大塚ひかりのレビュー一覧
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日本の歴史上の家系図は、大体男系だ。平家は滅び、源氏は滅び、なんだかんだ。
なのだが、女系で家系図を作ると実はいろんな事実が見えてくる。たとえば平氏は滅ぶどころが皇室まで繋がってくる。
これを、著者は、学生の頃から興味と趣味で作って来たという。
まじで、歴史学の一角にキチンと入れて研究した方がええんやないか。文学やなくて。
と思うのだが、まあなんつか、平安は源氏物語の世界で、正直どうでもよくて、唯一面白いなと思ったのが、義経が結構持ち上げられて来たのは、お母さまのせいだろうという分析。
静御前もうちの嫁さん言わせれば最低の女らしいのだが、どうにもとんでも無いというのが実情らしい。
なるほど。 -
Posted by ブクログ
いい意味で、古典文学と呼ばれるものの敷居の低さを感じられる1冊。
常々「日本の定型詩とSNSは通ずるおもしろみがあるのでは」と思っており、個人的に
短歌→Twitter(お気持ちが重視される)
俳句→Instagram(写真のように情景を切り取る)
川柳→2chなど掲示板(棘とユーモアが滲む)
という印象を持っていた。
本作を読んで、万葉集の和歌にもTwitter的要素が色濃く感じられるとことに驚き、とても面白かった。
あとがきで「約4500首中2000首近くが作者未詳であるのも匿名性の高いSNSに似ている」と書かれており、そういう要因もあるのかと納得。
テーマが「エロ」というのもあり、勅撰の和歌集とは違う、ある種の俗っぽさ・生っぽさ楽しむことができた。
最後に気に入った歌を引用
このころの 我が恋力 記し集め 功に申さば 五冠の位
(巻第十六・三八五八) -
Posted by ブクログ
表紙と本の名前から、フランクなものかと思ったが、真剣に文学や歴史におけるうんこのことを研究しているというのに脱帽した。
現代においては清潔を保つことが常となっているだけに、普段自身だけでなく、生きとし生けるものが為す排泄という行為に目を瞑り、ある意味遠ざけているのであるが、本来無論身近で、畏れ多く、かつ面白味も昔からあったものということを思い起こされる。
ただ通勤の電車内で読んだのであるが、カバーをして周囲の人が見ている訳ではないのにも関わらず、何処かさらに本を小さく開いて読んでいた。そうこうするうちにお腹が痛くなってきたのは気のせいか(笑) -
Posted by ブクログ
平安時代や江戸時代は平均寿命が今よりも随分と短いのは、乳児の死亡率が高かったためで、お年寄りが現代と同じく70歳、80歳過ぎても元気だったと言うのはよく知られた事だ。ただ現代とは医療技術や薬、栄養状態も違うだろうから、その様な中で長生きするご老人は、寧ろ現代のお年寄りよりも元気だったのかもしれない。
私の祖母は100歳まで生きて、晩年も亡くなる間際まで畑を毎日耕していたそうだが、それは例外的で、多くのご老人は入院したり施設などで「ご老人」として穏やかに過ごす。
本書は歴史上や昔話などに登場する元気なご老人の皆さんにフォーカスを当て、クソジジイ・クソババア達の生き方を紹介していく。なお「クソ」と言う言葉を汚い・意地悪といったネガティブな表現ではなく、元気いっぱい・パワフルという意味で使っている。決して貶すような事は書いてない(ある程度は本来の糞婆的な意味で使う箇所もある)。また記載される人物や引用する物語は誰もが一度は歴史の授業や図書室で見かけたこのあるものを対象とするため、わかりやすい。
御伽話が意外にも残酷な事はよく知られるが、やはりそこにも「おじいさんとおばあさんは」で頻繁に登場する。こうして考えてみると、幼い頃からずっとそうした物語の中のご老人にふれてきたのであるが、必ず悪者や反面教師的なお爺さんが登場し、「そうなったらダメだよ」と幼心に刷り込まれてきたようだ。なんだか漠然と、お爺さんはコワイ・ズルい・気難しいイメージがあった。その様に何か教訓的な物語であっても、ご老人は元気に活躍?しているのである。特に高齢者の性事情にも多く触れられているが、古事記の世界からそういった話題には事欠かず皆元気である。私も見習いたい所ではあるが、現代社会で同じ事をすれば社会から抹殺されるリスクもあるので控えておく。
兎に角お年寄りは元気だ。勿論そうした歴史や伝記に名が出てくるご老人は、相応しい身分と食事・安全が確保されていた事が背景にあるが、歌会でキレ出す老人や息子の嫁を愛でる姿、鬼になって身内を食べんとするお婆さんなど、一部狂気じみた世界にも感じるが、元気であることに間違いない。
超高齢社会に突入し、既に町中はお年寄りで溢れている。田舎に行けば尚のこと、腰の曲がってない人とは滅多にすれ違わない。私の両親も幸いにも両名共に80過ぎてもピンピンしてるし、母親は電子書籍などは一切読まず、紙の本だけを何万冊も読んできた本の虫、父親は肉体労働中心で定年後もだだっ広い空き地で農家ばりに畑を耕す肉体派と、元気に過ごしている(東京大空襲も見てる)。
今後も伝説に残る様なご老人はたくさん増えるだろうし、恐らくはあと数十年もすれば70歳台はおじさんおばさんになっているかもしれない。その頃に伝説になる為にも、今から頭も体も衰えを感じる暇を与えさせない生活を送りたい。 -
Posted by ブクログ
<目次>
はじめに 長生きは成功のもと!
第1章 「長生き」は最高の政治戦略だ
第2章 卑弥呼もばばあだった?
第3章 鎌倉初期、一族を繁栄・安泰に導いた女地頭がいた
第4章 本格始動は六十代後半以後、安倍清明
第5章 不安じじい藤原定家と『百人一首』の謎
第6章 結局、最後に勝つのは長生き
第7章 憎悪を吐き出し、老い支度
第8章 恋もファッションも年甲斐なくて幸せなばばあ
第9章 世界でもまれな爺婆の色事を描いた江戸の春画
第10章 伊能忠敬の遅咲き人生
第11章 シーボルトの見たスーパーじじいたち
第12章 江戸の同性愛じじい、男色をしてみたかった老士、長寿の秘訣など
第13章 老いて人を笑わせる「力わざ」発揮
第14章 八十過ぎて歌合参加の平安女流文学者たち
第15章 こじらせの天才馬琴、八十過ぎて大活躍の京山、執念の出版と遺書執筆の牧之
<内容>
爺婆シリーズ第2弾。教科書レベルの日本史上の人も多々参加。知られざるエピソードを史料の読み解きと学者の文献をきちんと読み解いて紹介してくれる。まさに「歴史エッセイ」。ちょっとした歴史小話を必要とするなら、読んでおいて損はない。