本さんの調べ方は徹底しているなぁ、なんて思っていた。それが最後の最後で、村岡花子訳が抄訳だったと分かり、愕然とした。ショックだった。そうなった経緯も丁寧に描かれていて、なるほどと思い、ショックは薄れるが逆に本当の赤毛のアンを読みたい!という気持ちになった。知らない所がたくさん出てくるであろう、赤毛のアン。今から読むのが楽しみだけど、読みたい本は常にたくさんある。困ったものだ!

0
2025年03月07日

Posted by ブクログ

赤毛のアンは美しいアニメーションで知り、その後翻訳された文庫を手に取った。自身の成長と分かちがたく結びついているような気がする本でもある。
全訳という偉業を成し遂げた著者による解説は、初めて知ることばかりで、とても楽しかった。私の豊かな読書生活はこのような方たちによってもたらされていると感じた。

0
2025年01月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

スコットランド、ケルト、アーサー王物語、プリンス・エドワード島等もっと深く「赤毛のアン」読み直してみたい

0
2025年07月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

高畑勲版アニメを見て、原作にも手を出しく思い、どの翻訳で着手するが考えているところ。
翻訳受容史的には村岡花子訳、アニメによれば神山妙子訳だが、最新で最も網羅的な松本侑子をベースに読みつつ、他の訳も参考にしようと思っている。
折よい親書を読んでみた。
原作を読むにあたっては、アンの心情に没入するのも面白そうだし、歴史や文化を深掘りするのも面白そうで、つまりは美味しそう。
おそらく本書の内容は文春文庫版の訳注にあるのだろうが、いいまとめだと思う。



モンゴメリ生誕150周年! 魅力を知り尽くした訳者による大人のための「赤毛のアン論」
モンゴメリ生誕150年記念出版!

世界でこよなく愛され、大人の文学として再評価されるアン・ シリーズ。
少女時代の『赤毛のアン』から、アンの息子三人が第一次大戦に出征する第八巻『アンの娘リラ』までの五十年をこえるアンの人生と、カナダの激動の時代を描いた大河小説。その魅力を、昨年完結した日本初の全文訳『赤毛のアン』シリーズ(文春文庫)を手がけ、話題を呼んだ著者が、八つの観点から解説する最新の「赤毛のアン論」。

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◎目次
はじめに
一の扉 エピグラフと献辞
二の扉 英文学
三の扉 スコットランド民族
四の扉 ケルトと「アーサー王伝説」
五の扉 キリスト教
六の扉 プリンス・エドワード島の歴史
七の扉 カナダの政治
八の扉 翻訳とモンゴメリ学会
おわりに
主要参考文献
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保守党と自由党の二大政党が対立するカナダで保守党支持のマシューとマリラに育てられたアンは、女性に初めて投票が認められる画期的な歴史に直面する。アンはその時代をどう見つめたのか? 知られざる政治文学としての一側面。
また、シェイクスピア劇などの英文学を小説中に多数引用したモンゴメリの凝った仕掛け、アン・シリーズ各巻に登場する「アーサー王伝説」と円卓の騎士のロマンの輝き、ケルト文化とキリスト教の融合としての物語の魅力、愛すべき登場人物たちの民族、シリーズに描かれるカナダの歴史などを丁寧に謎ときしながら、『赤毛のアン』シリーズをこれから読む人には充実した手引きとして、再読する人には驚きと感動に満ちた一冊。
プリンス・エドワード島などの写真・図版・地図80点収載の決定版!

0
2025年02月10日

Posted by ブクログ

村岡花子訳赤毛のアンシリーズは、私が夢中になって読んだ、まさに青春の本です。
今回、この本を読んで、モンゴメリが、非常に深い思索のもとに、このシリーズを書き進めたことを初めて知り、驚嘆しました。特に、愛読者への「献辞」に込められた意図に、唸らずにはいられませんでした。

この本を読んで、著者の全訳でアンシリーズを再読すると、昔読んだときとは違った味わいやより物語に対する深い理解を得らえるだろうと思いました。

モンゴメリには、アンシリーズ以外にも、魅力的な物語があり、どれも私にとって忘れられない一冊です。
こちらも、是非、著者の全訳と解説が読みたいと思いました。

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2025年02月08日

Posted by ブクログ

文春文庫のアンシリーズ副読本に最適

アンシリーズを読んでて引っかかるところに、あの人は◯◯家だから、△△党の人間はこれだから、というような人をカテゴライズする物言いだったのだけど、当時のプリンスエドワード島の領土の変遷・住民たちのバックボーンが詳しく解説されててなんとなく腹落ちした
これだけ色んな人がひと処に居住していればそんな発言にも繋がるだろうなぁ

原文と翻訳が併記されてる箇所もあり、よくぞこの原文の持ってる雰囲気を日本語に美しく落とし込んだなぁと感心しきり

モンゴメリのアンシリーズ以外の著作の全文訳も期待してしまう

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2025年02月04日

Posted by ブクログ

モンゴメリ著「赤毛のアン」への論文です。
奥深い赤毛のアンシリーズの引用や献辞、カナダ史や、民俗学を掘り下げた一冊です。
アンシリーズを全編読み直したくなる一冊!

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2025年01月26日

Posted by ブクログ

『赤毛のアン』について、その訳本を書いた人が分析した一冊。

これまで『赤毛のアン』がアンの幼少期を描いたアニメの影響が強いことは知っていたが、決して児童書ではなく大人向けの本であり、深い内容であることがよくわかった。

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2024年12月07日

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