アンの愛情

アンの愛情

小説・文芸
770円 (税込)

3pt

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日本初の「全文訳」、英米文学や聖書からの引用を詳細に解説する訳注を収録する決定版「赤毛のアン」シリーズ、第3巻。

プリンスエドワード島を離れ、ギルバートとともにカナダ本土の大学に進んだアン。美しい自然のなかでの生活から一転、都会での暮らしにとまどいつつも、この町で新たな友を得、勉学にはげむ。何人もの青年に求婚されるなか、少しずつ大人の女性へと成長してゆくアンの18歳からの4年間を描きだす。

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赤毛のアン の一覧

1~8巻配信中 1巻へ 最新刊へ
1~8件目 / 8件
  • 赤毛のアン
    850円 (税込)
    美しいプリンス・エドワード島で愛されて成長していく少女アン。幸福感あふれる名作の日本初の全文訳。 訳文は、お茶会のラズベリー水とカシス酒、アンの民族衣裳、スコットランドから来たマシューの母など、モンゴメリの原作に忠実に、全文を、みずみずしく夢のある文章で訳した真実の物語。 巻末の訳註では、作中に多数引用されるシェイクスピア劇など英文学と聖書の句、スコットランド系アンとアイルランド系ダイアナなど登場人物の民俗、19世紀カナダの衣食住、キリスト教、草花とハーブをくわしく解説。 口絵には、リンド夫人が棒針で編むキルト、アンとマシューが初めて出逢う駅のモデル、マシューが愛するスコットランドの薔薇など、物語に描かれる品々や場所の写真を11点掲載。 松本訳の旧訳『赤毛のアン』の訳文と訳註を、全面的に改稿した新訳! 児童書でも、少女小説でもない、大人の心豊かな文学『赤毛のアン』。
  • アンの青春
    781円 (税込)
    日本初の全文訳・訳註付『赤毛のアン』シリーズ第2巻。 アン16歳、美しいプリンス・エドワード島で教師になる。 ギルバートとアヴォンリー村の改善協会を作り、マリラが引きとった双子をグリーン・ゲイブルズで育て、夢にむかって誠実に生きる。 新しい友ミス・ラヴェンダーの恋と結婚、「腹心の友」ダイアナの婚約、アンの新たな旅立ち……。 幸せな生き方をさわやかに描く、青春と希望の第2巻! アンが語る幸せな生き方 「一番幸せで心楽しい暮らしとは、華やかなこと、驚くようなこと、胸ときめくようなことが起きる日々ではなく、さりげない小さな喜びをもたらす一日が、今日、明日としずかに続いていくことなのね、まるで小さな真珠が、一つ、また一つと、糸からすべり出て行くように」 本書第19章より。 特徴1 日本初の全文訳 米国詩人ホィティアーの詩「丘のふところにて」に始まり、米国詩人ロングフェローが過ぎ去りし青春を追想する一節「遠い遠い想い」をアンが語る章に終わる、日本初の全文訳。 大人の心豊かな読書にいざなう文学の全容。 特徴2 巻末訳註付 作中に引用されるシェイクスピア劇と英米詩の古典、聖書の名句、主にスコットランド系カナダ人からなる登場人物の民俗、19世紀カナダの料理・菓子・手芸、暮らし、草花、プリンス・エドワード島の歴史、地理、社会、キリスト教、ケルトとアーサー王伝説など、全30章から257項目について、巻末訳註でくわしく解説。 特徴3 口絵写真と地図 プリンス・エドワード島で撮影した本作ゆかりの写真9点。カナダ東海岸と島の地図。 特徴4 あとがき 本作『アンの青春』を執筆中のモンゴメリ33歳の日記、作品の鑑賞、原題の意味などを紹介する訳者あとがき。 松本訳の旧訳の訳文と訳註を改訂した新訳! すがすがしい青春、2年間の物語。
  • アンの愛情
    770円 (税込)
    日本初の「全文訳」、英米文学や聖書からの引用を詳細に解説する訳注を収録する決定版「赤毛のアン」シリーズ、第3巻。 プリンスエドワード島を離れ、ギルバートとともにカナダ本土の大学に進んだアン。美しい自然のなかでの生活から一転、都会での暮らしにとまどいつつも、この町で新たな友を得、勉学にはげむ。何人もの青年に求婚されるなか、少しずつ大人の女性へと成長してゆくアンの18歳からの4年間を描きだす。
  • 風柳荘のアン
    800円 (税込)
    ●日本初の全文訳・訳註付『赤毛のアン』シリーズ第4巻 アン22歳、プリンス・エドワード島の港町で学校長となり、風柳荘(ウィンディ・ウィローズWindy Willows)に下宿する。 アンに敵対する町の有力者プリングル一族、冷淡な副校長キャサリン、隣家の孤独な少女「小さなエリザベス」に心痛めるも、アンの明るさと誠実さ、グリーン・ゲイブルズのうるわしさと住む人々の慈愛が、幸せな明日へ導く。 アンから、婚約者ギルバートへの恋文で綴る、幸せな3年間の小説。
  • アンの夢の家
    730円 (税込)
    日本初の全文訳・訳註付『赤毛のアン』シリーズ第5巻 アン25歳、グリーン・ゲイブルズの果樹園で、ギルバートと結婚。 フォー・ウィンズ(Four Winds)の海辺で、夢の家に暮らす。 運命に翻弄される美女レスリー、昔の恋人を想い続けるジム船長、男嫌いのミス・コーネリアと心を通わせ、迷える人々を照らす灯台となる。そして母になるアンの喜びと哀しみ、永遠の別れ……。人を愛する心の尊さを描く大人の傑作小説。
  • 炉辺荘のアン
    880円 (税込)
    日本初の全文訳・訳註付『赤毛のアン』シリーズ第6巻 アン34歳、美しい村の炉辺荘(ろへんそう)に暮らす。 三男三女のわが子に慕われる母の喜び、医師の夫ギルバートを愛し愛される妻の幸せ、平穏な日常を生きる安らぎ、子どもたちの成長と冒険 。モンゴメリの生前最後に刊行された、記念すべき愛の傑作。 ●アンの幸せな生き方 「普通の日というものはないのよ。どんな日も、ほかの日にはない何かがあるんですもの」 『炉辺荘のアン』第3章 ●特徴1-日本初の全文訳 ●特徴2-巻末訳註で、約530項目について解説 ●特徴3-口絵写真11点と地図2点 ●特徴4-あとがき……小説をより深く味わうために
  • 虹の谷のアン
    800円 (税込)
    日本初の全文訳・訳註付『赤毛のアン』シリーズ第7巻 アン・ブライス41歳が家族と暮らす美しい村に、新しい牧師一家がやって来た。妻を亡くした美男子の牧師と母のない子どもたち。彼らは、家なき子メアリ、ブライス家の子どもたちと「虹の谷」で幸福にすごす。中年男女の恋も芽ばえる。第一次大戦が影を落とす前の平和な時代を描いた長編小説。アン・シリーズ中の異色作。 ●タイトルの「虹」 虹は、夢のように美しく楽しく、しかし永遠ではなく、いつか消えていく。本作では、プリンス・エドワード島の緑豊かな「虹の谷」ですごす子どもたちの無邪気で愉快な少年時代、少女時代と、その終わりを伝える。 ●特徴1-日本初の全文訳 米国詩人ロングフェローの詩「失われし青春」の一節に始まる日本初の全文訳。モンゴメリは献辞で、彼女が暮らす村から第一次大戦の欧州戦線へおもむき、命を落とした三人の兵士に本作を捧げた。日本で初めて原書の全文を訳したカナダ文学。 ●特徴2-訳註付。作中の約400項目について解説 作中に多数引用される聖書の名句とキリスト教、シェイクスピア劇や英詩などの英文学、不可思議な伝説(さまよえるユダヤ人、プレスター・ジョン、聖杯伝説)、料理、衣服、植物、歌、踊り、諺、カナダの歴史と戦争など、小説に描かれる約400項目についてわかりやすく解説。モンゴメリ文学の奥深い魅力を楽しむ。 ●特徴3-口絵写真10点、地図2点 カナダ、米国、スコットランド、ドイツで訳者が撮影した本作ゆかりの写真10点(プリンス・エドワード島の虹の谷のモデル、フォー・ウィンズの内海、モンゴメリが本作を書いたオンタリオ州の牧師館、ドイツのハーメルンで「笛吹き」が歩いた通りなど)。プリンス・エドワード島北海岸とカナダ東部の地図付。 ●特徴4-くわしい訳者あとがき……小説をより深く味わうために 一、モンゴメリの十冊目の単行本『虹の谷のアン』、主人公はメレディス牧師一家 二、『虹の谷のアン』のエピグラフは、米国詩人ロングフェローの詩「失われし青春」 三、牧師館の子どもたちとメアリ・ヴァンス~名作『ストーリー・ガール』を踏襲 四、魅惑の虹の谷のモデル、魔法がかかった泉 五、中年男女二組の恋~「白魔術」の出逢い、昔の恋人との再会と愛の復活 六、「ハーメルンの笛吹き」~若者たちを戦地へ連れていく「笛吹き」、近づく戦争の影 七、第一次大戦中に執筆された『虹の谷のアン』、モンゴメリ日記より 八、アンの明るく誠実な心、アンの幸せの在りか ●美しいカバーと装丁 本作に登場するドイツの伝説「ハーメルンの笛吹き」。地模様のかえでの葉は、やがて戦地へむかうカナダの青年たち。風にゆれて死者の魂がそよぐ黄水仙、長靴下(ストッキング)。
  • アンの娘リラ
    1,001円 (税込)
    日本初の全文訳・訳註付『赤毛のアン』シリーズ完結の第8巻! アン48歳、第一次大戦が始まり息子3人が兵隊として欧州の戦場へ。 出征を見送り、激戦が報じられる不安な日々、赤十字の活動をして、家族の無事を祈る。 そして悲劇、感涙の復員。アンの娘リラの視点で描く戦争と銃後の暮らし、リラの成長と甘い恋。 日本初の全文訳・訳註付アン・シリーズ完結の第8巻。 地図、写真、年表入り。 ●特徴1──日本初の全文訳 ●特徴2──巻末訳註で、作中の約590項目を解説 ●特徴3──口絵写真10点と地図2点 ●特徴4──あとがき……小説をより深く味わうために ●特徴5──付録の年表

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アンの愛情 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    赤毛のアンシリーズの3作目!アンがレッドモンド大学に入学してからの学生生活のお話です。新しく登場するフィルは大学の同級生でとてもユーモラスな女の子です。パティの家で暮らす、アン、フィル、プリシラ、ステラの4人とお手伝いに来てくれるジェイムジーナおばさんとの5人の話がとても面白いです。パティの家は、レッドモンド大学の近くの通りにある、ミスパティが住んでいた家です。ミスパティが世界旅行に行くので家を貸し出そうとしていたところを5人で暮らそうと考えていたアンが見つけます。ミスパティとアンはすぐに意気投合して貸し出してもらえることになります。とても楽しい学生生活だと思いました。表紙に描かれている二匹の犬はパティの家に置かれている陶器の犬です。私はこの犬たちが大好きです。そして、この本で一番重要なのがアンが誰と結ばれるのか、です。ぜひ読んで、誰がアンと結ばれたのか確かめてみてください!

    0
    2025年10月04日

    Posted by ブクログ

    第3巻もとてもよかったです!
    アンが大学に進み、都会に暮らす18歳から22歳までの4年間が描かれています。新しい友達や、男性からの求婚など多くの経験を積みます。
    アンの恋模様には読み手の私も胸が締め付けられました。ラストシーンは感動しました。
    ぜひ読んで頂きたい一冊です!

    0
    2023年03月18日

    Posted by ブクログ

    ギルバートと想いが通じて本当に良かった!とマリラとリンド夫人と一緒に安堵しました笑。しかし男の人に対するアンの態度はいっそ残酷にも思えるけど、当時からしたらそういうもんなんか…?

    0
    2021年07月03日

    Posted by ブクログ

    松本侑子新訳版アンシリーズ第3巻。
    原題は『Anne of the Island』。1915年の作品。

    アンがアヴォンリーを離れ、カナダ本島のレッドモンド大学で過ごす4年間の物語。
    アンのモテ期到来。4年間で5人に求婚されます。恋バナも多くて、シリーズの中ではいちばんキャピキャピしたストーリーではないでしょうか。第2巻よりこちらのほうが『アンの青春』のタイトルにあっている気がして、昔からあれ、どっちがどっちで、順番はどちらが先?と混乱します。
    私もレッドモンド大学に通って、パティの家に住んで、墓地や海岸公園を散策したい!と憧れました。

    解説によるとモンゴメリはレッドモンド大学のモデルになったハリファックスのダルハウジー大学で講義を受けていますが、学費が続かず1年間しか通っていません。アンの4年間というのはモンゴメリ自身の願望なんですね。

    解説ではキングスポートのモデルとなったハリファックスについて詳しくガイドされているのでGoogleマップで実在の墓地公園、海岸公園、ダルハウジー大学、パティの家があるスポフォード街のモデル、ヤング街などを聖地巡礼しながら読みました。Googleマップで見ても美しい港町です。

    パティの家に一緒に住むのはクィーン学院の同級生だったプリシラ・グラント、ステラ・メイナードと、新しい友フィリッパ・ゴードン。
    一方でアヴォンリー時代の同級生ダイアナとジェーン・アンドリューズは結婚、そしてルビー・ギリスは若くして亡くなります。だからということもあるのでしょうけれど、少女時代が永遠に去ってしまったことを嘆く場面がいくつか印象的でした。

    「そしてアンは胸につぶやいた。あの懐かしく、愉快な日々に帰りたい。かつて人生は、希望と夢想からなる薔薇色のかすみのむこうに見えていた。そして今となっては、永遠に失われた名状しがたい何かをはらんでいた。それはいったいどこへ行ったのだろう──あの輝きと夢は。」

    そのほかアヴォンリー周辺の町についても解説をもとにGoogleマップで距離を整理してみました。
    (馬車の速度は天候などにもよるようで諸説ありますが時速10kmで計算。)

    ・アヴォンリー
    キャベンディッシュがモデル

    ・カーモディ
    スタンリーブリッジがモデル
    キャベンディッシュから6.9km(車で6分、馬車で42分)
    『赤毛のアン』の後半あたりに駅ができるが小さな駅。

    ・ブライト・リヴァー
    ハンター・リヴァーがモデル
    キャベンディッシュから16.4km(車で15分、馬車で1時間38分)
    『赤毛のアン』でアンが降り立った駅。

    ・シャーロットタウン
    キャベンディッシュから37km(車で36分、馬車で3時間42分)
    クィーン学院があるプリンス・エドワード島の州都。

    ・キングスポート
    ハリファクスがモデル
    キャベンディッシュから250km
    『アンの愛情』ではシャーロットタウンから船で向かって1日かかって到着。

    こうやってみるとキャベンディッシュは本当に田舎なんですね。鉄道は1989年に廃線になってしまったそうです。いつかグリーンゲイブルズに行ってみたいと思っていましたがシャーロットタウンからはレンタカーやツアーを利用するほか交通手段がないようです。

    「それに、都会を舞台にして、金持ち連中なんぞ、書くべきじゃなかったよ。やつらの何を知ってるんだ。なぜここアヴォンリーを舞台にしない……もちろん、地名は変えにゃならんよ。さもないと、レイチェル・リンドが、自分がヒロインだと思いかねないからな」

    以下、引用。

    21
    「行きたくないなら、行かなくてもいいじゃないか。大人なんだから。ぼくが大きくなったら、したくないことは一つもしないよ」
    「そのうちわかるわよ。人は、生涯を通じて、やりたくないことをしているの」

    32
    「この森は、今、幽霊が漂っているの……昔の思い出という幽霊よ」
    「昔、ここで遊んでいた小さな女の子のダイアナと私が、今もいて、夕方、《木の精の泉》のほとりに腰かけて、おばけたちと、ひっそり会っているような気がするわ。」

    42
    「このかいわいは、もとは地位のある人たちの『お屋敷町』だったの。でも上流の人たちがセント・ジョン通りから離れて、通りの家々は、今は、古き良き日々の夢を見ているんだわ。」

    55
    「今朝、大学で見かけた女子のなかで、いちばんきれいだったわ」
    フィリッパのゆがんだ口もとに、魅惑の微笑がほころび、小さな白い歯がのぞいた。
    「私もそう思ったわ」

    56
    「だけど、プリシラも私も、見た目には自信があるから、保証してもらわなくても、大丈夫、お気づかいは無用よ」

    63
    「今日の午後、心の小さな根っこを、キングスポートの土におろしたのね。そう願いたいわ。いつまでも植えかえられたままの気持ちでいるのはいやだもの」

    65
    さらにギルバートは、「ラムズ」入会にも誘われた──学友会ラムダ・シータを、レッドモンドでは短く縮めて、こう呼びならわしていた。
    入会にあたっては、あらかじめ厳しい試練があり、キングスポートの目抜き通りを、婦人用の日よけ帽(サンボンネット)をかぶり、派手な花柄木綿(キャラコ)のゆったりした料理用エプロンをかけて、丸一日、ねり歩かなければならなかった。

    73
    合衆国は恐ろしいとこにちがいないので、アンが行かないよう願っています。それにしても、当節の娘さんが世界中をうろつきまわる様子といったら、ぞっとします。あちらこちらをさまよい歩いたヨブ記の悪魔(サタン)を思い起こします。神様は、そんなおつもりで娘たちをお創りにならなかったはずですよ、まったく。

    80
    「この静けさは、祈りのようね」

    81
    彼にしてみれば、かたわらをゆく生き生きとして喜びにあふれた娘に、悲しみなど結びつけられなかった。至高の高みに飛翔する者は、どん底のきわみにも沈みこむこと、また幸福の絶頂を心ゆくまで味わう者こそが、悲哀を身にしみてこうむることを、彼は知らないのだった。

    83
    「あの通りには、小さくて、どうにかなりそうなくらいすてきな家があるの、アンに見せたいわ。百万長者が建てたんじゃないのよ。
    スポフォード街が、まだ田舎道だったころ、自然に生えたにちがいないわ。生えてきたの……建てたんじゃなくて!」

    87
    「キルティング・パーティに、一、二回出て、おしゃべり好きなおばあさんたちが、面とむかって、あるいは陰にまわってアンの噂話をするのよ。」

    94
    「そうらしいね」マリラが答えた。「ルドヴィックはこの先も通うようだが、あんな求婚のしかたじゃ、この先も進まないと、世間は、あきらめているよ」
    「私がセオドーラなら、もうちっと男をせかすんだがね、まったく」リンド夫人が言った。たしかにこの夫人なら、間違いなくせきたてるだろう。

    132
    「夕焼けの空へ、ポールが作文に書いた月光の小舟をこいで行けたらいいのに」
    「そこには私たちの過去が、すべてあるのよ……遠い日の春と花たちのすべてが。ポールが夕焼け空の国で見た花壇には、かつて私たちのために咲きひらいた薔薇もあったのよ」

    146
    「それに、都会を舞台にして、金持ち連中なんぞ、書くべきじゃなかったよ。やつらの何を知ってるんだ。なぜここアヴォンリーを舞台にしない……もちろん、地名は変えにゃならんよ。さもないと、レイチェル・リンドが、自分がヒロインだと思いかねないからな」

    171
    「だって……その……何も、天国に行けないことを恐れてるんじゃないのよ。私は教会の信者だもの。でも……天国は、こことは全然違うでしょう……そう思うと……こわくなるの……それに……きっと……ホームシックになるわ。もちろん天国はきれいでしょうよ、聖書に書いてあるもの……でも、私が慣れ親しんだところじゃないわ」

    190
    すると、「お隣」の人づきあいの悪い老百万長者が、赤と黄色の派手な「チューリップパターン」のキルトを買いたいと言って来た。リンド夫人がアンに贈った一枚だった。なんでも、おっかさんがよくこんな刺し子(キルト)を縫っていたので、思い出のよすがに、何としてもほしいと言うのだ。

    202
    「悪魔というものは、そんなにみにくくないものですよ」ジェイムジーナおばさんが考え深げに言った。「もしみにくい悪魔がいたなら、たいした悪さはしません。私が思うに、悪魔は、ハンサムな紳士の姿をしているのですよ」

    216
    「十代は、人生のすてきな季節ですからね。もっとも、私から十代が去っていったことは、一度もありませんよ、嬉しいことに」

    217
    「『シルク』とか『レース』という言葉には、魔法がかかっていますね。言葉の響きだけで舞踏会に飛んでいきたくなるわ。」

    218
    「フィルったら、どんなに自分がきれいか、本当にわかっているの?」アンはつくづく見とれた。
    「もちろんわかってるわ。姿見と男性たちは、何のためにあるのよ。」

    223
    「どうしてまじめでなくちゃいけないの? そんな人は、はいて捨てるほどいるわ。世間には、私みたいな人間も必要よ、世の中を楽しませるのよ、みんながみんな、知的で、まじめで、深刻ぶって、死ぬほど本気だったら、世界は恐ろしいことになってるわ。」

    229
    「アンったら、自分の目で愛を見ているのに、わからないのね。愛とはこういうものだと想像のなかで創りあげて、現実の愛もそんなふうに見えるはずだと思いこんでるのよ。」

    234
    「お父さんんは不器量だったが、気だてのいい人でね。二人が一緒になったときにゃ、みんなして言ったもんだよ。あんなに愛しあってる夫婦はまたとはいまいって……かわいそうにね、長く生きられなくて。だけど、生きてる間は、そりゃあ幸せだったからね。それがよっぽど肝心だよ」

    238
    「一年は一冊の本よ、そうでしょ、マリラ。春のページは、メイフラワーとすみれでつづられているの。夏は薔薇、秋はかえでの紅葉、冬は柊と常緑樹よ」

    258
    「どんな人でも、足にリウマチをわずらいます。ただ老人は、心にリウマチをわずらうんです。」

    267
    「だから私、考えてるの。嘆き暮らして死ぬか、それとも勉強をつづけて文学士号をとって、分別のある立派な人になるか」
    「分別のある立派な人には、なれそうもないから、嘆き暮らして死ぬほうがいいわよ」
    アンは冷たく答えた。

    280
    「いつも六月の世界に生きたら、どんな感じかしら」
    「そんな世界は飽きてしまうよ」マリラがため息をついた。

    288
    「おばさんは、大事にしてきた『煙草縞』の棒針編みのベッドカバーを一枚、ダイアナにくださったでしょ。私も結婚したら一枚くださるそうよ」

    292
    アンは笑い、それから吐息をついた。自分が年齢を重ね、常識をわきまえ、賢くなったように感じられたのだ──もっとも、それがアンの若さの証だったが。そしてアンは胸につぶやいた。あの懐かしく、愉快な日々に帰りたい。かつて人生は、希望と夢想からなる薔薇色のかすみのむこうに見えていた。そして今となっては、永遠に失われた名状しがたい何かをはらんでいた。それはいったいどこへ行ったのだろう──あの輝きと夢は。

    335
    とにかく、娘は言ったものです。私のモットーは、『自分の葬式で読みあげられて恥ずかしい文章は一行たりとも書くなかれ』とね。アンも、文学の方面に乗り出すなら、これをモットーになさい。」

    345
    「ただし、分別も充分に身についたかどうかは疑わしいですよ。もちろん期待などしていません。分別というものは、経験をつんでこそ身につくのです。大学で学ぶものではありません。大学に四年通ったみなさんと違って、私は大学へ行っていませんが、お嬢さん方よりも、よほど分別がありますよ」

    353
    「私はこの家に、私の夢とあこがれを残していくわ、次に住む人を祝福するために」

    そうした古い夢の数々は部屋に残り、漂うのではないだろうか……喜び、苦しみ、笑い、泣いた部屋から永久に去っても、そこに暮らした人の何か、つまり手にふれることも目にすることもできないものの、その人らしい何かが残るのではないだろうか?

    371
    『私はこの世界を出ていった──だがもはやそれは
    あのころ帯びていたロマンスの色をまとわない』

    アンはため息をついた──しかし、世界はロマンスをうばわれた!という考えに、ロマンスをおぼえ、すぐさまかなりのところ慰められた。

    410
    モンゴメリが本作を執筆する前の1912年、イギリスの豪華客船タイタニック号がカナダ東海岸沖合いで氷山と衝突、国際的に決められた無線の救難信号SOSが、このとき初めて発信され、受信したハリファクスから救助船が現場へ急行した。ハリファックスには犠牲者の墓地がある。

    435
    『アヴォンリー物語』(1911)(原題 Chronicles of Avonlea)の一話「奮いたったルドヴィック」

    0
    2024年01月10日

    Posted by ブクログ

    大人になるのは少し寂しいけれど、素敵なことだと感じることができる作品でした。

    巻末の訳注を読みながら読みました。
    一巻、二巻とは少し違う感じがしましたが、訳者あとがきを読んで、書いた当時のモンゴメリの成長による違いなのかなと感じました。

    0
    2022年05月20日

    Posted by ブクログ

    アンの恋愛面でのうじうじしたところというか、
    綺麗事のようなことを言って相手を振り回したり、傷つけているところに若干引いてしまってアンシリーズの中でこの本はあまり好きになれなかった、、

    夢見すぎているところにイライラしてしまった。

    ギルバート可哀想っていう思いが強くて物語を楽しめなくなってしまってきたので私のアンシリーズはこちらの本にてお別れ。

    0
    2025年09月27日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    第3巻では、新しい友達との出会いや、地元の仲間との別れ、親友の結婚など、アンのまわりでさまざまな事が起こる。そして物語のラストでは、ついにギルバートとの関係に大きな転機が!彼の変わらぬ想いに、胸が熱くなった。
    この巻を読んで心に残ったのは、アンが大学で学んだという考え方。「小さな困難は、笑いのたねとみなすこと、そして大きな困難は勝利の予兆と考えること」。アンらしい前向きな姿勢に、励まされた。

    0
    2025年07月17日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    『赤毛のアン』シリーズ3作目、大学時代のアンの話です。
    お金持ちで美人だけど愛すべき人物のフィルや、パティの家で家事をしてくれるジェイムジーナおばさん、そしてアンの理想の恋人ロイ等々、新たな人物も登場し、アンの周りは賑やかです。
    アンに好意を抱いていたギルバートの想いは報われるのか、ドキドキの展開です。

    0
    2021年10月30日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    『本屋さんのダイアナ』の序盤で「赤毛のアンが面白いのはアンの青春まで、アンの愛情は恋愛ばっかりで面白くない」と主人公の少女たちが話していたが、そう話すのも分かる気がする。

    2作目までの雰囲気とかなり異なる、大人のための作品である。

    アヴォンリーの人々はこれまでよりあまり出てこず、
    親友のダイアナも結婚して忙しくなり、
    アンも次々と求婚される。

    今までおとぎ話のように素敵だったのに、この作品は現実を見せつけられる。
    (とはいってもアンのコミニケーション能力が素晴らしいので大体都合よく事が運ぶ。うらやましい限りである。)

    子供の頃の甘い空想と、幻滅。
    アン自身もそこに悩む。
    だからギルバートへの愛に気付けず、一度は彼の求婚を断ってしまうのだ。
    友達としては良い、一緒にいて楽しい、でもそれ以上のものは求められたくない。
    一方で、彼が他の女の子といるとキリキリしてしまう…
    彼を失うと思うと怖い。
    そしてようやく愛情に気づくことができたのだ。

    この作品は、空想好きなアンが、いかに現実を受け入れて大人になるか、その成長過程が描かれている。
    現実は空想とは違うが、それはまた良いものである。


    ■お気に入り登場人物
    ディビィ:2作目でマリラとアンが預かった双子の一人。いたずらっ子。ぼく知りたいな。と、ずけずけ聞いてるのが可愛過ぎる。現実にいたら手を焼くんだろうなぁ。ちなみに、皆んながもう一人の双子、ドーラのことをあまり気にかけてないのが気になってしまう。良い子だし、大体は被害者なのでケアしてあげてほしい。ドーラ回も今後あるのかな……?

    フィル:レッドモンド大学の同級生。新キャラ登場。すごい美人で、マンガにいそうな天真爛漫。友達になりたいなぁ。

    0
    2021年10月29日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ちょうど自分の年齢的に感じる、友人の結婚や大人になってしまった喜びと切なさが書かれていて読んでいて胸が締め付けられた。途中、アンにハラハラしたけど、ちゃんと自分の気持ちに気づいてよかった!本当にアンが頑なでどうなることかと思った。私、フィルがかなり好きだな~。続きに期待!

    0
    2019年11月15日

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