山田悠介のレビュー一覧
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食べなくても寝なくても疲れないし怪我もしない。
不死身で無敵のように見えるけど、名前を呼ばれず社会にも属さず、ただ存在するのはどんな孤独なんだろう。
天使や悪魔のような見えない存在ならばまだしも、見た目が少年少女だけに煩わしいことが少なくなくて。
人間と関わらないようにしてるようで、命を捧げたいと感じているようにも見える。
一緒に生きたくても相手だけがどんどん老いていく。
時間を与えれば自分が死ぬ。
大切な人と、ともに生きるという当たり前のような選択肢があるようでない。
命を捧げたい相手に出会ってほしいけど出会ってほしくない。
読んでて感情がゆらゆらする一冊でした。 -
Posted by ブクログ
読み始めの印象と読み終わった後の印象が、ガラリと違っていて、これは恋愛?ミステリー?と一つのカテゴリーにはまらない作品でした。
前半は、恋愛要素を主張していて、ストーカーともとれる解釈もありましたが、主人公の一生懸命で一途な思いが前面に伝わっていて、ライトノベルのような印象がありました。
なんとなく頭をよぎったのは、昔、速水もこみちさん主演の「絶対彼氏」。類似しているとすれば、ロボットぐらいですが、知っている方には、想像しやすいかと思います。そのロボットに指示をするのが、主人公。幼なじみの妹に前々から恋をしていたが、なかなか言えず。ロボットを通して、どう接していくのか読みやすく面白かったです。
しかし、中盤からミステリーへと方向転換し、さらに衝撃の事実へと展開が変化するので、驚きの連続でした。
残酷でもあり、これでも良かったのではと色々な見方ができる作品でした。
文庫版では、3年後の物語が追加されていて、単行本は未読なのですが、もしも3年後の物語がなかった場合、なんとも歯痒い結末で、切なすぎる印象でした。しかし追加される事で、温かみのある要素やスッキリとした要素が加わり、よい結末で良かったです。と同時に複雑な心境にもなりました。ロボットやAIの進化によって、人と共存していく事の恐怖さみたいなのが、頭をよぎり、良い作品だけれどもどこかモヤモヤ感の残る作品でした。
読んだ後にHPのアニメPVを見ましたが、自分の想像していた映像と異なっていて驚きました。先に小説を読んでからをお勧めします。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ良本です。山田悠介さんの小説です。
日本の裏側が描かれている印象があります。 ※ネタバレ注意
主人公である賢一が無人島に降り立って極限状態の
表現の仕方がリアルで面白かったです。
山田悠介さんはそのような状況になったことが
あるのかな?と思わせられるほどでした。
暗殺者との死闘よりも、体に栄養が足りていないため
蜂を食べたり、その食べた時の感想が「甘い」という
ものも実際であれば、そのように感じてしまうのかなと
思いました。そして何よりも、その場にあった土を
水と間違ってしまうというところも生々しく描かれています。
他にも山田悠介さんの小説が僕のインスタに上がっているので
ぜひ見てみてください! -
Posted by ブクログ
ネタバレインターネットを通じて知り合った6人の少年が「世間を驚かせるため」という目的のために、全国6都市で同時刻にバスジャックをする。
彼らが向かうのは東京タワー。
運悪く乗り合わせた無職の青年(主人公?)や乗客の運命と犯人たちの狙いとは?
劣等感、復讐、自己顕示・・・様々な思いからネット仲間となった6人の少年たちは世間に自分の存在を知らしめるため、前代未聞の同時多発バスジャックを計画します。
ただ、ネットの中で考えられた計画がそうそう上手く行くはずもなく、逆に計画通りに行かないことがさらなる悲劇を生んだりします。
そして最後、目的地の東京タワーに到着した犯人たちと乗客を待ち構えるラストとは?そして事件には意外な後日談がありました・・・
他のレビューでも指摘されていますが、人物描写や伏線の張り方、ラストの急展開すぎる感じは読む人によって賛否が分かれると思います。
ただ個人的には全てがはっきりと理解できないような、謎が残るような感じにこの事件の怖さというか気持ち悪さを感じました。これが作者の狙いなのかはわかりませんが、現実的には事件の背景が全て1点の曇りもなく分かる人というのはほとんどいないはずです。
あなたはこの1冊を読み終えたとき何を思うでしょうか? -
Posted by ブクログ
短編集。
「チェイス」感想
正月休みに久しぶりに帰郷した健太郎。
母と過ごす休暇はあたたかく、ホームで見送る姿には愛情があふれている。
何年経っても母は厳しく、そして優しい。
自分勝手に盛り上がって思い通りにいかないと裏切られたと感じる。
事件になって表沙汰になることも多いが、実はもっと多くの事例があるのでは?と思うほどニュースで流れても珍しいものではなくなってきた。
たった1回の対決で相手が諦めるとは思えないけれど、後日談はない。
このあたりが小説のご都合主義なのかもしれない。
「カジノ」感想
ギャンブル絡みのトラブルで健太郎を呼び出した駒田。
借金の返済代わりの依頼は、小生意気な小娘を無事に連れて帰ること。
窮地に陥ると人間の本性が現れるというが、健太郎の無謀な賭けにはどんな本性が隠されているのか。
ギャンブルにおいて勝率100パーセントはないだろうが、運を天に任せる潔さ?には脱帽。
「何でも屋」に所属する人たち、特に健太郎・駒田・由衣はよくキャラクターが描けていると思う。
そのわりには短編それぞれに登場する人物たちの描き方が、いかにもおざなりで残念。
脇役だったとしても、もう少し丁寧にキャラクターを作りあげてほしかった。
全編を通して伝わってくるあたたかさは好きだ。
ホラー系の作品から山田作品を読み始めた読者には違和感があるだろうけれど、とても読みやすいので中高生が一般小説になじむきっかけとしてはいいかもしれない。