山田悠介のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
大学生四人の決意と覚悟の物語。その始まりは小学校六年生から始まる。現在と過去を巧みに描いているのが印象的。過去を振り返りながら現在進行形の今に繋げていくので、サクサク読めます。でも、山田悠介さんにしては珍しく先が少し読めてしまいました。世界観もそうなのですが、山田悠介さんはもともと独特の世界観でお話を書かれるのに対して、今回はそこまで残酷なものも無ければ、別段、よくあるドキュメンタリーかなと。
しかし、小学校時代から病気と闘う美希を支え、人生をかけて守ろうとした彼らには完敗です。よくあるドキュメンタリーを、一途にひたむきに美しい友情と恋愛で描き、且つ現実的な問題も犯罪も起こる。作品内で「現在」 -
Posted by ブクログ
2011年、国はニートと呼ばれる若者達を「世の中のゴミ」として
流罪にする法律を制定した。
ある日突然、孤島に棄民された章弘と五人の若者達。
刑期は500日間。
絶えず襲い掛かる的敵の襲来と飢餓の恐怖。
生死をかけたサバイバルの中で、仲間同士の裏切り、
殺し合い、そして友情と恋愛。
この島から、一体何人が生きて出られるのか?
山田悠介の作品の中では「スイッチを押すとき」と
同じくらい面白かったです。一、二を争うくらいですね。
話は良く出来てるなぁと思うし、主人公章弘の心情が
痛いほど伝わってきました。
これを読むと今の日本がいかに恵まれてるかわかります。
ニー -
Posted by ブクログ
ダスト法、それは現代社会の弱者を排除するための法律。
働かない若者は社会に必要ないということで無人島で500日間生き延びなければならない。もちろん食糧なども自分で何とかしなければならない、そんな絶えず飢餓に追われる状況で起こる多数の暴力や殺人。はたして生き残れることができるのか・・・
現実にその状況に置かれたら起こりそうなことがリアルに描かれていました。山田悠介さんの作品に多い傾向で極限状態に追い込まれたら人間は大きく2つに別れる、自分を1番に考える人・他人を必死でまもろうと何でもする人。
人と闘うのではなくダスト法と闘っている姿を見て、「人を憎むな、罪を憎め」という言葉を思い出しました