大塚ひかりのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
なんと言うかこう、源氏物語がどれだけすごい小説かが分かったというか。
現代からガチに読み込んでも十分に応える。
歴史とか社会だけでなく、女性の立場、内面、リアル感残しながらもあくまでフィクションで。色んな章で色んな人物を描きながら、実は全体通して出口があった。
すっげえ。
なんかこう、女性自身的な感じもあって、当時女性週刊誌に連載されてたら、発売日の朝には全部売れ切ってしまうくらいの感じじゃあないかなと思う。
ものすごい共感もあったんちゃうかな。
ちょっと噂のチャンネル見たいな感じもあって。
中学校で教えてはもらったが、こう言う面白さを教える方向に持っていった方がええんちゃうのかね。変に文法とか単語とか覚えさせるんでなく。音読で。
日本の国語教育って、「国語」が好きにならないよね、
今になったらもういいよ。こんなジメジメした面倒臭い小説、読む気もないけど。
後突然、脈絡なく被せて現代をディスるのは気持ち悪かったです。 -
Posted by ブクログ
日本史や日本の古典文学で見られる男性同士の濃密な関係や性愛をBLというくくりでカジュアルにまとめた本。
女装したヤマトタケル、とりかへばや物語、頭中将と光源氏の怪しさ、敦盛、義経、世阿弥、エレキテル平賀源内。
日本史のお勉強中に「これは……ちょっと怪しいのでは⁈』となったアレやこれやの有名どころはほぼ網羅されている。その手の「怪しい関係」に目がない人にとってはありがたいまとめ本だろう。
ただ、すっかり西欧化されてしまった現代日本人の感覚からすると、対等な個人と個人の恋愛こそが「正しい愛」だが、この本に描かれている男たちの関係性は、そんな狭い価値観では割り切れない、当時の文化的な背景があってこそ成立する未知の世界だった。
実際、BLがどうこうよりも、家臣の家族全員が性愛対象になるだとか、禁欲するどころか男色に邁進する仏教界とか、近場で性愛関係を結びまくって最早なにがなんだか分からなくなってる上流階級の相関図に新鮮な面白みを感じた。昼ドラなんか目じゃない。
これに「野蛮だ未開だ人権侵害だ」とレッテル張りをして、暗黒時代の汚点など全部忘れてしまえばそれでいいみたいな、非常に雑な扱いをするのはもったいない。捨て去るには豊かすぎる世界だ。そもそも、昔の人たちを今の人たちと全く同じだと考えるのは馬鹿げているし、世界をあまりにもつまらなくシンプルにしてしまうだろう。
その点、BLというくくりででカジュアルにまとめているようで、実はそれぞれをそれぞれの面白さのままに紹介してくれる本書は、同時に歴史の面白さをも伝えているのではないか。
また、キリスト教が文化の基盤にある西欧において男性同性愛はタブーであり、命懸けのドラマだが、日本文化においてはむしろ上流階級が嗜む「かっこいいスタイル」だったし、女装も男装もタブーどころか人気を呼ぶ風俗であったという決定的な違いは忘れてはならないと、読みながらつくづく思った。
そうした文化だからこそBLがこれだけ栄えているという見解は他では見たことがなかったが、なかなか鋭い指摘だと思う。
そんなBL震源地の日本でも、実社会では同性愛がタブー視されるようになっている。それだけ頭の中が「キリスト教化」されたのだとも言える。
過去を忘れて、無いことにしてしまうことで、私たちはどれだけの文化的な豊かさを失ってきたのだろう。もちろん、本書にあるように、男色には男尊女卑が付きものであり、過去に戻ればすべて良しという話ではないのだが、何か途方もないレベルで消え去りつつあるものを感じざるを得ない。単なる「おもしろ歴史トリビア」を越えた問題意識を感じる新書だった。
ところで、特に心に残ったのは、親友くらいの関係性なのに熱烈な恋歌を送り合っていた家持・池主コンビのプラトニックラブと、上田秋成『雨月物語』が中国古典のBL二次創作アンソロジーだった衝撃の事実。あともちろん十返舎一九『河童尻子玉』。尻子玉は知っていたが屁玉って。もうそれだけで笑ってしまう。やはり江戸時代のベストセラー作家十返舎一九先生は大天才だと思った。 -
Posted by ブクログ
「女系図でみる驚きの日本史」と同様に、同じものを素材にしても、扱い方ひとつで見え方が変わる面白さを味わった。
平安貴族の「セクハラ満載の社会で女が生き延びる」ために、何が必要かを説く物語として読むことができるなんて。確かに、抄訳や「あさきゆめみし」でしか読んでなくても、全然光源氏ステキ、とは思えなかったんだけど、そうか、これは源氏をダシにさまざまな女の姿を描くことが主眼だった、かもしれないから、仕方ないんだ。
もちろん、どんな物語からだって教訓は引き出せるわけだから、これが正しい読み方なのかは分からないけど。でも、こういう読み方もできるってことを知るのは、面白い。 -
Posted by ブクログ
日本の歴史における高齢者たちの人生を楽しくおもしろく読みやすく書かれている一冊。
80歳を超えてからの政界デビュー。
平安時代の美魔女。
77歳で50歳年下の女性との愛に溺れた一休さん。
身分差を利用して亡き夫の姉の旦那に押しかけ再婚した熟女。
介護者にキレる老人たち。
さまざまな老人たちのエピソードが登場しますが、こうやって見ると現代と大して変わらないような。
昔の平均寿命が短いのは乳幼児死亡率が高かったからで、江戸時代でも100歳を超える人がいたのは驚き。
しかもその年齢で政治に携わっている人まで。
欲深いからこそ長生きする力があるのかもしれませんね。
政治にお金に愛欲に、年をとっても何一つ諦めないその強さというのか厚かましさというのか。
若さという価値がなくなり、それでも自分の居場所を確保するためには、形振り構わずになるのかもしれません。
なんかもうとにかくすごい。
圧倒されっぱなしの一冊でした。
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Posted by ブクログ
久々に心躍るリアル書店と出会い、夢中で本棚を眺めていて目が合った一冊。大塚ひかりさんの日本史本、面白くないはずがないです。
本書のテーマは「毒親」と「毒親に育てられた子ども」としての歴史的人物像について(時折創作の登場人物も混ざる)。古代から近現代に至るまで歴史上偉大な業績を残し、誰もが立派な人と称える人物に親子関係というフィルタを通してみると見えてくる新たな姿がとてもスリリングでした。
「毒親」という呼び方を嫌う方もいるかとは思いますが、読んだら「まぁ毒としか言いようがないわなあ(´・ω・`) 」とひとりごちること請け合いです。
「蜻蛉日記」や「十六夜日記」など学生時代にただただ丸暗記させられたものの内容がこんなに現代と親和性があるともっと早く知ることができたら興味も持てたんだろうになあ、と思ってしまいました。