大塚ひかりのレビュー一覧
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ネタバレ古典エッセイストである著者の本は素人の私にも分かり易く読みやすく、視点も庶民的で好きな作家さんです。
と、言いながら著者の本は長いことご無沙汰でした、が、今年は大河ドラマが源氏物語の時代を扱うということで、平積み棚に並んでいましたよ!新刊が。
学者さんの書いた研究本も面白いけどちょっと難しいときもある、そんな私に肩ひじ張らないこんな本はちょうど良かったです。
本書も読み終えたらフセンでいっぱいになりました。
以下備忘録と感想です。。長いよ。
☆よく、桐壺帝は醍醐天皇がモデル、と言われているけれど、根拠は研究本にとっては基礎過ぎて?説明がありませんでした。
なので私もそうなんだー、としか思い -
Posted by ブクログ
「やばい」という言葉が使われている本は、何となく信用がおけないと思ってしまいますが、ご安心ください、内容はしっかりしています。読者の敷居を低くするための、戦略です。
第一章 設定がやばい
第二章 ブスがやばい
第三章 モデルがやばい
…
と、次々と「やばい」であおってきますが、「源氏物語」の異端性と革命性は伝わってきます。
源氏物語が書かれた時代を正確に知ることはできませんが、現代人が思う源氏物語より、当時の人が思う源氏物語の方がずっと価値があったのだろう、ということに改めて気づかされました。
大河ドラマ「光る君へ」と重ねて読んでみることをお勧めします。 -
Posted by ブクログ
紫式部が源氏物語を通して伝えたかったことをわかりやすく解説している本。
今年の大河ドラマ「光る君へ」の影響で気になって読み始めたが、当時の文化(通い婚など)を踏まえて源氏物語の描写がどういう意味を持つのか、が描かれており、大河を観ているとより楽しめる。
紫式部は彰子の教育係という立場ではあったものの、それは決して立場が強いということではなく、人数(ひとかず)にも数えられないようなものと知り、私が思っていた以上に当時のヒエラルキーがあったことに驚いた。
またパワハラだけでなくセクハラもかなりあったことにも驚き。何となく平安時代は雅で煌びやかなイメージしかなかったが、源氏物語には女性を”まわす” -
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古事記から江戸時代までの、日本史、日本文学にあらわれるやばいBLの歴史、事例集である、テーマはBLなれど内容は日本史。
日本史の人物に詳しい人にはあのひともこの人もと面白いだろう。高校まで歴史に触った程度でもなかなか楽しめる。源氏物語や仏僧の話はよくあるものだが非常に詳しく、そして、東海道中膝栗毛のヤジキタさんも!?
ととにかく面白く読み進んだ。
夫婦別姓もLBGTQ差別禁止も法律にできない国、日本のなにかが変わるとか失われるとかくだらないことを言い鵜呑みにし、、という噴飯物の2023年5月に刊行された本書。著者の先生はふんわりやんわりと、そしてちくりと書かれたのではないかなと思う。実に日本史 -
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ネタバレ大塚ひかりさんの独特の視点で書かれた
源氏物語を実用書として読むとどうなるか。
とても面白い!
まず、源氏物語の時代には
有力な実家の後ろ盾のない貧しい女性には厳しい社会で
ブスは言うまでもなく、美人でも貧しければ
人間扱いされない、と指摘する。
だが、そんな環境でも、自分らしさを保てば
ブスで貧しくても、生きられることもあるという。
末摘花などがその例。
一方、経済的に豊かで、美人なら、
きちんとした扱いは受けるものの
受け身で愛されるだけの女性(=なめられる女)は
死ぬ運命にある、という。
例えば、桐壺の更衣のように。
そして、宇治十帖はダメ女たちの物語で、
特に浮舟は、貧しくて、特 -
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かけがえのない人など居ないは
こと恋愛に関していえば年齢を重ねたからこそ分かる言葉なのでしょか。私の若い頃は同僚の女の子は「彼しか居ない」
と断言してて今は全く会ってないしどんなか分かりません。
仕事の事は思い出したのは過労死した広告代理店の女の子の事で彼女は聡明だからドロップアウトした自分の将来が見えてしまったんじゃないかと思います。
NHKのドラマ「半分、青い。」は最終的に主人公と幼馴染みが結ばれるみたいですよね。じゃあ運命の人だったんだと・・。
私は源氏物語は金子光晴と同じで面白いと言えば面白い。
つまらないと言えばつまらないって感じです。
話が纏まらずすみません。 -
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職場の大先輩からお借りした本。
美容雑誌「美的」連載のエッセイ。
古典文学における平安貴族たちの「美」がテーマ。
時は外戚政治全盛期、男も女も「モテること」が明日のメシに直結していた時代です。
美しくあるための努力や工夫、はたまた心構えの数々は、我々現代人にとっても十分示唆に富むものばかり。
肌を美しく保つには?歯は?髪は?ニキビの治し方は???
紹介されている美容法(かなりスゴイのもありますが)を実際に試さずとも、読んだ後になんとなくキレイになったような気になりました。
巻末の「本書に登場した主な古典美人本ガイド」も圧巻。
『源氏』のみならず、もっともっと古典文学に触れたくなります。 -
- カート
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試し読み
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Posted by ブクログ
モテモテ源氏が絶世の美女たちと夜を重ねる…というお耽美なドラマ、映画、またはアニメを観て、何か釈然としない、感動できない…はっ、私って不感症?
…と思いつつも、「源氏なんてあんまり魅力ないよね?」「ってか、ウジウジ人間ばっかりの宇治十帖、二度と読む気しないわ」「髭黒の大将みたいな旦那って、たまにいるよね~」
…などというたわごとを他人に言えば奇人変人されるばかりで誰もわかってくれない。
…という思いを長いことしてきたわけですが…
この本は、まったくもって的確すぎる言葉で、びりびりとしびれさせてくれました。
でも、これはあくまで女視点であるし、他の本や、いろいろな現代語訳を読むことをお勧めします