松本侑子のレビュー一覧
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12年待ちましたですよ、侑子さんのアン・シリーズ第4巻を。記憶もかなり薄れたけど、そう、アンのあの「想像の余地」がサマーサイドの景観や風土を多彩な風に乗せて届けてくれる。しかしウインディー・ウィローズの周りは、なんてやっかいな人であふれているのか。攻撃的、卑屈性、自信家、皮肉屋、自閉症、主張癖を備えた老若男女が、よくもまあ次々とアンを襲う。いくらアンでもさすがに今回はと案じるが、レベッカ・デューの思いに違わずアンに解決できないことはないのか。ただ、テディ・アームストロング坊やはあまりに可哀そう。アンも神ではないのだし。シリーズは続くようなので、楽しみに次を待ちたい。
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ネタバレ『赤毛のアン』シリーズ2作目
相変わらず訳が読みやすい。アンが間違って牛を売っぱらってしまったり、鼻に化粧水と間違えて赤い塗料を塗ってしまうところは笑った笑った。
マリラが引き取った双子のデイヴィのいたずらっ子ぶりには驚かされる。それに対してドーラはとてもいい子なのに、みんなにおもしろみがないと言われていてちょっと可哀想だなあ。でも手のかかる子ほどかわいいと昔から言うしなぁ……。
ハリソンさんにポールにミス・ラヴェンダー、シャーロッタ四世と、今作で新たに登場した人物もそれぞれに魅力があってよかった。特にミス・ラヴェンダーの恋の結末は少女漫画みたいで、なんてロマンティックなの……!
あと思ったのは、1作目のラストでせっかく仲直りしたのに、ギルバートの影が薄いな? 普段はアヴォンリーじゃなく、ホワイト・サンズにいるから仕方ないけれども。いや~、1作目のギルバートが不憫すぎて好きになっちゃって。次作『アンの愛情』で同じ大学に行くから、いやでも登場回数が増えるよね?
さて、3作目ではどんな人たちに出会えるかしら? 楽しみ楽しみ。 -
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ネタバレ松本侑子 著「引き潮」、2004.9発行。赤萩の家、帰郷、お湯が入るまで、花と蜜蜂、葉桜、引き潮など味わい深い9つの短編が収録されています。著者は、年上の女性に魅かれる男性、年上の女性に愛される若者の描写が上手と思いました。引き潮は結婚してる45歳の女性に死別した妻を重ねる45歳の男性の物語です。
松本侑子「引き潮」、2004.9発行、独立短編9話。①「花と蜜蜂」:夫婦は、ありきたりの所帯の言葉をかわしながら、甘すぎる密ではなく、温いお茶のように、たがいを潤して生きていくのだから。②「葉桜」:観音崎へ着いたら、海辺を散歩して、二人で東京湾をゆきかう大型船を眺める。ランチは観音崎ホテルで。③「山里にて」と「引き潮」は、余韻が残る、とても味わい深いラブストーリーでした。 -
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1987年「巨食症の明けない夜明け」で、すばる文学賞を受賞して以来、小説、翻訳、エッセーに多彩な活動を続ける松本侑子さんの性愛小説集です。
収録された5本の作品の内で最も注目したいのは、新宿の女装世界の伝説的な恋物語を小説化した「女装夢変化」。
昼間は大手出版社の編集者で夜は新宿でアバンチュールを楽しむ美人女装者マミを主人公に、彼女とへテロセクシュアル(異性愛者)の男性、呉服屋の若旦那との出会いと恋を、激しく鮮やかに描いた作品です。
ストーリー展開の魅力もさりながら、この作品の特色は、女装者の生態と心理、へテロセクシュアルの男性と女装者との微妙な関係が実に的確に描かれていること。とりわけ、マミが若旦那のペニスを受け入れるシーンのリアリティあふれる詳細な描写は、この作品の最大の見せ場でしょう。
作者の松本侑子さんは、ホームページに「女装のお部屋」を設置し、女装の男性が大好きで、ご自身も女装者のように過剰に女性的に装うことが好きとおっしゃる方です。そうした作者ならではの女装者への深い理解と綿密な取材が、この作品の豊かなリアリティを生んだのだと思います。
併載の「初恋」も男女の性差が限りなく小さくなった未来のジュエンダーフリー社会をイメージ化したユニークなSF作品です。ぜひご一読ください。 -
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これはあの「赤毛のアン」シリーズ完訳で有名な松本侑子さんの本です。
私のように小さい頃からたくさんの本を読んで育った人には本当に嬉しいくらい、懐かしい世界中の名作と、そこに登場するお菓子。
そして、児童文学を研究されている方にはその他社会的、歴史的…実に様々な視点からその作品を解説してくれています。
この本を読んでみたら絶対に昔懐かしいあの作品がもう一度読みたくなるはず。そして、読み終えたらあなたもあの登場人物のように美味しいお菓子の虜になっていることでしょう。
ここに登場するお菓子はどれも、その国では昔から伝統的に受け継がれている、懐かしい母さんの味ばっかり。きっと数々の名作を書いて来た作家さんたちもそういう家庭に育ってきたのでしょうね。
私としては卒論に選んだ「DADDY-LONG-LEGS」が載っているのが嬉しかったです。当時どこを探しても参考文献を見つけることが難しく、なぜかわが校では私の卒論が参考文献になっているそうなので…(本当に役立っているのでしょうか…適当な事ばっかり書いていて…在校生のみなさま、ごめんなさい)。
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物語の中の食べ物って、どうしてあんなにおいしそうなんでしょう。
誰でも一度は経験があるのではないかという、物語の中のおやつへの憧れ。
そんなものが、ぎゅっとこの一冊に詰め込まれた感じの素敵な本です。
お馴染み「ぐりとぐら」のかすてら(!)、「赤毛のアン」の木苺水、
「あしながおじさん」のレモンゼリー、「小公女」のぶどうパン、などなど。
様々な物語の中のおやつのレシピ(だけでなく)、写真や、
物語の背景や食文化、時代などについても書かれたエッセイもあり、
単に「おやつを作って、はい終わり」ではなく、それぞれの物語について、
もっと深く知ることが出来るという内容になっていて、とても興味深いです。
目的がたとえおやつを作ることでなくても、十分に楽しめる本だと思いますよ。 -
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ネタバレアンからギルバートへの手紙という読ませ方が斬新。と思ったら書いた順番としてはずいぶん後になるんだそうですね。つまりもともとは4巻じゃなかったと。3巻と4巻の間に食い込ませようと20年後くらいに思った(?)ってのも今っぽい。エピソードゼロみたいな。
つまりは熟練度も増しちゃったせいかこれまでの3巻とは違ってポップさが薄れ重厚感がありました。それは今後のアンとギルバートの関係に理由があるのかどうか。今回も松本さんの熱意の伝わる作りとなっていましたが、危うくネタバレするところでしたよ。
この巻では結婚がかなりフィーチャーされていました。これも次巻を意識しているのでしょうね。そして今巻もアンのお節介が炸裂。だいたいはマルくおさまるんだけれど、あの若いカップルを別れさせようとしたのは失敗だよねぇ。ああいう娘っ子は「そーそー、うん、うん」って聞いてりゃいいのにな。まぁいつもうまくいってもね。
にしても素晴らしい人間ドラマ。ほとんど『細雪』レベルでハマっています。これは読む時間がある人はぜひ読んでほしいシリーズだわぁ。
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ネタバレおお、もうマリラの影が薄い。リンド夫人のが登場回数多いんじゃ? というか大学生活ですね。こっちのが青春っぽいけれど、ね。なるほどこの年頃だともう結婚問題かぁ。が、なぁ、男たちも男たちだけれど、アンも大概にせぇよって感じ。
話はまったく関係ありませんが、翻訳者さんの生活がなかなかに大変だというお話を聞きました。まぁ漠然と生きている者の常としてそういうところにまで思いがいたることはないわけですが、当たり前に訳者さんたちにも生活があるわけでね。
しかしそれを思うとこれもう本を訳すってエーアイの仕事そのものじゃない? というか仲介仕事はほぼエーアイが出来ちゃいそう。物語だってエーアイが作っちゃいそうだし。まぁ時代の流れとはいえ、ね。松本さんのような熱量のある訳者さんに続く者が今後現れるのかどうか気になってしまいました。