桑田健のレビュー一覧
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ネタバレヒマラヤ、デンマーク、そして南アフリカで進行していくそれぞれの事件が、やがて1つの落としどころに向かって収斂していく様は実にダイナミックで、清々しい気分になるぐらい上手くまとめられている。
シリーズ第2作にしてすでに、シグマフォースというチームの持つ魅力が存分に描かれており、また肝心のストーリーについても、前作より完成度は高いと感じた。
特に第1作の「マギの聖骨」は、キリスト教的素養を下地として持たない大多数の日本人にとっては少し難解な部分もあったが、今作はナチスに関する最低限の知識があれば十二分に理解可能なプロットとなっているので、そういった意味でも味わいやすい。
物語のヤマ場で量子論を恋愛感情に転化してしまっているある種のご都合主義だけはちょっと…と正直思わないでもないが、辻褄合わせを含めたディテールの技術も確かで、高レヴェルのエンターテインメントに仕上がっている。 -
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ジェームズ・ロリンズのシグマフォースシリーズ第3弾。
ユダの菌株という封印された細菌によって、バイオハザードの恐怖にさらされた世界、っていう設定。
アクションの連続で楽しく読めますね。
最後にカンボジアのバイヨンが出てきます。
大学時代1994年に訪れた場所で、感慨深い。
その年はUNTACによる選挙で新政権ができた1993年の翌年。
まだクメール・ルージュの残党がうようよしている時に、その拠点に近い北部に行っていたのだから、今から考えると後先考えない馬鹿野郎そのものですね。
しかも、当時の彼女が付いていきたいとせがむのを断れず、あんな危険地帯に連れていき、案の定戦闘に巻き込まれてしまう始末。シェムリアップの街が夜中にクメール・ルージュ残党の急襲に会い、ホテルで叩き起こされたまま朝まで裏山の草むらで過ごしたことは忘れられない思い出だにゃー。
ほとんど観光客がいないなか、彼女をホンダカブの後ろに乗せてカンボジアの田んぼを見ながらバイヨンまで行きました。このバイヨン、その2年前の1992年に世界遺産登録されたばかりで、当時はまだユニセフによる修復前。鬱蒼としたジャングルの中にポツンと佇むバイヨンは、遺跡の石積みの間から木々が生えている状態。人面の巨石や芸術的なレリーフがジャングルの中にある違和感に圧倒されたものです。
おっと、本著と全く関係の無い話になってしまいました。
バイヨンが謎の鍵になっていて、面白く読みました。 -
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読んだ本の感想を最近めっきり書かなくなってしまってます。
特に感想を書くまでもない本ばかり読んでいるためなのですが、書かないことが癖になってはいけないので、反省してこれからはちゃんと書いていこうと思います。
単純なアクションムービーを本にしたような作風で有名な著者の作品を一度読んでみたく、著書の作品を5作まとめて購入しました。
本著はその1作目。
「博士号を持ったグリーンベレー」だったかなんだか忘れたけど、専門知識を有した科学者に軍事訓練を施したチーム「シグマフォース」がいろいろな事件を解決していきます。
ありきたりな勧善懲悪物語で、悪の秘密結社と正義のチームが戦いを繰り広げる展開。
いかにもアメリカ的な単純な善悪二元論なのだが、そのコテコテスタイルが単純アクション映画ばりに面白い。
ピンチからの逆転、危機からの脱出、平穏から危機といった構成をスピード感たっぷり描写。
時間軸と平面軸をクロスさせながら交互に書くあたりの手法は、映画さながら。
歴史、宗教、生物学、医学、考古学などの専門知識もたっぷり、超常現象のフィクションも織り交ぜて、読み飽きない展開です。
1作目の本著はアメリカ、イタリア、エジプトとあちこちらを飛び回り、キリストやらアレキサンドロスのことやらをホニャララしていってます。
何かを学ぶために本を読むことばかりしていたので、こうやって肩の力を抜いて読める本はリラックスできますね。 -
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シグマフォースシリーズ、3作目。
マルコポーロの「東方見聞録」で語られなかった空白の期間を、「ユダの菌株」という未知の疫病と絡ませて解き明かす。
「東方見聞録」に秘められた歴史的ミステリ、天使の文字やアンコールワットに隠された歴史暗号に、バクテリアや疫病に関する自然科学的要素が加わって、今作も盛りだくさん。興味が尽きず、面白く読めた。最終的に、非科学的というか、神秘的な方向で結末を収めてしまうのはウーン、、、という気もするが、まぁ、生命の誕生自体、神秘的なところがあるのは否定できないし、、、、無理矢理納得せざるを得ないかな。
主人公のグレイはもちろん、周りの人物も魅力的なキャラが出揃ってきて、ますます面白くなってきた。皆が皆、魅力的で、誰に入れ込んでいいのか悩むくらい。そして、モンクにセイチャン!!この二人のそれぞれの行方が気になりすぎて、次作を読むのが待ち遠しくて仕方ないデス。 -
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ネタバレ上巻と同じく、銃撃戦やトラップに引っかかるなどのアクション場面はさほど緊迫感が感じられませんでしたが、事件の真相に関わる謎が解き明かされていく場面はかなり興味をそそります。
そして歴史的史実の真実、特にケルト神話のフォモール族と黒い聖母の正体については、現実にそのような説があることを知らなかったので、かなり驚きました。
前作で惹き込まれかけた人間関係部分については、下巻ではセイチャンの切ない気持ちが痛々しい。辛い過去を背負った彼女に感情移入してしまったのですが、彼女が望む幸せを手に入れるのは期待できない模様で残念。
あと、ある人物の裏切りはまったく予想していなかったので、これもビックリ。その人物の裏に存在する組織を気にさせる形で本作は終了するので、機会あったら続きを…て、これが最新作だから、続きが出るの大分先なのか… -
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シグマフォースシリーズ第三弾
現代の南太平洋で発生したなぞの疫病をヴェネチアへの帰途でマルコポーロ船団を襲った悲劇を検証することで明らかにしていく。ユダの菌株を利用し世界を支配しようと目論む闇の集団ギルドvsシグマの構図。今回はギルドの工作員セイチャンがグレイに手を貸し、歴史的側面からマルコポーロの秘密を探る。またもう一方でクリスマス島での疫病調査に派遣されたリサとモンクはギルドの科学チームに船を乗っ取られてしまう。疫病のメカニズムに迫ったリサとマルコポーロの謎を追跡したグレイはアンコールトムのバイヨン寺院に辿り着くが…。グレイの両親がギルドに拉致されたことで動きがとれなくなったグレイと患者や仲間を人質にとられペインターに援助を求められなったリサ。ついにはモンクが、自ら命を投げ打ってリサとスーザンをライダーに託すのだが、物語の最後でモンクの生存を予感させる描写がでてくる。そして、セイチャンの衝撃発言は本当なのか、次回以降に請うご期待。テンポも良くマギの聖骨より面白かった。でも疫病の発生と拡散については映画で似たようなのあったとた思う。 -
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ネタバレシグマフォースシリーズ第0弾。なぜ「0」かというと、邦訳第1弾『マギの聖骨』より前に書かれた作品だから。グレイやモンクなど現在のメンバーは登場せず、まだ司令官になる前のペインター・クロウが主人公として活躍し、敵対組織「ギルド」と戦う。舞台や設定は共通であるものの、「マギ」以降のシリーズとは関連が薄く、今までずっと未訳のままだった。
現在刊行されているシグマフォースシリーズ(1~4)は本作を読まなくても特に困らないと思うが、来年(2014年春)に刊行予定の "The Doomsday Key"(仮題『ケルトの封印』)はいよいよギルドとの全面対決になるようで、その準備としてこの時期に出版されたらしい。
ストーリーの内容は、
大英博物館で謎の爆発事件が起き、シグマフォースのペインターがパートナーと共に調査に向かう。が、同時にギルドも工作員を送り込み、学芸員のサフィアを拉致しようとする。難を逃れたサフィアはスポンサーのキャラ、元婚約者のオマハ、ペインターらとともに中東のオマーンへ向かい、失われた都「ウバール」の謎を解こうとする。
……というもので、最初に書かれた作品に対して言うのも何だが、あまり新鮮さを感じなかった。人間関係もペインター、サフィア、カサンドラが次作のグレイ、レイチェル、セイチャンと重なる印象あり。第5作の準備として読んではみたものの、読まなくてもあまり影響ないんじゃ? という予感がするなぁ(単なる予感だからまだわからないけど)。
独立した作品として見ると、考古学的謎解き+冒険活劇+ロマンスという要素は悪くないし、展開もスピーディでサクサク読ませる。だからこそ、最初に読んだ方が新鮮で面白かったろうなーという残念感が拭えない。シリーズ物はやはり書かれた順に読むべきであると改めて確信した。