大塚ひかりのレビュー一覧
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現代と違い短命と思われていた中世、近代。
10歳まで生きるのが難しい時代ながら、そこを過ぎれば60歳くらいまで生きる年寄りは結構いた。
当時の文書を紐解くと、かなり高齢な有名人もいた。
そんな高齢者について、面白おかしく「くそばばあ」「くそじじい」と語っているのだが、秀逸なのは170ページ付近から。
日本史の中での年寄りの在り方、扱われ方。
特に通い婚が多かった時代は子供のそばにはばばあが存在し、「ばばあ」が昔話にはよく出てくる所以であろう。
そして、男尊女卑の考え方は普通に存在し、姥捨山も多かった。
現代、子、孫らとの同居高齢者の方がダントツで自殺者が多い事実。一人暮らしの老人の方が、 -
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ネタバレ<目次>
第1章 正史に残る最高齢者は「くそじじい」だった
第2章 「ルポライターばばあ」が歴史を作る
第3章 爺婆は最高の「歴史の証人」だ
第4章 凄まじきは老人の権勢欲
第5章 八十一で政界デビュー!!百歳過ぎても政界に君臨
第6章 一休さんはエロじじいだった
第7章 平安・鎌倉時代のアンチエイジングばばあ
第8章 戦国時代に「老人科」を作った老医師がいた
第9章 昔もいた「迷惑じじい」
第10章 西鶴の見たくそばばあたち
第11章 昔話のおじいさんとおばあさんは意外と「いい人」が少ない
第12章 「鬼婆」の正体
第13章 前近代の8050問題?『浦島太郎』の真実 -
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タイトルにひかれ手に取った一冊。古典を味わい尽くす十分な知識を持っているわけではないのですが、「エロ」から万葉集を読み解くというコンセプトに惹かれました。
確かにエロい要素が詰まった歌がたくさんあるのですね。また多くの歌が掲載されていることの効用として、古典における語句の使い方で頻出するケースがあることがわかり、学生時代にこういった数をこなす勉強をしていれば古典に対する成績ももう少し違ったものになったのではないかと思いました。また万葉集の時代には「ひらがな」が存在しておらずすべて(音を当てた)漢字で表記されていたんですね、これも学校の教科書を読むだけではわからなかった発見です(もしかしたら習っ -
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ネタバレ<目次>
第1章 性=生=政の時代 日本神話のちんまん模様
第2章 「まん葉」時代のエロスは底抜け
第3章 『源氏物語』~奥ゆかしさの裏の過激なエロス
第4章 仏の道もちんまん ゆるい日本仏教のセックス観
第5章 エロスとホラーは紙一重 近世の不条理な性愛話
<内容>
日本古典文学をこよなく愛するライター。その紹介はなかなか面白い。少しエロス寄りな作品が多いけど…。今回は、「週刊漫画ゴラク」に連載されたものを中心に、加筆訂正したもの。第5章はネタ的にちょっとつらいかな?もっとエロいのがたくさんあるけど、そっちはストレートなので。『源氏物語』や中世の仏教説話は面白かった。 -
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胤よりも、腹が大事?!
平家は滅亡した。
確かに私はそう習った。
壇ノ浦で、幼い天皇を抱き、皆が入水自殺した。
はずだった。
もちろん平家の落人の村、なんて言い伝えも確かにあるが、主流ではない。
と思っていたら、なんと、今上天皇にまで系図が続いているのだそうだ。
そんなバカな?!
確かに今まで見たことのある系図は、父が誰かに重点が置かれ、母は単なる「女」とか、「〇〇の女」(菅原孝標女など)「〇〇の母」(藤原道綱母など)であった。
しかし、なぜ男系なのか?
父がいれば当然母もいるわけで、そこに焦点を当てると、常識が覆る。
物事を疑ってみる、多面的に見るとはこういうことかと目からウロコだ。
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ネタバレ<目次>
はじめに
第1章 捨て子、育児放棄満載の社会~昔もあった大阪二児餓死事件
第2章 昔もあった電車内ベビーカー的論争~「夜泣きがうるさい」と子を捨てるようなシングルマザーに迫る村人たち
第3章 虐待天国江戸時代~伝統的「貧困ビジネス」の実態
第4章 本当はもろかった昔の「家族」~虐待の連鎖も描かれていた「東海道四谷怪談」
第5章 マタハラと呼ぶにはあまりに残酷な「妊婦いじめ」
第6章 毒親だらけの近松もの
第7章 昔もあった介護地獄から舌切り雀の実態
第8章 昔もあったブラック企業~リアル奴隷の悲惨な日々
第9章 昔もいた?角田美代子~家族同士の殺戮という究極の残酷
第10章 いにしえ -
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とかく、昔はよかったと(特にお年寄りー読み手も含む笑)口にしてしまう人々に、著者は古典を解説しながら、そんなことはありませんと、解き明かす。
『古事記』から始まり、『日本霊異記』『宇治拾遺物語』、果ては『枕草子』『源氏物語』まで、日本の古典を渉猟し、原文と現代語訳を並列してくれる。
そして、育児放棄や児童人身売買、ストーカー殺人や動物虐待の話など、古典にも記されており、けっして現代だけの事件ではなく、いずれも昔からあった出来事で、昔のほうがむしろ残酷だったと、著者は明かす。
それにしても、巻末に掲げられた主要参考文献の膨大さには、圧倒されてしまう。