大塚ひかりのレビュー一覧

  • 女系図でみる日本争乱史(新潮新書)

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    歴史のエピソードを、一人の女性に起因させる傾城の美女は、小説としては面白いがそうではない、ただし、女系図で見ると、結局は身内の争いであったことが分かりますよ、という切り口の本。
    「本当の上流階級は没落しない」というのがよくわかりました。勝者は敗者と婚姻し、恨みつらみを水に流すという日本らしい、在り方が面白いと思いました。

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    2021年08月13日
  • うん古典―うんこで読み解く日本の歴史―

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     完全にタイトルに惹かれて読んだ本。うんこと日本の歴史について、一般向けに書かれた本。なので、下ネタ苦手な方は、注意(佐藤春夫の小説でも同じような作品があるけれど……)。
     はるか昔、神代はトイレ自体≒神聖な場所というのは、生き死にに関わるってのもあるんだろうな。神が突然(ryは今で言う性犯罪をそれっぽく言っただけじゃないですかね。。。
     そこから汚い→魔除け。平中の話は芥川龍之介の「好色」でも有名だけれど、悲劇的コメディとして捉えていたので、「超越する」っていう解釈は新しかった。それでも今から見たらコメディに見えてくるんだけど。

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    2021年07月09日
  • くそじじいとくそばばあの日本史

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    現代と違い短命と思われていた中世、近代。
    10歳まで生きるのが難しい時代ながら、そこを過ぎれば60歳くらいまで生きる年寄りは結構いた。
    当時の文書を紐解くと、かなり高齢な有名人もいた。
    そんな高齢者について、面白おかしく「くそばばあ」「くそじじい」と語っているのだが、秀逸なのは170ページ付近から。

    日本史の中での年寄りの在り方、扱われ方。
    特に通い婚が多かった時代は子供のそばにはばばあが存在し、「ばばあ」が昔話にはよく出てくる所以であろう。

    そして、男尊女卑の考え方は普通に存在し、姥捨山も多かった。

    現代、子、孫らとの同居高齢者の方がダントツで自殺者が多い事実。一人暮らしの老人の方が、

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    2021年05月15日
  • くそじじいとくそばばあの日本史

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    歴史上のくそじじい、くそばばあの紹介本。
    総括すると、とことん欲深い人間が長生きしてくそがつく老人になるということか。
    生にしがみつき足掻くことは、ある意味最も人間的でカッコいいのかもしれない。

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    2021年03月14日
  • くそじじいとくそばばあの日本史

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    <目次>
    第1章  正史に残る最高齢者は「くそじじい」だった
    第2章  「ルポライターばばあ」が歴史を作る
    第3章  爺婆は最高の「歴史の証人」だ
    第4章  凄まじきは老人の権勢欲
    第5章  八十一で政界デビュー!!百歳過ぎても政界に君臨
    第6章  一休さんはエロじじいだった
    第7章  平安・鎌倉時代のアンチエイジングばばあ
    第8章  戦国時代に「老人科」を作った老医師がいた
    第9章  昔もいた「迷惑じじい」
    第10章  西鶴の見たくそばばあたち
    第11章  昔話のおじいさんとおばあさんは意外と「いい人」が少ない
    第12章  「鬼婆」の正体
    第13章  前近代の8050問題?『浦島太郎』の真実

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    2020年10月19日
  • エロスでよみとく万葉集 えろまん

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    籠もよ み籠持ち ふくしもよ みぶくし持ち この岡に 菜摘ます児 家聞かな 名告らさね そらみつ 大和の国は おしなべて 我こそ居れ しきなべて 我こそいませ 我こそば 告らめ 家をも名をも

    その籠、ナイスだね。スコップもセンス抜群だね。超おしゃれな籠とスコップ持って、この岡で若菜を摘んでるそこの君、家はどこ? 名前を教えて。見てごらん、視界の限り、大和は俺が治める国さ。隅から隅まで俺の息がかかっているんだぜ。俺こそ教えてやるよ、家も名前もね。
    (巻第一・一)雄略天皇

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    2020年03月01日
  • エロスでよみとく万葉集 えろまん

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    タイトルにひかれ手に取った一冊。古典を味わい尽くす十分な知識を持っているわけではないのですが、「エロ」から万葉集を読み解くというコンセプトに惹かれました。
    確かにエロい要素が詰まった歌がたくさんあるのですね。また多くの歌が掲載されていることの効用として、古典における語句の使い方で頻出するケースがあることがわかり、学生時代にこういった数をこなす勉強をしていれば古典に対する成績ももう少し違ったものになったのではないかと思いました。また万葉集の時代には「ひらがな」が存在しておらずすべて(音を当てた)漢字で表記されていたんですね、これも学校の教科書を読むだけではわからなかった発見です(もしかしたら習っ

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    2020年01月07日
  • 日本の古典はエロが9割 ちんまん日本文学史

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    <目次>
    第1章  性=生=政の時代 日本神話のちんまん模様
    第2章  「まん葉」時代のエロスは底抜け
    第3章  『源氏物語』~奥ゆかしさの裏の過激なエロス
    第4章  仏の道もちんまん ゆるい日本仏教のセックス観
    第5章  エロスとホラーは紙一重 近世の不条理な性愛話

    <内容>
    日本古典文学をこよなく愛するライター。その紹介はなかなか面白い。少しエロス寄りな作品が多いけど…。今回は、「週刊漫画ゴラク」に連載されたものを中心に、加筆訂正したもの。第5章はネタ的にちょっとつらいかな?もっとエロいのがたくさんあるけど、そっちはストレートなので。『源氏物語』や中世の仏教説話は面白かった。

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    2020年01月06日
  • 女系図でみる驚きの日本史(新潮新書)

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    京都が都になったのは、京都は渡来人が多く住んでいて、天皇の母親が渡来人だったから都を移した。
    建造にも渡来人が関わっていた。
    京都人が聞いたら憤死しそう。

    母親が重要視されていた時代から、院政になり、父親が重視されるようになると同時に女性の地位が低下していった。

    滅亡した家も今上天皇に繋がってるってすごいと言うか、狭すぎるような。

    興味深い内容なのに、漢字読めないのがいっぱいだし、読むのに疲れた。
    言葉が直接的で、ある程度はしょうがないけど系図にやった相手って露骨すぎやしないだろうか。
    柔らかくしても一緒なんだけど。

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    2019年10月31日
  • 女系図でみる驚きの日本史(新潮新書)

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    胤よりも、腹が大事?!

    平家は滅亡した。
    確かに私はそう習った。
    壇ノ浦で、幼い天皇を抱き、皆が入水自殺した。
    はずだった。
    もちろん平家の落人の村、なんて言い伝えも確かにあるが、主流ではない。
    と思っていたら、なんと、今上天皇にまで系図が続いているのだそうだ。
    そんなバカな?!

    確かに今まで見たことのある系図は、父が誰かに重点が置かれ、母は単なる「女」とか、「〇〇の女」(菅原孝標女など)「〇〇の母」(藤原道綱母など)であった。
    しかし、なぜ男系なのか?
    父がいれば当然母もいるわけで、そこに焦点を当てると、常識が覆る。
    物事を疑ってみる、多面的に見るとはこういうことかと目からウロコだ。

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    2019年03月10日
  • 女系図でみる驚きの日本史(新潮新書)

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    興味はあったんだけど、この手の話がうまく頭に入ってこない頭の構造なんだと自覚した。
    ほら。平面図が頭の中で立体化しない人もいるように。
    脳の傾向?向き不向き。
    後半慣れてきたのか、大分楽しめた。

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    2018年07月22日
  • 本当はひどかった昔の日本―古典文学で知るしたたかな日本人―

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    <目次>
    はじめに
    第1章 捨て子、育児放棄満載の社会~昔もあった大阪二児餓死事件
    第2章 昔もあった電車内ベビーカー的論争~「夜泣きがうるさい」と子を捨てるようなシングルマザーに迫る村人たち
    第3章 虐待天国江戸時代~伝統的「貧困ビジネス」の実態
    第4章 本当はもろかった昔の「家族」~虐待の連鎖も描かれていた「東海道四谷怪談」
    第5章 マタハラと呼ぶにはあまりに残酷な「妊婦いじめ」
    第6章 毒親だらけの近松もの
    第7章 昔もあった介護地獄から舌切り雀の実態
    第8章 昔もあったブラック企業~リアル奴隷の悲惨な日々
    第9章 昔もいた?角田美代子~家族同士の殺戮という究極の残酷
    第10章 いにしえ

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    2018年06月12日
  • 本当はひどかった昔の日本―古典文学で知るしたたかな日本人―

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    捨て子ネグレクト満載、夜泣きがうるさいと子を捨てるよう迫る村人たち、伝統的貧困ビジネス、家族の虐待の連鎖、妊婦イジメ、独親だらけ、介護地獄、ブラック企業、家族同士の殺戮、ストーカー殺人、残酷な若者、心の病、動物虐待、見た目社会、金。

    昔は良かった、のイメージだけの昔を、リアルに教えてもらいました。子供向けのお話、などではかなりソフィスティケートされていたのですね。

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    2018年04月09日
  • 女系図でみる驚きの日本史(新潮新書)

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    は〜、そうなのか〜!という驚きの連続。
    なるほど男系図だけでは見えなかったことが、女系図によって見えてくる。
    愛憎も見えてくるようだ。

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    2018年01月03日
  • 本当はひどかった昔の日本―古典文学で知るしたたかな日本人―

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    人間関係で最近話題になってるヒドイ話(ネグレクトやマタハラやストーカー)は、実は遥か昔からある、 と著者が古典を引き合いに出して説明する本。 確かに昔は人権なんて言葉なかったろうし、ヒドイ話はたくさんあったんだろうなと思う。 ただ、夜泣きで村を追い出される話にはちと驚いた。そこらへんはおおらかだと思ってたから。 まあ人間そう変わらないよね。 ただ、古典の記述は記述として、そこからの結論の出し方に著者の思い込みが多々入っているようにも思えた。

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    2017年12月25日
  • 本当はひどかった昔の日本―古典文学で知るしたたかな日本人―

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    とかく、昔はよかったと(特にお年寄りー読み手も含む笑)口にしてしまう人々に、著者は古典を解説しながら、そんなことはありませんと、解き明かす。
    『古事記』から始まり、『日本霊異記』『宇治拾遺物語』、果ては『枕草子』『源氏物語』まで、日本の古典を渉猟し、原文と現代語訳を並列してくれる。
    そして、育児放棄や児童人身売買、ストーカー殺人や動物虐待の話など、古典にも記されており、けっして現代だけの事件ではなく、いずれも昔からあった出来事で、昔のほうがむしろ残酷だったと、著者は明かす。
    それにしても、巻末に掲げられた主要参考文献の膨大さには、圧倒されてしまう。

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    2017年10月24日
  • 本当はひどかった昔の日本―古典文学で知るしたたかな日本人―

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    まあまあ、興味深い読書ではあった。
    自分は、教育勅語に代表されるような体制迎合優等生的な儒教道徳へのアンチテーゼとして読んだのだが。
    結果として、古典文学に日本人の残酷さが沢山見出されるんだなーと感心した。
    ただ、古典文学だけをワラント(こんきょ)にしたクレーム(主張)は、理論的には弱い。
    逆に、近現代の話です統計などを引用している部分は、実証的です面白い。
    コンセプト上上記のような弱点が不可避ではあろうけど、もう少し他の資料にあたるなりなんなり、根拠面を補強してもよかったのではないか。
    一々そんな文句をつけるのは野暮か?

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    2017年05月08日
  • 本当はひどかった昔の日本―古典文学で知るしたたかな日本人―

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    人間のモラルは、時代が進むにつれて、良い方に進歩していくと。どこかで聞いたことがあるけども……。
    たかだか1500年ぽっちでは、人間の良しあしなぞ、変わらないのでは……とさせられた一冊。
    古典の入門としても最適か。

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    2017年01月05日
  • 本当はひどかった昔の日本―古典文学で知るしたたかな日本人―

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    言われてみればその通りだが、ちゃんと言われないと認識できないもの。読んでてもそりゃそうだ。となって納得感がある。昔話を現代語のニュースで報じたような分析があって面白い。こうやってキチンと分析してもらわないと、虐待やハラスメントを素通りして古典を読んでる自分達が、日本文化の集大成であるなら恐ろしい。

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    2016年12月12日
  • 本当はひどかった昔の日本―古典文学で知るしたたかな日本人―

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    美談ばかりに触れていては見方が偏るので、こういう露悪的な視点も必要。そうは思うものの、読んでいて気分の良い本ではなかった。実際のところ、各時代・各地域で虐待や暴力などがどのくらいの頻度であったかなんてわからないし。

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    2016年11月16日