大塚ひかりのレビュー一覧
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戦略的にやってるんだろうけど、この人の露悪的な言い方がどうも鼻について…と思っていた。
が、やはり面白い。
古代の天皇制についてはほとんど知識がないので、藤原光明子があと少しで天皇になるところだという話にびっくり。
しかもそうすれば、天皇家が姓を持つ事態になっていたかもしれないと聞けば、刺激的だ。
(今年出た本なので、女性天皇ことも考えさせられる。)
頼朝の母、常盤御前は、「雑仕女」とされ、地位の低い人と思われているが、当時義朝の唯一の正妻として、社会的に重んじられていた、とあるのも初耳。
武運を上げるために醜女を娶ったり、秀でた学者は特異な容貌をしているという文化的伝統も、興味深い。
これは『美男の立身、ブ男の逆襲』などに書かれているそうなので、機会があれば読んでみたい。 -
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<目次>
第1章 平家は本当に滅亡したのか
第2章 天皇にはなぜ姓がないのか
第3章 なぜ京都が都になったのか
第4章 紫式部の名前はなぜ分からないのか
第5章 光源氏はなぜ天皇になれなかったのか
第6章 平安貴族はなぜ「兄弟」「姉妹」だらけなのか
第7章 「高貴な処女」伊勢斎宮の密通は、なぜ事件化したのか
第8章 貴族はなぜ近親姦だらけなのか
第9章 頼朝はなぜ、義経を殺さねばならなかったのか
第10章 徳川将軍家はなぜ女系図が作れないのか
<内容>
平安時代を中心に、「女系図」(女性中心の系図)を作ることで、歴史を違う視点から見るお話。「新潮45」に連載した記事に書きおろしを加えたもの。古典の解釈で斬新な解釈を提示する著者らしい内容である(徳川家は「女系図」を作れない。理由もわかる)。若干、使っている論文が弱い気もするが、読み物としてはとても面白い話である。 -
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<目次>
はじめに
第1章 捨て子、育児放棄満載の社会~昔もあった大阪二児餓死事件
第2章 昔もあった電車内ベビーカー的論争~「夜泣きがうるさい」と子を捨てるようなシングルマザーに迫る村人たち
第3章 虐待天国江戸時代~伝統的「貧困ビジネス」の実態
第4章 本当はもろかった昔の「家族」~虐待の連鎖も描かれていた「東海道四谷怪談」
第5章 マタハラと呼ぶにはあまりに残酷な「妊婦いじめ」
第6章 毒親だらけの近松もの
第7章 昔もあった介護地獄から舌切り雀の実態
第8章 昔もあったブラック企業~リアル奴隷の悲惨な日々
第9章 昔もいた?角田美代子~家族同士の殺戮という究極の残酷
第10章 いにしえのストーカー殺人に学ぶ傾向と対策
第11章 若者はいつだって残酷~「英雄」か「キレやすい若者」か
第12章 心の病は近代文明病にあらず
第13章 動物虐待は日常茶飯~そして極端なペット愛好
第14章 究極の見た目社会だった平安中期
第15章 昔から、金の世の中
<内容>
2014年刊の単行本の文庫化。大塚ひかりさんは、古典を解釈するだけでなく、現代の世の中に反映させることに長けている。なので、こうした人が先生なら、「古典」の授業はとても役に立つ(役に立つだけじゃダメなのかな?)。そして、現在世相をバッサッと斬ってくれる。例えば、平安中期(摂関政治の貴族文化全盛期ですね)は、「見た目が90%」どころか、100%だった可能性が。もしも美容整形の技術がこの時代にあったら、現代の韓国社会顔負けの「美容整形」ブームだったかも。また、ブラック企業はいつの時代もあったとか、介護地獄やストーカーや心の病も現代特有のものではない、と読み解く。ときどき世の論者と言われる人たちが、訳知り顔で「現代社会特有の~」と言っているが、人間いつまでも変わらない生き方をしているんだ。「絆」と言ったって、昔から「ひきこもり」はいたし、「少年犯罪」は残酷だったし、何も変わりはなかった…。安心すべきか、対策もないな、と諦念すべきか… -
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ネタバレ二部に分かれていて一部が「竹取物語」。
大塚ひかりさんの訳が非常にわかりやすい。
竹取物語がダジャレだらけなのも驚き。
面白かった。竹取物語入門にはいいと思う。
二部は「古典世界へのいざない」。
昔話って元々はこんな話だったらしい。
浦島太郎は、実は乙姫が亀に化けて太郎を誘った。
舌切り雀は、怪我をした雀を飼っていたおばあさんがお金持ちになった。
それを見た隣のおばあさんが捕まえてきた雀の骨をわざと折り、世話をして恩を待つが、雀にもらった種から出た毒虫に刺されて死ぬ。
その他、宇治拾遺物語や蜻蛉日記、源氏物語などについての解説がある。
大塚さんの古典に対する愛情が感じられて、「お、今度は宇治拾遺物語読んでみようか」って気になる。